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トップページ > 商品安全 > 東京都商品等安全対策協議会 > 折りたたみ椅子等の安全確保について > 第2回 「折りたたみ椅子等の安全確保について」 議事要録

更新日:2013年3月21日

第2回 「折りたたみ椅子等の安全確保について」 議事要録

【日時】平成19年12月19日(水)14:00~16:00
【場所】都庁第一庁舎北塔33階 特別会議室N6

事務局(生活安全課長)

本日は、お忙しい中をご出席いただきまして、ありがとうございます。

まず、会議に入ります前に資料の確認をさせていただきます。

(資料の確認)

  • 資料1 会議の要領
  • 資料2 委員会名簿
  • 資料3 消費者のアンケート調査結果
  • 資料4 リスコミの広場による意見募集
  • 資料5 NITEの事故情報
  • 資料6 主な安全規格
  • 資料7 安全対策の方向性
  • 資料8 スケジュール

ピンクのファイル 資料6関係の参考資料として、国内外の文献、規格等の綴り

なお、国内外の文献の中には、著作権法で保護されているものもございますので、取扱には十分注意されて、2次利用はしないようにお願いしたいと思います。

それでは、ただいまから「第2回商品等の安全問題に関する協議会」を開催いたします。

本日の出欠関係をご紹介いたします。国民生活センターの片岡委員は欠席しております。

それから、本日は、新たにアドバイザーとしてご出席いただいている方をご紹介いたします。挟み事故などについて豊富な知見を有するとともに、さまざまな事故情報について多くお持ちになっております独立行政法人の製品評価技術基盤機構さんに参加いただくことになりました。生活・福祉技術センター次長の堀井良一様をご紹介いたします。

堀井アドバイザー

堀井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

(事務局)生活安全課長

それでは、これから議事に入りますので、会長にバトンタッチいたします。

詫間会長、よろしくお願いいたします。

詫間会長

それでは、ご指名でございますので、以下の議事次第について司会をさせていただきたいと思います。

年末の大変お忙しい中をご出席いただいて、大変ありがたく思っております。

お手元にございます資料3、これはおかげさまで、1,200弱のアンケートを、インターネットによって応答がかなりのパーセンテージでありましたが、その結果について、まず事務局からご説明をいただきたいと思います。折りたたみ椅子の事故状況のイメージも含めて、櫻井係長さん、ご説明いただければと思います。

事務局(安全担当係長)

それでは、私から説明させていただきます。

まず、議事の「折りたたみ椅子等に起因する危害・危険の検証について」の、アンケート、リスコミ広場の意見募集、NITEさんの事故情報、折りたたみ椅子の事故状況のイメージを続けてご報告させていただきます。

まず、アの「消費者アンケート調査結果」について説明いたします。資料3をご覧いただきたいと思います。この資料3につきましては、現在未定稿ですので、これについては最終的に検証した数字ではありませんので、暫定版としてご覧いただきたいと思います。

まず1ページをご覧ください。1ページに、今回のアンケートの調査目的、手法、対象者、有効回答数を記載してあります。今回は、11月16日の金曜日から11月23日にアンケートを実施いたしました。有効回答数は1,169人。昨年度の子ども服とほぼ同数であります。調査項目としては、2のところに12項目掲載しております。これも昨年とほぼ同様の調査内容であります。

続きまして、3ページ目をご覧いただきたいと思います。3ページ目の「この10年間の危害等の発生状況について」ということで、「危害、危険、ひやり・ハッとした体験の有無と危害等の程度」を調査したものであります。初めに(1)の体験の有無ですが、これについては初めにお断りしておきますが、1歳から12歳の子どもがいる世帯にお聞きしております。よって、その世帯全員にお聞きしておりますので、子どもが1歳から12歳がほとんどで、13歳以上のところになりますと、お兄ちゃん、お姉ちゃんがいらっしゃる家庭は答えているのですが、そこについては母数が少なくなっております。また、20代、30代、40代の前半までは多く出ておりまして、50代、60代は少なくなっております。その点をご了承いただいてこれをご覧いただきたいと思います。

まず、図1-1ですが、「危害、危険、ひやり・ハッとしたことがある」という回答をされた方が59.9%。約6割の方が何らかの経験をしているということが、この結果からわかります。昨年の子ども服では、77%の方が何らかの事故の体験をしているということですので、それに比べると若干少なくなっております。

次に、4ページ目をご覧いただきたいと思います。「危害、危険、ひやり・ハッとした割合」のそれぞれを積み上げたものです。複数回答されていますので、この中で「危害」にチェックされた方だけを抽出した数字です。危害に遭われた方は18%、服のときは16.5%でしたが、今回は若干多く出ております。

そのほか、「危険」にチェックをした方全員ということでまとめたものでありますが、これについては34.1%。服では59%の方が何らかの危険な目に遭っているということで、これについては若干少なく出ております。そのほかはこのような形で、いずれも経験したことがない世帯の方は40,1%でした。

続きまして、資料の5ページ目をご覧いただきたいと思います。「危害、危険、ひやり・ハットの出現件数」の割合であります。これは、全件数を分析したものです。これからわかることは、「危害」は全件数のうち約13.8%でした。子ども服の場合は、これは 10%でしたので、若干多めに出ております。

続きまして、資料の6ページをご覧いただきたいと思います。6ページは、それぞれの製品別に、先ほどの「危害、危険、ひやり・ハット」の割合を出したものです。上の3つが折りたたみ椅子です。4つ目以降は、テーブル、ベッド、踏み台、ベビーフェンス、ベビーカーとなっておりますので、上の3つを中心に説明させていただきます。

1番目が「室内用折りたたみ椅子(子ども用ローチェア・ハイチェア)の隙間に指を挟んだ」です。次が、子ども用以外ということですので大人用の室内用折りたたみ椅子。3番目が、アウトドア用の折りたたみ椅子です。折りたたみ椅子の真ん中のところを見ていただきますと、約4.1%の方が危害に遭われているということで、全体で31.2%の方が危害に遭われていたということであります。

続きまして、資料の8、9、10ページですが、これについては、それぞれ、「危害、危険、ひやり・ハット」の人数を積み上げたものです。この3つからわかることは、上の3つの椅子については、「危険、ひやり・ハット」になると急に増えているのが特徴です。

次に11ページをご覧いただきたいと思います。11ページは、「事例発生時の当事者年齢について」です。この「全体」から言えることは、0~2歳、3~4歳、5~6歳、7~12歳というお子さんのところで見ますと、そこの合計が48.7%、約半数が小さいお子さんが経験されたということです。「危害」については若干少なくなっておりますが、4つを足すと39%、約4割のお子さんが危害に遭われていることがわかります。

次に、12ページ、13ページ、14ページですが、先に12ページの折りたたみ椅子のところで、「全体」の次の次、「屋内用折りたたみ椅子の隙間に指を挟んだ」を見ていただきますと、これも先ほどと同様の結果が出ております。約半数がお子さんです。子どもがいる世帯に聞いておりますので、子どもの出現件数は若干高く出ておりますので、それについてはご了承ください。

続きまして、16ページをご覧いただきたいと思います。「危害等の発生原因について」ということを聞いたものです。これについては、「全体」として、「製品に何らかの問題があった」、または「製品の注意表示・取扱説明書に問題があった」、いわゆる製品側に問題記があると思われている方が、全体で32.2%。前回の子ども服では24.9%ですので、やはり製品に問題があることがわかりやすいことが影響していると思いますが、若干多めに出ております。ただし、「保護者の不注意だった」、「使用者(子ども等)の不注意だった」を足すと約7割の方が、自分たちの不注意だったと回答されております。

続きまして17ページです。これは製品別に出したものです。上から2つ目の大人用の屋内用折りたたみ椅子については、注意表示もあわせて合計すると28.6%の方が製品に問題があったと回答されております。これについては、保護者や使用者の不注意だったと言われている方は合計すると9割となっておりますが、これについては複数回答ですので、その複数回答を全部足すと100を超えておりますが、その点についてはご了承ください。

続きまして、22ページをご覧いただきたいと思います。22ページは、危害等が発生する前に危険を感じていたかということを聞いたものです。これについては、全体としては38.4%の方が危険性を感じていたということです。昨年の子ども服では32.1%ですので、若干多めに出ております。そのほか、「危害」のところだけを見ると、44.2%。前回の服では38.6%ですので、これもやや多めに危険性があるという認識が高いように思われます。

続きまして23ページです。これはそれぞれの製品別です。上から3つ目の室内用の折りたたみ椅子のところですが、今回の議題の中心のものです。これについては43.3%の方が危険を感じていたということであります。

続きまして、24ページをご覧いただきたいと思います。これは、危害に遭われた方だけを抽出したものです。上から3つ目が今回の議題の中心となる折りたたみ椅子で、これについては40.8%の方が危険性を感じていたということがわかります。

飛びまして、27ページをご覧いただきたいと思います。27ページは、今後の安全対策について何を希望されるかということでお聞きしたものです。これも100%を超えておりますが、複数回答であることをご了承ください。製品の安全対策だけを合計すると約130%ですが、全体の割合からすると、製品側の安全対策を希望されている方が多いことがわかりました。

28ページは、さらに製品別に見たものです。上から3つ目の棒グラフについても、左から4つが製品側で、製品側に安全対策を希望されている方が多数であることがわかりました。

続きまして、皆さんの関心が高いと思われるところですが、33、34ページをご覧いただきたいと思います。「苦情の申し出先」です。これについては、全体を出しますと96.2%の方がどこにも言わなかったということがわかります。このうち、製品・表示・取説に問題があったという方だけを抽出したものが34ページの右側のグラフですが、その方だけを抽出して分析すると、95.3%の方が、どこにも言わなかったと。全体でならしたものとほぼ同数です。昨年の子ども服では、97.1%の方がどこにも言わなかったと。全く同じような傾向がこの結果からわかりました。

続いて、35ページをご覧いただきたいと思います。35ページは、具体的な事例を分析したものです。(1)の「折りたたみ椅子(大人用)の事故の傾向」ですが、今回、年齢を区切って分析しました。「0歳から5歳の傾向」として、木製が半数弱含まれることと、家庭内での事故が多いことがわかりました。また、危害については内出血が多いのですが、中には切断寸前の状態もあったと回答された方もいました。事例の傾向として、事例1「大人が座ろうとしたとき、子どもが隣にいて可動部に指を挟んだ」というのが一つのパターンです。事例2は「大人がたたもうとしたとき、子どもが隣にいて可動部に指を挟んだ」というものです。事例3が、「子どもがいじって倒れまたは倒れそうになり、指を挟んだ」というところであります。事例4が、「子どもが自分でたたもうとして指を挟んだ」というものです。最後の事例5は、「子どもが座っていたらバランスを崩し、たたまれた状態になり指を挟んだ」というものであります。

「6歳から12歳の傾向」については、公民館、体育館などで、片づけまたは設置のときの事故がほとんどでした。打撲がほとんどですが、中には、骨にひびが入ったというものもありました。

13歳から19歳はほとんどなくて、「20歳以上」のところでは、自宅、会社、公共施設で、設置またはたたむとき、それが崩れたときに指を挟んだということであります。

36ページから45ページまでは、それぞれ代表的な事例を抜粋しておりますので、後でご覧いただければと思います。

46ページですが、今度は、自分の身の周りの人の危害や危険についてお聞きしたものです。これについては67件寄せられました。そのうち、折りたたみパイプ椅子については46件。やはりこれも同じような傾向のものが出ております。そのほか、折りたたみテーブル、ベッド、ベビーカー等の事故の情報が寄せられました。

47ページですが、安全性について感じていること、及び、不安や疑問についてです。337件寄せられまして、そのうち、安全性については184件、不安や疑問については153件であります。安全性については、安全性の重視、ロック対策、クッションやカバー等での保護、注意書き、利用者が注意するというご意見がそれぞれ寄せられております。不安なことや疑問については153件で、危険性があって不安があると。そのほか、潜在的な危険で気をつけるには限界があるというご意見も寄せられました。

48ページをご覧いただきたいと思います。48ページについては、安全性について、安全対策について、基準、検査、事故の公表、窓口の設置、買い替え。昨年と違うところは、一番下の「公共施設での安全対策商品への買い替え促進」というご意見で、今回初めて出てきたものです。

続きまして、資料4をご覧いただきたいと思います。これは、私どもで持っています「くらしの安全情報サイト」の「リスコミ広場」に寄せられたご意見です。消費者の方からは1件と少ないのですが、1件寄せられておりまして、可動部に指を挟んで血豆をつくったということの情報が寄せられました。

団体・事業者については、品質の安全に関する民間の会社が出資した団体ということであります。それについては、指を切断した事例を何例も確認しているということで、安全基準をその団体では作成しているということでした。あとは、使用前・使用中の点検が必要だということでコメントを寄せられております。

続きまして、資料5につきましては、製品評価技術基盤機構の堀井さんから新たに資料が提出されておりますので、それについてお願いいたします。

堀井アドバイザー

4枚ものですけれども、実は、前の3枚は既に公表している事例でございます。後ろの1枚はまだ公表していませんので、扱いはこの委員会限りということでご容赦いただきたいと思います。

私どもの事故情報を調査した結果は、いろいろな専門家の方の意見をいただきまして、我々が調査した結果の妥当性を審議していただいております。パンフレットも置いておきましたけれども、3Pの、動向委(事故動向等解析専門委員会)という委員会がそれであります。資料の中で、ここにあります表の右から3つ目に「原因区分」という欄がありますが、A、B、CとあってGぐらいまでありますが、A、B、C区分については、製品に起因した事故という判断をして、メーカー名とか型式等々についても公表しております。

Aは、設計とか製造、品質管理、表示等が問題で、それが起因して事故が起こったもの。 Bにつきましては、もともと設計なども悪かったけれども、使い方もやはり事故の発生に影響した。例えば、これは椅子ではないのですが、ストーブで、カートリッジに給油しようと。普通だと、取扱説明書上は、ストーブの火は消してください、その上でカートリッジを抜いて、あるいは、給付して差し込んでください、それで点火してくださいとお願いしているわけですけれども、もしそういう事例があったとして、火を消さずに給油行為をして、何らかの原因で火災につながったというときには、それはカートリッジの問題もあるのかもしれませんけれども、使い方の中で、そういう禁止事項をそのまま行ったということで、Bということで、消費者も責任がありますよということの表示をしております。

Cは、この事例ではないかもしれませんけれども、経年劣化という観点で表現しております。

Dは施工ミスです。これは、消費者本人が工事をする、あるいは、業者に頼むというようなことから事故が起こったもの。

Gは、調べたけれども、原因がわかりませんでしたというものです。原因不明です。

Eとして、E1、E2とありますけれども、これは、明らかに消費者の方の誤使用、不注意であったという区分です。ですから、たまたまその製品が問題になったのだけれども、使い方さえ間違えなければ事故には至らなかったという区分です。

それから、3ページ目の下から4行目に「F1」とあります。F1というのは、事故と因果関係がなかったというものです。そういうことでやっております。

資料3ページ目の20番のところに「電動車いす」があります。これは、座席が折りたたみ状態になっているということで入っております。少し奇異な感じがしますけれども、私どもは、品目だけではなくて用語で検索して出しましたので、折りたたみ椅子以外のものも入っておりますけれども、事故としては、折りたたみのところでなったということですので入れてあります。

4ページ目につきましは、先ほど言いましたように、区分は入れておりますけれども、未公表ですので、委員会で審議を受けるもの等もあります。そこら辺がありますので、この資料につきましては、扱いを慎重にお願いしたいと思います。

以上でございます。

事務局(生活安全課長)

続きまして、議事の(1)のエ「折りたたみ椅子の事故のイメージ」です。今回、動画などにより、事務局と持丸委員から説明させていただきますが、これは安全対策を検討する上で、委員の皆様方が動画等により危険性のイメージをお持ちいただくために作成したものであります。今後、持丸委員のご協力をいただきながら、さらに実験を進めていきたいと考えております。

よって、この映像は実験途中のものであり、十分な説明がないまま一人歩きすることによって必要以上に不安をあおったり、誤解を招くことは私どもの本意ではありません。事務局としては、動画の撮影はご遠慮いただくとともに、ただいま席上に配付しました資料は会議後に回収したいと考えておりますので、取り扱いについて提案させていただきます。

詫間会長

今のご説明のようなことですので、最終的な段階では、ご討議の上、了解をいただいて公表することもあろうかと思いますが、現段階では、ご提案がありましたように、非公開ということでお願いしたいと思います。

それでは、実際に見せていただきたいと思います。

事務局(安全担当係長)

それでは、資料はないのですが、エの「折りたたみ椅子の事故状況のイメージ」についてであります。

先月、持丸委員のご協力をいただきまして、産総研で折りたたみ椅子の事故の再現、イメージを撮ってきました。それについて、今回、指の代わりに鉛のパイプ、厚さが1ミリで直径が1センチのものです。

それでは、スライドの説明をする前に、酒巻委員から、椅子の種類についてご説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。

酒巻委員

私どもの最大手のメーカーのオカムラの山口さんにお見えいただきましたので、技術的なことは山口さんにお譲りしたいと思います。

山口(オカムラ製作所)

オカムラ製作所の山口です。よろしくお願いいたします。

今、配付されている1枚の資料についてご説明させていただきます。折りたたみ椅子は、ここに分類してあるように、1番、2番、3番ということで、時代の変遷を経て、代表的な3種類の折りたたみ椅子をここでは挙げさせていただいております。実際にこれから見ていただく動画の中でも、3種類の椅子の危険と思われる部位のところで、実際に、今、そこに出ています丸いパイプを指に見立てて挟んだ実験を先日されています。

一番上の折りたたみ椅子が、一般的に昔からつくられていた椅子です。現物としては前から2番目の椅子です。これについてはリンクが4節になっていまして、座が折りたたむときに、今、側面から見えている下のほうのリンクのところが、その辺に指をやると危ないということで、資料3の中でもいろいろ危険性を感じたと言われるのは、中途半端に折りたたまれた状態のときに、手を後ろに添えていると、座の前のほうをつかまえていただければいいのですが、それが、座の後ろのほうに手を添えるようなことになった場合、はさまれる危険性があります。

今、ペンを差し込んだところが危険だと思われます。実際にここで実験をやっています。これが一番オーソドックスな、日本で長い間販売されている製品です。この椅子が、もう一つの危険性として、椅子の上に人間が立ち上がるということがありまして、その場合に、椅子が突然折りたたんでしまうことがよくありました。それが、後ろのリンクの部分をできるだけ短くすることで、その部分は時代を経て改善されています。ですから、もし椅子を選ぶ場合、後ろのリンクの構造が短いもののほうが、足で立ったときに、突然バタンと折りたたまないという工夫をされています。

これが1番目のリンク式のタイプです。

もう一つは、現物が前にありますが、後ろ脚の先端が前脚の後ろ、プラスチック様のもので受ける形になっています。ここで挟まれる危険性も実際にあるのですが、そのときに、手を、座ではなく、後ろのパイプをつかんで座られる場合があると思います。そのときに指を挟んでしまう危険がある。実際にそういう事例もあろうかと思います。この構造については、やはり4節リンクですが、先ほどご説明したように、下のほうのリンクが短くなっていまして、座の上に乗っても突然折りたたまない配慮がされています。 これらが、1950年から60年代ころに生産されていて、現在まで続いているというものです。もちろん、市場で使われているものもこれら1番、2番が多いかと思います。

3番目のシリンダータイプのものは、リンク構造を、4リンクあったものを3リンクにして、1カ所は伸び縮みするパイプを使ったということで、リンクで挟まれる危険性を排除しています。先ほどの2番目の後ろの部分を、前脚と後ろ脚をスライドするものでつないでいますので、その部分では、1番目同様、そこで挟まれる危険は全くないタイプです。しかも、座の部分についても、リンク構造ではありません。そこの部分は、前のほうに少突き出して回転部をとっていますけれども、座の上に乗っても、もちろん座も回転してたたむことはないという構造になっておりまして、椅子をたたむときも、リンクが伸び縮みするだけで、全く危険性はないと言えると思います。

もう一つの考え方がありまして、前脚と後ろ脚が、折りたたむときに、不意なときにたたんで挟まれてしまうこともときどきありますので、前脚と後ろ脚を、正面から見た場合に、パイプ同士を同軸に入らないようにずらしているというものが、もう一つ後ろにあるタイプです。この場合、折りたたむと、前脚と後ろ脚が平行に並んで、必要な隙間もとれて、この間に指を挟んでもそれほど痛くないかなという構造になっています。これが現在一番新しいカタログに載っている製品群で、オカムラも含めて、おおむねこのスライド構造のリンク式の折りたたみ椅子だけが今は販売されているという状態ですので、古いタイプを買われる場合は十分に注意されて、危険性がないものは最近の新しいスライドパイプ方式であると、我々もお勧めしております。

以上でこの資料の説明を終わります。ありがとうございました。

事務局(安全担当係長)

それでは、事務局から、事故イメージを撮った実験の説明をいたします。

(プロジェクター開始)

事務局(商品事故分析担当係長)

お手元の2枚目のA4横カラーの左から順に紹介します。

最初のものが、この隙間があるところに指を挟んだまま座ってしまった、あるいは、座り直そうとして指を挟んでしまった、あるいは、ずっていってしまった、そういう状況でございます。

今、このあたりに実際は挟まれております。

ごく普通に座った状態だと思います。

実際にパイプを取り出してみると、こんな感じになりました。別に、指そのものがこうなるかどうかということは、因果関係はまだよくわかりません。一応、鉛のパイプはこのように変形しました。

次が2番目の例で、フックがあるタイプです。座るときに、フックのところに指を、今、櫻井が示していると思いますが、ここのところに指を挟んだまま座ってしまった、あるいは、位置を直そうとしたときに、ずらそうとしたときに挟んだまま座り直してしまった、そういったイメージです。

実際に指は入れられないので、鉛のパイプになっております。本当だと、あそこに指が入る可能性もあるということです。こちらにつきましては、この先のほうがつぶれるような形で結果が出ております。

3番目は、隙間に挟んだ場合で、大人がたたむときにお子さんが走り寄ってきて、こういうところに指を入れてしまう状況を想定しています。

ご覧になるとわかりますが、見ていて、普通にたたみました。やはりこのようにつぶれた形になりました。

最後は、先ほどの、隙間がややとれるというタイプです。これも、たたむときにお子さんが間違って手を入れてしまうことを想定しています。

今ご覧になったように、テストピース、鉛のパイプが角度が変わって逃げていった状況がわかると思います。このように、多少擦り傷はありますが、無事でした。

資料の左下に書いてありますけれども、鉛のパイプの変形の度合いが、直接、指の被害ということではないことはご留意ください。

持丸委員

産総研の持丸です。

私どものところに皆さんに来ていただいて実験しました。概要は、今、芳賀さんからお話しいただきましたので、もう少し細かいことをお話しします。

まず、パイプは10本ぐらい用意しまして、鉛製です。肉厚が1ミリです。前回の委員会のときにもちょっと申し上げましたが、指の模型を挟むことも一つの手ですが、模型をつくることが意外と大変であることと、そこにセンサーを入れておいても、指のどこにどういう力がかかったかよくわからないということで、全体につぶすのにどれくらいのエネルギーがかかっているかということを、こういうような試験片で調べて、後でコンピュータシミュレーションで、一体どれくらいの衝撃が椅子のパイプに加わったら同じつぶれ方になるかということをシミュレーションして、それによって衝撃力をちゃんと知って、その後、コンピュータですから、その中で名前のパイプを、やわらかい指の模型に置き換えて、結果的に指にどういう力が加わるかを調べようと。ちょっと小難しいのですが、3段構えぐらいのやり方になっております。

今回は、実用の環境に近い条件で、今お話ししたような実験をさせていただきました。繰り返した結果が似ているかどうかを確認するために、実は、今座ったように、最低2回ずつやっています。同じパイプを挟んでいます。1本しか見せていませんが、再現性はすごく高かったということが一つです。

なぜパイプを1ミリの厚さにしたのかということですが、率直に言いますと、別に何ミリの厚さでもいいんです。あまり厚くすると、パイプが全然つぶれなくて衝撃がさっぱりわからない。あまり薄くすると、べちゃっとつぶれてしまって、これまたよくわからないということで、衝撃のころあいに応じた適切な厚さを用意しなければいけないということで、私と担当研究員の者で、椅子にすわったぐらいだから1ミリぐらいだろうと。

というのは、この前、我々は別の研究でドアの指挟みをやりました。その場合、1ミリでつぶれきれるという感じだったので、そんなものだろうと。ちなみに、また別のところで、京都でやった、金庫のドアを思いっきり閉めるというケースでは、この2倍の厚さ、2ミリの鉄パイプが千切れていますから、それくらいだともう少し強くなるということです。

結論から言うと、思ったよりつぶれたというのが正直なところです。私と担当研究員が考えるところは、ちょうどこの手前のもの、櫻井さんが実演してくれるかもしれませんが、実は、この椅子に座っていて、座り直そうと思って椅子を持ち上げるときに、ふと持ち上げる場所がちょうど指を挟む場所です。座ろうとしたときに思い切り指をつぶしてしまうという文脈です。つぶれた結果があれで、指よりずっとやわらかいものですから、これだけつぶれたから指がこうなるわけではありません。後でお見せしますが、これは玄関のドアを閉めたときと同じくらいのつぶれ方です。

さっきも言いましたように、私と担当研究員の想定よりちょっとエネルギーが大きかったのです。その理由は、今、このシチュエーションでじっと座っていく。自分の体重をその2本のところで全部受けてしまうので、やはりそれはバカにできないということが一つです。

2つ目は、かなり特殊なつぶれ方をしていまして、後でご覧いただくとわかりますが、出っ張りがとがったところに挟まれるような感じです。ここも2つとも試験片は全く同じようにつぶれています。これは加重が相当集中するので、我々の感じでは金庫レベルまでつぶれています。ただ、厚みが半分ですが。そういう感じです。

この2つは思い切り体重がかかっていますが、では、体重をかけない状況ならどうだろうかと。つまり、お子さんが近くにいて、自分で挟む。結論から言うと、この状況でも結構つぶれます。よく見ると、写真を見ていただいてもわかるのですが、体重をかけたときほどはつぶれていないのはおわかりいただけると思います。体重をかけたときには、裏と表がはりつくくらいにつぶれていますが、3ページ目のものは、そこまではいっていません。

ここに「オフセット」と出ているのは、先ほどオカムラの方からご説明がありましたが、2本のパイプが全くずれていません。ですから、ちょうど2本のパイプで挟むようにつぶれていることになります。

最後にお見せするのが事例4です。こちらは急に凹みが小さくなりましたが、1センチというと子どものすべての指というわけではなくて、ちょっと細めの部分もありますが。そのくらいのパイプがちょうどこの隙間に入って回転するような感じになります。ですから、隙間があるので、結果的には指はそんなにつぶされません。やっていることは全く同じですが、この2つの軸が同じところにあるか、ずれているかということが、かなり違いとして出てくることは、この試験片を見ていただいてもおわかりいただけるかと思います。

我々のほうでは、この後、シミュレーションして、こういうつぶれかたになるには2つのパイプがどういう力で、どう動いたのかということをある程度予測して、その条件で、今度は指のデジタル模型を挟んでムービーをつくるということをやる予定です。

ちなみに、我々が別にやっていた玄関ドアの指挟みの事例と比べてみると、玄関のほうが角がシャープですから、エッジが違うのでつぶれ方が少し違いますが、つぶれている厚さ、最終的につぶれた厚さはほとんど同じぐらいです。玄関というのは、ご家庭の中でも一番重いです。50キロぐらいあります。なぜ重いかというと、防火目的ではなくて、ほとんどは、重厚な玄関にしたいという皆さんの欲求のために重くなっています。

ギャップが3ミリ。そこに、0.4ミリ/Secというのは、普通に皆さんが玄関ドアを閉めるぐらいの状況です。その状況で指を挟むのと同じくらいの衝撃が、椅子に自分の体重を乗せたときにかかるということです。

そういうわけで、我々のほうでこれから指の模型でシミュレーションしますが、実は、最初のときに申し上げましたが、それが一体どれくらいの傷害、つまり、指が罹災してしまうのか、爪が割れてしまうのかというのは、実は、シミュレーションからはわかりません。我々のシミュレーションは、指のやわらかさは入っていますが、どれくらいの加重で指が千切れるかという条件定数が入っていないというか、そんな定数は世の中になかなかありません。仕方がないので、さっきの例ではないですが、地道に、こういう、NITEさんとかのデータとシミュレーションデータを突き合わせながら、危険度を傷害に置き換えていくことが必要だと思います。いずれにしても、そのもとになるぐらいのムービーは、この協議会でお出ししたいと考えております。

一応、私からは以上です。

詫間会長

持丸先生、どうもありがとうございました。前回もドアに挟むケースの動画をお見せいただきまして、それに続いて、きょうは指の事故に直結した実験結果、まだ途中ですが、お見せいただいて大変参考になったと思います。

こちらのNITEさんのものもそうですし、今回の調査とのディスコビノもそうですが、指の骨折、第一関節は爪をはがす、第一関節から先をつぶしてしまうという重傷事故が数件起きておりますので、その辺、先生も大変お忙しいのですけれども、次回、2月の末ぐらいまでには、その辺などもおまとめいただいて、公開できるような段階でデータを蓄積していただけると大変ありがたいと思いますが、大変難しい問題だと思います。さっきの、1ミリにするか、1.5ミリにするか。場合によっては、自動車メーカーなどでも、もう少し具体的に、骨を中に入れた形で、外に硬質ゴムを巻いたような形でということもあり得るのですが、あまりお願いしても申し訳ないのですが。今のご発表の延長線上でお進めいただければありがたいと思います。

いずれにしましても、最初に櫻井係長からもご説明をいただいて、アンケートが1,169でしたか、たくさんのご協力をいただいたことと、私の予想以上に危害・危険を感じている人が多くて6割ぐらいだと。服装については、日常、子どもが毎日、朝昼晩と関係しているわけですけれども、パイプ椅子は朝昼晩というわけにもいかないので、ご関心等はずっと低いのではないかという予想が一部にありましたが、実は、危険を感じている方はかなり多いということでした。それは重要な発見だったと思います。

それをどのように改善するかというご提案もあるし、一番多いのは、この中にはありませんけれども、開くときのロック、閉めるときのロック、これは後で酒巻委員のご意見をいただきたいと思いますが、もし、そういうものを要望した場合、どのくらいお金がかかるかということですね。さっきの、少し隙間をつくることによって損傷をやわらげるというやり方もありますが、ああいうものだと材料的にもほとんど変わりませんしね。ただ、ちょっと幅を調整するだけですけど、ロックをつけるとなると、いろいろな工夫が要るし、部品も増えてきますからね。

それから、保護板を横につける。あの三角形ができるところですね。そこに手を入れて座るから大変な事故になるわけで、入れようと思っても、保護板があれば入らない。単純といえば単純なことですが、それは後でご説明もあるかと思いますが、EUとアメリカの場合、その辺はかなり進んで指摘されているようです。それについても、どのくらいのものをどう張りつけるかによって、経費としてはプラスアルファになることは確かで、その辺のところを、消費者とメーカーでどうご調整いただくかという問題も、これから先に進むと出てくるかと思います。

いずれにしても、事例を、NITEさんからも、先ほど、未公開のものも含めて出していただきましたし、都のリスコミからも出ておりますし、今回の調査の中で出てきたものですね。具体的な事例ということの詳細を、たしか35ページから後に。図のところだけで34ページありますから、見ていただくだけで大変だと思いますが。今、白黒になっていますが、最終的にはこれはカラーでやりますから、年齢の幅とか、カテゴリー別にはもっと‥‥。今、真っ黒と、斜がかかったような、どっちなのかわからないようなところもあるし、数字が図の中に埋まり込んでいて読みにくいというところもありますので。

消費者の方からは、今、私が申し上げましたような完全点が出ていますから、非常に賢いコンシューマーという感じで、さすがに東京都民でいらっしゃるわけですが。そういういろいろおもしろい、特に事例の分析をもう少し視点を決めてやっていくと、さらに有益な結果が出てくるのではないかと思います。

いずれにしましても、こういうデータが出てきたことは、私どもも論文指導とかを大学でやっていますが、データが出てこなかったら、とにかく学位論文も何も書けないわけですので、とにかくデータを出せということは口を酸っぱくして言うのですが。そういう意味でデータは出していただいたし、さらに、動画も含めてやっていただいているものですから、そういう意味では、大変心強く思っております。

今、これだけ分厚いものをお見せして、意見を言えといってもなかなか大変だと思いますが、せっかく、お手元にもございますので、先ほどの動画のプレゼンテーションも含めて、いかがでしょうか、ご意見等も、この際、特にあればいただきたいと思います。

これは相当分厚いものですから、今、特にお気づきのことがあればおっしゃっていただきたいと思います。先ほどからも、先回の服装のときと比較しながらご説明があったと思います。事故が起きても、適切なところに申し出がなかったというのが97%でしたね。これは大体同じだったと思います。残念ながら、消費者センターなどに申し出られる方が、ゼロというケースもありますけど、非常に少ないと。これも、先回と似たような傾向で最後のほうに出ておりますが。33ページですね。

ご相談ですけれども、前の服装のときの主立った傾向、77%が、そういう事故が‥‥。そういうものと比較対照したら意味があるようなものは、レポートのところで言及しますか。もう少し先に行ってからご相談したらいいと思いますが。全く切り離して、前のことは言及しないのかということもあると思いますが。その辺もちょっと検討しておいていただければと思います。

衣食住というぐらいのものですから、まず人間として、裸ではいられませんのでね。おなかがすいていても、ちょっと何か着たいということになるんですね、究極の状況になると。それからおかゆが食べたいということになってくる。それからどこかに宿りたいということで住ですね。住の一部がこの椅子のことになってくる。冷たい床に座っていられないから椅子に座りたいということになる。生理的な欲求の順番ではそういうことになるわけですが。ですから、衣については、特に子どもの衣については、保護者が高い関心を持っていることは当たり前ですね。

それから、3番目の住についても、今回、先ほど申し上げたように、予想していたよりは相当高い関心を持っておられるし、どのように改善すべきか、あるいは、業者にどのような点について要望したいかということまで、具体的に考えておられると。

私は、非常に悪いときは、千三つと言いまして、こういうアンケートは、1,000出して3つぐらいがそういう具体的なものが出ればいいということわざもあるぐらいですが、そういう状況ではないということで、ある意味では、予想よりも高いご関心を示していただいたということですね。

ただ、実態として事故が無いからそれで云々ということではなくて、事故がある程度のところで抑えられている段階で警告を発することも大事です。大事故が起きたから、重傷事故が起きたから仕方なくて、いろいろな各方面にお願いするということも、実は時系列的には遅いわけですからね。そういう考え方から言うと、今回のパイプ椅子は、衣服よりは少し手前で皆様にいろいろ、事故防止の形での警報を出させていただけるとお考えいただけるとよろしいのではないかと思っております。

それでは、先ほどオカムラ製作所からもわざわざお見えくださって、お話しいただいたわけですが、後でまた戻ってご指摘いただいても結構ですし、また、お帰りになってお気づきのことで、こういうところはぜひ強調して分析してほしいとか、言及してほしいということをお伝えいただければありがたいと思います。

それでは、時間の関係もありますから、先に進めさせていただければと思います。

いずれにしても、貴重な数字的なデータと事例的なデータをいただいたということで、非常に助かっております。

なお、資料6に、先ほど、私がちらっと申し上げたように、米国においてはかなり具体的、これはほんのサマリーで、原本はこちらのファイルのほうに収録されております。残念ながら、日本のほうは、行数から言っても2行ぐらいしかないという感じになっておりますが。この辺も最終レポートではいろいろ言及していただいたほうがいいと思います。

では、(2)の「安全対策等の検討について」ということで、まず説明をお願いします。

事務局(安全担当係長)

それでは、資料6、資料7とご説明させていただきます。

資料6をご覧いただきたいと思います。資料6については、「折りたたみ椅子に関連する主な安全規格等」という標題をつけさせていただいております。この中身につきましては、アメリカの子ども用折りたたみ椅子の安全規格、日本での製品安全協会さんで設定されている金属製折りたたみ椅子、もう一つが可搬型折りたたみ椅子。参考として、JISのB9811:2002というもので機械類の安全性ということで、これは主に工場などの安全性を確保するための基準ですが、「最小のすきま」ということが規定されております。

1枚めくっていただきますと、玩具安全基準を載せております。これについては、ヨーロッパ規格を参考にして、日本で、日本玩具協会さんが独自に業界基準として設定したものであります。

初めに戻っていただきまして、米国の折りたたみ椅子の安全規格の中身についてですが、簡単に説明させていただきます。

1つ目の■ 印のところは、十分な隙間を設けることと規定されております。2つ目の■ 印は、ロック機構は自動で働かなければならないということで自動ロック機構のことが規定されております。3つ目についても、同じように、椅子をセットする際には手動で、セット後は自動的にということで、意図しない開き方については規制するようになっております。4つ目の■ 印ですが、直径5ミリの丸棒が入る箇所は、すべての箇所で直径13ミリの丸棒が入らなければならないと規定されております。これが、アメリカでの子ども用の折りたたみ椅子の規格です。この13ミリというのは、子どもの人体の指、アメリカのモデルを参考にした規定と思われます。日本では、そのような規定は今のところありません。

1ページの一番下ですが、「参考」のところのJISのB9711については、大人の指の太さを参考にした規定ということで、人体部位は指、最小の隙間は25ミリを確保するということで、工場の機械については規定されております。

次の2ページ目、先ほど申し上げました玩具安全基準ですが、これについては、14歳までが使用する子ども用の玩具に適用するということであります。ただし、座面の高さが33センチを超える乗用玩具、この椅子も含まれますが、33センチを超えるものは除くということであります。33センチまでのものでありますと、下の4.2.1.6「折りたたみ機構」、4.2.1.7「蝶番」、この2つが規定されております。

4.2.1.6の折りたたみ機構については、先ほどの折りたたむ際の隙間の確保、ロック装置などが規定されております。隙間は12ミリということで規定があります。4.2.1.7の蝶番については、その隙間が5ミリ未満か12ミリを超えるように玩具を作製することということで規定されております。

このような規定と先ほどの事例から、会長と事務局で提案させていただきたいと思っているものが資料7でございます。資料7では、安全対策の検討をするための方向性について提案させていただいております。

この矢印で若干間違っているところがありますので、その点についてご了承ください。

事故の原因として考えられることを10点掲載させていただいております。1つ目が、隙間がないために指をつぶす可能性がある。次に、不意に閉じたり開いたりする。あとは、手をかける部分が決まっていない。または、指の切断に必要な力がかかるのではないかということ。隙間が広く、指が入りやすいというもの。

注意喚起マークが目立たないということが消費者からも寄せられておりますので、考えられる原因として載せました。あと、どのように作業をすればいいのかわからないと。これについては、安全を確保するためにはどうやると安全が確保できるのかがわからないということ。あと、取扱説明書の記載が少ないということ。

あとは、公共施設の管理監督者が危険性を認識していなかったのではないかということ。事業者に事故の情報が伝わっていないため、安全対策がなかなか進んでいなかったのではないかということで考えました。

それに対する危険回避方法として、隙間を確保する、ロックする、自動ロック装置、ロックを2つ付ける等、指を入りにくくするというハード面の対策が考えられるのではないかということで提案するものであります。

ソフト面として、先ほどの注意マークを目立つように表示する、作業手順を表示する、取説にわかりやすく記載する。

消費者や事業者の意識として、使用者、管理監督者への注意喚起をするということと、事故情報の収集窓口の設置、分析体制の充実、共有化を図るということで、事務局と会長とで提案させていただいているものであります。

一番右の「安全対策例」ですが、これは参考に載せております。1つ目がハード面の安全対策として、隙間の確保、保護装置、安全装置の3つについて、工場の安全基準を参考にして考えました。ソフト面の安全対策として、先ほどの繰り返しになりますが、注意表示の添付、取説にわかりやすいイラスト等での解説が必要ではないかということです。また、注意喚起・普及啓発として、消費者への注意喚起が必要ではないかということと、管理監督者、公共施設や学校などの方に注意を呼びかける。作業手順などを説明し、誤使用を招かないように働きかけるということが必要ではないかと思われます。最後の「事故拡大防止対策」ですが、事業者の方にお願いするものとして、事故情報の収集・分析体制の充実、事故情報の共有化が必要ではないかということで提案させていただきます。

それでは、会長、よろしくお願いいたします。

詫間会長

ご説明、ありがとうございました。

先ほどの資料6の2ページ目に、社団法人日本玩具協会というものが、この33センチというのは、例の15インチをメートル法に直して言っておられるのだと思いますが。その辺については、蝶番も含めて、日本としては比較的細かく‥‥。

日本玩具協会の本部は墨田区にあるのでしょうか。パイプ椅子とは離れるのですが、例の玩具の鉛の、きょう、たしか大きく報道されていたと思いますが、STマークを勝手につけたという中国メーカーがあって、六千幾らかの回収が始まっているようですが。どうもその辺が、特に罰則もないし、初めから見通しでSTマークを自分のほうでつくって、結果の有無にかかわらず貼りつけてしまうという状況も生じているようですのでね。パイプ椅子はそういうことはないと思いますけれども、将来、そういうところは何か歯止めを考えないと。法的にも、手続き的にも。STマークは、紙幣のように、玩具協会なら玩具協会でなければ印刷できないとかね。何かいろいろな方法で、JAS法にも含めて罰則にもかかわってくるとか何かしないと、乳幼児の場合は、玩具をすぐに口に持っていきますからね。ですから、もうチャイナフリー云々という運動が日本でも起きてくるということになりますので、気をつけなければいけないなと思って。たまたま玩具協会という名前がトップに出ていたものですから。必ずしもパイプ椅子に全然関係ないという話でもないわけですね。子ども用の玩具的な椅子もありますからね。

先ほど、ちょっと飛ばしてしまったのかもしれませんが、資料4の中に、サイトのリスコミの中に、補強金具のテレン、それから、バッテンというものもありますね。その辺、報告書のときには注釈で、用語を説明しておいていただいたほうがいいかと思います。先回の服装のときも、トグルとかフリルとか横文字で一般にはわからないものが出ていましたが、それはちゃんと注釈で説明していただいたと思います。

一番大事な問題につきましては、資料7は素案の素案ですが、考えられる原因と危険回避、安全対策例ということで、特に、危険回避はいろいろとハード面での、先ほどのロックの問題とか保護板の問題とか、既に具体的に出ておりますが、ソフト面では、取説等の注意喚起が都の大きな役割でもありますので。これもやはり、取説を細かく書いて椅子に貼りつけたから、それを消費者が読むというわけにはいかないものですからね。むしろ、管理者向けに、体育館や何かでたくさん使う場合がありますから、そういう管理者に対しての取説の特別版みたいなもの、それが一番有効に働くのではないかと思います。

保護者一人ずつについては、言葉は悪いのですが、ウォータープルーフといいますか、アメリカではフールプルーフとかフールセーフと言いますが、いかに愚かに扱ってもケガをしないという方向でやっていかないと。取説をちゃんと読んで使わないからそういうことになるんですよと言っても、お母さん方にはこれは無理なわけです。そんな暇もないし、当然安全なものだと思っていましたと言われてしまうわけですから。その辺の取説の取り扱いも考えていかなければいけないと思います。提案のところですね。

このままでいいかどうかは、委員の先生方からもいろいろご意見を伺っていきたいと思いますが、ここでちょっとご意見を伺えますか。

持丸先生、特にハード面などのところでいかがでしょうか。

持丸委員

ハード面のほうでいきますと、実は、今回、実験して私も初めて知ったのですが、ここに並んでいる椅子が、素人にはとても見分けにくいです。ところが、値段は大変違います。うちの研究者がそこら辺で1,000円で買ってくると、どうでしょう、日本製ではないのかもしれませんが、この辺のものが手に入ります。大事なことは、これを何らかの形で気づいていただかなければいけないということです。ここをどうやって出したらいいのか、私も知恵がないのですが、この委員会の中で、イスの種類を弁別している用語だけでは安全なものを見分けにくいです。どのように表現したらいいのかわからないのですが、まず一つはそれです。

もう一つが、これは酒巻さんかだれに見せていただかないといけないのですが、安全なものは何かシールが貼ってあるんですよね。前に実験のときに見せていただいたのですが。中国製はシールが貼ってなくて、安全なものは、「気をつけよう」とかいうシールが貼ってあるとか。違いましたか。

それですよね。「気をつけよう」と言っているほうが安全で、何も言っていないほうが危険だと。この辺もわかりにくいのですが。こういうところも、消費者観点でいくと、わかりにくいなという感じがしました。それも、どうやって気づいていただくのかということを、何かうまくしないといけないと感じました。

以上です。

詫間会長

裏に貼っていただいても、そこまで見る人はなかなかいないし。裏に貼っていただくのはいいのですが、横のほうにちょっと色をつけたものを、側面のパイプのところにつけていただいて、何だろうと。

玉浦委員

折りたたんで収納するときは見えますけど。

詫間会長

それはそうですけどね。

持丸委員

これは業界団体の取り決めですか。

酒巻委員

ジョイハという業界団体です。

持丸委員

そこに入ってないところは貼ってない?

酒巻委員

ジョイハ番号は、安全もさることながら、むしろ、事故があったり、苦情があったり、そういうときにジョイハナンバーを私どもに言ってもらえるとすぐに対応できるという意味で最初はつくりました。もう一つは、不法投棄などをなくしたいということが趣旨でした。その意味では、「安全」とは少しかけ離れているかもしれません。

持丸委員

変な質問ですが、現実に流通しているものは、中国で、この協会に入っていないようなものも結構あると理解してよろしいでしょうか。

酒巻委員

量は、私どもでもちょっとわからないです。

詫間会長

背もたれのところぐらいに何か目印的なものを、それこそSTマークをもうちょっと厳重にしたものを貼っていただいて、取説は、椅子の裏にありますというようなことを小さく書いてもらうとかね。何かいろいろな工夫が必要かと思いますが、そんなに高価なものでもないし、変な話ですが、利幅がそんなにあるものでもないので、そんなに模造品は出てこないんですよね。ないとは言えませんよ、今、あちらではいろいろなものでつくっていますからね。

酒巻委員

そこではあまり意味がないですね。私ども、ここで、取扱説明書の記載が少ないとか、わかりづらいとか、これは真摯に受けとめなければいけないと思います。前から、使われる方が、取扱説明書に触れないというか、どこかにいってしまうとか、そういう悩みがあるのですが、わかりづらいとか少ないというのは、これからちょっと注意しなければいけないと思います。

詫間会長

そうですね。よほど熱心なお母さんでないと、それをよく読んでから使うということはまずないと思いますね。

ここに「都庁管理備品」と貼ってありますね。こういうようなものだったら、ちょっとしたスペースがあれば貼れますよね。

都のものは番号にはなっていませんね。国の場合、これに記号で番号が全部貼ってありますよね。これを貼らないと、国有財産だからということでしかられると。

山上委員

ものすごく、そんなことは無理だと言われるかもしれないのですが、メーカーさんの方にお伺いします。危ないところというのは、いろいろな危ないところがありますが、閉じたりするときに脇の挟むところは色を変えるとか、そういうようなことは、見ていて難しいだろうなとは思うのですが、いろいろな形での注意喚起を、見たら、ここは危ないということを、そういうような製品づくりの部分で何かご検討いただけることは難しいでしょうか。例えば、そこの部分のシールを、私が考えられる簡単なことでは、ここの部分は危険部分だよというところで、色の違うシールを貼っておくとか、そういうことをすると、使っているうちに少しずつ啓発ができてくるかなという気がします。製品づくりという形で、いかがでしょうか。

酒巻委員

色を変えるんですか。

詫間会長

注意喚起するために、危険なところに赤いような色を付けるというご意見かと思います。

酒巻委員

できないことではないと思いますが、山口さん、どうでしょう。

山口(オカムラ製作所)

私なりの考えを少しお話しさせていただきます。

現在、安全のための注意シールを貼ってあります。それは、95年のPL法の導入のときに、すべての製品に見直しをかけまして、取扱説明書と注意を喚起する警告ラベル、これについては整備しています。それから、製品そのものの見直しはもちろんやっているわけですが、見ていただくとわかるとおり、座の裏に注意ラベルがあって、折りたたむときの指挟みに注意してくださいという文言を現在は入れています。

今のご提案の、色とか、そこの部分について何か工夫があればということですが、これは、事務用椅子に置き換えると、現在、市場に出回っている事務用椅子は、座の裏の機構部分がすべてカバーされています。折りたたみ椅子の場合、そこまでの見直しはまだされていないのですが、確かに、指を挟むような、動く部分がむき出しになっている構造です。ですから、考え方としては、この部分を全くカバーする方法が一番いいのではないかと考えています。

色とか、先ほど言った注意ラベルとかいうところでは、注意にも限度がありますし、色についても、座るときにはそこを見てはいないので、たぶんあまり効果がないのかなと。外から見れば、座る子どもに対して注意をかけることはできるかもしれませんが、そうなると、構造で安全性を確保することが一番いいやり方かなと思います。

外国の製品にはそれ用のものがあると思います。ですから、前脚と後ろ脚がクロスするところを、全体を丸いカバーか何かで囲ってしまって、その中でリンク機構を入れるとかいう構造が一番いいのではないかということで、まだそういう設計を手がけたことはないのですが、我々も勉強不足で、アメリカのASTMがどういう内容で、どういう製品が今は主流なのかということも、まだ詳しく調べられていないので、これからのことかなと思いますけれども。

今、そういうことを感じています。

小林委員

まず、買う側の立場から言うと、ここは危険ですよというところが残っていて、そこはわかりやすいように色を変えたからいいでしょうという形で危険なものが残っているものを売ってほしくないと思うので、色分けで危険などを知らせなくても安全に使えるものをぜひつくっていただきたいと思うことが一つ。

それから、現状においては、児童館にしても、公民館にしても、特にこういう折りたたみ椅子をたくさん入れている学校についても、旧式のタイプのものがすごくたくさん入っています。せんだってのこの会のときにもお話しさせていただいたら、どなたかからご指摘をいただきましたけれども、やはり簡単には入れかえられないと。まとまった量になればそれだけ金額も張ってくるので、一つ一つは安くても。ですので、いっぺんに入れかえてくださいというのは、それぞれの現場での予算の関係などもあって無理でしょうというお話でしたけれども、きょうの実験結果などを拝見すると、やはりそんなことも言ってられないのではないかと思います。

つまり、あれだけの力が入ってしまって、指がああいうふうになるかもしれないということをほとんど認識されないで使っています。なので、特に教育現場などにおいては、お子さんたちが使用する頻度も高いわけですから、こういうような製品を使い続けなければいけないのであるならば、こういうところに注意して使ってくださいよということを、繰り返し、繰り返し、その製品がなくなるまでは注意喚起を何らかの方法で現場に対して続けていただきたいと思います。

それと、私の目の前にあるこの椅子、ここにあるものの中では真ん中の椅子です。実験にもありましたけれども、三角の頂上になるところ、この椅子だと白いプラスチックが入っていますけど、実は、あそこがなくなってしまっている椅子がものすごくたくさん現場で使われています。壊れやすいんですよ。実は、そこのところに挟まると、この状態でもあれだけのダメージがあるということを見てしまったので、あれが壊れてしまうとどういうことになってしまうのかと、私はすごく怖いなと思ったものですから。ぜひとも、そのキャップをつけかえることができれば、そのキャップをつけかえやすいように、あるいは、取りかえが効くように、まだ使い続けるのであれば、それをぜひ使って、そこのキャップをつけかえてくださいとか、そういったことが実行できるような体制が、何らかの形で現場に対して働きかけができないかと感じました。

詫間会長

どうもありがとうございました。

現場と同時に、酒巻さん、申し訳ないのですが、メーカー、事業者サイドの方もお考えいただければと。例えば硬質のものをキャップ的にかぶせる。あれはプラスチックだから壊れやすい面もあるのではないでしょうか。その辺は材料工学の方とご相談してみる必要がありますが。経費の問題もありますのでね。おっしゃるとおりだと思います。

さっき、都のリスコミの中にも、年代ものの椅子がまだいっぱい残っていると。今、小林先生がおっしゃったあれだと思いますが、それが危険だということで、こういうふうに新しく、ここ10年ぐらいでできたようなものでなくても、20年、30年、戦後にできたような椅子もまだ残っている会場が体育館等を含めてあるようですので、そういうところも視野に入れて、今、小林先生がご指摘くださったように、何らかの言及をする必要があるかと思います。新しい製品だけの問題ではないということだと思いますが。

持丸委員

同じことを繰り返し申し上げるのですが、今、小林さんからもお話があったように、メッセージの一つは続けていらっしゃる方へ、そもそも危険があることを認識していただく。確かに、それはかなり危ないですね。私などは、空気ポンプの話を思い出すぐらい、それはかなりリスキーです。ですから、古くなって破損してしまっているものは、それ自体がまた危険性を増やしているかもしれないということを、何かメッセージを出さないといけないですね。

それから、先ほどのあれですが、私の理解では、マーケットにはよりよくなっている製品があるので、次は、買い替えるときにいいものを選んでいただくにはどうするか。この辺をうまく分けてメッセージが出せるといいなと思います。

詫間会長

要するに、モデル的な、推奨すべきものということですね。

堀井オブザーバー

よろしいでしょうか。

詫間会長

どうぞ。

堀井オブザーバー

先ほどメーカーの方もおっしゃったのですが、安全対策というのは、やはり製品でまずやるべきだと思っております。特に、可動部分とか、指が挟まる部分とかは、カバーをつければ、少なくともそこに手はいかない。ただ、折りたたみ椅子の場合、そこまでできるかわかりませんけれども、座椅子で、背もたれを何段階かに変えていくというタイプのものがあります。ああいったものでも、角度を変えるところは、パイプをギザギザのところへ順番に入れていって角度を変えていくということで、そこでやはり指の切断事故が何件かありまして、その後、改善されてそういうところへ手を持っていったとしても、直接指が挟まるような状況にはならない。そういう工夫が今はなされております。初期のものはそういうものがなかったのでそういう事故につながったわけですけれども。

ですから、そういう対策を立てて、かつ、さらに不安な部分を取扱説明書でカバーする。取扱説明書に何か書けばいいということではなくて、取扱説明書というのは、あくまでも本質、製品安全が保たれない部分をカバーするだけのものですから、私は、取説は簡単なものでも、製品本体でカバーできていればそれでいいと思います。

あと、子どもさんの事故ですけれども、先ほども、33ページとか34ページのところに例がありましたように、要するに、親がたたんでいたときに子どもがすり寄ってきて事故になるというケースが多分たくさんあります。それは親の責任だと思ってなかなか外に出てこない部分です。私ども、事故情報を集めておりましても、子どもさんの事故はほとんど上がってきません。なぜかというと、親の不注意だということで、子どもにごめんなさいだけで、製品が悪かったというふうには発想が転換できていない。そういう事例がたくさんあります。

ですから、片づけていてというのは、ちょっと手を出したというのは論外かもしれませんけれども、そういう意味では、子どもさんというのは、案外好奇心があって、親がやっていることをまねしたいということから、いろいろなことでお手伝いをされる。特に、自分の家の商品であれば、親も安心して選択したものですから、そういう注意もできるでしょうけれども、体育館とか学校、公民館とか、いろいろなところにこういう椅子があるわけですから、それらの事故をなくすということであれば、やはり管理者の方が十分な注意を払うということでのアドバイスというか、それをやらない限りはだめではないか。

ですから、新しく売られる製品はそういうカバーをつけていく。既販で世間に出回っているものについては、そういう意味では、所有者の方が使っている方に十分な注意喚起をしていただく。それを補完するために、何か注意喚起のビラを配るとか、そういったことをされるといいのではないかという気がいたします。

横矢委員

皆さんととても似た意見ですけれども、やはり体育館がどうなっているか、もうここまで見てしまったらとても気になります。小さいお子さんを連れていらっしゃるお母様方がとても多くて、お子さんがうろうろされるので。

それで、もうこうなったら、東京都の小学校をこの機会に一度全部調べる。それで、どういうものを使っているか全部チェックしていただいて、タイプ別に分けてみて、差し替えられるものはできるだけ安全なものに差し替えるということが、本当にできるのかどうなのか。金額的な問題がどのくらいになるのかということを、実際のことを知りたいなと思いました。

今のものをまだ使わなければいけないところについては、さっきもビラとおっしゃっていたのですけれども、体育館に貼れるような、例えば体育館に入るときに、決まったビラがあって、そこに確実に貼り出されているとか、そのビラをダウンロードできるようにホームページに置いておくとか。それから、途中の段階では、先ほどおっしゃったように、シールということもあると思います。黄色と黒のシールとかを、今の段階ではこれを貼っておきましょうということも小学校単位でやっていただけるのではないかと思います。都全部が無理であれば、どこかの区でまず手がけてみるとか、具体的に動いていっていただきたいと強く感じました。

古いタイプに対する対策パーツ、ほかにもいろいろな発想の部分があると思いますので、現在使われている商品の内容のチェックと、破損度のチェックをしていただいて、その破損に対する対策パーツも、一時期になるかもしれませんけれども、つくっていただきたいと思いました。

詫間会長

どうもありがとうございました。都でいきなりやるともう1年ぐらいやる形になりますが、区で熱心な教育長さんがおられるところ、女性の教育長さんがおられるところがありますね。例えば江東区とか。そういうところで、今おっしゃったようなことを試験的にやっていただくことも必要かと思います。

それから、先ほど小林先生がおっしゃったことにも関係しますが、先回おっしゃったのかな、体育館で、椅子を立てかけたときにザーッと滑るわけですね。だから、それも滑り止めのようなものがあれば、そんなふうにはならないと思います。何百という椅子がいっぺんに崩れると、それなりのケガの原因になりますのでね。

それから、先ほど、堀井委員からもご説明いただきました、このNITEの17ページですか、自己適合宣言というシステムがあるわけですね。それから、そちらで試験場もお持ちになっておられるわけですが、先ほどいろいろ口頭でサゼスチョンしていただいたので、例えば折りたたみのところを扇子のように、保護カバー自体が動くようにするとかね。ちょっと思いつきで恐縮ですが、何かそのようなことを、試験的な結果によってメーカーのほうに対してサゼスチョンされるということがありますか。椅子に限らずですが。

堀井オブザーバー

実は、そこまでのことはなくて、私ども、17025の自己適合宣言というのは、私ども試験の品質が、ある一定以上のレベルにありますよということの証のために、みずから試験機を管理したり、試験要員を教育訓練しているということです。

私ども、事故の情報が入ったときに、1件ずつすべてのものに対して原因究明をしています。それが、例えば平成18年度であれば4,000件程度の事故が集まりましたし、19年度は、現時点でも四千数百ですから、年間を通すと8,000件とか1万件に近い情報が入ってくる。それをすべて1件ずつ、事故品が入手できるものとできないものがありますが、事故品が入手できると、それをもとに原因を究明していくということをやっております。

ですから、それに対して、例えば、製品が悪かったということがわかれば、それはメーカーさんにも当然ながらお伝えしますし、その中で、その製品が悪ければ回収につながりますし、あるいは、設計が悪ければ、当然、回収になります。品質管理が悪かったり、規格外れのものが混じっていたりとかだったら、それはそのままで終わるということもあります。そういうことのやりとりをメーカーさんとやって、メーカーさんは、設計が悪かったから回収して、新しく設計し直すということでの情報を提供するというようなことです。それ以上のことは、今のところはやっていません。

私どもの別の部署では、標準化ということで、JISをつくったり、ISOの規格をつくったりしている部署がありますから、今のところだと、例えば、杖の先端にゴムがついているけど、それが滑りやすいとかいうこともありまして、それを標準化して、今、ISOに提案したりして、耐久性試験をやっている部署もあります。

詫間会長

この18ページのところにある、消費者用の製品事故連絡票というものを、フリーダイヤルのファクシミリで、ある一定の重大事故が起きたときには出していただくということですね。

堀井オブザーバー

そうです。これは、消費者の方みずからが、こんな事故がありましたということで、どこかに言いたいと。先ほど、90何%の方が言っていないということですけれども、実は、私どもは、4,000件ほどの事故情報を集めておりますが、一般消費者の方から出てきているデータは、4,000件のうち200件弱です。

詫間会長

そうすると、次のページの報告書の、製造事業者からはかなり来ているのでしょうか。輸入事業者も含めて。

堀井オブザーバー

輸入事業者さんを含め多くの事故情報が寄せられています。また、一般消費者の方が事故に遭ったということを私どもに申告された場合、どういう製品で、どういう事故に遭ったということになります。そうすると、メーカー名がわかっていれば、私どもからメーカーに対して、こういう事故がここでありましたよと。メーカーみずからその事故の原因究明をしなさいと。当然、我々もしますけれども、メーカーみずからがその事故責任の範疇として原因究明をしていく。それと我々が調査した結果を突き合わせていく。

メーカーとしても自分に甘くて、消費者の使い方が悪かったとかいうことを言われるケースが多いものですから、そうじゃないよと。例えば、そういう誤使用をさせるような使い方ができる商品は、やはり設計を変えていくべきではないか、製品を変えていくべきではないですかという観点からいろいろな指摘をして、場合によっては、先ほど言った製品回収になりますし、例えば取扱の説明書を改善して、よりわかりやすくすることも対策としては出てくるわけです。

詫間会長

そうですね。国民生活センターの中にも、残念ながら縮小されそうになっているみたいですけれども、危害情報の管理室、あそこもかなりのデータがあります。通報を受けてということで、一定のフォーマットに従って、通報を受けて、それを分析・蓄積しておられます。

ですから、これも意外と消費者の部分があるので、メーカーだけではないのでね。最終的なレポートで、ちょっとあれだったら紹介させていただいて‥‥。

堀井オブザーバー

NITEとしましては、3ページを見ていただくと事故情報の収集などのシステムが書いてあるのですけれども、一般消費者の方、製造事業者の方、それ以外には、私ども、日常、新聞とかテレビなどを見ていて、製品に起因するような報道ぶりがあると、それを警察とか消防を含めて調査をかけて、場合によっては、消防から、焼け焦げた電気製品を預かって原因究明するとかいうこともやっております。それらをすべてデータベース化していまして、きょうお出しした、公表済みですよというものを、私どものホームページからキーワード検索をしていただければ全部出てきます。

先ほど、27件の折りたたみ椅子の挟み込み事故と言いましたけれども、実は、公表しているものは、折りたたみ椅子ではまだ270件の事故があります。それは、挟み込みではない事故です。先ほどおっしゃっていた、座面の端に乗って滑って落ちたとかいう事故も含めますと、やはり300件ほどの件数が出てきます。

詫間会長

それは大変参考になっております。

消防庁からは松川様、いかがでしょうか。こういうケースでの受傷的なもの、救急も含めまして。

松川委員

ただいまご意見も出ましたけれども、前回も、当庁の救急事故の統計をご説明させていただきましたように、折りたたみ椅子、パイプ椅子に係る平成18年度1年間の事故の中では、当然、きょうの論議の中では、挟まれという悲惨な事故が多い関係で議論の中心になっておりますけれども、受傷の形態を見ると、1年間で33人の方が、折りたたみ椅子に起因する事故で、救急車での搬送があったわけですけれども、挟まれが9人、墜落・転落が17件です。ですから、率的には、今おっしゃったように、転落・墜落が多いです。

私も認識不足だったのですが、先ほどの実験の中で、1番目の椅子に、付け根のほうにかかると折りたたんでしまうと。もしかしたら、ああいうところに立って、バランスを崩して倒れたというケースもあるのかなということを考えると、ハード面での対策という検討で、挟まれと同じような対策になろうかと思いますけれども、あわせて、ソフト面での注意喚起の部分では、挟まれだけではなくて、椅子に乗ってからの転落・墜落みたいなことの注意喚起というか、そういうものが必要かなと思います。

詫間会長

そうですね。幼児のケガの段階では特にそうですね。墜落・転落あるいは転倒ですね。これが圧倒的に多いわけですので。それが椅子によっては起きるということも非常に多いケースですので、今、先生がおっしゃったように、何か注意喚起していかなければいけないのではないかと思います。

いろいろと貴重なご意見を伺って、こちらで記録をとらせていただいております。先ほどは言い忘れましたが、前回の議事要録はお渡ししてありますので、特にご異議がなければ、それで一応ご承認いただくのですが、次回もそういう形で、きょうのご意見を記録させていただいておりますので、最終的なレポートに、買い替えのときにちゃんとそういうふうにするとか、意識を喚起するとか‥‥。そもそもそういうことをしなくても済むようなものをつくっていただくことが一番の善策ではありますが、その段階に至る間に、また次善の策もありますので、そういうようないろいろと貴重なご意見が出ました。

それから、今のNITEの、消費者からのフリーファックスもあるということも注意喚起させていただいて‥‥。

堀井様のところは渋谷区の西原ですけれども、本部は大阪にあるんですね。

堀井オブザーバー

製品安全部隊の本部が大阪にあります。

詫間会長

そうですか。試験、品質、その他、先ほどの‥‥。

堀井オブザーバー

はい。試験設備を含めて、メインが大阪です。

詫間会長

大変大きな組織ですね。

もう一つ、科学技術振興機構というものもあるんですね。これは1,000億円ぐらいの予算でやっておられるようですが。あそこが最近、安心・安全問題を一つの研究重要領域として、きのう、実は大手町であったのですが、どの程度のことをされるのか、これからというところですが。今までは、安全・安心で、いろいろな製造物を含めてのことまでやるということがなかったものですからね。今回初めて、そういう新しい芽が出てきておりますから。「安全・安心」という言葉を首相もお使いになるような時代になってきました。我々はだいぶ前から使ってはいたのですが、そういう意味では、注意喚起が少しずつ広がってきているのではないかと思います。

本日いただきました貴重なご意見を、また事務局とも十分にすり合わせまして、次回までに中間的なまとめを進めさせていただきたいと思っております。

何回も申し上げますが、お手元に差し上げました資料3のアンケートのデータ部分と、それに連なる事例のところなどももう一度お暇なときに見ていただいて、事務局にご意見をお寄せいただきたいと思います。

問題は、1月、2月、3月と、あと3回は開かせていただきたいと計画しておりますので、最後の資料8についてご説明をいただきたいと思います。

事務局(生活安全課長)

それでは、資料8をご覧いただきたいと思います。

1月下旬に第3回協議会を開催いたしまして、安全対策の検討。それから、きょうのお話を参考にしながら、報告書の骨子案ということで、簡単な骨組みをお出ししたいと思っております。それから、2月が、やはり同じように検討いただきながら、私どもからは、報告案でかなりまとまった形で報告させていただいて、3月には、それを了解いただくと。そのようなスケジュール予定でおります。

実際の日程調整をさせていただきたいと思います。

(日程調整)

詫間会長

それでは、第3回は1月23日の14時30分から16時30分。第4回は2月20日の13時から15時。第5回は3月27日の14時30分から15時30分。時間帯は、30分ぐらいずれたりする可能性がありますので、ご通知を必ずご確認いただいた上でご出席の返信をしていただければありがたいと思います。

ご欠席の方は代理の方を立てていただければと思います。代理も難しいという方もいらっしゃるかもしれませんけれども、代理の方をお願いできればと思います。

それでは、本日はこれをもちまして第2回の協議会を閉会させていただきます。

ご協力、どうもありがとうございました。

お問い合わせ先

東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当

電話番号:03-5388-3055