東京くらしねっと 3月号

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今月の話題 若者向け悪質商法被害防止キャンペーン月間特集 ここが危ない!インターネット通販

一般社団法人ECネットワーク理事
原田 由里(はらだ ゆり)

 経済産業省が発表した平成25(2013)年の日本国内の消費者向け電子商取引(インターネット通販)の市場規模は、11.2兆円で前年比17.4%の増となり、右肩上がりに増え続けています。一方、国民生活センターが平成26(2014)年12月に発表した、「消費者問題に関する2014年の10大項目」の1項目に「インターネット通販などのネット関連トラブルは引き続き増加」とあるように、インターネット通販に関する相談は、2014年は200,689件で、前年比で2割以上増加しています。
 インターネット通販は、市場拡大を続ける一方で、トラブルも増加しているという構図が浮かびます。便利なインターネット通販を、いかに安全に利用するかが今の課題です。

イラスト インターネット通販

「詐欺サイト」に引っかからないために

 インターネット通販では、詐欺サイトによる被害が急増しています。相手側が海外の事業者であることも多く、被害に遭っても、法規制や取り締まり、救済が及ばないケースがたくさんあります。つまり、被害に遭わないことが何より大事!
 インターネット通販をする前に、詐欺サイトの被害に遭わないよう、その手口や特徴を理解しておきましょう。

❶「お金を払ったのに届かない!」・・・支払方法が先払いしかなかったのでは?

 お金を払ったのに商品が届かないといった商品未着トラブルが、特に増えています。
 このような被害に遭った人の多くは、代金を先払いで、主に国内の金融機関の個人口座に振り込みをしています。支払方法が先払いしかなければ、商品が届かないリスクが高まります。支払方法が複数選べるサイトを選択してください。
 広告上はクレジットカード決済や代金引換ができるとあっても、注文するとメールで個人口座への支払いを促してくることもあります。このような危険な口座に振り込んでしまうと、返金される見込みはほとんどありません。

❷「ニセモノが届いた!」・・・信用できるお店だったのでしょうか?

 インターネット上では、ブランド品の模倣品や、映画やソフトウェア等の海賊版が「正規品」「アウトレット」などと称して、堂々と売られていることがあります。これら悪質なニセモノ品が海外から届いたり、税関で荷物が止められた旨の通知が届いて、初めて被害に遭ったことに気づくこともあります。
 いくら安さが売りのインターネット通販でも、正規品が半額以下で販売されることはまずありません。
 また、日本語で書かれていても国内にある事業者のサイトとは限りません。ニセモノを販売する海外事業者のサイトでは、日本語がちょっとおかしいという特徴もあります。例えば「3日か5日届けます」「お客様の光栄に存じます」といった、違和感のある日本語が使われているサイトには注意してください。
 ブランド品を扱うサイトと取引するときには、信用できるのか事前に評判を調べてみましょう。

❸「連絡が取れない!」・・・連絡先が書かれていないことに気づきましたか?

 頼んだものが届かない等のトラブルが発生したとき、サイトに連絡しようとしても、連絡方法がメールしかなく返信が来ない、連絡先が分からないというトラブルも多くなっています。連絡先がわからないと、もうお手上げとなってしまいます。
 インターネット通販では、サイトのメールアドレスのほか、正しい住所、電話番号、責任者の氏名を表示するルールになっています。特に電話番号の記載を必ず確認してください。住所は実在するのかどうか、地図サービスなどで外観などを事前に確認するのもひとつの方法です。

❹「大手のサイトだと思った!」・・・ロゴマークだけで判断しないで

 詐欺サイトの被害相談では、「大手のショッピングモールだと思ったから安心していた」という声もよく聞きます。大手のショッピングモールや大手企業の偽のロゴを貼ることで、本物のサイトに「なりすます」サイトもたくさんあります。ロゴが付いているからと安心せずに、本物のサイトなのか、しっかり確認してから買い物をしましょう。

詐欺サイト 特にここに注意!
●多数のブランド品が半値以下で販売されている。
●住所、電話番号、責任者名が表示されていない。
●個人名義の銀行口座に振り込ませる。
●サイトの日本語におかしなところがある。

インターネット通販の疑問点

 インターネット通販は、文字通り「通信販売」の一つです。買うときに商品を手に取って確認できない、取引相手の事業者が遠方にいるなどの特徴から、店舗で買い物するのとは異なる注意が必要です。よくある疑問をここで解決しておきましょう。

イラスト インターネット通販の疑問点

❶返品できるの?

 訪問販売などで、一定期間であれば解約や返品ができるというクーリング・オフ制度。インターネット通販にはクーリング・オフ制度がありません。返品の可否や条件は、事業者が決めることができるので、事前に表示しておく必要があります。
 もし、「お客様都合の返品は受け付けていません」と書かれていたのならば、イメージ違いなどの理由による返品が受け付けてもらえなくても、それがルールに反するとは言えません。返品できる事業者のほうが親切に見えても、一方で、既に他の人から何度も返品された商品が届く可能性がありますし、返品コストを反映して割高な販売価格となっている可能性もあります。逆に、お客様都合の返品を受け付けない代わりに、手垢“のついていない商品を安価で販売する事業者もいるかもしれません。選ぶのは『あなた』ですので、返品条件は必ず確認して、自分に合った販売方法が選べる賢い消費者をめざしましょう。
 もちろん、商品が注文と違っていたり壊れていた場合には、原則、交換や返品を求めることができますが、これもあらかじめ対応期限が表示されている場合があります。荷物が届いたらすぐに開封して、商品状態を確認しましょう。

❷いつ届くの?

 インターネット通販で注文しても、いつ届くのかわからなかったら不安になりますね。そのため、事業者はいつ商品を届けるのかを具体的に表示するルールになっています。
 今は流通手段の発達により、注文の翌日に届くことも珍しくありませんが、「入荷次第発送」「2~3か月程度」と曖昧に書かれていることもあります。まして、代金先払いで届くまでに時間がかかるような場合は、その間に事業者が倒産したり連絡が取れなくなってしまうかもしれません。
 「急がないからいつでもいいや」と思わず、届く日時は必ず具体的に確認しましょう。

❸いくら払えばいいの?

 インターネット通販では、商品代金のほか、送料や手数料などの支払いが必要になることがあります。いくら商品が安く販売されていたとしても、送料や手数料などを含めると、実はあまり安くならないというケースもあるかもしれませんね。支払総額を確認しましょう。
 また、「○円以上お買い上げで送料無料」「○日までポイント5倍」というサイトもたくさんありますが、それを目的に必要のない商品まで購入するのは、決して良い買い方とは言えません。買う前に、本当にその商品が必要なのかどうか考える癖をつけましょう。

❹広告って信用できるの?

 「5キロ確実に痩せる」というダイエット食品、「シワがとれる」という化粧品、本当に広告にうたわれるほどの効果があるのでしょうか?経験談をうのみにして良いのでしょうか?誇大な広告は禁止されています。効果や効能をうたう健康食品などの広告は、特に注意して見るようにしましょう。
 また、健康食品などは、継続して購入させるため、定価より安くする代わりに「月々の定期購入にする」「大量に購入する」ことを契約条件にしていることがありますので、シッカリ確認しましょう。

イラスト 広告って信用できるの?

 インターネット通販は便利ですが、このように思わぬ落とし穴もあります。
 何かあったらすぐに消費生活センターなどに相談しましょう。海外事業者とのトラブル相談を受ける窓口(※)もありますので、活用してください。

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