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web版 くらしに役立つ都民のための消費生活情報誌 東京くらしねっと平成28年 2016 No.225 1月号

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今月の話題 もっと知りたい電力自由化
○100社を超える事業者が独自の電力プランを販売
○我が家の暮らしに合ったプランを選ぼう

博報堂 エネルギーマーケティング推進室 横山 陽史(よこやま はるふみ)

イラスト もっと知りたい電力自由化

電力自由化って、なに?

 みなさんは「電力自由化」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。博報堂エネルギーマーケティング推進室の調査では、「聞いたことがある」と答えた人は9割で、多くの方が「聞いたことがある」と答えています。一方で、「内容について詳しく知っている」と答えた方は2%程度にすぎず、多くの人にとって、「聞いたことがあるがよくわからない」というのが、「電力自由化」ではないでしょうか。

 「電力自由化」は、実は大きく3つの段階に分かれており、平成27年「広域系統運用の拡大」、同28年「電気の小売業への参入の全面自由化」、同32年「送配電部門の中立性の一層の確保」が計画されています。その中で、私たちの生活に直接関係してくるのは、今年4月から開始される「電気の小売業への参入の全面自由化」です。これまでは、一般の家庭向けには、地域別に分かれた電力会社各1社だけが電力を「作り」「届けて」「販売」していたのですが、4月以降は、「販売」部分について、既存の電力会社以外の会社でも電気を販売できるようになります。
 その結果、多くの会社が電気を販売していくことが予想されています。既に自由化されている大口取引で実績のある「新電力会社」や、「ガス会社」や「石油会社」などのエネルギー関係の会社が、販売を開始する模様です。加えて、携帯電話などの通信会社や住宅メーカーも参入すると言われており、昨年11月時点で100社以上が電力小売登録を申請しました。

「電力自由化」を知っていますか
(平成27年11月)
イラスト 「電力自由化」を知っていますか(平成27年11月)

私たちの生活への影響

 さて、そのような「電力自由化」ですが、私たちの生活にどんな影響があるのでしょうか。資源エネルギー庁の資料によると、「電力自由化」の目的は、「電気利用の選択肢や企業の事業機会の拡大」「電気料金の最大限の抑制」「電力の安定供給の確保」です。様々な会社が参入し、独自のプランが提示されることで選択肢が増え、市場競争の結果として電気料金が下がることが狙いとされています。参入しようとしている会社の数は順調に増えてきていますので、今後は「わかりやすく」「不安のない」「選びやすい」選択環境が整備されていくことが期待されます。

電力会社変更のイメージ

 では、具体的に、どのように電力会社を検討し、どのように変更していくのでしょうか。ここでは一例を挙げて、説明したいと思います。
 東京都に住む「なおこさん」は、夫と息子と3人で暮らしています。最近、子供も大きくなって手狭になり、ちょっと大きな家に引っ越すことになりました。なおこさんは、引越日が決まったので、早速、電力会社に連絡をしようと、インターネットで〈引越し 電力〉と入力し、検索しました。すると、色々な電力会社のホームページの見出しが出てきました。その中には、〈あなたにぴったりの電気料金プランが見つかります!〉と書かれた電気料金比較サイトもありました。なおこさんは試しにその見出しをクリックしてみました。
 〈あなたにぴったりの電気料金プランを検索します。あなたの先月の電気使用量と郵便番号を入れてください。〉と出てきたので、なおこさんは、引出しから先月の電気料金の請求書を取り出し、「もう少し安くなるといいなあ」と思いながら、使用量と郵便番号を入力しました。すると、画面には、地元の電力会社をはじめ、様々な会社の電気料金プランが数十件も表示されました。〈2年契約で○割引き〉〈携帯電話やガスと合わせて○%引き〉〈昼間いない人向けのナイトプラン〉など様々な料金プランが提示されています。中には、〈グリーン電気プラン:太陽光発電で作られた電気のみを提供します。〉と書かれたプランもありました。

 なおこさんは、共働きということもあり、X社の「ナイトプランB」を選び、その詳細情報を確認した上で、X社のホームページに移動し、〈見積もり申し込みボタン〉を押しました。すると、〈あなたの電気料金をシミュレーションします。あなたの過去電気使用量を活用してもよろしいですか。〉と表示されたので、「はい」と答えました。すると、〈あなたの電気料金は、年間○○円安くなります。〉と出てきました。なおこさんは「あら、○○円安くなるなんて。」と上機嫌となり、他の会社のプランも調べ始めました。  数社で比較をした結果、やはりX社が最も納得がいったので、なおこさんはX社の「ナイトプランB」に申し込むことにし、インターネットで変更の申し込みを行いました。数日後、手続完了の連絡が届き、X社の「ナイトプランB」へと変更することができました。こうしたサービスは4月(1部は1月)から、各事業者で始まると推側されています。

条件やプランは良く吟味して

 このように、過去の電気使用量をベースに、切り替える電気料金プランをシミュレーションし、どのくらい料金が変わるのか、を知ることができると言われています。是非、事前に料金を確認した上で切り替えることをお勧めします。そして、ホームページ上で簡単に手続きができるようになると言われていますが、安易に切り替えをせず、よく内容を吟味された上での切り替えをお勧めします。(もちろん、変更の申し込みがなくても、電気の供給が止まるわけではありません。)加えて、料金以外にも携帯電話やガスなどとのセット割引や長期間契約など、様々な条件のプランが出てきますので、これらの条件の確認もしっかりと行ってください。

新しいサービスと私たちの暮らし

 平成29年4月にはガスの自由化も計画されています。電気やガスといったエネルギーの自由化によって、様々な新しいサービスが生まれ、消費者にとってより便利な生活を送るチャンスが訪れます。「色々ありすぎてわからない」、「難しそうだから今のままでいいや」ではなく、せっかくの機会ですので情報を収集し、自分の生活にあったサービスを見つけて積極的に活用していきましょう。

こんなWEBサイトも参考に 経済産業省 資源エネルギー庁 電力の小売り全面自由化について
http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/electricity_liberalization/

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