ここから本文です
東京都消費生活総合センターでは、東京都立神代高等学校との連携により、「5月のセーフティ教室」の一環として、下記のとおり出前寄席を実施しました。当日は全校生徒829名に受講いただき、消費者問題をテーマに楽しく学んでいただきました。
毎年、学校ではセーフティ教室を開催し、全校生徒にSNS のトラブル、詐欺のさまざまな手口等をテーマとした啓発を行っています。
今年度は、寄席で消費者教育を行う視点で、12月に学校からの申し込みを受け、電話や訪問により、担当の主幹教諭と当日の運営等について詳細な打ち合わせを行いました。
無料サイトやゲームサイトからアダルトサイトにつながり、高額な料金を請求された事例や、ネットオークションで代金を振り込んだ後に連絡が取れなくなってしまった事例など、若者に多いネットのトラブル事例を紹介し、怪しいサイトの見分け方や自衛方法などを教示します。
学生が消費者被害に陥りやすいマルチ商法など、さまざまな手口を紹介し、「甘い誘いには罠がある」と示唆します。また、演者による家族の日常会話を通じて、契約の成立条件、持続可能な社会に向けての消費行動、フェアトレードなどについて、消費者教育推進法を背景に、自立した消費者の育成が大事であることを教示します。
事前準備や当日の音響、落語の高座設営等は、生徒が中心になって運営されました。出前寄席終了後は生徒総会が行われ、後日生徒に感想を書いてもらいました。
総合的な学習の一環として、毎年5月の初めに、全校生徒を対象にセーフティ教室を実施しています。例年、薬物、インターネットの危険性などの講演を実施していましたが、今回は、現代社会の消費者への罠を、漫才と落語によって語っていただくという新鮮でわかりやすく、有意義なセーフティ教室となりました。
現在、全面改築のために体育館がなく、全校生徒が集まれる貴重な機会に、生徒中心に準備をし、この企画を実施できたことは、演者はもとより、関係の皆様のおかげと感謝しています。
(都立神代高等学校主任:樋口教諭)
今回、出前寄席を活用いただくことで、生徒の方々に、漫才や落語を通して悪質商法の手口とその対応策を楽しく分かりやすく伝えることができたと思います。