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令和4年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられ、親の同意がなくても自分の意思だけで賃貸住宅を契約することができるようになりました。
都内の消費生活センターに寄せられる相談のうち、賃貸アパートなどに関する消費者トラブルは非常に多く、進学や就職で親元を離れて単身で新たな生活を始める際には注意が必要です。
最近はインターネット等で簡単に物件を検索できるサイトが多数ありますが、近隣に鉄道や幹線道路があるため騒音がある、街灯が少ないため夜道が危険などと、実際に現地に行かないと把握できないことがあります。契約前に現地の近隣環境を確認することが大切です。時間帯や曜日を変えるなどして何度か下見をした方が良いでしょう。
最近は現地に行かなくても物件の見学ができるオンライン内見があり、とても便利ですが、日当たりだけでなく、実際の間取りや広さが説明・広告と違う、大型家電が入らないなど、部屋を見なければ分からないことがあります。入居後にトラブルにならないためにも、契約前に必ず部屋の状況を確認することが重要です。
賃貸住宅を契約する際、家賃以外にも敷金や家賃保証料、火災保険料、仲介手数料などの経費を請求されることがあります。さらに、不動産業者から申込金や予約金などの名目で、金銭の支払いを求められることもあります。契約を結ぶ前にどのような経費がどれくらいかかるのか、不動産業者が必ず行う重要事項説明を納得するまで聞き、自分の条件と合っているか、しっかり確認することが必要です。最近はビデオ通話アプリによるオンラインの重要事項説明も行われていますが、同様にしっかりと確認しましょう。
重要事項説明が終わると不動産業者から契約書類を渡されますが、契約後に不利な条件を見つけても変更は困難です。
特に、退去時の原状回復に関するトラブルは非常に多いので注意が必要です。借りた側に原状回復義務がありますが、退去時の取り決めなどは、入居時の契約書や重要事項説明書に記載されていることが多いので、事前に確認しておくことが大切です。中には「ハウスクリーニング費用は全額借主負担」といった特約が定められている場合があるので、必ず確認しましょう。
賃貸住宅に関する契約書やガイドラインについては、国土交通省等のサイトに掲載されていますので、契約前に一度確認しておきましょう。
なお、令和4年5月に宅地建物取引業法が改正され、重要事項説明書と賃貸借契約書について書面の電子化が可能になりました。電子化された契約関係書面がメール等で送られてきた場合は、必ずデータを保存しておきましょう。
分からないことがあったら、一人で悩まず、保護者や学校の相談室、最寄りの消費生活センターに相談しましょう。