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トップページ > くらしの安全 > 商品等の安全性に関する調査・商品テスト > 調査・商品テスト一覧 > ジクロルボス(DDVP)を含有する殺虫剤について 別紙2

更新日:2013年3月21日

ジクロルボス(DDVP)を含有する殺虫剤について 別紙2

1 目的

ジクロルボス(以下DDVP)はゴキブリ、ハエ、蚊などの殺虫を目的にくん煙剤やくん蒸剤として用いられている。急性毒性が強く、劇薬に指定されているものもある。本試験では、蒸散型のジクロルボスを含有する殺虫剤を使用した場合のジクロルボスの室内空気中濃度等及び人へのリスク評価を行うことを目的とした。

2 測定物質

ジクロルボス(DDVP)

3 対象商品

(1) 吊り下げタイプ   1商品
(2) 殺虫機装着タイプ 1商品

4 測定項目

(1) 室内空気中濃度(床上20cm及び120cm)
(2) 試験片(布・板・ガラス)への付着濃度

5 測定期間

(1) 吊り下げタイプ
対象商品を室内に設置から21日間
(2) 殺虫機装着タイプ
殺虫機稼働から13日間(殺虫機は8時間稼働)

6 測定方法

「一般用医薬品及び医薬部外品としての殺虫剤の室内空気中濃度測定方法ガイドラインについて」(平成15年7月28日付薬食審査発第0728001号)に準拠したテストチャンバー(容積:24.3立米 6畳間相当)を用いた。

(1) 空気中濃度
テストチャンバー内に対象商品を設置し、テストチャンバー内の空気を経時的に採取して、ジクロルボス(DDVP)濃度を分析した。
(2) 試験片への付着濃度
テストチャンバー内に対象商品、試験片を設置し、試験片を経時的に採取して、ジクロルボス(DDVP)濃度を分析した。

7 測定結果

(1) 吊り下げタイプ
ア 室内濃度
室内濃度は、実験開始後3時間で83μg /立米(床上20㎝)、51μg /立米(床上120㎝)となり、その後徐々に低下したが、4日目から再度上昇し始め、7日目において最高濃度150μg /立米(床上20㎝)、8日目において最高濃度140μg /立米(床上120㎝)となった。その後徐々に低下し、実験終了日の室内濃度は54μg /立米m3(床上20㎝、床上120㎝)であった。
イ 付着濃度
試験片への着濃度(床上120㎝)は、布、板、ガラスの順で高い濃度を示した。付着濃度は実験開始から徐々に上昇し、最高濃度は布で10日目に90μg /立米、板で12日目に20μg /立米、ガラスで13日目に8.1μg /立米なった。その後徐々に低下した。室内濃度と付着濃度の挙動からジクロルボスは室内空気から布等へ移行していると考えられる。
(2) 殺虫機装着タイプ
ア 室内濃度
室内濃度は、実験開始後6時間で450μg /立米(床上20㎝)、420μg /立米(床上120㎝)となり、殺虫機が停止した8時間後の室内濃度は、330μg /立米(床上20㎝)、380μg /立米(床上120㎝)となった。殺虫機停止後は、徐々に室内濃度は低下し、実験を終了した13日目には0.7μg /立米(床上20㎝)、0.4μg /立米(床上120㎝)となった。
イ 付着濃度
試験片への付着濃度は、殺虫機を稼働した1日目で最高濃度となり、布は500μg /立米、板は250μg /立米、ガラスは160μg /立米であった。その後徐々に減少し、実験を終了した13日目の付着濃度は、布で4.0μg /立米、板で4.6μg /立米、ガラスで2.9μg /立米であった。

8 予測

吊り下げタイプ殺虫剤について、対象商品の有効期間が2~3ヵ月であるため、90日後の予測濃度を近似式から求めた。その結果、40μg /立米(床上20㎝)、24μg /立米(床上120㎝)程度と想定される。

9 人へのリスク評価

室内空気中濃度(大人は床上120㎝、子供は床上20㎝の値を用いた。)及び布等への付着濃度からジクロルボス(DDVP)の摂取量を推定し、それをWHOの定めるADIから算出した一日許容摂取量(大人は50kg、子供は15kgとした。)と比較した。

ADI:  人が一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康に影響をおよぼさないと判断される1日当たりの摂取量。ジクロルボス(DDVP)については、1日に体重1kg当たり3.3μgと設定されている。ただし、ADIを超えた量を一時的に摂取したからといって、直ちに健康に影響を及ぼすことはない。

(1) 吊り下げタイプ
1日あたりの推定摂取量は、全測定期間(21日間)を通じて、大人、子供とも一日許容摂取量(大人:165μg /日、子供:49.5μg /日)を超えていた。暴露経路は、吸入による暴露がほぼ100%を占めていた(表1参照)

表1 推定1日摂取量(吊り下げタイプ)

経過
日数
(日)
大 人 子 ど も
推定1日摂取量
(μg/日)
一日許容摂取量
超過倍率(倍)
推定1日摂取量
(μg/日)
一日許容摂取量
超過倍率(倍)
1 780 4.7 670 14
2 660 4.0 570 12
3 690 4.2 580 12
4 840 5.1 890 18
5 1800 11 1100 22
6 1500 9.1 900 18
7 1800 11 1400 28
8 2100 13 930 19
9 1400 8.5 740 15
10 1500 9.1 1000 20
11 1200 7.3 1000 20
12 1700 10 1100 22
13 1000 6.1 920 19
14 1300 7.9 710 14
15 1200 7.3 930 19
16 1300 7.9 1000 20
17 560 3.4 850 17
18 1200 7.3 660 13
19 1400 8.5 780 16
20 1100 6.7 840 17
21 810 4.9 500 10

※ 数値は有効数字2桁で示した。

(2) 殺虫機装着タイプ
1日あたりの推定摂取量は、殺虫機稼働中は大人、子供とも一日許容摂取量よりも1桁高い量となった。一日許容摂取量以下となったのは、大人は実験開始後6日目、子供は実験開始後8日目であった。暴露経路は、吸入による暴露がほぼ100%を占めていた(表2参照)。

経過
日数
(日)
大 人 子 ど も
推定1日摂取量
(μg/日)
一日許容摂取量
超過倍率(倍)
推定1日摂取量
(μg/日)
一日許容摂取量
超過倍率(倍)
1 6300 38 4200 85
2 940 5.7 510 10
3 650 3.9 420 8.5
4 360 2.2 180 3.6
5 360 2.2 180 3.6
6 150 0.91 72 1.5
7 67 0.41 53 1.1
8 56 0.34 31 0.63
9 53 0.32 25 0.51
10 30 0.18 16 0.32
11 29 0.17 17 0.34
12 23 0.14 9.4 0.19
13 9.2 0.056 7.5 0.15

10 所見

本調査から、吊り下げタイプは、一日許容摂取量を超える濃度が維持されるため、長時間人が滞在する場所での使用を避ける必要がある。また、殺虫機装着タイプは、稼働時には極めて濃度が高くなるため、装置停止後に室内に入る前に充分な換気が必要である。いずれの殺虫剤においても、子どもが利用する施設での使用については特段の配慮が必要である。

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お問い合わせ先

東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当

電話番号:03-5388-3055