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東京都消費生活総合センターでは、消費者被害防止事業として出前寄席を、大学の落語研究会や社会人の消費者啓発ボランティアグループと連携して実施しています。落語、漫才及びコントで、楽しく分かりやすく、悪質商法の手口やその対処法など、消費者被害の未然防止に役立つ情報をお伝えしています。
この5月に、都立豊島高等学校からの依頼により、消費者教育の一環として、セーフティ教室で出前寄席を実施しました。その内容について紹介します。
都立豊島高等学校からは、今年4月に依頼を受け、電話・メール等により、時間、演目、実施形態等の詳細について打合せを行いました。
これまで、新型コロナウイルス感染症により、全校生徒が集まる行事が実施できませんでしたが、今回は、3年ぶりに全学年が一堂に会しての開催でした。総勢900名の生徒に興味をもってもらえるよう、消費者問題をテーマとした漫才1演目と落語1演目で、若者に多い消費者トラブルの事例とその防止策について、分かりやすく伝えました。
当日は、各教室でホームルーム、避難訓練の後に、全生徒が体育館に集合して、出前寄席を実施。事前に、学校側で、高座の設営や音響などの準備を行っていただくなどのきめ細かな対応をしていただき、出演者もスムーズに演じることができました。
また、当センターの啓発グッズを、全生徒に配っていただきました。
Aさんは、SNSを通じて知り合った友人から「安い旅行サービスがある」と声をかけられる。営業所に行くと、なんだか怪しい社長が出てきて言葉巧みに誘導され、断り切れずに契約してしまう…。
「お試し期間! 1カ月 5千円でパソコンとウェブカメラ貸し出しで、使い放題。使い方の説明は何度でも対応します」と言って契約させて、1カ月後解約しようとしたら、「最低1年使う条件のサービス。2カ月目からは月3万円、途中解約は違約金50万円かかります」と…。
関係者の皆様からいただいた声を掲載します。
開始まもなくは、生徒のリアクションがあまりないと感じましたが、漫才師や落語家にうまく盛り上げていただき、さすがプロの方々だと感じました。なにより、生徒が喜んでいたことが一番良かったです。
また、高校生が落語に触れる機会があまりないので、芸術鑑賞教室のように、所作も教えていただきました。
当日にむけて、東京都消費生活総合センターの方や、出演者との打合せも、とてもスムーズにできました。また、センターからはたくさんのグッズをいただきありがとうございました。
学校の担当教諭との打合せでは、この日のために、丁寧な対応をしていただきました。
全校生徒900名に、消費者トラブルをどのようにしたら分かりやすく伝えられるか、演技を大きく見せる、言葉をはっきり伝える、当事者意識をもち聞いていただけるように、会場とのキャッチボールをし、一体感を作ることなどを心掛けました。
生徒さんは、頷いたり、にこにこしながら、最後まで真剣に聞いていることが良く分かりました。
東京都消費生活総合センターでは、学校向け「出前寄席」・「出前講座」を通じて、消費者被害の防止を図っています。詳しくはこちら↓
落語・漫才・コントで、悪質商法の手口や対処方法などを分かりやすくお伝えします。
若者を狙った悪質商法の被害を防ぐために、学校に講師を派遣します。