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更新日:2022年7月26日

≪参考資料≫ 相談事例(大成建築株式会社)

【事例1】

 令和3年秋、甲は、突然Aの訪問を受けた。Aは、会社名や名前を名乗らず、いきなり、「屋根がはがれているのが見えたから直した方がいいですよ。」と言った。甲がAに名前を尋ねても、Aは名前を言わず、「屋根が危ないから。」と言うだけだった。さらに、Aは「台風が来たら屋根が飛んじゃうから大変なことになり、隣近所に迷惑が掛かるから。」と言った。甲が屋根を見てほしいと言わないうちに、Aは「後で監督を連れてくる。」と言って立ち去った。Aは名刺を渡さず、工事をする場合は有料だという話もしなかった。
   2時間後、AがBを連れて再訪した。Bも会社名や名前を名乗らず、「上に上がって見てきます。釘を打った方がいいですよ。叩いて修理してきます。」と言った。屋根を直す場合は有料になるとは言わなかった。
   Bは裏に回り、屋根からトントン叩く音が聞こえてきたが、15分もしないうちに玄関に戻ってきた。Bは甲にスマートフォンで撮った写真を見せて、「中がグチャグチャになっているから。」と言った。写真は一コマだけで、一部分しか写っていなかったので、甲の家の屋根なのか分からなかったが、写真を撮ってきたBから言われるとそうかなと思った。
   Bは「このままだと危ないから。塗装工事をやらないとダメだよ。」と言った。さらに、「屋根の棟もダメになっているので芯を取り替える。棟の部分の芯を取り替えなければいけない。」と言った。Bは「普通なら○○○万円掛かるんだけどあれだけだったら○○○万円。」と言った。そして、Bは「今日中に見積りの返事をくれないと困る。今日中に返事を下さい。見積りを持ってきますから、お願いします。」と言って帰って行った。
   30分後、Bが見積書を持ってきた。Bからは、見積書に書かれた工事名称や工事内容についての説明は全くなく、「こうなりました。」と言われただけだった。甲は、Bに、書類に住所と郵便番号、名前、電話番号を書いてくれと言われ、書き入れた。さらに、Bの求めに応じて、名前の横に押印した。Bが「割印が必要なので。」と言うので、甲がBに印鑑を渡すと、Bが何か所かに押した。
   甲は、この時まで見積書の続きの書類だと思っていたが、よく見ると、住宅リフォーム工事請書となっており、契約書だということが分かった。甲は、見積書を依頼しただけで、工事を依頼した覚えはなかった。甲は、頼みもしないのに話を進められてしまったが、契約してしまったので、話を進めるより仕方ないと思った。甲は、Aから「台風が来たら屋根が飛んでしまう。」と言われ、Bからも「このままだと危ない。」と言われ、屋根が飛んだら大変だと思って工事をやってもらうしかないと思って契約した。もし、屋根が何でもないのなら工事の契約はしなかった。

【事例2】

 令和3年秋、チャイムが鳴ったので乙がドアを開けると、Cが立っていた。Cは、会社名や名前を名乗らず、「近くで工事するから挨拶に来ました。」と言って、「○○様邸 屋根工事のお知らせ」のチラシを乙に手渡した。Cが帰った後、乙がチラシを見ると、会社名が分かった。
   1週間後、Cが再訪し、会社名や名前も名乗らず、いきなり「近所で工事をしていると、お宅の屋根の板金が波打っているのが見えた。このままだと台風などの強風で外れる可能性があり危険だ。」と言った。
   乙の家は屋根を含めた全面リフォーム工事を行っており、今まで住んでいて屋根には全く問題はなかった。乙はCに「屋根のどこがどのように波打っているのか。そんなに危ない状態なのか。」と尋ねた。Cは「屋根の真ん中の板金が波打っていて、台風や風が強くなったりすると、いつ板金がはがれても不思議はない。風が吹いたときに屋根飛ばされちゃいますよ。近所の家に当たったら大変な被害が出ますよ。道路を歩いている人にも大変なことになりますよ。」と言った。
   さらに、Cは、すぐ直した方がいい、すぐにでも工事をやらないと危ないという言い方で、「板金と中の板を取り替える工事をした方がいいとうちの主任が言っている。」と言った。乙がCに「どこから見たの。」と聞いても答えなかった。乙は、自分の家の周りは家が密集していて、離れたところから見ても乙の家の屋根は見えないことは分かっていた。工事をしていた○○さんの家からはかなりの距離があるので、屋根の板金が波打っているのが見えることは絶対ないと思った。
   乙は、この業者に屋根を見てもらうつもりはなかったので、「他の工務店に頼むから結構です。」と言った。さらに、「うちはいいから。やらないよ。」と言って完全に工事を断った。Cは、名刺をくれず、会社名や名前も言わないまま帰って行った。
   翌日、乙はスマートフォンで乙の家の屋根の写真を撮ったが、屋根に特に問題があるようには思えなかった。
   2日後、再度Cが来訪し「いつやりますか。」と言ったので契約を断ると、Cは諦めて帰っていった。
   さらに2日ほど経った頃、Cが再訪し、「やらなければだめですよ。いかがいたしますか。」と言ったので、契約を断った。

【事例3】

 令和3年秋、丙が玄関の外に出ると、Dが立っていた。丙が「何だい。」と言うと、Dは会社名や名前を名乗らず、「近くの裏で工事をやっていて、上から見たら瓦がずれているのが見えたので、親方に言って来いと言われ、来ました。」と言った。その際、Dは屋根工事の勧誘の目的で来たとは言わなかった。
   丙は、屋根瓦がずれていると言われびっくりした。Dは屋根のどの部分がずれているのかは言わなかったが、丙は業者が言うのなら信用するしかなかった。しかし、裏で工事をしている家は一軒もなかったし、丙の家の屋根はどこから見ても全く見えない状態だったので、Dに工事をしている家を聞いたが、Dは答えられなかった。
   丙は、Dに「屋根を見てくれ。」と言った。Dは、もし直す時にはお金が掛かりますとは言わなかった。Dは、「親方に聞いてきます。」と言って立ち去った。
   しばらくして、Dが戻ってきて、「親方が来て見てあげると言っている。」と言ったので、丙が応じると、Dは立ち去ったが、名刺もくれず、会社名も名前も言わなかったのでどこの誰かも分からなかった。
   丙が外で待っていると、D、E、Fの3人が車でやって来た。Dが親方と呼ぶEが名刺をくれたが、ただ渡しただけで、会社名や名前は言わなかったし、D、Fも会社名や名前を言わなかった。Dら3人が屋根に上がったが、修理する音は聞こえてこなかった。屋根から下りてくると、Eがスマートフォンで撮ったという屋根の写真を見せた。丸瓦や銅線、のし瓦がひどい状態の写真で、丙は写真を2枚見ただけで、これは直さないといけないと思った。Eは、「瓦がずれている。このままにしておいたら屋根が大変なことになりますよ。直ぐ工事をした方がいい。」と言った。さらに、「銅線がみんな切れていてダメになっている。このままにしておくと瓦が全部ずれちゃって、周りに落っこちたりする。そこに人がいたら大変なことになりますよ。このままにしておいたら大変な被害になりますよ。早く直した方がいいですよ。」と言った。丙は、大変なことになると言われ、早く直した方がいいという気持ちになり、見積りをお願いした。
   数日後、Eが見積書を持ってきた。見積書には、工事金額○○○万円と書かれていた。Eから、棟の交換工事になると言われた。見積書の細かい説明はなく、既に書き込みがされた別の書類を出してきた。丙は、それが契約書であることが分かった。丙は、既に作ってあった契約書に納得できなかったが、Eから「仕事をやらせてくれ。やらせてくれ。」とうるさく言われ、仕方なく名前等を書き入れ、押印し、割印も押した。丙は、Eからステープラでとじた書類を渡された。工事金額の支払方法は振込みと書かれていたが、Eからお金の支払方法については何も言われなかった。Eは、書類を渡すと帰って行った。
   数日後、丙は知り合いの工務店に屋根を見てもらった。その工務店は、瓦がずれているところはあるが、この工事をする必要はないと言った。

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