更新日:2017年12月21日
平成29年12月21日
エキストラのバイト募集、オーディションを口実に消費者を呼び寄せ、レッスンを受ければエキストラのアルバイト等の収入が得られるといって自らの運営する音楽及び芸能タレントスクールのレッスン受講契約を勧誘する「業務提供誘引販売取引」(※)を行う事業者に対し、特定商取引に関する法律に基づき、9か月の業務の一部停止を命じました。
(※)「業務提供誘引販売取引」とは「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で消費者を誘引し、仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を負わせる取引のことをいいます。
事業者名 | 株式会社アイピーシー(以下「当該事業者」という。) |
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代表者名 | 代表取締役 小菅 千惠子 |
本店所在地 | 東京都杉並区高井戸東三丁目10番9号 |
事務所 |
吉祥寺:東京都武蔵野市吉祥寺南町2-3-15 渋 谷:東京都渋谷区道玄坂2-16-7 西新宿:東京都渋谷区本町3-22-1 |
設立 | 昭和59年5月31日 |
資本金 | 1,000万円 |
業務内容 | 音楽及び芸能タレントスクールの経営 |
売上高 |
約6,400万円 (平成27年5月~平成28年4月)(※) |
従業員数 | 10名(契約社員等含む。) |
(※)売上高は音楽及び芸能タレントスクールに関わるものである。(当該事業者報告))
平成29年12月22日(命令の日の翌日)から平成30年9月21日までの間(9か月)、特定商取引に関する法律第51条第1項に規定する業務提供誘引販売取引に係る次の行為を停止すること。
(1)契約の締結について勧誘すること。
(2)契約の申込みを受けること。
(3)契約を締結すること。
不適正な取引行為 |
特定商取引に関する法律の条項 |
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アルバイト情報サイト等を通じてエキストラのバイトに応募してきた消費者に対し、レッスン契約の締結について勧誘する目的であるにも関わらず、そのことを告げないまま、電話又はメールにより事務所への来訪を要請し、ショートムービーオーディションを受験するようすすめ、オーディション後、事務所においてオーディションの合否発表等と称して、レッスン契約の勧誘を行うなど、レッスン契約の勧誘に先立って特定負担を伴う取引についての契約を勧誘する目的である旨及び当該勧誘に係る役務の種類を明らかにしていなかった。 |
第51条の2 勧誘目的等不明示 |
当該事業者はレッスン契約の締結について勧誘をするに際し、確実に収入が得られる保証がないにもかかわらず、「半年くらいでレッスン代の元がとれるくらい、仕事を紹介する。」、「レッスンを受ければ、動きのあるような仕事でも大丈夫になるので、ただその場にいるだけでいいような通常のエキストラよりも、より高額な仕事を紹介できる。」、「レッスン受けている人には優先的に仕事を回します。」などと、業務提供利益に関する事項について不実のことを告げていた。 |
第52条第1項第4号 不実告知 |
当該事業者はレッスン契約について勧誘するためのものであることを告げずに、電話又はメールにより誘引した消費者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所である事務所において、レッスン契約の締結について勧誘を行っていた。 |
第52条第3項 公衆の出入りする場所以外の場所での勧誘 |
当該事業者はレッスン契約を締結するまでに、レッスン契約の概要について記載した書面(業務提供誘引販売取引の概要書面)を消費者に交付していなかった。 また、レッスン契約を締結したときに当該事業者が消費者に対して交付していた書面(契約書面)には、役務の種類及び内容に関する事項、提供される役務を利用する業務の提供またはあっせんについての条件に関する事項、契約の解除に関する事項及び割賦販売法に基づく抗弁権の接続に関する事項が記載されていなかった。 |
第55条第1項 概要書面不交付
同条第2項 契約書面不備 |
業務停止命令に違反した場合は、行為者に対して特定商取引に関する法律第70条の2の規定に基づき2年以下の懲役又は300万円以下の罰金又はこれを併科する手続きを、法人に対しては同法第74条の規定に基づき3億円以下の罰金を科する手続きを行う。
3の「業務の一部停止命令の内容」に記載する「特定商取引に関する法律」は、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)(改正後の特定商取引に関する法律)であり、その他に記載する「特定商取引に関する法律」は、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律(平成28年法律第60号)による改正前の特定商取引に関する法律である。
(相談件数5年度分)
契約者平均年齢 | 平均契約額 |
---|---|
約29歳(18歳~59歳) | 約38万円(最高70万円) |
相談件数 | |||||
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25年度 | 26年度 | 27年度 | 28年度 | 29年度 | 合計 |
2件 |
11件 |
9件 |
21件 |
21件 |
64件 |
アルバイトをするだけ、オーディションを受けるだけのつもりで事務所に出向いたのに、結果的に高額なレッスン契約をしてしまったという相談が多く寄せられています。本来の目的と違う内容の契約を勧められた時は、その場の雰囲気で契約を結ばず、家族や友人にも相談しましょう。不要ならばきっぱりと断りましょう!
タレントになれると言われてレッスンをしたのに、「期待したような仕事が紹介されない。」といった相談も多くみられます。甘い期待や軽い気持ちで契約することは避けましょう。
(注)平成29年度の件数は平成29年12月20日現在の速報値である。
東京都消費生活総合センター
03-3235-1155(相談専用電話)
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お問い合わせ先
東京都生活文化スポーツ局消費生活部取引指導課取引指導担当
電話番号:03-5388-3073