東京くらしねっと 7月号

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今月の話題 海外旅行と消費者トラブル ●契約条件を確認しよう ●旅行業者は見極めて ●旅行先での契約は慎重に

今月の話題 海外旅行と消費者トラブル

●契約条件を確認しよう ●旅行業者は見極めて ●旅行先での契約は慎重に

今月の話題 イラスト 海外旅行

近年の海外旅行の動向

 夏休みを控え、海外旅行を計画されている方も多いのではないでしょうか。
 海外旅行といえば、長らく店舗窓口での販売が主流でしたが、インターネットの普及が進んだ影響もあり、より手軽に旅行を申し込めるようになりました。旅行業者もネット利用による商品販売の割合を急速に伸ばしています(図1)。
 ネットによる手配は、窓口に行かなくてよい手軽さや、他社との料金比較が容易であることなど、様々なメリットを旅行者にもたらします。また、旅行業者にとっても、販路の拡大のほか、少ない設備投資で事業を開始できるメリットがあります。今後、ネットによる旅行商品の販売はますます拡大していくものと思われます。
 しかし、利便性が高い反面、旅行契約をめぐるトラブルも増加しており、これから海外旅行をお考えの方は十分な注意が必要です。海外旅行は高額な契約が多く、旅行者も思い入れが強いだけに、思いもよらぬトラブルによってせっかくの旅行が台無しにならないようにしましょう。

図1  旅行会社のインターネット販売比率推移

 夏休みを控え、海外旅行を計画されている方も多いのではないでしょうか。
 海外旅行といえば、長らく店舗窓口での販売が主流でしたが、インターネットの普及が進んだ影響もあり、より手軽に旅行を申し込めるようになりました。旅行業者もネット利用による商品販売の割合を急速に伸ばしています(図1)。

図1  旅行会社のインターネット販売比率推移

 ネットによる手配は、窓口に行かなくてよい手軽さや、他社との料金比較が容易であることなど、様々なメリットを旅行者にもたらします。また、旅行業者にとっても、販路の拡大のほか、少ない設備投資で事業を開始できるメリットがあります。今後、ネットによる旅行商品の販売はますます拡大していくものと思われます。
 しかし、利便性が高い反面、旅行契約をめぐるトラブルも増加しており、これから海外旅行をお考えの方は十分な注意が必要です。海外旅行は高額な契約が多く、旅行者も思い入れが強いだけに、思いもよらぬトラブルによってせっかくの旅行が台無しにならないようにしましょう。

契約条件の十分な確認を

 旅行に関する苦情相談で最も多いのは、取消料に関するものです。ネットによって申込方法が手軽になったことで、約款(旅行契約の契約条項)をよく読まないまま旅行契約を申し込み、後になってトラブルになるケースが増えています。中でも気を付けたいのは、交通手段やホテル等を個別に手配した場合の取消料です。
 旅行業者が取り扱う海外旅行の多くは、募集型企画旅行(パッケージツアー)であり、その取消料は旅行業者の約款に定めたルールに従います。
 他方で、旅行業者は、旅行者の委託に応じて交通機関やホテル等を手配する手配旅行を取り扱っています。手配旅行では、成立した個々の契約は、旅行業者ではなく手配先の交通機関や宿泊業者等との間で交わされる契約の条件に従うことになるのです(図2)。

図2  募集型企画旅行と手配旅行の違い

 この2つの契約の違いを十分に理解しないまま、手配旅行の取消しを申し出た場合、募集型企画旅行とは異なる定めにより取消料が発生することがあります。さらに、旅行業者に対する手続料も別途支払わなければなりません。
 特に、ネット販売による格安航空券の場合、料金が安く設定されている代わりに、取消料や変更手数料の発生する起算日が募集型企画旅行の場合よりも早く、その金額も高額に設定されていることがあるので注意が必要です。
 また、募集型企画旅行は申込金の支払いがない限り契約が成立せず(※)、取消料も発生しませんが、手配旅行の中には申込金の支払いがなくとも契約が成立し、直ちに取消料が発生する場合があります。(※カード決済の場合は申込金が不要。)
 後になって思いもよらぬ支払いを求められないよう、旅行契約は十分な確認の上で申し込むよう心掛けてください。

海外の旅行業者と契約する際の注意点

 ネットを通じた旅行契約は旅行業者にも利便性が高いため、近年では、日本に窓口や支店を持たない海外の旅行業者との契約もよくみられます。ネットで海外旅行を申し込んだところ、実は旅行業者が外国の法人であったという例が増えているのです。ホームページが日本語で書かれていたり、URLが「◯◯◯.co.jp」となっていたりすると、つい日本の旅行業者だと思い込みがちですが、日本の法人とは限りません。
 日本の旅行業者が海外旅行を取り扱う場合、旅行業法によって観光庁長官の登録を受けなければならず、その他にも旅行者の不利益を防止するための厳しい規制が設けられています。また、観光庁長官及び消費者庁長官の定めた標準旅行業約款、または観光庁長官の認可を受けた約款を採用しており、国内の登録業者であればどの業者と契約しても、契約条件はほとんど同じです。しかし、旅行業法は海外の事業者には適用がありません。海外の旅行業者と契約する場合、契約条件も標準旅行業約款に定められた内容とは違う可能性があります。

 例えば、標準旅行業約款(募集型企画旅行の部)における海外旅行の場合、取消料は旅行開始日の前日からさかのぼって40日目以降から発生するとされています。けれども海外の旅行業者との契約の場合、より早い段階から取消料が発生し、より高い割合で取消料が徴収されるなど、旅行者に不利益な内容の契約条件となっている場合があります。
 また、このようなトラブルによって旅行業者との間で紛争が生じたとき、日本の旅行業者との紛争であれば国内に様々な紛争解決機関がありますが、これらの機関の多くは海外の旅行業者との紛争を受け付けません。また、外国法が適用されたり、海外の裁判所を管轄とすることが契約条項に盛り込まれていることもあります。
 このように、日本と海外の旅行業者とでは、旅行プランなどは一見同じに見えても、契約条件が全く異なる場合があります。旅行業者を選ぶ際には慎重な見極めが必要です。
 日本の旅行業者かどうかは、旅行業の登録番号を確認することで簡単に調べることができます。旅行業の登録番号を確認することは、契約の相手が違法な無登録業者でないかどうかを判別することにも役立ちます。

今月の話題 イラスト 旅行

旅行開始後も用心を怠らずに

 無事に旅行の手配を済ませれば、後は現地で楽しむだけ、と言いたいところですが、現地でも思わぬ契約トラブルに巻き込まれる恐れがあるので用心は怠らないようにしましょう。安価な偽ブランド品に手を出さないことや、買い物の際に値段をしっかり確認するなど、細心の注意を払うことは言うまでもありません。
 開放的なリゾート地で近年増えているのが、タイムシェアと呼ばれる不動産所有権付きリゾート会員権の販売勧誘です。会員になると、毎年一週間、契約したリゾート施設に宿泊するなどの権利を得られるというものです。ただし、タイムシェアでは、会員権そのものの価格とは別に、定期的に管理費も発生します。また、毎年一週間の滞在が可能であるといっても、希望者が集中する時期は思うように予約が取れず、結局利用できなかったという声も聞かれます。この種の契約は日本では消費者契約に該当する場合が多く、勧誘方法に問題があれば消費者契約法による取消しの対象となります。しかし、海外の事業者と現地で契約を締結した場合、消費者契約法は適用されないため、同法による取消しはできません。海外の旅行業者との契約と同じ危険性があるのです。
 割安な価格で海外リゾートを利用できることがタイムシェアの大きなメリットですが、慌てて契約せず、デメリットもあることを十分認識して、購入の是非を検討してください。
 旅先で浮かれていると、注意力が散漫になったり、気分が大きくなったりして、うかつな行動を取りがちです。自分にとって本当に必要なものかどうか、契約をする前に、一度冷静になって考えるようにしましょう。

 

楽しい旅行にするために

 消費者契約法は、事業者に対して契約内容について必要な情報を提供する努力義務を課すとともに、消費者に対しても契約内容を理解する努力義務を定めています。
 消費者は業者まかせにするのではなく、自らよく考えて旅行商品を選ぶようにすることが大事です。

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