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ホーム > 相談したい > 東京都消費者被害救済委員会 > 紛争処理 > 「結婚式場の申込金返還に係る紛争」あっせん解決

更新日:2017年8月28日

「結婚式場の申込金返還に係る紛争」あっせん解決

平成27年7月9日
生活文化局

 本日、東京都消費者被害救済委員会(会長 村千鶴子 弁護士・東京経済大学現代法学部教授)から、「結婚式場の申込金返還に係る紛争」(平成26年10月8日付託)があっせん解決したと知事に報告がありましたので、その審議の経過と結果についてお知らせします。

紛争の概要

  • 申立人:30歳代女性
  • 相手方:結婚式場・披露宴サービス提供事業者
  • 申込金額:20万円(支払済み)
  • キャンセル料:26万円(申込金20万円+会場使用料の20%にあたる6万円)

申立人の主張による紛争の概要は、次のとおりである。
 平成26年5月、申立人は1人でブライダルフェアに出向いた。会場等の見学後、相手方より各種割引特典を提示され、今日申し込まなければこんなに安く挙げられないと思い、同年秋の挙式・披露宴について契約をした。申込書に署名をし、クレジットカードで申込金を支払ったが、その後他の予定があったため、申立人は見積書とクレジットカードの売上票の控えのみを受け取って会場を出た。受け取った書類の中に、申込書のお客様控(裏面に約款が記載されているもの)はなかった。
帰宅後、特典に惹かれて契約を急いでしまったことを後悔し、翌日、相手方にキャンセルを申し出た。すると相手方からキャンセル料が26万円かかると言われ、高額なキャンセル料に驚いた。
申立人が、契約時に説明がなかったにもかかわらず、翌日のキャンセルで高額なキャンセル料を支払うことに納得できないと申し出たところ、相手方は約款に記載されているとおりのキャンセル料を請求すると主張し、紛争になった。 

あっせん解決の内容

相手方が請求するキャンセル料は26万円のところ、申立人の負担は6万5千円で本件契約を解除する(金銭上は、相手方が申立人へ13万5千円を返還して精算する)。

<あっせん案のポイント>

  • 申込書に新郎が署名押印していないことや、お客様控(約款)を申立人に渡さなかったこと等、相手方が通常行っている手続きが本件取引では行われていなかったことが紛争の原因の一つと考えられる。相手方は不完全な手続きでも良いと判断し契約したのだから、このリスクを負うべきである。
  • 事業者には、キャンセル料等の重要な事項について、消費者が理解できるよう具体的に説明する責任がある。
  • 申立人においては、請求されたほどではないにしても一定のキャンセル料の負担があると認識しており、また、当日直ちに申し込む等慎重さを欠いた点も認められることから、解約にあたって、一定の金額を負担することはやむを得ない。

消費者へのアドバイス

  • 結婚式や披露宴の契約では、当事者や親族、招待客等の事情により、変更が生じることがあります。衣装や料理などサービスの内容だけでなく、キャンセル料についても、事前によく確認しましょう。
  • 見学会では、会場の豪華な雰囲気、割引や特典などのサービスに舞い上がりがちです。冷静に判断して契約しましょう。

困ったときにはまず相談を!!

イメージおかしいなと思ったら、最寄りの消費生活センターにご相談ください。

東京都消費生活総合センター
03-3235-1155(相談専用電話/相談窓口のご案内
 

紛争の概要(詳細)

 申立人の主張による紛争概要の詳細は、次のとおりである。

平成26年5月、同年秋に式を挙げる予定があった申立人は、会場の雰囲気や料理などについて情報を収集する目的で、相手方が開催するブライダルフェアに一人で参加した。会場に入るとすぐに、割引特典と書かれた広告が目に留まった。
2時間ほどかけて会場などを案内してもらった後、契約相談の部屋に通された。会場等の雰囲気が気に入った申立人は、参加人数や日程等を伝え、式と披露宴の見積りを出してもらった。その際相手方から、見積金額は約300万円だが、ブライダルフェア当日に契約すれば10万円の割引きを受けられる。また各種特典を適用することによって更に35万円分割り引く上、一泊5万円の部屋を3部屋無料で提供するとの説明を受けた。
その日のうちに契約をするつもりでブライダルフェアに参加したわけではなかったが、今契約すれば安くなると思い、申込書にサインをし、20万円の申込金をクレジットカードで決済した。
ブライダルフェアの後に知人と会う約束をしていることを相手方に伝えたところ、相手方より荷物を預かる旨の申出があり、見積書とクレジットカードの売上票の控えのみを受け取って、会場を出た。
帰宅後、新郎と話し合い、冷静になって考えるうちに、特典に惹かれて契約を急いでしまったと後悔するようになった。
翌日、申立人がキャンセルを申し出たところ、相手方から「キャンセル料として、申込金全額に加え、会場使用料の20%である6万円を請求する。」と言われ、「キャンセル料については、約款に記載している。」と説明された。しかし、契約時にキャンセル料については説明されておらず、また、帰宅の際に約款を受け取っていなかったので、確認することができなかった。しかも、キャンセルを申し出た後にキャンセル条項等を確認に出向いた際にも、約款のコピーを渡されたのみであった。
申立人は、契約時にキャンセル料について説明がなかったことや、契約翌日のキャンセルにもかかわらず、高額なキャンセル料を請求されることに納得できない旨を相手方に主張した。
しかし、相手方は、キャンセル料は約款で規定しており、妥当な金額である等と主張し、紛争となった。

主な審議内容

■契約手続きに関する問題点
(1) 新婦単独の署名のみであること
本件相手方は通常、契約に際し、申込書に新郎・新婦両名の署名を求めているが、本件契約では、新婦1人の署名がなされただけであり、新郎は署名をしていない。
(2) 約款の不交付
相手方は通常、裏面に約款が記載されている申込書のお客様控を交付しているが、本件においては、申込書や約款のような重要な書類を交付していなかった。
(3) クレジットカードによる申込金の支払い
本件相手方の約款では、申込金の支払方法を、現金持参又は相手方指定の銀行口座への振込みによるものとしており、クレジットカードによる支払いは予定されていない。約款で規定する方法によって申込金を支払っていれば、申立人も申込みに慎重になり、本件のようなトラブルは発生していなかったのではないか。
以上のように、本件は相手方が契約時に本来行う通常の手続きが取られておらず、そのことが紛争の原因の一つになっている。確かに様々な事情により、通常の手続きではない措置を採ることもあるだろうが、手続きが不完全であることのリスクは、それでも良いと判断した事業者が取るべきである。

その他の問題点
(1) 本件約款では、「契約」を「予約」と記載しており、消費者は正式な契約は成立していないと解してしまう可能性がある。
(2) 結婚式場契約は、数々のサービスが集合した複雑で、特殊な契約である。新郎・新婦と事業者双方が契約書に署名ないし押印をする等、契約に関する法的な責任を誰が負うのか明確にするべきである。

キャンセル料の説明に関する問題点
相手方は、申立人にとって利益となる挙式費用の割引や、宿泊部屋の無償提供といった特典については、見積書とは別に書面を渡し、具体的な金額や内容などを丁寧に説明している。一方、不利益となるキャンセル料については、具体的な金額を説明しておらず、申立人がキャンセル料について理解できるほどの説明はなかった。
よって、本件は消費者契約法第4条第2項(不利益事実の不告知)の取消しを適用する余地もあった。

同種・類似被害の再発防止のために

  1. 事業者に対して
    結婚式場契約は、多くの消費者にとって一生に一度の重要な契約であり、価格も高額なので、勧誘の際には契約内容やキャンセル料について、消費者が十分納得できるまで説明をすべきである。また口頭による説明のみでは理解しにくいので、約款や説明用の資料などを用いて、消費者が理解できるよう配慮すべきである。  
    契約の際には、消費者が余裕をもって十分に検討できるようにすることが必要であり、契約を急がせないようにすべきである。また、契約締結後に打合せをしながら具体的な内容を決めていく複雑な契約であることから、一定期間の熟慮期間を設け、無条件でキャンセルできるような制度を設けることが望ましい。
  2. 消費者に対して
    結婚式場契約は複雑で特殊な契約なので、複数の事業者から情報を収集し、様々な事情を考慮した上で、慎重に契約をすべきである。見学会などでは、会場等の雰囲気に流されず、冷静に情報収集するようにしたい。
    また、契約締結前に約款をもらい、キャンセル料についても十分に確認した上で契約すべきである。不明な点があれば、事業者に納得できるまで説明を求めることも必要である。
  3. 行政に対して
    同種、類似被害の再発防止の観点から、トラブル事例を紹介していくことが期待されるとともに、複雑で特殊な結婚式場契約の仕組みについても、消費者に分かりやすく情報提供することを求める。
    同種の被害が今後も多数発生するようであれば、特定商取引法等の規制対象とし、キャンセル料についても法規制を求めていくことも考えられよう。

印刷はこちら(PDF:453KB)

報告書

結婚式場の申込金返還に係る紛争(報告書)(PDF:664KB)

東京都消費者被害救済委員会

委員名簿(平成27年7月9日現在)

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お問い合わせ先

東京都消費生活総合センター活動推進課消費者被害救済担当

電話番号:03-3235-4155

ファックス番号:03-3268-1505

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