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更新日:2013年3月21日

衣料品

 低反発ウレタン枕[16-09]

相談内容

低反発枕を使用したところ、気分が悪くなった。原因は何か。

テスト結果

低反発ウレタン枕から揮発する化学物質についてテストしたところ、ウレタン製造時に発生し製品に残存していたと推定される化学物質が微量検出されたが、事故との因果関係について特定することはできなかった。

ウレタン製品は臭気がすることがあり、人によっては気分が悪くなることも考えられます。臭いが気になるときは、風通しの良い場所で十分干してから使用するなど注意しましょう。

 サマーセーター[16-10]

相談内容

2年ほど前にラメ糸(ポリエステルフィルムにアルミを蒸着させたもの)が織り込んであるサマーセーターを購入した。何回目かのクリーニングに出したところ、部分的に白く変色した。

テスト結果

変色は、主にサマーセーターの脇の下や腹部分に認められた。変色の原因は、ラメ糸の金属箔が脱落したことによるものであることがわかった。
ラメ糸の金属箔が脱落した理由は次のように考えられる。
ラメ糸の金属箔は、汗の成分の作用で劣化することが知られている。相談品は水洗い不可、ドライクリーニング指定と表示されていた。しかし、汗汚れは、水溶性のためドライクリーニングでは落としきれない。繰り返しの着用によって汗汚れが蓄積し、ラメ糸の金属箔が劣化して剥げやすくなっていた時に、ドライクリーニングによって劣化部分がこすれ、ラメ糸の金属箔の脱落が起きたと考えられる。

サマーセーターのような、汗を沢山かく時期に着用する衣料品の洗濯は、水洗いが望ましい。このため、メーカーは、出来る限り水洗いできる素材を用いるべきと考えます。また消費者は、水洗いが可能な衣料品を選択することを心掛けましょう。

 婦人パンツ[15-04]

相談内容

ポリウレタンコーティングの婦人パンツをクリーニングに出し、戻ってすぐに着用したところ、足がしびれ、かゆみや痛みがひどくなった。
医者に行ったが、10日経過した現在も治療中である。

テスト結果

いわゆる「化学やけど」の症例である。クリーニングで使用される石油系溶剤が、婦人パンツに残留したために皮膚障害に至ったものと考えられる。特に、合成皮革などのコーティング素材の繊維製品は、石油系溶剤が揮発しにくい。

クリーニングから戻って、溶剤の臭いを感じたら、クリーニング店に乾燥を十分に行うよう依頼しましょう。また、受け取った後、すぐに着用せず、袋から出し、裏返しにして風通しの良いところで数日間陰干ししましょう。

 タオル[15-05]

相談内容

新品のタオルで顔をふいたところ、次の日、目のまわりがかぶれた。タオルに何か化学物質が含まれていたためではないか。原因を調べてほしい。

テスト結果

テストしたところ、タオルから蛍光増白剤及び柔軟仕上げ剤が検出された。しかし、かぶれとの因果関係について不明であった。
市販されている繊維製品は、蛍光増白剤や柔軟仕上げ剤による処理が施されていることが多い。蛍光増白剤や柔軟仕上げ剤は、一般に多くの人に皮膚障害を発生させることはないが、人によってはまれにアレルギーによる影響が出ることがある。

かぶれ易い体質の人は、新品のタオルは水洗してから使用しましょう。

 木製家具(テレビ台)[15-06]

相談内容

木製のテレビ台を購入したところ、異臭がして目や頭が痛い。臭いの原因について調べて欲しい。

テスト結果

木製家具からの異臭なので、接着剤等に使用されたホルムアルデヒドが原因である可能性が考えられた。そこで、室内空気を採取するパッシブガスチューブを用い、その家具を置いてある部屋と置いていない部屋の空気を採取し、室内のホルムアルデヒド濃度を測定した。
その結果、家具を置いてある部屋のホルムアルデヒド濃度は0.12ppm(24時間平均値)で、厚生労働省が定めるホルムアルデヒドの室内濃度指針値0.08ppm(30分平均値)に比べて高かった。なお、家具を置いていない部屋の濃度は0.03ppmであった。このことから、臭いの原因はホルムアルデヒドであると確認された。
平成14年7月公布の改正建築基準法により、ホルムアルデヒドを発散する木材(建材)について建築物への使用が一部制限されるようになったが、家具に関しては法律による使用制限はない。

家具を購入する際は、JASやJISの表示(※)があるものについてはそれを目安にして、どのような材質の木材が使用されているか事前に確認しましょう。
※JAS(日本農林規格)やJIS(日本工業規格)では、合板、塗料、接着剤などに関し、ホルムアルデヒドの発散量に応じた等級を定めている。発散量の少ない順に「F☆☆☆☆(エフ・フォースター)」、「F☆☆☆」、「F☆☆」、「F☆」と、星の数で4段階の表示がされている。

 婦人ジャケット[14-04]

相談内容

昨年10月に購入した婦人ジャケットが変色した。販売店とメーカーに苦情を伝えたら、光による変色で保管の問題であり、責任はないというが納得いかない。

テスト結果

ラム(小羊)革を使用した緑色の婦人ジャケットで、前身頃や左右袖に黄色味の変色が認められる。しかし、衿・袖口の折り返しや裏面には変色が発生しておらず、典型的な光による変色と推察される。 メーカーから提供された端切れ布を用いて、JISの耐光堅ろう度試験を行ったところ、「2級」であった。一般的な基準は「4級以上」とされていることから、耐光性がやや劣るものと考えられる。したがって、必ずしも保管が原因とは断定できず、品質上の問題があると思われる。

 紳士コート[13-03]

相談内容

半年前、紳士コートを初めてのクリーニングに出し、クローゼットに保管していた。着用するため取り出したところ、コート全体に点々としたシミが発生しているのに気が付いた。黒に近い濃いグレー色のため、クリーニング店から受け取ったときは確認できなかった。原因について調べて欲しいが、破壊テストは不可とのこと。
なお、事故品はイタリア製で、イタリア語と英語の表示はあるものの、家庭用品品質表示法に基づく日本の表示がされていなかった。

テスト結果

シミは身頃、袖などの表地及び裏地、ポケットの袋布など全体に生じている。シミ部分をビデオマイクロスコープで拡大観察すると、樹脂状の物質が付着しているのが確認された。ただし、樹脂の種類を特定することはできなかった。
常温のドライクリーニング溶剤(石油系溶剤及びテトラクロロエチレン)をシミ部分に滴下したが、特に変化はなく、溶解性は認められなかった。
しかし、英語で「DO NOT TUMBLE DRY(タンブラー乾燥禁止)」となっているのにもかかわらず、クリーニング店は石油系溶剤で処理した後、タンブラー乾燥(通常は60℃程度)を行っていた。
以上のことから、紳士コートに使用されていた接着樹脂が、ドライクリーニング工程のタンブラー乾燥処理によって発現したものと推定された。ただし、販売店にも家庭用品品質表示法上の不備があったため、クリーニング店と販売店の双方が補償に応じることとなった。

 サンダル[13-04]

相談内容

サンダルをはいていたところ、ソール部が崩れるように壊れた。原因を調べて欲しい

テスト結果

このサンダルのソールは二重構造となっており、赤外分光光度計で分析したところ、外部及び内部とも、材質はポリエステル系ポリウレタンであった。なお、内部は発泡させたポリウレタンであった。
赤外分光光度計による分析及び熱分析の結果から、外部のポリウレタンで劣化の進行が認められた。なお、内部においては顕著な進行は認められなかった。
これらのことから、破損の原因として、サンダルのソールの外部の劣化が進んだところに、歩いたことで力が加わったため、外部が裂け、元々強度の高くない内部の発泡ウレタンごと破損したと推定された。なお劣化の原因としては、ポリウレタンの加水分解が考えられる。

 紳士ジャケット[13-05]

相談内容

フェイクレザーのイタリア製紳士ジャケットを、はじめてのクリーニングに出したら、衿の内側部分が硬くなり、ひび割れが生じた。原因を調べて欲しい。
クリーニング店では「プロフェッショナル・クリーン・オンリー」との英語表示を確認し、汚れのひどい衿部に石油系溶剤をスプレーし、布で拭き取って自然乾燥させたとのことである。

テスト結果

イタリア語と英語で「組成」、「プロフェッショナル・クリーン・オンリー」、「メイド・イン・イタリー」の表示がされているが、日本の表示がされていない。この点については、家庭用品品質表示法に基づく表示の不備があった。
テスト方法として、左袖口に石油系ドライクリーニング溶剤を浸漬し、過剰の溶剤を布で拭き取って自然乾燥させた。その結果、溶剤の浸漬部分に相談品と同様の効果が再現された。
組成表示を見ると、綿・アクリル・ポリウレタン及び塩化ビニルとなっている。塩化ビニルはドライクリーニング溶剤で処理されると含有する可塑剤(樹脂に柔軟性をもたせるための薬剤)が溶出し、硬化することが知られている。再現試験の結果から、このことが原因と考えられる。
クリーニング店は、「プロフェッショナル・クリーン・オンリー」の表示を見て処理したということであるが、塩化ビニルの特性については当然知っておくべきことであると思われる。

 紳士靴[13-06]

相談内容

靴ひもの代わりにマジックテープを使用する靴を履いていたところ、ズボンの裾や靴下がマジックテープに擦れて、破れたり擦り切れたりした。
メーカーは、マジックテープの面積が大きすぎたことが原因ではないかと言っている。

テスト結果

事故品の靴の形状及び破損したズボンや靴下の状態を調べた結果、相談者の足が事故品に合わなかったか、履き方が悪かったのではないかと思われる。
このために、バンド部が靴本体から飛び出た状態となり、バンド部の内側に縫いつけられているマジックテープが露出し、そこにズボンの裾等が当たって擦れ易くなり、破れたり擦り切れたものと推定された。

 ポロシャツ[13-07]

相談内容

海外で購入したブランド物の紺色のポロシャツをクリーニングに出したところ、白いシミが散在した状態で戻ってきた。クリーニング店は、ドライクリーニングを行ったとのこと。原因を知りたい。

テスト結果

白いシミの部分を拡大観察すると、白色の結晶状の物質が多量に付着しているのが確認された。また、シミ部分の蒸留水抽出液から塩素イオンが検出された。このことから、白いシミは塩化ナトリウムと思われ、汗など塩分を含むものの付着が原因と推察された。
塩化ナトリウムは水溶性であるため、ドライクリーニングで除去することはできないが、表示に従って水洗いすることで現状を回復できると考えられる。
なお、外国語表示では、ぬるま湯で手洗い、またはドライクリーニングとなっている。

 セーター[12-05]

相談内容

タートルネックセーターのタートル部分の縫い合わせに、異物が混入していたため、顔の右側のもみあげ部に5~6センチの切り傷が出来た。異物が何なのか調べて欲しい。

テスト結果

混入していた異物を調べた結果、折れたミシン針の先の部分であった。ビデオマイクロスコープで、この針とセーターのメーカーから提供されたミシン針とを比較したところ、折れたミシン針は先端が摩耗して丸みを帯びており糸穴は広がっていた。また、剥離したような折れ方をしていた。
蛍光X線分析装置で、両者の材質を比較したところ、主成分がほぼ同じであったことから折れた針はセーターの製造に用いられている針と同一品と推定された。
破断面を電子顕微鏡で調べたところ、針の先端に力が加わったために折れた形状を呈していた。
これらのことから、製造ライン上で通常使用されていた針が、先端に何かがぶつかって折れ、検品の不備により、セーターに混入したまま流通してしまったものと推定された。

 ポリウレタン製衣料品[12-06]

相談内容

4年前に購入したウレタンコーティングされた合成皮革のジャケットをクリーニングにだしたところ、衿などがはげた。

テスト結果

合成皮革の衿などがはげたのは、コーティングされたウレタンが経時劣化したことが原因と思われる。
ポリウレタン製品は、着用や保管中の湿気、温度などによって劣化が起こりやすく、寿命は5年前後ともいわれている。購入後期間が経たものをドライクリーニングすると、劣化が促進され、部分的に脱落が目立つことがある。
メーカーはポリウレタン製品についての情報提供、製品を預かるクリーニング業者は、ポリウレタン製品の特性について事前に消費者に伝えることが望ましい。

お問い合わせ先

東京都消費生活総合センター相談課技術支援担当

電話番号:03-3235-1662