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相談の窓口から

有料老人ホームに入居する際に支払った前払金は返してもらえるの?

質問
 高齢の夫婦二人暮らしです。現在、入居を検討している有料老人ホームに、一時金として数千万円の前払金が必要であることがわかりました。高額な前払金を支払った後に施設の運営事業者が倒産した場合、どうなるのでしょうか。また、有料老人ホームに馴染めず、すぐに退去した場合は、支払った前払金を返金してもらえるのでしょうか。
回答
 この事例のように、有料老人ホームが、利用料の全部または一部を入居一時金などとして前払いを求める場合、2021年4月以降、万一の経営破綻などに備えて退去の場合の返還金を保全することが、法律で義務付けられました。有料老人ホーム側が保全すべき返還金の額は、未償却金(あらかじめ定められた償却期間で償却された前払金の残額)もしくは500万円のいずれか低い方の金額になります。そのため、高額な入居一時金を支払った場合でも、退去時に返還される前払金が500万円以下になってしまう可能性があるので、注意が必要です。ただし、入居後3カ月以内であれば、短期解約特例により、前払金のうち入居期間分の日割家賃などを除いた額が返還されます。
 前払金の償却期間は有料老人ホームによって5~20年程度と幅があります。また、東京都の指針では、契約と同時に前払金の一定額が償却される「初期償却」は好ましくないことが示されていますが、実際には初期償却することを定めている有料老人ホームもあります。
 前払金の償却期間や初期償却の有無は重要事項説明書に記載されていますので、契約前に必ず確認しておきましょう。都内に所在する各有料老人ホームが東京都に提出した重要事項説明書は、東京都のホームページにも掲載されています。
 有料老人ホームは終のすみかとして長期間住み続ける住まいです。雰囲気など、パンフレットや契約書だけではわからないこともありますので、有料老人ホームの入居前には見学や体験入居を行うなど、事前に家族の方などを交えて十分に検討しましょう。
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