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相談の窓口から
原野商法の被害を受けた方の二次被害が増加しています ~土地の売買は慎重に~

Q 高齢の父が、以前、原野商法の被害にあい購入してしまった土地について、先日訪ねてきた不動産業者に「大手企業が太陽光発電施設を設置するため、あなたの土地を欲しがっている。当社があなたの土地を1,700万円で買い取り、転売する。」と勧誘され、売却したと言っています。そして「売却にかかる節税対策を税理士に依頼する費用が、100万円かかる。」と言われ、この不動産業者に100万を支払ったようです。しかし、父が売却したはずの土地の代金は、不動産業者から未だに支払われていません。どうなっているのでしょうか。
A 将来の値上がりの見込みがほとんどないような山林や原野などの土地を、値上がりするかのように偽って販売する手口を「原野商法」といいます。この原野商法で流通価値のない土地を買わされ、処分したがっている被害者のところに、再び「その土地を売ってほしい」と虚偽の説明をして勧誘し、新たな土地を購入させる「原野商法の二次被害」が増えています。被害者の、原野を早く処分したいという気持ちと不動産取引に不慣れな状況に付け込んだものです。相談員が事実確認を行ったところ、今回のケースは被害者が土地を「売却する」契約をしたのではなく、不動産業者に節税対策で税理士に払う費用だとだまされ、更に新たな原野を100万円で「買う」契約をさせられていた、というものでした。
 この不動産業者は売買契約書に記載する際、署名する箇所だけを示して署名捺印させ、契約書の内容を説明せず、封筒に入れて渡したので、消費者はそのような契約をしたことに気付かなかったとのことです。営業所以外の場所で、不動産業者名義の物件の売買契約を締結した場合は、宅地建物取引業法上、契約書面交付日から8日以内であればクーリング・オフが可能です。また詐欺による取り消しが可能な場合もあります。
 この事例以外にも、老人ホームや災害被災者受け入れ施設を建てる土地を探している等、人の善意を巧みに利用し、断りにくい口実で接触しようとする業者もいます。手口は様々でどんどん巧妙化している上、一旦被害に遭うと解決は容易ではありません。「土地を売って欲しい。土地を欲しがっている人がいる。」と連絡が入っても安易に契約を行わず、不審に感じたら消費生活センターにご相談ください。
相談窓口のご案内… TEL03-3235-1155

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