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今月の話題

金融商品との向き合い方 ~より良い暮らしのために~:金融広報中央委員会(事務局:日本銀行情報サービス局) 入江(いりえ)高宏(たかひろ)

 預貯金、株式、債券、投資信託、保険など様々な金融商品が販売されています。これらの金融商品に対して、私たちはどのように向き合ったら良いのでしょうか。

金融商品を上手に選ぶためには

 まずは、購入する目的を明確にしましょう。自分の生活設計の中で、金融商品に期待する役割をはっきりさせておくことが大事です。
 人生においては、結婚、出産、車やマイホームの購入、子育て(進学)、事故・病気等、様々な出来事があります。1年後の結婚資金のために着実に貯めたいのか、10年後のマイホーム購入のためにできるだけ多くの資金を用意しておきたいのか、万一大きな事故にあったときの入院費用の支出に備えたいのか、老後の生活資金を増やしたいのかなど、金融商品を購入する目的には様々なものがあります。金融商品の内容や特性は多様ですから、目的を明確にしたうえで、その目的に合う商品を選択することが必要です。
 そのためには、金融商品に関する資料や金融機関の店頭での説明などを活用して、商品の内容や特性を十分に理解しましょう。様々な商品を比較検討することも大切です。金融商品によっては、金利、外国為替、株価などの動向によって、その価値がとても大きく変わるものがあるので、その時々の金融経済情勢にも目を配っておきましょう。

金融商品を知るための3つの基準

 金融商品の特性を知るための手掛かりとしては、安全性、流動性、収益性の3つの基準があります。

  •  安全性 とは、購入した金融商品が目減りしたり、予想外の損を出したりする可能性がないかどうかという基準です。
  •  流動性 とは、購入した金融商品をどのくらい自由に現金に換えることができるかという基準です。
  •  収益性 とは、どのくらいの運用利益が見込めるかという基準です。

 3つの基準全てが優れている金融商品はありません。収益性が高い商品は安全性が低かったり、流動性が高い商品は収益性が低かったりするという傾向がみられます。金融商品を選ぶときには、それぞれが持つ長所・短所を3つの基準に照らしながら、目的に応じて使い分ける、組み合わせるという発想が大切です。それぞれの内容と主なチェックポイントは、下(図表1)のとおりです。

(図表1)金融商品を知るための3つの基準

リスク・リターンの見極めを

 一般に、リスクという言葉には、「危険、危険性、損害のおそれ」といった訳語があてられます。これだけをみると、「リスクをとることは悪いこと、避けるべきこと」といった理解になりがちです。しかし、金融の世界では、リスクという言葉は、「不確実性」との訳語をあてた方が良いように思います。金融商品には大なり小なりですが、何らかのリスクがあります。リスクは避けるものではなく、上手に付き合うべきものなのです。そのためには、リスクの性格、特徴を良く知り、自分なりにリスクとの付き合い方を工夫していくことが大切です。金融商品の主なリスクとその内容は、(図表2)のとおりです。

(図表2)主なリスクのタイプ

 さて、金融商品から得られる運用利益をリターンと呼びますが、通常、リスクとリターンには密接な関係があります。一般に、「高いリターンを得ようとすると、リスクも高まる」(ハイリスク・ハイリターン)、「リスクを低く抑えようとすると、リターンは低下する」(ローリスク・ローリターン)という関係があります。なお、「リスクを高めれば、必ずリターンが高まる」というものではありません。こうしたリスクとリターンの関係を金融商品ごとに見極めることが重要です。リターンが高いとみられる、儲かりそうな金融商品については、その背後にどのようなリスクがあるのか、購入する際に金融機関から十分な説明を受けて理解しておくことが大切です(図表3)。

(図表3)リスクとリターンの関係

 より安定したリターンの獲得を目指すためには、金融商品を購入する際にリスクを減らす必要があります。分散投資という方法は、価格の動き方が異なる複数の商品に投資して、価格変動リスク等を抑えようとするものです。例えば、株式が値下がりしても、債券が値上がりしていれば、全体としての価値は下がらないだろうという考え方です。同じ考え方で、資金を海外に分散させたり、複数の通貨に投資したり、資金の投入時期をずらして投資期間を分散させたりする方法もあります。
 金融商品への投資を検討する場合には、自分がとれるリスクの大きさを踏まえてコントロールしつつ、リスクに見合ったリターンの獲得を目指すことが大切です。一般的に、私たちが投資を決めるときには、リターンに目が向き、リスクを軽視しがちです。最悪の事態になって失う可能性のある金額について、「どの程度の損失までなら許容できるか」を予めイメージして、投資する金融商品と投資額を決めることが必要です。

最近の話題から

 日本の家計金融資産をみると、アメリカやユーロ圏と比べると、現金・預金の割合が高く、株式を含むリスク資産の割合が低いという特徴があります(図表4)。

(図表4)家計金融資産に占める現金・預金とリスク資産の割合

 こうした日本の家計の金融資産を貯蓄から投資に向かわせるひとつのインセンティブとして、今年1月、少額投資非課税制度(NISA)がスタートしました。この制度を利用するためには、銀行や証券会社などの金融機関にNISA専用の口座を開設する必要がありますが、NISAの口座では、年間投資額100万円までの株式や投資信託で得られる配当や売却益が5年間非課税になるメリットがあります。すでに資産運用の経験がある個人だけでなく、投資未経験者もNISAへの関心を高めています。
 NISAを活用して投資する際にも、これまで説明した金融商品の選択に当たっての留意点は忘れないようにしましょう。

金融トラブルにあわないために

 近年、様々な金融トラブルが発生しています。その背景には、インターネット取引など金融商品販売ツールが多様化していること、金融商品開発のスピードが速く、消費者の金融商品についての理解が不十分になりがちといった事情があるように思います。また、販売者側が十分な説明を行わなかったという事例がある一方で、残念ながら、消費者側も、高いリターンを求めているのに、それに付随する高いリスクに注意が及ばなかったという事例もあるようです。ハイリスク・ハイリターンの原則は、常に頭に入れておきたいものです。金融商品を購入する際の注意点を下にまとめてみました。

  • ■購入の目的を明確にすること。
  • ■金融経済知識を身に付けるよう努力すること。様々な情報を収集し、金融機関に自分が納得するまで十分な説明を求めること。
  • ■「ハイリスク・ハイリターン」を肝に銘じ、特にそれぞれの商品のリターンと同時に、リスクについて十分把握すること。
  • ■どの程度の損失までなら許容できるかを予めイメージしてから商品と投資額を決めること。
  • ■取引相手について、少なくとも『住所』・『電話番号』・『代表者名』・『規制する法律名』・『登録や許可などを受けた業者かどうか』などを調べたうえで、信用のおける業者であることを確認すること。
  • ■個人情報を伝えるときは慎重に行うこと。

おわりに

 最近、「金融リテラシー」という言葉がよく使われます。これは、「お金に関する知識と判断力」と言い換えることができます。単に知識があるというだけでなく、その知識や情報をもとに、自分自身で的確な判断ができるようになることです。私たちのより良い暮らしのためには、「金融リテラシー」は、今後ますます大事になってくるものと思います。金融商品とどう向き合うのかは、個人の価値観やライフスタイルと密接に結びついているといえます。最後は、自分でしっかり判断し、決定することが大切です。

5月号の「今月の話題」は『くすりのネット販売解禁』についてです。

 
消費生活総合センター発 それは詐欺かも!?・・・金融商品の儲け話

 未公開株や社債、ファンド、商品先物取引などの金融商品を、必ず儲かる近いうちに上場するなどと、言葉巧みに契約させる、詐欺的な投資トラブルが多発しています。また、高額で買い取る過去の損失を取り戻せる名義を貸して欲しい、など「うまい話」を持ちかけて、消費者が断れない状況を作り、高額な手数料をとったり、費用を立て替えさせたりするなどの、二次的被害のトラブルも目立ちます。悪質業者の甘い言葉や巧妙な手口に、十分注意してください。

<相談事例>

事例1 ファンドへの投資

イメージイラスト A社からカンボジアの高齢者向け不動産所有権投資の書類が届いた。数日後、B社から「封筒が届いているか」と電話があり、「2倍の金額で買い取るので代わりに購入して欲しい」と勧誘された。手元に現金があったので、5口申し込み、販売代理店C社に代金を現金書留で送った。その後、買取業者のB社の電話番号が変更されたり、通話の途中で電話が切れるので不審に思い、詐欺ではないかと心配になった。

事例2 金融商品の二次的被害

イメージイラスト 以前、D社に「ある外国通貨を代理で買ってくれれば高く買い取る」と言われ、外国通貨に両替をしたが、買い取ってくれるはずのD社と連絡がとれなくなった。先日、Eという法人から「D社が警察に捕まり、被害回復されることになった」と電話があり、保証金を振り込むようにと言われ、指定の口座に振り込んだ。E法人から「心配なことがあれば連絡するように」と紹介された弁護士事務所に電話をしたところ、実在する弁護士事務所であったが、「E法人とうちの事務所とは関係が無い」と言われた。

トラブルにあわないための注意点

1.仕組みがわからず、自分で理解できない金融商品は契約しない。
2.必ず儲かる・買い取る・謝礼を支払う・名義を貸して欲しいなどの話を持ちかける業者の話は信じない。
3.販売業者について、法に基づく登録の有無などを事前に金融庁のホームページや消費生活センターに確認し、無登録業者とは契約しない。また、登録業者の話であっても安易に信用しない。
4.希望しない一方的な勧誘はきっぱり断る。その場ですぐに契約しない。
5.疑問・不安に思ったらすぐに最寄りの消費生活センターに相談する。
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