ページの先頭です

ページ内を移動するためのリンク
本文(c)へ
グローバルナビゲーション(g)へ
ローカルナビ(l)へ
サイトのご利用案内(i)へ

更新日:2020年5月21日

≪参考資料≫ 相談事例(株式会社Axis)

【事例1】

 令和元年6月、甲は友人A(勧誘者)からSNSで、「投資の勉強を一緒にしないか。すごい人から話が聞ける。その人は我々と同年代で、大学に通いながら年収1千万円もある人だ。」と誘われた。甲は投資の経験も興味もなかったが、Aから熱心に勧められ、話くらいは聞いてみようと思った。
1週間後、甲は喫茶店で、AとB(勧誘者)に会った。Bは、当該事業者の販売するシステムを利用して、日経225先物取引をしているとのことだった。Bは「投資をする95%の人は勘などに頼って取引をして負けてしまう。」、「残りの5%の人は、プロが決めた一定のルールに従って取引をすることで儲けることができている。」「投資で稼げば、一般のサラリーマンが仕事をしている時間で好きなことができるよ。」などと話し、副業で投資しないかと言った。甲はBの言葉に魅力を感じ、事業者の販売するシステムの実績を見せてもらう約束をした。
   同年7月、甲はAと喫茶店へ行き、当該事業者の担当者Cと会った。Cは当該事業者のシステムの実績を甲に見せた。毎年5、6割の収益があるようだった。甲は投資の話を聞きに来ただけで、システムの購入を勧められるとは思っていなかったが、Cは甲に、このシステムを50万1千円で買わないかと言った。さらにCは、「自分たちが儲けているだけでは不平等なので、紹介してくれた人に5万円払っている。」とも言った。問題になっているマルチやねずみ講とは違うと言った。
   Cは概要書面をかいつまんで読み上げ、甲にサインさせた。甲は「お金がないので、契約するかどうか決めるのはちょっと待ってほしい。」と言った。するとCは「ゆっくり決めていいよ。」「でも、始めるなら、早い方がいいよ。」と言った。Cと別れるとAが「Bから連絡があったから会いに行こう。」と言ったので、甲はAと共にBに再び会った。Bは「今、こんな良い話がきているのに断るなんてもったいない。」、「購入代金は借りればいい。だいたいの人は借りている。」、「一番早い人で1年で返した。」と言った。甲は不安だったが、購入を断ったら、Aに嫌われてしまうかもしれないと思った。また、貯金も少しはあり、アルバイト代とこの投資で稼いだお金で、お金を借りても返していけるかなと思った。そこで、甲が購入の意思を伝えたところ、翌日に契約することになり、お金の借り方は、その時に教えてもらうことになった。
   翌日、甲はAと共にD(勧誘者)と都内で待ち合わせをした。Dは甲に消費者金融の無人機でお金を借りるように言い、申請内容として、「使途は結婚費用にする」、「正社員で年収190万円にする」などと指示した。甲は消費者金融でお金を借りたことはなかったので、なぜ嘘をつく必要があるのかわからなかったが、指示された通りに申し込んだ。
   その後で甲はAと喫茶店で当該事業者の担当者Eと会った。Eから書類を数種類渡され、申込書に署名押印するように言われたが、中身はほとんど見なかった。続いて申込確認書をEが読み上げるので、チェックを入れるように言われた。Eは非常に早口で、甲は意味を考えることはできず、Eから「1つでも「No」があると売れない。」と言われ、またAがずっと横にいて断れないと思った。
   続いて契約書を渡され、名前を書いて印鑑を押すよう言われた。クーリングオフに関する説明のみを受けた。後日、無理な借入をしないことや証券会社の口座開設が必要なことが書いてあったと分かった。契約確認書を渡され、申込確認書の際と同様にEがとても早口で読み上げ、甲は考える時間ももらえずにチェックした。甲はEとAに挟まれて座っており、とても断れる雰囲気ではなかった。契約書等を書き代金を支払うと、システムが入っているというUSBメモリーを手渡された。
   甲は契約後、詐欺ではないかと不安になり当該事業者に相談すると「詐欺のように言う人は、途中で止めた人達だ。」、「実際はちゃんと稼げている。」などと言われた。また、甲が投資に回すお金がないことを言うと「人を紹介してお金を増やせばいいよ。」と言われた。

【事例2】

 令和元年8月、乙は知人F(勧誘者)から連絡を受け、食事に行った。Fは、投資をしているがどう思うかと聞いてきた。乙は、自分のやりたいことならいいんじゃないかと答えた。
   同年8月中旬、Fから再び食事の誘いがあり、「食事の前に1時間だけ投資の話を聞こう。1時間無料で投資の話をしてくれるから、インターン気分で来てみないか。」などと言われた。乙は一旦断ったが、将来の金銭的不安などを考え、話を聞いてみようと思い、会うことを承諾した。
   約束の日に行くとGがいた。Gは「投資は95%の人が負けていて、5%の人のみが勝っている。」、「ちゃんと勉強をしないと投資で負けてしまう。」、「システムを利用した方が勝率が高い。」と言った。また、Gは当該事業者のUSBメモリーを使用して日経225先物取引やFXなどの投資をしているなどと言った。乙は投資の経験はなく、初めて知るものだった。
   Gは乙に、当該事業者のシステムが入ったUSBメモリーを買わないかと勧めた。Gは、「お金のかかる話だけど、すぐ取り戻せるから買って損はない。」と言ったが、乙は向いていないから投資はやらないと答えた。しかしGは「クーリングオフ期間がある。その間で考えればいいよ、やらないでやめるより、やってみてお金を返してもらえばいい」と言った。乙は買うことは承諾せず別れた。
   後日、Fからまた会おうと連絡があった。FはGの話を聞きに行こうと誘い、二人でGがいる店へ行った。そこでGから投資をやるか考えたかと聞かれた。乙がやらないと答えるとGは、「なぜ?なにもマイナス要素無いのに。」と言った。乙がお金がかかるし、いくらかも分からないと答えると、Gは「確かに聞いたらびっくりするかもしれない。50万円位かかる。」と言った。乙が50万円もないと言うと、Gは、「学生で50万円も持っている人は少ない。みんな借りてやっている。自分も借りて始めた。」、「社員は借りてやりな、とは言えないけど俺らは借りる手伝いができる。」、「自分は投資で3か月で全額返せた。」などと言った。他に、「紹介料があるから、乙が契約すればGにお金が入る。」、「乙も、他の人を誘ったらお金が入る。」とも言っていた。
   乙は、3か月で返済できたのはすごいと思ったが、危ないことはしたくないので断ろうと、理由を色々言ったがその度に言い返された。いつまでも帰れず面倒になったので、やる旨を答えたところ、契約日を決められ、現金一括で支払えるようお金を借りに行くことになった。
   同年8月下旬、乙はFと一緒に、借入方法を教えてくれるというHと待ち合わせた。Hは、お金を借りる際の申請内容として、「職業はフリーターかアルバイトにする」、「週5、6日働いていることにする」、「年収150万円」、「使途は、フランスに1、2週間滞在すること」などと細かく指示をした。乙は収入や使途等嘘をついたことになったが、言われたとおりに申請した。
   数日後、乙はFと一緒に喫茶店へ行き、当該事業者の担当者Iと会った。Iは会社概要やUSBメモリーの中身、値段について説明をし、乙に申込書を渡した。乙が申込書にサインをすると、次に申込確認書を渡された。様々なチェック項目があったが、Iが「1個でも「No」があったら契約は結べない。」と言ったので乙はチェックを入れた。次に契約書にサインをし、契約確認書を渡され、申込確認書の際と同様に、Iが説明し、乙はチェックを入れた。チェック項目の中には、消費者金融から借りさせるなど無理な借入れをしていない、という内容もあったが、乙は、Gが「みんな借りている。」と言っていたので、この項目は「Yes」にチェックをつけて大丈夫なのだろうと思った。また、投資をするには証券会社に口座を作る必要があることについての記載もあったが、このことは契約後に知った。書面を全て書き、代金を支払い、USBメモリーを受け取った。
   契約後、当該事業者が開催するミーティングが始まった。乙は部活やバイトで忙しく、その上借金を抱え投資まですることになり、困ってしまったため、親に相談をし、当該事業者と解約をするために消費生活センターに相談した。

【事例3】

 令和元年6月、丙は友人J(勧誘者)から電話を受け、100万円あったら何をしたいか、半年後に100万円とれる話があると言われた。丙が方法を聞くと、Jは投資だと答え、投資に詳しい人がいるから聞きにいかないかと誘った。丙は話を聞くくらいならと思い、行くことにした。
   丙はJと一緒に飲食店でKに会った。Kに、老後のお金の不安はないかなどと聞かれたので、丙は不安だと答えた。Kは「投資を始めればお金を稼げるようになるよ。」と言った。Kは日経225先物取引をしていて、ハイリスクハイリターンだが手取りが大きいとのことだった。Kは「システムがあるから、この通りやれば高確率で勝てる。」と言った。丙は投資の経験がないのでよくわからなかったが、システムを使えば自分も勝てるのかな、と思った。Kにもっと詳しい話をするから次はいつ会えるかと聞かれ。丙は会う約束をした。
   その数日後、Jと一緒に喫茶店で当該事業者の担当者Lに会った。Lから4種類あるシステムの過去5年分の実績を示す表を見せられたが、よくわからなかった。丙はこの時初めて、システムは当該事業者の商品だとわかった。
   Lはこのシステムが入ったUSBメモリーを販売しており、紹介者には紹介料5万円が入ると言った。Lは、買うかどうかは自由と言ったが、商品概要の書面と連鎖販売取引の概要書面を出し、それを読みあげた。とても早口なので、丙は理解できなかったが、途中で口を挟める感じではなかった。最後に質問があるか聞かれ、全部質問したいとも言えず、後で聞けばいいと思い、そのときは質問しなかった。
   Lと別れた後、JがKの話を聞きに行こうと言ったので、二人で別の喫茶店に行った。丙はKから一緒に投資をやらないかと誘われたが、「お金がないので購入しません。」と断った。Kは、「自分は50万円を消費者金融で借りた。投資をすればすぐ返せる。自分は8か月位で返せたから大丈夫だ。」などと言った。丙は消費者金融で借りた経験はなく、どうせ借りられないだろうから、その時点で「借りられなかったので買いません。」と言ってやめようと思い、お金を借りる手続きをすることにした。丙がスマートフォンから消費者金融に申し込もうとして、学生、年収103万円、利用目的は物品購入」と正直に入力すると、Jが「フリーター、年収300万円、利用目的は生活資金」と変えた。変えた理由を聞くと「自分はこうやって借りた。」と言った。その後消費者金融から融資可能というメールが届き、近くの無人契約機に行った。オペレーターと話す際も、事前にJから指示された通り、年収300万円、週5日働いていると答えたところ、50万円を借りることができた。丙は断る予定が狂ってしまったが、Jは親友でずっとそばにいたので逃げられなかった。もし逃げたら、後で大学で何か言われるのは明らかだと思った。
   借りたお金を引き出し、丙はJと二人で契約をするために喫茶店へ行き、Lに会った。Lは丙に申込書を渡して、ざっと説明し、次に申込確認書を読み上げた。1つでも「No」にチェックを入れると契約できないと初めに言われたので、内容には引っかかる部分が多々あったが、「No」にチェックを入れられなかった。チェック項目には、証券会社の口座開設にあたっては各証券会社が設定するルールがあり、投資経験等の条件があると書かれていたが、そのような説明は受けていなかった。続いてLが契約書をざっと説明し、契約確認書を読み上げチェックを入れていくよう指示された。やはり、1つでも「No」があると契約できないと言われた。借金してもこの商品で儲かれば良いから、借りて買ったほうが得などとは誘導されていないといった記載もあり、内容に疑問を持ったが、Jとの関係を考えるととても断ることはできなかった。丙は代金を渡し、USBメモリーを受け取った。JにUSBメモリーの使い方を聞いたところ「ミーティングやセミナーで全て教えてもらえるから使うことはないよ。」と言われた。

お問い合わせ先

東京都生活文化スポーツ局消費生活部取引指導課取引指導担当

電話番号:03-5388-3073