モノはどうやってきて、どこに行くんだろう
私たちの毎日の生活は、モノやサービスを消費することで成り立っています。では、私たちが買い物で商品を選択する際、価格・品質・安全性のほかに、それがどのように作られたか、それを購入することでどんな影響を与えるか、考えたことはありますか?
分業の時代である現代では、商品が店頭に並ぶまでに、原材料となる一次産品を生産する農家、加工・製品化する事業者、商品を店頭に運ぶ輸送業者など、実に多くの人が関わっています。
「この商品は、どうやってきて、どこに行くんだろう」
店頭に並ぶたくさんの商品を前に、私たち消費者は商品の一生(生産、流通、消費、廃棄)について、まず立ち止まって考えることが重要です。
モノはだれがどこで作っているんだろう。
商品の一生の中で、問題となっていることはないか考えてみましょう。
私たちが普段なにげなく店頭で手に取る商品が、実は、各段階で問題を抱えている可能性があるのです。
農薬を使うコットン畑や、チョコレートの原材料であるカカオの農園に、幼い子どもたちが働く「児童労働」が潜んでいるかもしれません。また原材料を採るときに、海や森などの自然環境や生態系を破壊しているかもしれません。
商品に加工する段階でも、劣悪な環境で働かされている人たちがいる可能性があります。
平成25(2013)年4月、バングラデシュの首都ダッカ近郊の商業ビル「ラナ・プラザ」が崩落し、工場の従業員が生き埋めになる事件が起きた時の写真です。死者1,134人、負傷者2,500人以上。犠牲になったのは主に若い女性たちです。崩壊の危険があり避難勧告が出ていたのにもかかわらず、働き続けさせられたのです。
効率的な配送が行われず、船やトラックなどから地球温暖化の原因とされる二酸化炭素が大量に放出されていることもあります。
食べられるのに捨てられてしまう食品(食品ロス)や、海に流出したプラスチックごみ(マイクロプラスチック)が海洋汚染につながっているなどの問題が起きています。
エシカル消費とは
地域の活性化や雇用なども含み
「人や社会、環境に配慮した消費行動」のこと。
購入するときに、自分の価値観に加えて、他の人への配慮も含めて商品を選ぶことを「エシカル消費」といいます。
「この商品はだれがどこで作っているんだろう」「この商品に付いているマークにはどんな意味があるんだろう」と、知りたいと思うことを積極的に情報収集して、購入することが大切です。