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トップページ > 消費者教育 > 基礎知識 > 基礎知識「マルチ商法(連鎖販売取引)」

更新日:2022年11月30日

マルチ商法(連鎖販売取引)

マルチ商法は、「特定商取引法」で「連鎖販売取引」として規制されている販売形態です。 ネットワークビジネス、システム販売などとも呼ばれ、商品を買って販売組織に参加した会員が、同じように友人・知人を組織に加入させ、新たに会員になった人がさらに新しい会員を加入させ組織を拡大していく商法です。口コミだけではなく携帯電話やパソコンのメールや交流サイト(SNS)の広告で勧誘する手法も、広がっています。
商品を販売して得られる利益より、友人・知人を組織に加入させて会員を増やすことによって得られる「リクルートマージン」などが主な収入となりがちです。 取扱商品は、健康食品・化粧品が圧倒的に多くなっていますが、アクセサリー、美容機器、布団、インターネット上の権利や会員権など実態がわからないものもあります。
利益が出ると信じ、クレジットやサラ金で借入れして商品を購入しても大半は収入にならず、借金だけが残ってしまいます。また、友人知人を勧誘する仕組みのため、被害者が加害者になってしまうことになります。強引な勧誘のため人間関係も壊れるなど問題の多い商法です。

マルチ商法における代表的なセールストーク

  • 月収100万円も可能、人を紹介するだけでマージンが入る。
  • 新しいネットワークビジネスで早い者勝ちだ。 
  • 簡単に元がとれる、勝ち組になれる。

特定商取引法上のマルチ商法(連鎖販売取引)に係る主な規制内容

「連鎖販売取引」では、氏名等の明示、禁止行為、書面交付、広告の表示、誇大広告の禁止、クーリング・オフ、中途解約・返品ルール、意思表示の取消し、行政処分・罰則等について細かな規制があります。規制対象は、すべての商品、役務(サービス)、権利です。

書面交付義務

契約をする前に取引の概要を記入した概要書面を渡し、契約が成立したときは契約書面を交付することが義務付けられています。
概要書面に記載しなければならないことは、統括者の名称、住所、代表者氏名、連鎖販売業を行う者の氏名・住所・代表者名、商品の性能・品質等の重要事項、特定負担(商品等)の内容、特定利益(得られる利益)の金額・計算方法の仕組み・支払条件、契約解除に関する事項、禁止行為などです。契約するかどうかの段階で消費者に情報を開示することを義務付けられています。
契約書面は、契約の具体的な内容が記載されており、契約成立後遅滞なく交付することが義務付けられています。連鎖販売取引は複雑で分かりにくいため、書面交付義務が2段階になっています。

クーリング・オフ制度

契約書面を受け取った日(再販売型取引の場合で商品の引渡しの方が後である場合は、引渡しの日)から数えて20日間以内であれば、書面または電磁的方法(電子メールの送付等)により契約の解除(クーリング・オフ)ができます。
また、販売に際しクーリング・オフについて事実と違うことを言ったり、威迫したりしたことによって、消費者が誤認・困惑してクーリング・オフしなかった場合は、20日を過ぎてもクーリング・オフできます。契約書面に法律で決められた事項が記載されていない場合も同様です。
クーリング・オフの場合、事業者は損害賠償や違約金の請求はできません。商品の引き取り費用も事業者負担です。ただし、契約解除は双方が原状回復義務を負うことになり、事業者は受け取った代金、登録料等を返還し、消費者は商品を返還します。
クーリング・オフの通知は証拠を残すために、書面の場合は「特定記録郵便」または「簡易書留」で出すことが望ましいです。電子メールの場合は送信メールを保存し、ウエブサイトのクーリング・オフ専用フォーム等であれば画面のスクリーンショットを残しておきましょう。

中途解約・返品ルール

組織の加入契約はいつでも解除できます。また、入会して1年以内に契約解除する場合は商品の契約解除もできます。条件は、商品受領後90日以内のもので、再販売していないもの、使用・消費していないものです。契約解除に伴う違約金の上限は、返品する商品価格の10%以内です。

意思表示の取消し

勧誘に際し業者に事実と違うことを告げられ、その内容が事実であると信じて契約した場合や故意に事実を告げられなかったことによって契約した場合は、契約を取り消すことができます。
平成28年の改正で取消しできる期間は追認できる時から6カ月が1年に延長されました。
(特定商取引法改正:平成28年6月3日公布、平成29年12月1日施行)