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web版 くらしに役立つ都民のための消費生活情報誌 東京くらしねっと平成27年 2015 No.222 10月号

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今月の話題 新しい食品表示
〜もっとよく見て活用しよう〜

一般社団法人 Food Communication Compass 事務局長 
消費生活コンサルタント

森田 満樹(もりた まき)

 平成27年4月、消費者庁のもとで食品表示法が施行されました。新法の目玉は、栄養表示が義務化されること。栄養成分のうち「ナトリウム」の表示が「食塩相当量」に変わり、分かりやすくなります。他にもアレルギー表示など様々な変更が加えられ、5年間の移行期間中に少しずつ新表示に変わっていきます。
 食品表示は、消費者と事業者を結ぶ大切な情報伝達手段。ルールを知って、暮らしの中で食品表示をもっと活用していきましょう。

イラスト 栄養成分表示

食品表示法とは

 食品の義務表示は、これまでJAS法、食品衛生法、健康増進法の三法でルールが定められていました。しかし、それぞれ法律の目的が異なり複雑で分かりにくいものでした。
 長年にわたって消費者団体は食品表示を一つにしてほしいと要望し、消費者庁が発足して、三法を一元化した食品表示法がようやくできました。新法の基本理念には消費者の権利の尊重と自立の支援が盛り込まれ、消費者のための食品表示であることが明確にされています。新法では、具体的な食品表示のルールが食品表示基準として定められ、本年4月より施行されました。

新表示基準 〜ここが変わる〜

 食品表示基準は、対象範囲や表示項目、文字の大きさはこれまでどおりですが、旧基準と比べて主に以下の点が変更されています。(図1参照)

【図1】加工食品・食品表示法でどう変わる(事例は架空のものです)
【図1】加工食品・食品表示法でどう変わる(事例は架空のものです)

●栄養成分表示の義務化
 栄養表示はこれまで自主的に表示をしている商品も多かったのですが、新基準では義務化となって表示の範囲がぐっと広がります。義務表示は、熱量(エネルギー)・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量の5項目で、ナトリウムから食塩相当量となったのが大きな変更点です。
 従来のナトリウム表示では、「ナトリウム(㎎)×2・54÷1000=食塩相当量(g)」と計算して、いちいち食塩相当量を求めなくてはなりませんでした。例えば、カップ麺でナトリウムが1800㎎と表示してあった場合、食塩相当量を計算すると4・57g。食事摂取基準2015年版では、男性が8・0g、女性が7・0gですから、これだけで1日の半分以上の食塩相当量を摂取してしまいます。食塩相当量の表示が最初から書いてあれば、「汁は飲めないなあ」などと判断しやすくなります。
 なお、義務化といっても例外もあります。外食や中食などの対面販売はそもそも食品表示の適用外で、製造場所で直接販売される食品も省略可能とされています。また、表示可能面積がおおむね30㎠以下であるもの・酒類・栄養の供給源としての寄与の程度が小さいもの・極めて短い期間で原材料が変更されるもの・小規模事業者(当面は従業員の数が20人以下)の場合も省略可能となっています。

●原材料と食品添加物の区分が明確に
 旧基準では、原材料名欄に原材料が多いもの順に並び、続いて食品添加物が多いもの順に並びます。新基準では、原材料と添加物の間が「/(スラッシュ)」などで明確に区分されるようになり、どこからが食品添加物か一目でわかるようになります。区分の方法は様々ですが、この区分があるかどうかで旧基準か新基準かがわかります。

●アレルギー表示の改善
 アレルギー表示は安全性に関わる重要事項です。新基準では、対象となるアレルゲンは、義務表示とされる特定原材料7品目と推奨20品目の合計27品目で数は変わりませんが、表示方法が見直されました。
 まず、特定加工食品ルールは、例えばマヨネーズの卵のように、含まれるアレルゲンが予想されるので表示を省略してもよいとするルールが、廃止されます。これまで、このルールがあるために誤って事故を引き起こしてきたケースが報告されており、より安全に見直されました。
 また、アレルギー表示の方法については、原材料ごとにアレルゲンを表記する個別表示か、原材料の最後にまとめて表記する一括表示のどちらかでしたが、新法は個別表示が原則です。なお、一括表示する場合、新基準では原材料欄の最後に全て省略せずに「(一部に…を含む)」と表示するよう、変更されました。

●製造所固有記号のルールが見直される
 平成25年末に起こった冷凍食品の農薬混入事件を受けて、製造所固有記号の表示制度も見直しが行なわれました。新基準では、同じ製品を複数工場で製造する場合に限って、製造所固有記号の表示ができます。一つの工場で製造している場合は、製造所の名前と所在地の表示が必要になります。
 また、製造所固有記号を使う場合でも、消費者が問い合わせたときに事業者は製造所について回答しなければなりません。なお、この新ルールは、平成28年度からと1年遅れての施行になります。

食品表示を活用するために

 新ルールの移行期間は、加工食品5年間、生鮮食品1年半で、これから少しずつ新表示の商品が増えていきます。新ルールでは以上のとおり、様々な情報が確実に消費者に伝わるように、情報開示が進められています。栄養表示も増えますので日々の健康管理にも役立つでしょう。変更点に加えて、特に消費(賞味)期限と保存方法はセットで必ず確認して利用するようにしましょう。
 食品表示は、字がぎっしりで何だか読む気がしないという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、食品表示は食の安全、健康、品質に関する大切な情報源。ぜひ読み解いて、日々の暮らしに役立てていただきたいと思います。

東京都消費者月間事業
森田満樹さんが登場される月間事業のご案内です。
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森田満樹

パネルディスカッション

「機能性表示食品とは?」

11月19日(木)13:30〜15:30
東京都消費生活総合センター17階 教室Ⅰ・Ⅱ
パネリスト/森田満樹さん、関口洋一さん(健康食品産業協議会会長)

講演会

「これだけは知っておきたい食品表示のポイント」

地域会場▶ 八王子会場 11月27日(金)14:00〜16:00 共催:八王子市
八王子市生涯学習センター(クリエイトホール)11階 視聴覚室
講師/森田満樹さん

申込先・問い合わせ
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