ページの先頭です

ページ内を移動するためのリンク
本文(c)へ
グローバルナビゲーション(g)へ
ローカルナビ(l)へ
サイトのご利用案内(i)へ

トップページ > 商品安全 > 商品等の安全性に関する調査・商品テスト > 商品テスト結果「家具転倒防止器具の性能」

更新日:2015年3月10日

商品テスト結果「家具転倒防止器具の性能」

家具の転倒防止器具、表示どおりの効果が得られない?!
~ 器具の組み合わせによる使用が有効です!~ 

平成27年3月10日
生活文化局

  東日本大震災からまもなく4年が経過しようとしています。消費者の防災意識の高まりを受け、現在、様々なタイプの家具の転倒防止器具が販売されていますが、中には「震度7対応」、「震度7でも転倒を防いだ」等の効果を表示した商品も見られるようになりました。
そこで都は、市販されている転倒防止器具の性能を調査するため、商品テストを行いました。

テスト内容

 壁や家具を傷つけることなく設置できる「粘着マット式」、「ストッパー式」、「ポール式」の3種類の家具転倒防止器具を購入し、家具(タンス、食器棚)に取り付けて、兵庫県南部地震の神戸海洋気象台の地震波(震度6強相当)及び同地震波を60%にしたもの(震度6弱相当)で加振するテストを行いました。

試験状況

≪今回購入した検体のタイプ≫
粘着マット式 ストッパー式 ポール式

粘着マット式

ストッパー式

ポール式

粘着性のゲル状のもので、家具の底面と床面を密着させる器具 家具の前下部にくさび状に挟み、家具を壁側に傾斜させる器具 家具と天井の隙間に設置する棒状の器具

テスト結果

「震度7対応」の表示で期待する効果が得られない場合が!!震度6強で加振後の状況

  •  今回テストした7検体には、震度7相当での効果を期待させる表示をした商品もありましたが、震度6強相当の地震波でテストしたところ、7検体全てで家具が転倒(転倒相当を含む)しました(表1)。
  •  さらに、明確な震度表示が無い3検体について、震度6弱相当の地震波でテストしたところ、1検体で家具が転倒しましたが、2検体は10~30cm程度の移動にとどまり、家具は転倒しませんでした(表1)。

器具を家具の上下に組み合せて使用すると効果が高まる!!

 イメージ単体使用では家具が転倒した器具を食器棚の上下に組み合わせて固定し、震度6強相当の地震波でテストしたところ、家具が転倒せず、10cm以下の移動に抑えられたケースがありました(表2)。

※当テスト結果は、大型の家具(タンス・食器棚)を対象として、特定の地震波、設置方法等の条件で実施した試験によるものであり、転倒防止器具の効果の有無や優劣を示すものではありません。 

(表1) 各検体の商品表示とテスト結果

検体 A B C
検体写真 粘着マット式
検体写真
検体A
検体B 検体C
主な表示 耐震性能に関する表示 「耐震」 「震度7相当OK」 「震度7クラスOK」
対象家具・耐荷重に関する表示 「大型キャビネットやタンス、液晶モニター、パソコン」
    タンス、テレビのイラスト
家具、テレビ、パソコン、花瓶等のイラスト
    「耐荷重100kg」
「大型テレビ・家電・家具等に利用できます。」
    「耐荷重100kg」
テスト結果 震度6強 使用家具 タンス タンス タンス
家具の状況 転倒相当(30cm以上の移動) 転倒 転倒
震度6弱 使用家具 食器棚 未実施 未実施
家具の状況 10~30cm程度の移動
検体

D

E

F

G

検体写真

ストッパー式

ポール式

検体写真

検体D

検体E

検体F

検体G

主な表示 耐震性能に関する表示 「転倒防止」、「家具が揺れに強くなる」 「震度7でも食器棚の転倒を防いだ」 「耐震」、「家具の転倒防止」、「地震の被害を最小限に食い止める」 「公的機関の振動試験で転倒防止効果を実証済み」
対象家具・耐荷重に関する表示 タンスの写真 タンスのイラスト タンスのイラスト タンスのイラスト及び写真
テスト結果 震度6強 使用家具 タンス タンス 食器棚 食器棚
家具の状況 転倒 転倒 転倒 転倒
震度6弱 使用家具 食器棚 未実施 食器棚 未実施
家具の状況 10~30cm程度の移動 転倒

 ※タンス(1365mm×885mm×420mm~81.32kg) 食器棚(1800mm×885mm×400mm~100.35kg)~ともに素材はMDF(中密度繊維板) 重さは内容物を含む

(表2) 検体を組み合わせた場合のテスト結果

検体

E+G

検体写真

上部(検体G)

検体G


下部(検体E)

検体E

テスト結果 震度6強 使用家具 食器棚
家具の状況 10cm以下の移動

検体EとGの組み合わせ使用のテスト後の状況
検体EとGの組み合わせ使用のテスト後の状況
(下部の検体Eに若干のずれ、上部の検体Gに一部破損はあるが、食器棚は転倒しなかった。)

動画(mp4):家具転倒防止器具、表示どおりの効果が得られない?! ~器具の組み合わせによる使用が有効です!~

 消費者へのアドバイス

 家具の転倒・落下・移動防止対策は、地震時のケガや避難障害の発生を防ぐため非常に大切です。

  • 転倒防止器具は、地震の大きさや取り付ける家具等、条件によっては期待される効果を発揮できない場合があります。表示を過信することなく、図1を参考に家具の上下に器具を組み合わせる等、できるだけ効果の高い対策を図りましょう。
  • 器具の使用だけでなく、ケガや避難の妨げにならないよう、家具の置き方を工夫しましょう(図2)。
  • 納戸やクローゼット、据え付けの家具へ収納することにより、なるべく生活空間に家具を置かないようにしましょう。

図1 転倒防止器具の効果
図1 転倒防止器具の効果

図2 家具の置き方の工夫
図2 家具の置き方の工夫

参考:東京消防庁「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」外部サイトへリンク

 要望・情報提供

  1. 要望
    事業者に対し、消費者に器具の性能について過度な期待を持たせない、取付方法や対象とする家具を明記する等、わかりやすい表示をするよう要望しました。
  2. 国・業界団体への情報提供
    消費者庁 消費者安全課
    消費者庁 表示対策課
    経済産業省 商務情報政策局
    総務省消防庁 国民保護・防災部防災課
    一般社団法人 日本オフィス家具協会
    一般社団法人 日本家具産業振興会
    一般社団法人 日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会
    公益社団法人 日本通信販売協会
    日本チェーンストア協会  
別添

プレス発表用資料(PDF:332KB)
プレス発表資料別紙(PDF:294KB)
報告書(PDF:898KB)

≪参考≫ 平成23年度 ヒヤリ・ハット調査「非常時(震災時)の危険」より  

使用していた転倒防止器具の種類・有効性
図 使用していた転倒防止器具の種類・有効性

 東京都が東日本大震災後の平成23年7月に実施したヒヤリ・ハット調査「非常時(震災時)の危険」によれば、使用している器具は、「ポール式」、「粘着マット式」、「ストッパー式」の順で多く、壁や家具に傷をつけることなく設置できる器具が上位となっている。
転倒防止対策を実施していると回答した都民1,287人うち、8割以上が転倒防止器具は転倒防止に有効だと感じていたが、「効果が無かった。」、「設置していても不安」等、その効果を疑問視する回答も1割以上あった。

お問い合わせ先

東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当

電話番号:03-5388-3055