東京くらしねっと 12月号

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今月の話題 挫折しない家の片づけ術 生活研究家 消費生活アドバイザー 阿部絢子(あべ あやこ) なぜ片づけたいのかを探してみよう 悩みのターゲットを絞り込もう 必要なのは「決断力」と「モノの指定席」

今月の話題 挫折しない家の片づけ術 イラスト

今月の話題 挫折しない家の片づけ術

生活研究家 消費生活アドバイザー 阿部絢子(あべ あやこ) なぜ片づけたいのかを探してみよう 悩みのターゲットを絞り込もう 必要なのは「決断力」と「モノの指定席」

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なぜ、片づけるの?

 最近、「断捨離」「スッキリ暮らす」「親の家を片づける」など、アチコチで片づけが話題になっています。受け取る身としては、もっとシンプルに暮らさなければと、責め立てられているようで、なかなか進まない自分の家の片づけに、悩んだり、気にしたり、戸惑ったりしている人が多いようです。
 一体、片づけは誰のために、何のために、なぜしなければならないのでしょう。私たちは、繰り返される片づけテーマに、いつも右往左往させられています。
 一つだけハッキリとさせておきたいことがあります。それは、「暮らしは人それぞれ、千人いたら、千人色の暮らし方がある」ということ。片づけにも言えます。「片づけは人それぞれ、千人の暮らしには、千人流の片づけがある」と。だから、なぜ片づけるか、そのこたえは自分で探すことから始めなければなりません。いつも探しモノをしている、必要なモノが見つからずイライラする、モノが多く足元が引っかかりやすい、ときに家の中で転んだりぶつけたりする。モノが溢れて窓が開かず、熱中症になるといったように、身体に危険が及ぶ。こんな雑然とした暮らしをしている人には、片づけが必要で、しかも重要です。でも、モノが少なく、また置き場所もあり、サッと取り出しやすく、探しモノも年に何回か、といった暮らしをしている人には、ここで言う片づけは要りません。
 何のため?誰のため?なぜ?にこたえるとすれば、まず、あなたの暮らしをジッと見つめてはどうでしょう。みんなが「片づけ」と言うから、みんなに合わせて片づけをするのは間違いです。そうではなく、我が家には、家族の身体に迫る危険や地震のときの危険はないか、いつも探しモノで時間ばかり浪費していないか、自分の死後を考えると自分の手で片づけたほうがよいのではないか、などと見つめ、なぜあなたは片づけたいのかを、探してみましょう。

片づけが続かない理由は?

 なぜ片づけたいのかをハッキリとさせるために、いまの暮らしのどこに悩んでいるかを、見つめます。それには、悩みのターゲットを絞り込むことです。絞り込みシートをもとに考えてみましょう。

❶よく探しているモノは

 いつも探しモノをしているという人は、どんなモノを探しているのでしょう?例えば、外した腕時計、返事が必要な郵便物、爪切り、携帯電話、冷蔵庫の中の食べ残しの惣菜などでしょうか。

❷その辺に放置しているモノは

 つい無意識に放置してしまうモノとは、一体なに?通勤用のバッグ、読みかけの本、新聞やその切り抜き、美術館や旅先のパンフレットや資料、カタログですか。学校からの通信やお知らせなどの書類でしょうか。

❸後回しにしがち、時間がかかることとは

 洗濯物を畳むのを後回しにした挙句、畳まずにタンスの中に放り込んでしまったので、靴下の片方が見つからない。探す時間が多くなって…。最近では、掃除、料理にも時間がかかるようになった…。もちろん、食後のあと片づけも後回しにしているのでは?

❹見たくなくて、つい目を背けてしまう場所は

 押入れや天袋、クローゼット、物置、キッチンの床下収納、古い段ボール、食品ストックなど。独立した子供の部屋も手つかずのままですか?

❺家族、同居人につい言ってしまう小言は

 「脱いだ服は洗濯カゴに入れて」「新聞読んだら、片づけて」「何でも、出しっ放し、置きっ放しにしないで」「引き出しをキチンと閉めて」「安いからといって、買って来ないで」。この小言は、片づけ下手の本人も、家族から言われることがあるかもしれません。

 このように、片づけに関しての絞り込みをして書き出してみると、自分の暮らしのどこが問題であったのか、悩みはどんなところだったのか、ハッキリしてくるはずです。また、片づけの優先順位もキチンと分かってきます。これが大切なのですが、たいていの場合、この問題や悩みを明確にすることなく、いきなり片づけ作業に入ってしまうので、挫折したり、投げ出したり、見て見ぬ振りをしたりしてしまうのです。そして、私は片づけが下手なのだと思い込み、それが精神的なストレスになってしまいます。これは、絶対に避けなければなりません。
 もう一度、ハッキリと言います。暮らしに悩みや問題、例えば、モノに引っかかって転ぶことへの不安など、身体への危険が無ければ、無理に片づける必要はありません。もし、逆に、悩みや問題が見つかったのなら、片づけをしましょう。問題も無いのに、今の暮らしを変化させることはないのです。ここに、ケジメをつけます。

家族、同居人 イラスト

❺家族、同居人につい言ってしまう小言は

 「脱いだ服は洗濯カゴに入れて」「新聞読んだら、片づけて」「何でも、出しっ放し、置きっ放しにしないで」「引き出しをキチンと閉めて」「安いからといって、買って来ないで」。この小言は、片づけ下手の本人も、家族から言われることがあるかもしれません。

家族、同居人 イラスト

 このように、片づけに関しての絞り込みをして書き出してみると、自分の暮らしのどこが問題であったのか、悩みはどんなところだったのか、ハッキリしてくるはずです。また、片づけの優先順位もキチンと分かってきます。これが大切なのですが、たいていの場合、この問題や悩みを明確にすることなく、いきなり片づけ作業に入ってしまうので、挫折したり、投げ出したり、見て見ぬ振りをしたりしてしまうのです。そして、私は片づけが下手なのだと思い込み、それが精神的なストレスになってしまいます。これは、絶対に避けなければなりません。
 もう一度、ハッキリと言います。暮らしに悩みや問題、例えば、モノに引っかかって転ぶことへの不安など、身体への危険が無ければ、無理に片づける必要はありません。もし、逆に、悩みや問題が見つかったのなら、片づけをしましょう。問題も無いのに、今の暮らしを変化させることはないのです。ここに、ケジメをつけます。

片づけには決断力が要る

 人の暮らしは千差万別。でも誰にでも共通して、片づけるために必要なことは二つです。
 一つは、「決断力」。
 モノは、一人で家に来ません。必ず、家族や自分が持ち込むのです。持ち込むときには、それなりの決断をして持ち込むはず。だから、片づけるときにも、要る、要らない、使う、使わないといった決断をしなければ、モノは片づかないのです。持ち込む決断ができたのだから、片づけの決断だってできるはずです。しかし、片づけの決断は、なかなか手強いものです。一度、自分の所有物としたモノは、余程の事情の無い限り、手放せないのが普通です。
 そこは、練習。練習すれば、手放す決断力が付いてくる、と私は考えます。ただし、練習しなければ、手放す決断ができません。片づけを苦手としている人は、この練習をしていないからです。練習さえすれば、誰にでもできるようになります。練習などと大げさですが、家に持ち込まれるポリ袋や紙袋から始めます。持ち込む時に、使うか使わないか、その場で決めます。ポリ袋から、次第に難度を上げます。例えば、郵便物、新聞、雑誌など、家に持ち込まれたモノに、必ず、使う、使わない、要る、要らないと決断していくのです。これが、簡単で決断力の付く練習です。

片づけには決断力が要る イラスト

 これらの決断が5秒以内でできるようになったら、クローゼット、押入れなど、ターゲットを絞り込んだ場所の練習へと向かいます。といっても、いきなりその場所のモノ全てではなく、本棚なら、一段の四分の一くらいにあるモノを出し、要る、要らない、あるいは使う、使わないと決断を下します。決断にかける時間は1分までに。それ以上かかるときは、まだ手放す決断力が十分でない証拠ですから、再度、郵便物や手紙などに戻ります。こうして手放す決断の練習をすれば、片づけは、いともスムーズになります。

片づけの持続には、モノの指定席が要る

 二つ目は「モノの指定席」。
 決断力を付け、使うモノを決めたら、それらの指定席を決めます。家にあるモノの指定席がないと、「とりあえず」と、席のないモノが、アチコチに散らばります。これでは片づけは途中です。使用する小さなモノ、例えば爪切り、爪楊枝、メモ用紙、ボールペンに至るまで、指定席があったほうが片づけはしやすいのです。また、新しく家に入れたモノには、すぐに指定席を作ります。指定席があれば、使ったあと必ず席に戻せるからです。「席に戻す」、これが片づけです。使っても、戻すべき席がなければ、出しっ放し、使いっ放し、放りっぱなし状態です。
 片づけを持続させるためには、使用するモノの席を満杯にしない、ゆとりある席を確保することも必要です。時々、満席になっていないか、モノでギュウギュウになっていないかをチェック。隙間を空けて、ゆとりある席の確保には、モノの要・不要の決断力を発揮しなければなりません。
 一度、決断したから、それで終わりではないのです。暮らしは死ぬまで続き、使うモノは歳とともに変化します。暮らしを閉じるまで、片づけの決断は続きます。だから、自分流の片づけを身に付けるのです。無理せず、小さな一歩から、練習を積み重ねてください。

モノの指定席が要る イラスト

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