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トップページ > 商品安全 > 東京都商品等安全対策協議会 > 折りたたみ椅子等の安全確保について > 第3回 「折りたたみ椅子等の安全確保について」 議事要録

更新日:2013年3月21日

第3回 「折りたたみ椅子等の安全確保について」 議事要録

【日時】平成20年1月23日(水)14:30~16:30
【場所】都庁第一庁舎31階 特別会議室22

事務局(生活安全課長)

それでは、ちょっと時間も過ぎましたが、ただいまから始めさせていただきます。

本日は、お忙しい中、また、あいにくの天候の中をご出席いただきまして、まことにありがとうございます。会議に入ります前に資料の確認をさせていただきます。

(資料の確認)

  1. 会議次第
  2. 資料1 協議会の要領
  3. 資料2 委員等の名簿
  4. 資料3 消費者アンケート調査(緑色のファイル綴じ)
  5. 資料4 協議会の報告書の骨子案
  6. 資料5 課題及び今後の取組みについての提言
  7. 資料6 協議会のスケジュール
  8. その他 安全規格の参考資料(ピンクのファイル綴じ)

ただいまから「第3回商品等の安全問題に関する協議会」を開催いたします。

本日の出席状況についてお伝えしておきます。日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会の大津委員は欠席でございます。

それでは、詫間会長、よろしくお願いいたします。

詫間会長

今、ご挨拶にございましたように、大寒で寒い中をお集まりいただきましてありがとうございます。皆さんとご一緒にご検討いただき、特に先ほどの資料3、4、5のあたり、報告書の骨子案及び今後の課題と提言という2つの大きな課題がありますので、委員の皆様方からそれぞれ貴重なご意見をいただければ大変ありがたいと思っております。

それでは、資料の最初に会議次第がありますが、議事は大きく3つに分かれておりまして、「折りたたみ椅子等に起因する危害・危険の検証について」ということで、一部追加的な資料もあります。これは桜井係長さんからご説明をお願いできればと思います。

事務局(安全担当係長)

それでは、私から、資料3の消費者アンケートの資料について説明させていただきます。

お手元の緑色のファイルをご覧いただきたいと思います。こちらは、前回お配りしました消費者アンケートの中身をさらに詳細に分析した結果を載せております。今回、詳細な分析の結果について載せた部分を中心に説明いたします。

まず、39ページの折りたたみ椅子全体の分析結果です。39ページをお開きいただきたいと思います。下にあります折りたたみ椅子全体として、アンケートの事故の種類の1、2、3の、子ども用ローチェア・ハイチェア、それ以外の大人用というものと、あとアウトドア用の3つのものの合計について分析した結果です。その結果、椅子全体については1,169人中545人、46.6%の方が実際に危害、危険、ひやり・ハッとの経験があるということで回答されていました。

次の40ページに行きまして、危害、危険、ひやり・ハッと、いずれも経験したことがないということで分けてみましたら、けがをした方が94人、全体の8%の方がけがをされていたということです。

続きまして、42ページをご覧いただきたいと思います。折りたたみ椅子全体で、12歳までの子どものところにつきましては、上の全体の左から4つですが、危害に遭った方のうち約半数が12歳以下の子どもであることがわかりました。

次の43ページですが、これについては、全体の116件、24.9%、その隣の35件の7.5%が製品に問題があるということで回答されております。

今回、それにさらに複数回答の部分について分析した結果が44ページです。44ページの製品注意取扱説明書のみに問題があると回答された方が全体の15.5%の方がそのように回答されております。使用者の注意のみという方が39.9%。製品に原因があるか不明という方が18.2%。製品と使用者の不注意、両方に回答された方が10.5%ということと、製品に原因があるか不明、保護者・使用者の不注意という方が8.2%という結果が出ております。

続きまして45ページになります。危険性の認識についてでありますが、折りたたみ椅子全体の40.3%の方が危険を感じていた。逆に言うと、約6割の方は危険を感じていなかったということがわかりました。

次の46ページです。折りたたみ椅子に関する今後の安全対策についてです。ロック装置、カバー、隙間、クッションなどについては、複数回答ですので、ほぼ全員の方がそれぞれのところに何らかの安全対策をしてほしいという強い要望を希望しております。注意書き、開閉時の操作手順、施設の管理監督者の注意というのは少数にとどまっております。

次の47ページ、苦情の申出先ですが、全体の95.9%、すべての製品の結果とほぼ同様の結果となっております。

48ページに行きまして、苦情の申出先の、さらに製品表示取扱説明書に問題がありと回答した人だけでは92.4%。それでもやはり9割以上の方がどこにも申し出ていないことがわかりました。

そのほかのテーブル、ベッドにつきましても、49ページからはテーブル、59ページからはベッド、全体の分析結果をまとめてありますので、後で参考にしていただければと思います。

続きまして、資料の69ページ、事例集をご覧いただきたいと思います。69ページの資料ですが、前回は折りたたみ椅子のみの分析結果をお示ししておりました。今回は、折りたたみ椅子そのほかの製品ごとに事例を分析した結果を載せております。事例については、前回お示ししました事例を載せて、その下のところに、それぞれの事故に関する傾向を載せております。

前回もお話ししましたとおり、折りたたみ椅子の事故の傾向としては、71ページのところですが、0歳から5歳の傾向では、大人の近くにいたときに可動部に指を挟んだという傾向と、あと、バランスを崩して倒れた状態になり、閉じて指を挟んだという傾向が見られます。6歳から12歳については、家庭、体育館、公民館などで事故が起きていると。これについては、それぞれ、片づけの作業時、座るときなどでの事故があるということであります。被害の程度については、内出血がほとんどですが、中には、ひびが入ったなどの重大危害が発生していました。先ほどの0歳から5歳の危害については、ほとんどが内出血ですが、中には切断寸前まで至ったという報告もあります。

20歳以上の大人の傾向としては、自宅、会社、公共施設での事故がほとんどであります。その事故のときの状況ですが、片づけ、設置時に事故が起きているということで、危害の程度につきましては、内出血、打撲の軽症で済んでおります。

そのほかの事例についても載せてありますので、後で参考にご覧いただければと思います。以上で説明を終わります。

詫間会長

どうもありがとうございました。

追加ということなので、また改めて追加の調査をしたということではないのですけれども、今、ご説明がありましたように、今までのデータをさらに詳細に分析していただいて、大変興味深いポイントが幾つか出てまいりました。先回いただいていたのは、たしか48ページぐらいで終わっていましたけれども、今回は81ページですし、コメントも、今ご説明がありましたように、35ページぐらいからだったものが71ページから後ろについているということで、コメントも事例研究として非常に大事なもので、今、一部ご説明いただきました。

そういう意味で、今回のアンケート調査の意味づけがさらに深まって、肉付けがされたという意味での追加ですね。大変ありがたいことだと思います。

今、ご説明があったグリーンのアンケート調査報告書の改訂版といいますか、これについてのご意見をいただければありがたいと思います。メールでも送っていただいておりますし、いろいろと貴重なご意見を賜っておりますので、後のほうでまた報告書骨子のところにも反映させていただきたいと思っておりますが。

このデータは、結局、ファクト・ファインディングと申しまして、要するに、事実関係の基礎的資料になりますので、いずれ何回もこれにまた戻って、あと2回ほどやらせていただきますが、基本資料ということですので。

今、特にありませんでしたら、後でまたさのぼってこちらに関連してお話をいただいても結構かと思います。

現段階で、特にご指摘がなければ、先に進ませていただければと思います。

続きまして、持丸先生ご自身とスタッフの方に多大なご協力をいただいて感謝しておりますが、事故再現実験のその後の段階のものをご説明いただければ幸いです。

先生、よろしくお願いします。

持丸委員

産総研の持丸です。前回の委員会のときにちょっとお話し申し上げましたが、いすの間に、指の代わりにパイプを挟むような実験をしました。

(プロジェクター開始)

これはそのムービーですが、これは座るようなタイプではなくて、純粋にただ挟むだけ。ただし、このときに使用したものは、パイプが一列にならないようなタイプのもので、パイプとパイプの間に、ちょうど指に相当する部分が挟まりやすい。ご本人が挟むことはないと思いますが、たたんでいるときに近くにお子さんとかがいたりすると挟んでしまうことがあるというタイプの、意外に典型的なパイプです。

前回もご報告しましたように、これ以外にも幾つかの事例でやったのですが、これから何をお見せするかというと、まず、パイプが挟まれたときにどれくらいの力が働いていたかということをはかっているわけではないです。

〔スライド〕

最終的に、つぶれた鉛のパイプに記録されている。このつぶれた鉛のパイプをコンピュータの中で、どれくらいの力であればこうつぶれるのかということを解析することで初めてその衝撃がわかります。

さらに、同じような力で仮想的な指をつぶすとどれくらいの応力になるかということを今回はやりました。実は、何条件か実験はしていて、実験前からわかっていたことではあるのですが、計算上の都合で、あまり複雑な解析がなかなか難しいと。なぜ挟むものでやったかというと、実は、パイプとパイプの間にパイプを挟むという、工学的には比較的簡単な事例ですが、一方で、丸いパイプの上に樹脂が乗っていて、その上にパイプを置いてまた別のパイプで押さえるとなると解析がわりと難しくなってきます。そこで、比較的簡単な事例、今回やった中では、中程度の重篤度だった事例で分析を行いました。

こちらが分析結果です。本当に短いのですが。あまり詳しいことを申し上げても何ですが。ちなみに、何をしているかというと、最終的につぶれた鉛パイプの厚さをノギスで計測しまして、2つの椅子のパイプの間の隙間が、ノギスで計測した隙間になるまで強制圧縮をかけている状況です。

この四角形のメッシュがついていますが、この四角形の1個1個の要素が、我々の世界で言う有限要素と呼ばれているもので、それぞれの要素の硬さは、正確な鉛の強度とスチールの強度を入れてあります。厳密には、上下で挟んでいるパイプも多少は変形しているのですが、圧倒的に鉛がやわらかいものですから、鉛のほうだけが大きく変形して、最終的に変形した結果は、実際に試験の結果とよく一致すると。

これを計算すると何がわかるかというと、専門的で恐縮ですが、この2つの間の変位は、入力した結果ですから、それはそのままの答えが出ています。最終的につぶれた鉛のパイプの形はもちろん答えの一つですが、それは試験変位と一致すると。我々が知りたかったのは、この一番つぶし込んだ状況で、上下のスチールパイプの間にどれくらいの力が働いているかということです。専門的にはそれを反力と言うのですが、その反力が同じ程度に働くように指を押してみました。

〔スライド〕

これがそのときの指です。

実は、ちょっとおわびを申し上げなければいけないのですが、まず色のことをご説明します。

この間はこれを「応力」と言ったのですが、これは応力ではなくて「ひずみ」だそうです。ある10の長さのものが8になると、(10-8)÷10で、ひずみが0.2という計算式があるのですが。ひずみというのは単位がありません。どれだけつぶれたか、変形したかということです。

色の青いところは、最初の指の状態からほとんどひずんでいません。色がついてくる緑色から赤になるほど大きなひずみが起きています。上下の青いパイプは、先ほどの鉛をつぶしたときと全く同じものです。間に入っている指は、実は子どもさんの指のサイズで、これは以前にドアの開閉試験に我々が使用したものです。中の骨と軟部組織は、そのときのMRIの画像から決定しているものです。ある特定のお子さんだと思っていただければいいと思います。

このときは、指の組織のやわらかさ、骨のやわらかさ、爪の硬さの話、ヤング率ですが、これも別途の資料で文献等で得られた数字を入れております。先ほどの名前をつぶしたときの反力、2つのパイプの間で働く力が同じ力が働くようにシミュレーションする、指をつぶしてみるという予定だったのですが、実は、今お見せしているのはそのときの5分の1の力です。理由は、はっきり言うと、これ以上先は計算が不能だからです。

見ていただくと、実は5分の1の力でも指はかなりつぶれていまして、ここから先は指の弾性変形といって、もとに戻るような変形を超えてしまって、たぶんどこかで破断する。指が切れるという意味ではなくて、組織がつぶれたりすることが起きると。実は、我々が持っているデータは、指がどのくらいでつぶれてしまうかというデータはありません。そういうデータはなかなか入手できませんので。どれくらいまでバネのようにつぶれるかというところまでしかデータを持っていませんので、ここから先、強制的に計算すればできなくはないのですが、実際にはあり得ないものができてしまうので、弾性プラスアルファの域内で今は計算を止めております。ですから、実際には、これの5倍ぐらいの挟み込み荷重がかかっているということです。

クローズアップしてみたいと思います。

〔スライド〕

こんなような感じです。

先ほど言いましたように、最初、青いところに対して大きなひずみがかかっています。見ていただくとわかりますように、ひずみがすごく大きく出ているのは、ちょうど骨の上、指の上、爪の根本あたりのところです。これは、詳しい方はすぐにわかるのですが、ひずみは応力の集中といいまして、硬いところ、下の骨は硬いですね、上のパイプも硬いですね、その小さな隙間にやわらかい組織が入っているようなところは、必然的にひずみが大きくあらわれます。ですから、当然のことながら、この部分でのけがなり何なりが起きるリスクが高いということです。

もう一つは、骨の下にもひずみが出ています。この理由は、もちろん硬い骨と下のパイプの間に挟まっているということもありますが、これは骨の形状にもよっていまして、一番先端の骨、ちょっと丸くなってややとがっているところと、下の丸くなってとがっているところの間で、丸いもの同士で押しているような感じになります。その間に挟まれたところは、どうしてもひずみが大きくなります。

ここから先は、私は医者ではないので専門的なことは申し上げられませんが、一般的に我々の体は、特に指の部分ですと、腱は、この下側のところと上側のあの真上ぐらいを通っていますので、骨と骨の間には実際にそう重要なものはありませんが、上下のところは腱などが通っていますので、下手をすると腱を離断する、損傷するようなケースもあるということです。

残念ながら、我々はこれだけのひずみないしは応力がかかったときに、組織がどのくらい壊れてしまうかという情報を持っていません。我々が持っていないだけではなくて、世の中に基本的になかなかない情報です。皆さんの指を貸してくれと言って、つぶしてみて試すわけにはいきません。実際には、こういうものを幾つかの事故事例で解きながら、不幸にして起きた事故が、これぐらいひずんだときに最終的にどうだったのかということを持続的に蓄積していかなければいけないのだろうと思っております。

いずれにしても、今回わかったことは基本的に2点あります。実は、指の損傷としては、私どもが実験するまでは、大したことはないと言ったら失礼ですが、手で挟んでいるだけで体重をかけているわけではないので、さほどではないかなと思ったのですが、そうはいっても、硬いパイプの間に挟まると、それなりのつぶれになっていることがわかりました。

もう一つは、ドアとの違いということです。やはり体重がかかったり、挟み込む力が持続的にかかり続けるところがドアと違っているところです。ドアというのは、一回最初に押すと、あとは慣性といって、その勢いだけで閉まっているのですが、座ったときにつぶすというのはずっと体重がかかり続けますし、挟むときにつぶすのはずうっと挟む力をかけ続けています。力がかかり続けているというのは足し算で効いてきますので、ドアよりもやや重篤になるケースもあるのかもしれません。

以上が、我々のほうで分析した結果でございます。

詫間会長

持丸先生、どうもありがとうございました。

生体の実験をするわけにはいきませんので、いろいろなデータを集めていただいて、人体に近い形の条件に、最初にどういう形で、剛体でやった場合の力を加えて、コンピュータ上で、どういう変形が起きるかということをシミュレーションしていただいたので、非常に参考になると思います。

この間も申し上げたと思いますが、今、自動車会社などは、今までのロボットに近いような人形では、本当のビヘイビアが出ないので、かなり人体に近い形で、柔軟性も持って、皮膚などもちゃんと人間と同じような形でつくったものでやると相当違ったビヘイビアのはねられ方があるんですね。そういう形で、本当は、指に近いものの中に骨があって、脂肪層があって、筋肉があって、腱があって、爪があってというようなものをつくってやればなおよいと思いますけれども、それは大変費用もかかりますし、なかなかそう理想的にはいかないと思いますけれども。

先生がいろいろ工夫していただいて、コンピュータ上でどの辺のところまで推定して類似性があるかということでございます。先回の場合もそうでしたが、想像だけではいけないので、実験的、客観的なデータが得られれば、なお科学的な裏付けになるということですね。

もう一つ大事なのは、こちらには、酒巻さんも代理の根岸さんもお見えになりますけれども、メーカーの方ともそういうデータの共有化ができれば、相互に有効に、改善のための基礎データとして働いていくことになると存じます。

アンケートでこういう重大な事故があって、その数十倍といいますか、ハインリッヒの法則では30倍ぐらいあるということですので、そういうものがあるらしいということだけではなくて、実際にはどのくらい重篤な事故になるかとか、そういうことが科学的に示されれば、アンケートのデータも意味をなしてくるということもあると思います。

そんなことで今ご説明をいただいたわけですが、これはもう少しさらに、次回までにおまとめしていただけるのでしょうか。

持丸委員

そうですね。事務局と相談して、シミュレーションを追加したいと思います。

詫間会長

そうですね。特に先生のところに委託研究を差し上げているわけでもありませんので、あまり強い要求をさせていただくことも何かと思いますけれども。今申し上げましたような趣旨で、大変貴重な実験をやっていただいているわけでございます。

ですので、特にメーカーサイドの方から、今の実験について、ご意見とか、できればこういう角度からやっていただいたらいいというご意見があれば、おっしゃっていただきたいと思います。

酒巻委員

大変貴重な実験です。ありがとうございました。

私どもでは、前回と前々回の2回の会議を踏まえまして、協会の中で椅子メーカーの集まりを開きまして、この会合の模様も伝えて、改善しましょうという方向で一応ワーキンググループを設定し、今後、改善に向かってそのワーキングがつくり上げていくということで、今、山口さんにも入っていただいて作業を進めることにしました。

作業の骨子として、一つは構造の問題です。従来のものを全く絶滅することが一番いいんですけれども。そして、新しい、ここにありますこういう構造にという方向でのみの生産に持っていきたいと考えております。ただ、その場合、全く従来の生産を我々が会員に中止せよとは、公正取引委員会との関係でなかなか難しいという話です。やはり経済上の優位の問題になりますので、そこは難しい。ただ、私どもとしては、一つは、新しい構造のものを設定したら、業界としては推奨規格にしたいと考えております。

それから、この前、先生から、お名前は忘れましたけれども、問題がありました、前のものを使わないような文書を出してはどうかというお話、これもぜひ実行させていただきたいと思っております。

非常に難しいのは、注意義務といいますか、こういうことに注意してほしいということで、これがなかなか、どうしたらいいかなと。先ほど申し上げましたワーキングのこれからの課題にもなるのですけれども、取扱説明書の‥‥。私も、きのう、櫻井さんから言われてコンピュータを見て、申入れをしなかったという人の率が非常に多かったということにショックを受けているところです。

詫間会長

98%ぐらいですね。

酒巻委員

そうですね。ちょうど、昨年から、消費生活用製品安全法の一部が改正され、NITEのほうにもお知らせするとか、そういうシステムになりましたので、今までよりはそういう点の意識は消費者の皆様は上がっているとは思います。協会としても、もう少し、事故の受付のシステムといいますか、そういうものをもう一回考えなければいけないのではないかということで、私どもで第1回のときにちょっと配付しましたけれども、経産省に届け出る事故、経産省までは言わないけれども、NITEさんには届け出なければならない事故、2つの事項がありまして、それを届け出た場合には、協会的にも届け出てもらって事故の発生を防ぐことにしようと。そういうことまでは考えております。 また、先般の理事会でも可決しているのですけれども、消費者の皆さんに注意義務を、取扱説明書とか書き込んでやる、それをどのように徹底するかが非常に難しい問題だと考えております。こういう製品ですので、貼りつけてもはがれてしまう場合もあるし、また、貼りつける場所が難しいということがあります。我々から言うのはおこがましい言葉ですが、消費者教育をもっと充実して、メーカーから徹底的にその注意義務を守ってもらうような方向で行かなければいけないのではないかと考えております。

その3点です。表示のこと、構造のこと、消費者の皆さんに文書でいろいろなものを出す、この3つを検討して結論を出そうと考えております。

詫間会長

ありがとうございます。特にワーキンググループもつくっていただいているようで、積極的に取り組んでいただいていると思います。 特に最後のほうにおっしゃった消費者に対する注意喚起ということは、この間、酒巻委員もおっしゃいましたが、座った座面の裏に貼っていてもほとんど意味がないので、やはり背中とか、背中の後ろとか。それから、前に小林委員もおっしゃったと思いますが、ポスターみたいなものをつくって、「アウエアネス」と言っておりますが、そういうものをもっと幅広く喚起するようなこともいろいろ工夫していかなければいけないと思います。そういう方向に向かっていただいていることは大変ありがたいと思います。

それにしても、構造の問題については、そちらでも進んでおられれば、持丸先生のところと情報交換・共有化ということもお考えいただければなおありがたいのではないかと思いますが。

保阪委員、どうぞ。

保阪委員

イトーヨーカドーの保阪と申します。

今、メーカーさんから、構造を変えるというような形でお話を伺っているのですけれども、基本的に今回の会議で、これからたぶん、基準とか、新しい試験方法とか、あとは、取扱注意ということがいろいろ変わってくるのではないかと思いますが、では、過去に販売した商品はどうなんですかと言われたときに、それには、例えばメーカーさんとしてどうお答えするのかということが問題だと思います。

今、いろいろな家電メーカーさんで過去の商品でいろいろ事故が起きているわけで、例えば、たまたま今回新しい基準ができたとして、過去に販売した商品に関しては、消費者から訴えられたときにどうなのかという問い合わせが、意外と、メーカーさんよりもGMSの我々に来るケースが非常に多いです。

ですから、今後、基準がつくられた後に、プレス発表とかいった場合に、きちんとした方向性の、正しい方向のPR、消費者に対してのPR、特にその辺をやっていただかないと、例えば、今は使っていて問題ないけど、新しい基準ができて、過去のものは危ないのではないかということで、消費者の方を変に先導してしまうような形になると、たぶん、市場がかなり崩れてくると思います。一つの事故があって、たまたま今回こういう基準が通っていないものがまだ出ているじゃないか、それでけがした場合のPLの問題はどこが責任を持ってくれるのかという話とか、いろいろ出てくると思います。

20年以上前のものがまだ使われているケースがあったときに、そのメーカーさんがつぶれたときの責任の持ち方はどうなるのかという話とか、非常に多くなってくるケースがあると思うので、ぜひ、例えば消費者に対するメディアに出すときとか、過去の商品をどこまでフォローした上で対応するのかということと、特にメーカーに関しては、これからQ&Aの部分を用意していただかないと、我々販売店にこういうケースで問い合わせがあったときの対応が非常に難しいものですから、その辺は、今後のお話の中でしていただければと思います。

詫間会長

そうですね。保阪委員が最後におっしゃったQ&A、こういうケースの場合はこう対応されたらいいとか、あるいは、こうすべきというようなことの準備も、特にプレス発表等をする段階からは考えなければいけないのですけれども。 いずれにしても、より安全なものを提示していくということで、法律の基本は、ご承知のように、遡及しないということですから、過去にやっていた行為に対して、きょうから刑法が変わったのでそれも罰するということはないので、その後にそういう罪を犯した場合は、今の改定の刑法の刑法で罰せられるということですからね。原則遡及しない、さかのぼらないということは当然、Q&Aのときにも申し上げるのですが、精神としては、より安全なものをご提案しているということと、言ってみれば、前にもご意見が出ていたように、買い替えるときにはぜひこういう方向で購入していただきたいとか、こういうところに注意していただきたいという、そういう姿勢で行きたいと思っておりますがね。

Q&Aなどをつくるときには、特にQのところを保阪先生に加担していただくとつくりやすいと思います。確かに、ネガティブな発表の仕方をすると、先生がおっしゃるようなことも起こらないとは限りませんので、その辺は重視していきたいと思いますが。

持丸委員

これは、この報告書の出し方とも多少関連すると思うのですが、昨年、衣服をやっていまして、衣服と話がちょっと違うところは、寿命が長いことです。私、きょうの午前中、横矢さんと遊具の話をしてきましたが、遊具に通じるところがありまして、新しいものができても古いものもずっと使われていて、古いものでも事故は起きるでしょうね。

私から一つ、ニューアンスとして申し上げたいのは、みんなで考えていこうという姿勢がないと、これは絶対によくならないというのが私の基本的な考えです。「みんな」というのはどういうことかというと、もちろん、提供いただくメーカーの方、販売いただく販売店の方、そして使われる方です。それから、我々のような中立的な立場ないしは規格なり何なりをつくっていく立場。一気に規格をやると、古いものがまだ残っていて、買い替えるお金がないじゃないか、じゃ、やめてしまおうかという話になってしまって、それもぐあいが悪い。

そもそもリスクの話で、絶対に事故が起きるならば、これは考えなければいけない。そもそもリスクの話ですから、気をつけなければいけない、理解しなければいけないけれども、そこをちゃんと把握していただいて、既存であるものは仕方がないから気をつけて使う。もう一つは、先生がおっしゃるように、もし買い替える機会があったら、そのときには、新しい視点でより安全になったものを選ぶ目を持っていただく。そういうようなムーブメントがうまく起きるような形で報告できるといいなと思います。

詫間会長

ありがとうございます。

その点に関連して、ほかにいかがですか。

横矢先生、午前中に会談があったということですが、玩具との比較でどうなのでしょうか。

横矢委員

今、ちょっとまだ‥‥。

詫間会長

そうですか。

今の保阪先生のご指摘については、やはりメーカーとか販売のお立場の方は特にピンとこられると思いますけど。

玉浦様、どうでしょうか。オートキャンプはいろいろありますよね。

玉浦委員

用品・用具の社長という立場で参加しているわけですけれども、逆に利用者という形で、今、持丸先生がおっしゃった、私どもは利用者の立場で考えたときに、どうも私どもの経験からすると、一番考えなければならないのは、やはり利用者ではないかと。ただ、それだけではなかなか解決できない。そこには、事業者があって、店舗があってというようなことで、やはり持丸先生がおっしゃったような形で、3者が同じ一つの考えを持って進まないと。その3者の中で一つが、全く関係ありませんとなると、この問題は解決されないのではないかと思っております。

詫間会長

ありがとうございます。今の3者の連携ということですね。大丈夫だと思いますけれども、お互いに非難し合っていてはいけないので、最終的にはユーザーも含めて、その辺のところで協調して、前向きに安全なものを提案していくという形ではないかと存じます。

小野委員

最近のいろいろな事故で感じるのですが、事故が起こるとすぐに責任追及されます。しかし、その対応に追われて本来の商品改良のほうになかなか力が注げていないのではないかと思います。その意味でも、物づくりと物の使い方を切り分けて、改善して行く必要があると思います。先ほど持丸先生がおっしゃったように、既存のものをどうするのか、施設的なもの、耐久消費財的なものはどう使っていくのかということに関しても考慮していかなければいけないだろうと思います。

たとえば、取扱説明書はほとんど読まれない。書いてあるものは、どちらかというと、PLから逃げるためのクレジットが入っているものが大半で、それを読もうにも、かなり専門的なことも書いてあるので理解しづらいところがあります。そうした中で、産総研さんが今取り組んいるものの一つに、絵解きで、子どもでもわかるように、例えばマンガとか絵本のように取扱説明書をつくれば、子ども自身も使い方について考えるのではないか研究しています。今、遊具でそうしたことを試されているところですが、既存のものに、改めて絵本のような取扱説明書を配るだけでもずいぶん違うと思います。公民館のようなところに配るだけでも違うような気もします。

これが正解とは限りませんが、そうした検証をしながら、今あるものをどう使うのか、何かパーツのようなものをつくって防ぐという方法もあるのかもしれませんが、それだけでは改めてまたその取り付けパーツの取扱説明書のようなものをつくらなければならない場合があります。事故を無くすためには、物の改善だけではなく、使い方も含めた総合的取り組みが必要だと思います。

個人的な考えですけれども、すぐに改善できないものが世の中にいっぱいあると思いますし。特に設備的なものは多いと思いまして一言申し上げました。

詫間会長

そうですね。特に、重要なところが特に小さく書いてあったりするところもありまして、保護者の方に、取説をよく読んでから使えと言っても、それはほとんど無理なことですから、絵解きというんですか、言葉は悪いのですが、フール・プルーフという、だれでもすぐにわかるような表示で、しかもわかるところに表示されていることが大事かと思います。

NITEの堀井アドバイザー、いかがでしょうか。

堀井アドバイザー

まず既販品の話ですが、既販品をどうするのかといったときに、製品に欠陥があるのであれば、社告するなりして回収ということが言えるでしょうけれども、この商品そのものに欠陥があるのかといったときに、そこまでは言い切れないなという感じがしています。

あとは、時代によって製品は改良されてきていますから、そういう意味では、常に新しい商品が世の中に出回っていて、消費者の選択の幅が広がり、その中でどれを買うかをお決めになる。そのときに、先ほどから出ているリスク表示といいますか、この商品はこういう問題点があるんだよみたいなことが、本来、製品についていれば、そうしたことは、ある意味で解決できるかなという気がします。注意表示だけでは、消費者の皆さんも、本当に大丈夫なのかなというところまでは、たぶんわからないのではないかなという気がします。

そういう観点からいくと、やはり既販品を含めたものに対する注意喚起を発信していくということだろうと思います。特に、自分でお買い求めになった商品というのは日ごろから使っていますから、ある意味、事故が起こりにくいだろうと思います。ただ、訪ねてこられた方とか、そうした方が事故に遭われる可能性が高いのではないかという気がします。今回のアンケートの中で、そこら辺もう少し、どういう場所で事故が起こったのかというところが、アンケートを見る限りではちょっと不明確です。

6ページとかには、屋外用の折りたたみテーブルとか、椅子とかいうことでの書き方をしてありますけれども、それがどの場所で起こったのか。家庭内なのか、公民館で起こったのか、体育館で起こったのか、そうしたことがもう少しわかれば、そうしたところに対するアピールといいますか、注意喚起を集中的にやるということで、効率的な対策になるのではないかという気もします。

もう一つは、カバーですね。やはり危ないと思うのであれば、カバーをつくって、そういった部品をお売りになることも一つの選択肢ではないかという気がします。特に公共機関で20年、30年と使うようなところは、特に古い商品でしょうから、それに対する買い替えが進まないのであれば、そうしたもので緊急避難的に危険を回避するような、そういう部品を供給していただくのはどうかなという気もしました。

詫間会長

ありがとうございます。それは先回にもちょっと出ていましたね。あの三角のスペースのところが特にね。そういうものを廉価で販売していただければ、ユーザーとしては非常にありがたいということです。

それから、先ほどの場所の問題は、転倒、転落が典型的で、どこで起きたかという‥‥。一部はこの事例研究の中にも幾つか出ていますので、そういうところもピックアップしていただいたら、より有用な情報になると存じます。

このセッションは、持丸先生の事故再現のところから展開が広がりまして、いろいろな応用的なご意見もいただきまして、それは大変ありがたいと思っております。それは次の資料4、資料5、報告書の骨子、さらに、課題と提案というところに吸収させていただく貴重な意見だと思いますので、そちらに進めさせていただければと思います。

それでは、櫻井さん、次の「協議会報告書(骨子案)」について、ポイントをご説明いただければと思います。

事務局(安全担当係長)

はい。それでは、私から、資料4の骨子案について説明させていただきます。

資料4ですが、骨子として4章立てになっております。(1)として第1章が「折りたたみ椅子等の安全対策の必要性」ということで、第1回、第2回、第3回の資料と、第1回、第2回の委員の皆様方のご発言、追加で行った委員の皆様方へのアンケート、その内容をまとめて整理したものです。第1章の「折りたたみ椅子等の安全対策の必要性」ということで、第1回目、第2回目で出しました資料をもとにして、「消費者製品に起因する事故の特徴」ということで、国の経済産業省の事故情報、NITEさんの事故情報などで、重大事がいろいろな製品で発生している現状をここで記載します。

(2)として、第1回の協議会でお示ししました、片岡委員が所属しております国民生活センターの事故の現状をここで表現したいと思っております。その次に、堀井オブザーバーが所属しておりますNITEの事故情報について、協議会でお示しした内容をここで記載したいと思います。続いて、東京消防庁さんから第1回目で示していただきましたデータをここで記載したいと思います。その事故のデータを分析した発生パターンも、前回の資料の中に入っておりますので、そのパターンを示します。

(3)として、「潜在化している消費生活用製品に起因する事故」ということで、ハインリッヒの法則、または、田中哲郎先生が所属しております国立保健医療科学院での、死亡が一つあった場合、入院、外来の数の統計がありますので、それを参考にして、多数の潜在化している事故があるのではないかということをここで示したいと思っております。

第2章ですが、「危害・危険の調査等」ということで、前回までの消費者アンケートの結果、今回、持丸先生のところで行っていただきました事故再現テストの結果、(3)として、「折りたたみ製品における規制の現状」として、米国における規制の現状、国内における規制の現状として、JIS、SG、玩具安全基準、そのほか、労働安全の関係の文献の内容、製造物責任法の現状、その他の取組みについて、報告書の中で説明したいと思っております。

第3章、第4章に当たるところにつきましては、次のところで詳しく説明したいと思いますが、第3章は「折りたたみ椅子等における危害を防止するための課題」として、製品 の構造における課題、表示における課題の2つを課題として提示したいと思っております。

そのほか、第3章では、(2)として、事故情報の収集・分析についての問題。

(3)で、消費者・施設管理者に正確な情報が伝わっていないため、製品の危険性が認識されていない問題として、ア、イ、ウ、エと、構造の違いによる、先ほどご発言もありました構造の違いによる危険性が認識されないということと、誤った使用方法、不適切な保守管理、施設管理者の利用者に対する注意喚起の不足ということで4つの項目を立てたいと思っております。

(4)として、折りたたみ構造を持つ他の製品でも危害が発生しているという問題については、国民生活センターの、第1回目で示した事故の情報でも、ほかの製品でも同じような事故が起きていることがわかっていますので、それについての問題をここで振りたいと思っております。

最後の第4章の「折りたたみ椅子等の安全確保に向けた今後の取組についての提言」については、第3章の4つの課題に合わせて、こちらも4項目立てにしております。(1)は、製品本体の安全対策の実施の提案。(2)に、事故情報の収集・共有・分析体制の充実強化。(3)として、公共施設等における安全確保の実施。その中で、公共施設の部分と消費者への注意喚起、みずからの安全を守る消費者の自覚ということで、3つ立てておりまして、最後に、先ほどの3の(4)に対応する「同様の機構を持つ他の製品の安全対策の実施」ということで、この項目を立てております。

これについていろいろとご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

詫間会長

どうもありがとうございました。

一応、骨子案ですので、これからいろいろとご意見をいただきまして、よりよいものに改正していきたいと思います。

先ほど、1章のところで言及された田中哲郎先生は、国立保健医療科学院という厚労省直轄の研究所の部長をしておられたのですが、最近、目白大学の教授に移られたと思いますので、肩書は、「前国立保健医療科学院何々・現何々」という形にしていただいたらいいかと思います。

あと、第4章にも関係してくると思いますが、山上先生もおられますが、国民生活センターのほうで、折りたたみ式ベビーカーの報告書を3月に出されるということも聞いておりますので、その辺も公開されていい部分があれば、こちらにも組み入れて比較研究させていただいたらどうかと思います。

それから、最後の4章の(3)あたりが、先ほど議論になっていたアウェアネス(awareness)ですね。みずからの安全を守る消費者の自覚と。アウェアネス(awareness)があってアクションのほうに行くわけですので、アウェアネス(awareness)がないと行動が始まらないというのが行動心理学の一つのテーゼになっておりますので、それをどのように喚起するかということですね。

それから、さっき酒巻様もおっしゃったように、消安法が、例のパロマのことが発端で相当厳しく改定されましたが、あれもどこかに大きく言及する必要がありますね。今度は報告義務も相当なものですし、違反すると刑事罰も即座にかかってくるような部分も出ておりますので、十何年放置していて、そのせいで何人か死んだことが最近わかってきたというような不祥事がありましたのでね。パロマだけではありませんが、ああいうものに対する消安法のきつい改定があったことも、どこに入れるかはまた問題ですが、冒頭とか2章の後ろのほうとか、その他のところで言及していただくとか、いろいろご意見はあろうかと思いますので、ご自由にご発言いただければありがたいと思います。

最初に、分厚い資料で差し上げた、米国やEUの状況は、今の骨子案では2の(3)あたりに出ていますが、一部は、もっと前のほうにも言及してもらうという手もありますね。別に何カ所で言及しても悪いわけではないので。国際的なスタンダードというか、先進的なスタンダードはこのようなことで、子ども用は何十センチの座高から下のものについてはこうとか、いろいろなポイントのところがありますので、そのようなこともあろうかと思いますが。

最後に資料も6つほどつけていただくことになって、参考文献も、まだ完成はしていませんけれども、いろいろと重要な文献が出ておりますので、今、申し上げた欧米のものも、基本的なものはちょっと研究していただいたほうがいいと思います。

それから、先回も載せていただきましたけれども、消費者センターの国の総合窓口だけではなくて区の一覧表、それは今、資料6で載せていただく予定になっているわけですね。

ページ数的にはどうでしょうか。先回の服装のものと比べて。

事務局(生活安全課長)

ページ数的には、前の子ども服のときには同じような表現が何回か出てくるということがありましたので、その辺はちょっと整理します。ですから、本体はこんなには多くならないと思っています。

詫間会長

もう少しコンパクトになるといいますか、ポイントをね。

事務局(生活安全課長)

はい。ただ、参考資料は少し増えるかなと。そんなイメージでおります。

詫間会長

もちろん、調査結果のところでどのくらい利用するかによって自由自在で‥。

事務局(生活安全課長)

そうですね。

詫間会長

特に、きょうご説明いただいた追加のところは、かなりいいポイントの情報が出ていますから。

事務局(生活安全課長)

これをその中からピックアップします。

詫間会長

そうですね。それから、事例の中で、特に重篤なものが、消防庁からのご報告をいただいておりますけれども、そういう事例で典型的なもの、特に注意しなければいけないようなものも少し参考資料として載せていただくとかいうようなことを工夫していただくと、役にたつと思います。

それから、ちょっと先走っておりますが、先回は、都庁のご努力で、見開き4ページのリーフレットを、これをさらにポイント化したものを、今度は4ページになるかどうか予算の関係もおありということですが、そういうものも順次ご検討していただくことになろうかと思います。

それでは、これは骨子案ということですので、特にご要望が現時点でなければ、一応、大まかな骨子ということでご了承いただきたいと思います。先ほどから申し上げているように、まだまだ柔軟性があるものですので、メールなりファックスなり、あるいは、お電話でも結構ですが、次回までの間、次回に向けてご意見をお届けいただければ大変ありがたいと思います。

持丸委員

3の「折りたたみ椅子等における危害を防止するための課題」、表現上の問題ですが、(1)の「欠陥」とか「不備」というのを、もう少しうまく表現していただけるといいのではないかと思います。

保阪委員

確かにそれはありますね。おやっと思います。

詫間会長

PL法との関係がすぐに連想されますね。「改善点」とかね。

保阪委員

逆に、「課題」とかのほうがいいのではないでしょうか。「構造や表示に関連する課題」とか。それぐらいのほうがよろしいのではないかと思います。

詫間会長

責任問題がすぐに出てくるような表現なので、その辺は工夫させていただきたいと思います。英語で言うとdefectという言葉ですから、相当きつい表現ではあるのですが。

その課題につきましては、きょうのメインになりますが、資料5でさらに展開して指摘されておりますので、そのほか特に、今の骨子案の表現についてご意見がなければ、資料5に進ませていただいて、またこっちに戻らせていただくということでも結構ですので。

では、桜井係長、資料5の説明をお願いします。

事務局(安全担当係長)

それでは、私から、資料5について説明させていただきます。

先ほどのご指摘もありましたので、表現については今後工夫していきたいと思っております。

資料5については、先ほどの3と4の課題と取組みについての提言の2つについて、さらに若干詳細に説明させていただきます。

1枚目の3「折りたたみ椅子等における危害を防止するための課題」として、(1)が、総論として、折りたたみ構造や表示に関する課題について述べさせていただいております。1点目として、さまざまな場面での折りたたみ動作による危害が発生しているということで、前回、委員の皆様方からご指摘がありましたので、それについてここでお示ししたいと思っております。その次に、子どもに重大な危害が発生しているという傾向もご発言がありましたので、これも載せたいと思います。さらに、(1)の3つ目、「製品事故を消費者の誤使用と処理してしまいがち」、この表現については、また今後工夫していきたいと思いますが、全体的な今までの傾向という形で、これについては課題として載せたいと思っております。それと関連して、「人間は間違えるものである」ということを前提としたものということで、一つ内容を載せたいと思っております。その次に、「危険・警告・注意表示だけの安全対策が多い」。実は、NITEさん主催のフォーラムに一昨年に行ったときに、消費者の誤使用は、製品のすべてが誤使用ではないとか、表示・取説だけの注意に走りがちだというパネラーの方のご指摘があったと記憶しておりますので、その表示だけではなく、構造にも対策が必要ではないかということでこの項目を載せております。(1)の最後に、安全規格等が未整備であるということで、問題課題として総論として載せたいと思っております。

次の枠のアとイについては、全体から各論に行きまして、「製品の構造における課題」と「製品の表示における課題」の2つに分けて記載しております。

アの「製品の構造における課題」ですが、4つのパターンが見受けられました。この4つのパターンに合わせてそれぞれ原因について詳しく問題点として提示したいと思っております。

1点目が、「収納するため、折りたたむ作業中に自分や子どもの指を挟む。閉じたときの前後脚の間隔がないことが原因。」ということで問題提示したいと思っております。これは、本人が作業中と、そばに子どもがいて、脚をつかんでいる状態で、先ほど持丸委員に説明していただきました、私が閉めたあのような状態のときに起きる事故を想定したものであります。

次が、「設置するため、開く作業中に指を挟む。リンクの部分がむき出しになっていることが原因。」ということについても、一つのケースとして載せて、それについての問題点、原因としたいと思っております。

次に、「不意な転倒時に意図しない折りたたまれにより指等を挟む。意図せず折りたたまれることが原因。」についても、実際に事故のパターンを見ますと、子どもが近くにいて、さわっていて、倒したときにパタンとたたまれた、そのときに指を挟んだというケースがありましたので、それについて一つのケースとして載せて、安全対策に合わせた問題としたいと思っております。

次に、「開ききる前に着座しようとしたとき、」というのも、前回お示ししましたが、座るときに下の可動部に手が触れて、座ったときに指を挟むと。これがリンク式タイプの蝶番の部分、もしくは、それ以外の間の部分、前後脚分離タイプの前脚と後脚の間の支えるところの隙間に指が侵入することが原因ではないかということで、4つのパターンを例示し、それについての原因をここで示したいと思っております。

次のイの「製品の表示における課題」ですが、これは2つの問題点を示したいと考えております。これについては、危険・警告・注意の表示や取扱注意情報が視認しづらいという問題点と、使用方法が記載されていない製品もありましたので、その記載についての問題点の2つを示したいと思っています。

4の取組みですが、今まで説明させていただきました問題、課題について対応した安全対策の取組みの提案をしております。(1)については、「事故の形態に合わせた製品本体における安全対策の実施」ということで、ほぼすべて左側の問題点についての取組みを示しております。

1点目が、事故の形態に合わせた開発設計段階からの安全対策。2つ目が、大人であっても子どもの使用を想定した安全対策。3つ目が、予見される誤使用による事故防止も想定した企業の積極的取組み。4つ目が、将来、日本工業規格等の公的規格策定も視野に入れた業界安全自主基準の策定。この4つで取組みを提案しております。

次のアの「製品の構造における安全対策」ですが、先ほどの4つのパターンがいろいろとかかわってくるものを3つに整理しました。1つ目が、可動部の隙間における安全対策」として、万が一の挟み込みによる危害を最小限に押さえる隙間の確保です。2つ目が、「保護ガード等による安全確保」。これは、指が侵入することが問題であるということで、委員の皆様からのご発言もありましたが、指が侵入するのを防止するという安全対策です。3つ目が、不意な転倒時に意図しない折りたたまれによる指の挟み込みを防止するための安全対策として、「ロック装置等による安全確保」ということで提案したいと思っております。

イの「表示」については、先ほどの課題と対応して、適切な場所への注意表示の添付。次が、視認しやすい大きな文字で、先ほどのイラストについてもここに入れて、わかりやすい取説等による情報提供ということで提案したいと思っております。

次のページに移っていただきたいと思います。左側の問題・課題と右の対策・取組みを一緒に説明します。

(2)の「事故情報の収集・分析が十分でない」ということで一つ項目を立てております。それに合わせて、「事故情報の収集・共有・分析体制充実強化」ということで、国、製造・販売事業者団体、関係基幹、東京都に対しての提案としたいと思っております。

1つ目は、消費者は事故を自分の責任と考えて通報しないことが多いということで顕在化してこなかったということですので、それに対応する対策として、消費者に対する事故情報通報の働きかけを提案したいと思います。

次に、事故情報の通報先がわからない消費者が多い。これは、右側の事故情報の公表とも関連しますし、2つ目の事故情報収集体制の整備ということで、現在、国などでインターネットを活用した事故情報収集もご検討されていらっしゃるということですので、それの整備ということで提案したいと思っております。

3つ目の、事業者や関係機関によってそれぞれの事故情報が保有・共有されていないというご発言もありましたが、それに対応する対策として、「事故情報の共有、関係機関の連携促進」ということで提案したいと思います。

4つ目の「事故情報の分析・評価方法及び体制の整備が十分でない。」ということに対する対策として、「事故情報分析評価体制の充実」と、その分析評価に合わせて、「安全性が高い製品開発促進」ということで提案したいと思っております。

次に(3)についてご説明したいと思います。(3)については、「消費者・施設管理者に危険性について正確な情報が伝わっておらず、製品の危険性が認識されていない」という問題が前回までに指摘されております。その細かいところについては、ア、イ、ウ、エの4つの点を記載したいと思います。アが「構造の違いによる危険性」、イが「誤った使用方法による危険性」、ウが「不適切な保守管理による危険性」、エが「施設管理者の利用者に対する注意喚起・説明の不足」と。先ほども同じような説明をしましたので、そこについては省略したいと思います。

先ほどの説明ではなかったところですが、イで、前回、東京消防庁の松川委員からご指摘がありました可動部の指挟み事故のほか、折りたたみ椅子等の不適切な使用による事故は転倒・転落事故も多いということで、ここに記載しております。

それに対応した安全対策の取組みとして、右側の(3)「公共施設等における安全確保の実施」ということで提案したいと考えております。この提案については、(3)、(3)-2、(3)-3で、上が公共施設、(3)-2が消費者に対するもの、(3)-3が、消費者に対するこちらからの希望、お願いという内容です。

上から、(3)のア、イ、ウ、エですが、アとして「適切な保守の実施」。例えば、前後脚分離タイプの後脚先端キャップの補充などと部品供給の実施。イとして、「利用者への注意喚起、適切な使用方法の説明徹底」ということで、事前に施設で使用する場合、利用許可書などを発行しているところが多いと思いますので、それに記載する、または、口頭で説明するなどが必要ではないかということで提案したいと思っております。ウに行きまして、「比較的安全性が高い製品への買い替え促進」ということで、先ほども、耐久性がある製品ですが、なるべく安全性が高いものへの買い替えということで提案したいと思っております。4つ目のエですが、「折りたたみ椅子等の危険防止に対する意識の向上」ということで、施設管理に関係する職員等への事故防止対策の徹底と。実際に施設で働く方に情報を提供していただきたいということの4つが施設管理に関する提案です。

(3)-2ですが、今度は、「消費者への注意喚起・普及啓発」です。これは2つで、アとして「製造・販売事業者団体による事故防止の注意喚起」、イとして「東京都等による行政機関による事故防止に関する情報提供・普及啓発」、この2つの柱立てとなっております。それぞれ同じように、チラシ、機関紙、ホームページ、リーフレット等の活用による注意喚起の実施を提案したいと思っております。

(3)-3で「自らの安全を守る消費者の自覚」ということで、 昨年度の子ども用衣類の報告書にもありました内容ですが、安全確保に関する情報を通じ、みずから危険性を判断して、安全性の高い製品を選択していただきたいということと、同じように、将来の事故を防止する観点から、事業者や消費生活センター等に積極的に事故情報を通報するように努めていただきたいという要望であります。

最後の(4)ですが、これは他の製品における問題と課題を提案していきたいと思っております。主体が「折りたたみ構造を持つ他の製品」ということで、ベッド、テーブル、ベビーカー、ベビーフェンスなどがありまして、同じような事故が発生していることが国民生活センター等の消費者相談の情報にありますので、それに合わせて右側に、同様の機構を持つ他の製品についても同様の安全対策を実施していただきたいということで、他の業界団体の方に対しても、同じように提案していきたいという内容であります。

以上で説明を終わります。

詫間会長

どうもありがとうございました。

いろいろなご意見を、先回も出ていた点等も十分考慮して、課題・問題と、それに対応した対策・取組みの2つの柱に分けてそれぞれ対応させた形で、これも一つの試案ですけどね。たぶん、プレス発表などのときの基本的な材料になるということですよね。そういう意味で重要かと思います。

冒頭のところで、先ほどご指摘があった「折りたたみ構造の欠陥」という表示になっていますので、それは「問題点」とか「課題」、その辺の表現を工夫していただいたほうがいいかと思います。

先ほど酒巻様からもご指摘があった、構造と表示、自覚といいますか、アウェアネス、その3つの大きなポイントがこの中に含まれておりますが、それをいかに具体的に実現していくかが大問題ですね。

酒巻委員

表示の伝達の不備といいますか、使用される方にどう正しく使ってもらうか、これがなかなか難しいということで、表示そのものは、先ほどの堀井さんのほうの消費生活用製品安全法もありますし、家庭用品表示法、いろいろな法律で表示そのものは規制されておりますから、読めばわかると思うのですが、読ませる道筋がなかなかない。だから、「表示の不備」よりも「表示の伝達の不備」かなと思っております。

詫間会長

両方ありますね。イラスト的に‥‥。

酒巻委員

それはありますね。

それから、「不適切な保守管理」のところの「経年劣化による危険性」は、昨年からの消費生活用製品安全法の中で、我々業界としては、一番困ったなという問題です。消費者に対して、この年数以上のものは使ってもらっては困りますということが言えません。さればといって、一つの製品ですから、何十年も使えるというものではなくて、材料とか機能、その辺が劣化してくることは間違いないわけですから。しかし、経産省のほうのQ&Aでは、経年劣化による事故も事故だと。だから、消費生活用製品安全法というのは、そういう事故が、消費者の間違いなのか、製造者の製造の間違いなのか、そういうことではなくて、事故そのものを拡大しないことが消費生活用製品安全法の目的で、それはわかるのですが、経年劣化を防ぐ方法として何かないものかと。これを表示して、経年劣化のものはご使用にならないでくださいということもなかなか言えないし、難しい問題かなと思っています。

将来的には、私どもは、財政上の耐用年数がありますけれども、必ずしもこれと理論的には一致しないのですけれども、いろいろな材料とか機能・機構、材料の劣化、化学製品‥‥。折りたたみ椅子ではないのですが、普通の回転椅子などでは、真ん中にガスが入っていまして、これで上下したりしますので、そういうものが欠乏してくるということもありますから、そういう意味では、経年劣化は必ず起こるわけですので、何とかそういう一つの基準を決めたいという考えを今持っております。その辺は、他メーカーがよく研究していると思いますから、もし山口さんのほうで何かあったらお願いします。

山口(オカムラ製作所)

オカムラ製作所の山口です。

製品の経年劣化というのはどんなものでも避けられないものだと思います。我々が今後一番考えていかなければいけないと思っているのは、製品が劣化していく途中で、メンテナンスとか見直すという制度があるかどうかです。車の場合には、車検という形で、ある年数がたったら問題箇所がないかどうかを調べることが法的にも整備されていますけれども、こと家具に至っては、その辺が全く‥‥。我々の努力が足りないという部分もあるのですが、メンテナンスをさせてくださいと持ち込んでも、まだ使えるからいいんだと。それで、事故が起きてから、どうなっているんだということでお叱りを受けて、無償で対応せざるを得ないという場面が多々あります。納めたばかりのものについては、もちろん製品の問題ですけれども、長い間使われたものに対するメンテナンスの仕組みを今後は考えていきたいと。また、こういう場面でも、いろいろな方たちにご協力を仰がないと、制度としては難しいのかなと思っております。

以上です。よろしくお願いします。

堀井アドバイザー

消安法の関係でいきますと、秋に再改正になりました。秋の再改正は何がメインかといいますと、今、政省令のためのパブコメをやっているのですが、要するに、春の改正では重大事故のMETIへの報告義務が課せられました。秋の改正では、パロマ、松下の関連でいきますと、消費者自らが点検しにくい製品9品目を指定して特定保守製品にするということですね。それともう一つ、サンヨーの扇風機で、三十数年使われたもので火災になってお亡くなりになったということ、このような製品では、経年劣化による重大事故が発生しているということを事業者による消費者への情報提供の責務を負わせるとともに、経年劣化リスクに係る表示を義務付ける長期使用製品安全表示制度といいますが、この二本立てになります。これらには、設計標準使用期間というんですか、メーカーがどの程度の設計意図で商品をおつくりになっているかということを表示しろということで義務化しようとしています。これらは経年劣化で事故が起こっているような商品ですね。もちろん、家具などはそこに入っていませんけれども、そういう一つの指針が出れば、そうしたものを準用するような形で、メーカーさんが、例えば10年たてばプラスチック製品は劣化するからちゃんと見てくださいよ、みたいなことの表示が何かでされることも一つかもしれないですね。

先ほどのFF式のストーブとか、自ら保守点検を実施することが難しいそうしたものは、これも今考えられているのは、10年ぐらいをめどにして、消費者に対して保守点検をする時期に来ましたよということをお知らせする。消費者は、それを受けてメーカーに保守点検を依頼する。メーカーは、それを点検して、もし問題があれば部品を取りかえるとか、あるいは、これはもう使ったら危ないですよと言うことを法律で義務づけようとしているわけですね。

だから、消費者は、逆に、商品を買ったときに、FF式のストーブとか、風呂釜、湯沸器など、屋内で使うものについては買ったことをメーカーにお知らせして、メーカーは、顧客情報を適切に管理して時期がくればお知らせする。当然、そのときまで部品を持っていなければだめになりますから。今までだと、家電協会とかの自主基準の中で、6年とか7年とかいうことで部品を持っていたわけですけれども、今回は、この9品目については10年間ということで、一応パブコメはかかっております。

そういうことで、そういう保守点検の部分と設計上の‥‥。もともと9品目というのは、一般消費者の方が点検しづらい、見づらい、不具合が出ていることに気づきにくい商品を指定しておりますので、そういう意味では、ちょっと厳しい感じですね。メーカーに連絡して点検をお願いするという形です。でも、扇風機とかあとの5品目については、消費者が見ていて状況がわかるわけです。例えば、扇風機の音がガタガタしているとか、そうしたときに、それはもう使わないようにするとか、そうしたことがわかる商品ですね。ですから、そこで一つの目安として、設計上意図する標準使用期間を本体に表示して、その期間になれば自主的に点検することもあるでしょうし、メーカーに送るのかもしれませんけれども、費用等の関係がありますから、どのようにされるかは別ですけれども、そういう状況になっているということです。

詫間会長

どうもありがとうございました。

経年劣化は、先ほどもちょっとおっしゃったように、重大事故が起きて初めてわかるというケースが日本は多くて困るわけですが。交通事故などでもそうですが、重大事故が起こると、そこにようやく信号がつくとか、横断歩道のペイントが引かれるとか、そういう大事故が起きないとなかなか手当てされないということですが。

今おっしゃった、設計意図もちゃんと明示してくだされば、食品で言うと賞味期限みたいなものですよね。そういうようなものも工夫していただく必要があるのかなと思います。

そういうことに対して良心的に対応してくださっていた、例えば松下さんとかありますが、必ずしもそうではないメーカーもありまして、ずっと隠して責任逃れを最後までしておられて、その辺はもう少し基準をはっきりしていただく必要があるのではないかと思います。今、めどとして10年ということも出されてはいるわけですが。

あと、消費者側としてご意見はどうでしょうか。山上さん、あるいは、横矢先生。

山上委員

今、この取組みの骨子を拝見させていただいて、大体網羅されているのかなと思いながら、消費者への注意情報、先ほど、伝達することが難しいというご意見がありましたが、確かに、こういう報告書自体は、一般消費者の方が読むことはほとんどないのかなと思います。ホームページ、リーフレット等の活用をする。消費者の方へ、椅子の場合はこういうところに事故が発生するから気をつけましょうという具体的な事故事例を紹介したリーフレットの作成をぜひやっていただきたいと思います。

一般の人は、自分が経験しなければ事故がわからないので、せめて、こういうところで事故が起きていますよということを丁寧に伝えてあげることが、こういう会議を開いているところの責任ではないかと思っております。

あと、細かいことで恐縮ですが、せっかくつくったリーフレットも、消費者になかなか伝わっていきません。こういうものをつくりましたけれども、一般の方々に配布するルートとしてどういう方法があるか。その活用も視野に入れながらやっていっていただけたらいいと考えております。

このくらいです。よろしくお願いします。

横矢委員

ちょっと気になったのがベビーチェアです。折りたたみ椅子でも、特にベビーチェアのようなものはリサイクルされることが結構多いと、身近に赤ちゃんがいる人たちがいて今感じています。あと、3年ぐらいたってから、前の子のときのものをまた引っ張りだしてしばらくぶりに使うとか、プレゼントし合うということもあって、リサイクルはいいことだという考え方があるのですけれども、そのときに、危ないものをうっかりあげたりすることが怖いということをスタッフの中でちょっと話し合いました。そういうことに向けて、リサイクルはどこのところに入るのかなと思いました。

詫間会長

そうですね。リユースということにもなりますけどね。この間、電車で、ドアの下30センチぐらいの感知度が鈍いので、ベビーカーの足が挟まって引きずられたという事件が起きましたけれども、古いものは、なおそういうことが起こりやすいのかと思いますが。

山上委員

今の話で、確かに、今のご意見は貴重ですので、何年か置いてから使う、プレゼントされたものを使うようなときに、メンテナンスしてから使おうというようなメッセージを、どういう形かはわからないのですが、そういう視点もこういうところの情報に入れていかれたらいいのかなと思いました。

詫間会長

そうですね。3つありますからね。リサイクル、リユース、リデュースと3Rありますので、そういう観点で、これは環境保全の問題とも関連してきますので、少しそういう点も入れて表現したらと考えますが。

横矢委員

あと、(3)のイのところですけれども、「公共施設等における安全確保の実施」の「利用者への注意喚起、適切な使用方法の説明徹底」と、もう一つ「協力の要請」と言うと言葉がおかしいかもしれませんけれども、例えば、児童館で、前に小林先生からお話があったのですが、公共の場で使われているものがおかしいと思ったときに、一声かけてくれるとか。そうすることでよくなっていく。この人たちに、上から教える、注意喚起する、何々するという感じではなくて、一緒にチェックして良くしていくことに協力してくださいと。さっき持丸先生がおっしゃったことにもつながるのですが、そういうようなことを入れていただけると、もう少し身近な感じになるのかなと思いました。

結局、自分が買ったものではなくて、公共の場で使わされると言うと変ですけれども、知らない間に使うもの、あるいは、自分が使わなくても子どもが使うものに、一度みんなに目を向けてもらうチャンスがここでできるといいなと感じています。

まず身近な商品を調べてみようと。そのときのチェックポイントはここですよというようなことが、商品を見てもわかりにくいので、どこがどう違うのかわかりにくいので、そうした面も含めて、リーフレットにもかかわってくることですけれども。

詫間会長

そうですね。そういうリーフレットをつくるときに、横矢先生からも特にいただけるとありがたいと思います。

小野委員

消安法の改正については、私も委員をさせていただいているので補足しますと、その委員会の構成には、リサイクルの業界の代表の方も入っていらっしゃいますし、輸入業者さんも入っています。それから、メーカーは大手の方と中小の方も入っていらっしゃいます。そんな委員会の構成で検討されていますので、リサイクル業者さんがどこまで責任を持って販売するのかということも今後検討して行かれることと思います。輸入業者さんについて思いついたのですが、先般の会議のときにオカムラさんに、子ども用の折りたたみ椅子はつくっているのですかとお聞きしましたら、つくっていないとおっしゃっていました。もしかすると、この子ども用の椅子というのは、輸入品なのかなと思っています。だとすれば、輸入品を扱う会社への喚起とか、あるいは一緒に歩調を合わせていくことが必要だと思います。実際に製品群を改めて調べる必要があると思いますが、きょう来られている方は大手で、流通も大手の方だと思いますので、そうした輸入品についても目を配る必要があると思います。

また私が知っている限り、公共施設では大人用の椅子しかないと理解していますので、子どもの事故は大人用のものを子どもが使う場合に起こるのではないかと思います。もしかすると、子ども用というのは、ほとんどが家庭の中で使われているのではないかと思います。これは私の勝手な思いですけれども、その辺も含めて対策をとられたほうが良いと思います。

詫間会長

小林先生は、みらい子育てネットでいろいろそういう点をご存じだと思います。公共の子育て、学区内でつくっておられるとか、そういう子育て支援センターもありますから、そういうところには子ども椅子が設置されていますよね。

小林委員

そうですね。ですけど、実態は、児童館でも子ども用の折りたたみ椅子は置いてないです。全部大人用のものです。テーブルもそうです。残念なことですけれども。

いろいろなメッセージを、椅子とかテーブルにつけていただいても、すみません、私たちはほとんど読んでいません。実際に使っている者として。ついせんだっても、お母さんたちの何人かで、今、椅子のこういうことをやっているという話が出たときに、全員が、読んだことがないと言っていました。学校で椅子を並べたり何かすることがずいぶんあるにもかかわらず、読んだことがないと。それから、興味もない。なぜならば、構造的に簡単なものだから読む必要はない、読まなくても開くことができるし、たたむこともできるでしょう、 たまに会議テーブルなどで難しいものがあって、ちょっと手を挟んだりしたこともあるが、大きな事故にならなかったから絆創膏を貼っておしまい、だれにも言わなかったというような話が出ました。でも、確かに、子どもが巻き込まれたら危ない、あるいは、子どもが勝手に使ったりしたら危ないよねと。でも、どんなふうに工夫されていても、表示についてはやっぱり読まないんじゃないかなと。みんながワーッと集まって、さあ並べましょうというときに、読む人がいるのかなというのが皆さんの意見でした。それが現実かなと私も思います。正直なところ、私自身もそうです。

ですから今、皆さんで協議していただいている中で、注意喚起をする相手先として入れていただきたいのは、使用している現場そのものへの注意喚起を入れていただきたい、伝えていただきたいと思います。例えば、先ほどもちょっと言いましたが、ちょっと手を挟んでしまって絆創膏を貼って終わりだった彼女も、絆創膏が手元になかったから、そこにいた事務員の方に、すいません、絆創膏ありませんかと。どうしたんですか、指を挟んだんです、という会話がそこでなされたけれども、机のそれが悪かったのねということは全然出なかったと。ということは、それを設備として持っている施設側も、そういう危険が潜んでいることを全く認識していないからだと思います。施設に対して、こういうことも起こり得るんですよということの注意を届けていただきたいと思います。

そして、私たちが活動しているときに、いつもとてもじれったいと思うのですが、ほとんどの場合、どういうものであっても、例えば一つの事業所に何か文書を届けますよね。そうすると、その事業所内で、とてもラッキーなケースとして、一応事業所内全員にそれが回覧された、でも、それでおしまい。そこを使う人たちに対しては、この間こういう文書が回ってきたから、こういうことに皆さんも注意してくださいねというところまでやってくださる事業所はほとんどないと言っていいのではないかと思います。

ところが、その文書をお届けするときに、ぜひ掲示板にこのようにして貼りだしてくださいという1行を入れると貼りだされるのです。とても面倒くさいのですが、実はそういうところまで面倒を見ないと現場は動かないという現実があることも認識しながら、その注意喚起をどうするかということを考えていきたいと思います。

詫間会長

それは、先ほど酒巻委員もおっしゃった手続きの問題ですね。ただ材料をつくるだけではなくて、それをどのように使ってもらうように手続きしていくかということで、大変ありがたいと思います。

放課後児童クラブとか、児童館に併設されているところもありますが、都内では公立が 多いのでしょうか。ただ、私学などでは、ご自分のところで特設してつくっているそういうセンターは、テーブルから何から全部子ども用の規格でつくっているところもありますが、それは非常に少数な良好な例だとは思いますが。

今おっしゃったような点も、特にリーフレットをつくるようなところでは十分参考にしていただいて、せっかくいいデータで、いい点を指摘しているけど、全然読まれないということではしようがないわけですから、そういうところは十分に注意していきたいと思いますし、そのときにまた小林先生にも相談に乗っていただきたいと思います。

国民生活センターの片岡さん。

片岡委員

今、私なども別口の商品をテストしたりしているのですけれども、輸入品で結構事故が起きたりしています。そうすると、協会がなかったりするところが結構あります。どうも、そういう安い商品というのは、そういう販売形態というか、流通を通ることが多くなってきているような気がします。例えば、この安全対策取組の中で、業界自主基準をということで、協会があればいいけど、ないようなところをどうするのかということが残っているのかなという気がします。

詫間会長

特に中国製の製品とかいろいろ関係して、それに対応する協会、改善団体とか、そういうものはすぐにはできていませんのでね。特に玩具の例の鉛の問題とか深刻な問題もありますので。だから、全面的に輸入を禁止するというようなことしかしようがないようなことも起こり得るわけですね。

時間も押してきておりますが、手塚さん、何かありますか。

松川委員

先生方のお話を伺っていて、この対策ということで、(3)-3の消費者の自覚という部分も非常に大切だと思っております。我々、救急事故の中で、消費者の事故を把握しているわけですけれども、アンケート調査などを見てきますと、やはり何十倍も同じような事故が発生しているということが見てとれます。

そうした中で、こういう通報があれば、もっともっと‥‥。我々は、折りたたみ椅子の情報としては33件しかなかったのですけれども、使用する側からもそういう通報があれば、もっと情報が広がっていくのではないかと思います。

その中で、95%の方が、事故があってもどこにも申し出なかったと。こうした要因は、通報先がわからないということもあると思いますが、通報先がわかっても、面倒くさいということもあるのではないかと思います。それで、今度からそこは気をつければいい、あるいは、そう大きな事故じゃなかったからと。先ほどの絆創膏のお話とか、あるいは、もう危ないから捨ててしまうとなると、そこのご家庭では危険なものを排除したので安全は確保されるのですが、同じような製品は日本じゅうどこにでもありますので、使う人がいる限り危険性が残ってしまうわけですので、そういう自覚の部分を少し高めていけたらと思います。

それで、やはりリーフレットとかインターネット、ホームページということがありますが、やはりなかなか読んでいただけない、また、理解していただけない。そういう意識を理解していただくことは非常に難しいと思いますので、我々は消防ですけれども、防災訓練とか防災講演会などいろいろと都民と接する部分がありますので、文書では伝わらなくても、言葉で、お話しして、直接顔を会わせて、そうした意識の高揚につなげていけたらと、先生方のお話を伺って思いました。

詫間会長

ありがとうございました。

33件ですけれども、実際はそれの数十倍は潜在的にあるということですが、インターネットでご回答をいただいたような方には、メルマガ的に、サービスも兼ねて、そういう貴重な情報を差し上げることもありますよね。ホームページにあっても、わざわざそこにアクセスされるというのは、よほど熱心な人でなければだめですから、こっちから積極的に発信すれば読まれると。少なくとも、アンケートに答えてくださった方はそれだけ関心が強いわけですから。それと、今おっしゃったように、防災訓練等で、マン・ツー・マンでお話しすることも効果が大きいですね。あと、口コミが相当強いですね。いろいろな手法を考えて、先ほど酒巻委員がおっしゃった手続きの部分も充実していかなければいけないかなと思います。

きょうは膨大な課題と提案を一遍にお諮りしたので、まだまだいろいろあると思いますが、予定の時間になりましたので、先ほども申し上げましたように、メールなりファックス等で、次回までの間に、お気づきの点をさらにこちらにお示しいただけるとありがたいと存じます。

それでは、次回と次々回、あと2回予定しておりますので、日程についてお願いします。

(事務局)生活安全課長

資料6をご覧いただきたいと思います。このスケジュールですが、次回は、2月20日の水曜日1時から3時までの2時間を予定しております。また最後は3月27日の木曜日2時30分から3時30分までの1時間という予定でおります。

内容については、さらに今日の骨に肉付けしたものをご用意して、3月はその報告という形にしていきたいと思っております。

詫間会長

ありがとうございます。

一気に候補を出していただいて、だんだん絞って、一応この日程でお願いできればありがたいということで、場所等はまた追ってご連絡があるかと思いますが、ご了承いただいて、手帳等に早めにご記入いただければありがたいと存じます。

それでは、これで第3回の協議会を終了させていただきたいと存じます。ご協力、どうもありがとうございました。

お問い合わせ先

東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当

電話番号:03-5388-3055