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更新日:2021年4月16日

 地球にやさしいファッション

 

ファッションの地球環境への影響と、私たちができる取組について、3回にわたってご紹介します。

執筆: 公益財団法人消費者教育支援センター 専務理事 柿野 成美

私たちが毎日身に付けている服。自分に似合う服を見つけるとワクワクしますよね。実はこのファッションが地球環境に大きな影響を与えていることをご存じですか。身近にある問題をまずは知ることから始めてみましょう。

地球

地球に負荷をかけるファッションの現状

皆さんは、どのような産業で、地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量が多いと思いますか?
エネルギー、輸送、食品産業…と数ある産業の中で、実は、ファッション業界の二酸化炭素排出量は国際航空業界と海運業界を足したものよりも多いのです。また、ファッション業界は服の製造で大量の水を使います。ジーンズ1本を作るために、人間が7年間かけて飲む水の量に相当する約7,500リットルの水が必要とされると言われています。(国連広報センターホームページより)
私たち消費者は流行にあわせて次々と服を買い換える傾向にありますが、私たちのおしゃれを楽しみたいという気持ちからの行動が、実は地球に大きな負荷をかけている可能性があるのです。

汚れた地球

食品だけでなく、衣類も…廃棄される衣類の問題

数年前、海外の有名な高級ブランドで、売れ残った服を大量に廃棄することが問題となりました。大量のエネルギーや水、農薬などの化学物質を使用し、環境に大きく負荷をかけて製造したにもかかわらず、商品が売れ残ると新品の服のブランド価値を下げないようにするために廃棄処分していたのです。
この状況は問題が発覚した大手ブランドに限らず、現在のファッションの商慣習において、珍しいことではありませんでした。私たち消費者には、あまり知られていなかったことですが、ファッションを楽しむ裏側で、まだ着られる服が捨てられているのです。

「サステナブル」「エシカル」でいこう!

このような社会問題に対し、企業も環境負荷の少ない持続可能な社会の実現に向けて、様々な取組を始めています。2019年には、フランスで開催されたG7サミットで、欧米を中心とするファッション・テキスタイル産業が気候変動、生物多様性、海洋保護の分野で共通の目標に向かって取り組むことを宣言しています。日本企業の参加はまだ少ない状況ですが、地球規模の課題に向けて、世界が一丸となって取り組む必要があるのです。
では、私たち消費者はどうすれば良いのでしょうか。キーワードは、「サステナブル」そして「エシカル」です。生産から廃棄の段階まで、人や社会、環境に最大限配慮して行動することが重要です。その第一歩が、まず問題を知ること。是非、このコラムをきっかけに、皆さん自身でどのような問題があるか調べてみてください。

次回は、服を選ぶとき、どんなことに気を付けたらよいのかお話しします。

 

執筆: 公益財団法人消費者教育支援センター 専務理事 柿野 成美

服を買うとき、限られた予算を考えると、「安さ」は大きな魅力ですよね。でも、ひょっとして、安さの裏側に何か問題が潜んでいるとしたら…。地球や社会に負荷をかけることなく、おしゃれを楽しむ方法はあるのでしょうか?

「安さ」の裏側には…

皆さんは、今着ている服が、どこで、誰に、どのような環境で作られたか、考えたことはありますか?

私たちが店頭で手にとる衣類は、中国や東アジアなど海外からの輸入品がほとんどです。以前は国内でも衣類が作られていましたが、コスト削減のために、人件費が安い国に縫製工場が移りました。2013年4月、バングラデシュの首都ダッカにおいて、いわゆるファストファッションと呼ばれるブランドの縫製を請け負う工場の建物が崩壊し、避難勧告が出ていたにもかかわらずそこで労働を強いられていた1100人以上が亡くなるという悲惨な事故が起きました。誰かの犠牲によって作られた服を買いたい、という人は誰もいないのではないでしょうか。しかし、ひょっとしたら、あなたの買った服がそのような環境で作られた服かもしれません。

環境や社会のことを考えたお金の投票

私たちの消費行動はお金による投票です。私たちが何を買ったかという決定の積み重ねが、環境や社会に大きな影響を与えています。
私たちが、誰かの犠牲によって作られたものではなく、誰かのためになる買い物をしたいと思ったとき、まず、どのように生産されているかという情報を知り、選んでいくことが重要になるでしょう。
衣類の場合は、例えば「フェアトレード」のように、発展途上国の生活向上を支える仕組みで作られたファッションブランドの衣類を選択することも一つでしょう。また、地球温暖化の防止や海洋環境の保護など、環境問題に対して積極的に取り組んでいるファッションブランドであるかという点も重要です。どのように作られているか分からない場合には、積極的に企業に聞いてみましょう。

投票

本当に必要?買う前によく考える:3Rの視点から

もう一つ大切なことは、どのような服を買うか、という選択の前に、この服は本当に必要なのかをよく検討することです。
3R(リデュース、リユース、リサイクル)という言葉を聞いたことがあると思いますが、その中でも、そもそもゴミになる服の量を減らす「リデュース」が、地球環境にとっての負荷が最も少ない方法です。服を選択する基準に「本当に必要なのか」「長く大切に着られるかどうか」という視点を加えてみてください。例えば、当初は少し高いと思っても、気に入った服を長く大切に着ることによって、本当に大切なものが何かに気付くはずです。
リサイクル

 

次回は、着なくなった服どう向き合っていくのかについて、お話しします。

 

 

 

執筆: 公益財団法人消費者教育支援センター 専務理事 柿野 成美

服を収納するクローゼットの中に、着なくなった服はありませんか?新型コロナウィルス感染拡大防止による緊急事態宣言で在宅時間が増え、断捨離が進んだ人もいるかもしれません。着なくなった服とどのように向き合っていくかも、サステナブル(持続可能)な社会を考える上で大切なポイントです。

服の整理

 

着なくなった服の行方は

環境省の平成28年の調査によれば、使わなくなった服の55%はクローゼットの中(退蔵※不用になっても捨てずにとっておいていること)、リユース(再利用)は31%、廃棄13%という結果でした。クローゼットの中に眠っている服をゴミにするのではなく、有効活用を図ることも大切です。なお、最近では、個人間売買アプリの利用も広がっていますが、個人間の売買はトラブルになった時に解決が難しいことがあるので、慎重に取引を行いましょう。

また、企業もサステナブルの視点から、使わなくなった衣類を店頭で回収し、まだ着られる服は再販売したり、難民キャンプや被災地など服を必要としている人のもとに届けてリユースしたり、着られない服は古布を別の製品として再加工する取組が少しずつ広がっています。さらには、リサイクル技術が進歩し、「服から服へリサイクル(古着を新しい服の原料としてリサイクル)」する取組も始まっています。服の回収に当たっては、最終的には人の手によって選別されているので、基本的な選別のルールに従い、洗濯をしたものを出すなど心がけましょう。

 

リペア・アップサイクルのすすめ

愛着のある衣類を長く大切に着るためには、穴が開いたり、ほつれたりした部分を補修(リペア)することも大切です。以前、ボタンが取れたから服を処分したという人の話を聞いたことがありますが、服そのものはまだ着られるとしたら「もったいない」ですよね。補修に出したり、私たち自身が基本的な裁縫のスキルを身に付けたりして、ちょっとした補修であればできるようにすることも責任ある消費者の行動と言えるでしょう。
また、着なくなった衣類等をゴミにするのではなく、リメイクすることや、新しいアイディアで別の価値ある商品にするアップサイクルという考え方も広がっています。どのような商品があるか探してみるのも面白いですね。

裁縫箱

 

ファッションから変えていこう

私たちの暮らす地球は、このままの生活を続けていると温暖化が進み、住み続けられなくなる「気候危機」の状況にあります。日本でも2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの方向性が示されています。この大きな課題を解決するために、政府や大企業が対策を行うだけでなく、私たち一人ひとりが大量生産・大量消費のライフタイルを見直し、人や社会、環境に配慮したサステナブルでエシカルな消費行動を行っていくことが特に重要になっています。
私たちには、大きな力があります。まずは身近なファッションから、地球の未来のためにできることを重ねていきましょう。

 

 

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お問い合わせ先

東京都消費生活総合センター活動推進課学習推進担当

電話番号:03-3235-1157