ページの先頭です

ページ内を移動するためのリンク
本文(c)へ
グローバルナビゲーション(g)へ
ローカルナビ(l)へ
サイトのご利用案内(i)へ

トップページ > 商品安全 > 東京都商品等安全対策協議会 > 折りたたみ椅子等の安全確保について > 第1回 「折りたたみ椅子等の安全確保について」 議事要録

更新日:2013年3月21日

第1回 「折りたたみ椅子等の安全確保について」 議事要録

【日時】平成19年10月24日(水)14:00~16:00
【場所】都庁第一庁舎33階(北)特別会議室S6

1 開会、資料の確認、公開・非公開の確認、委員・事務局紹介

事務局(生活安全課長)

定刻になりましたので始めさせていただきます。

本日は、お忙しい中、ご出席いただきましてまことにありがとうございます。私は会長が決まるまでの間、進行役を務めさせていただきます、生活安全課長の長でございます。よろしくどうぞお願いします。

会議に入ります前に、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。

まず資料1ですが、商品等の安全問題に関する協議会の設置要領です。それから資料2としまして委員名簿、2-2で事務局の名簿も添付してございます。資料3として「昨年度における協議会の取組」。資料4「平成19年度商品等の安全問題に関する協議会『折りたたみ椅子等の安全確保について』」という資料でございます。資料5「折りたたみ椅子等が関係した危害・危険についての消費者アンケート調査《概要》」。資料6、くらしの安全情報サイト「くらしのリスコミ広場」による事故情報・意見募集。それから資料7「事故再現実験(概要)」。資料8、協議会スケジュール(予定)。これが私どもでご用意させていただいた資料でございます。

そのほかに、消防庁さんから救急事件の概要、それから国民生活センターさんからは、踏み台の安全性についての概要。さらに日本オフィス家具協会さんからは自主行動計画。さらに日本オート・キャンプ協会さんから概要。それから最後になりますけれども、子どもの危険回避研究所さんから黄色いパンフと。それから袋に入ってございますのが、全国消費生活相談員協会さんのほうの資料ということで、たくさんございますが、以上、資料の欠落等ございませんでしょうか。

では、なければ、これから「第1回商品等の安全問題に関する協議会」を開催いたします。

まず、議事に入ります前に、会議の公開・非公開についてお諮りしたいと存じます。

本協議会及びその議事要録は、原則公開とし、個人情報等に係る部分については、会議の席上において、委員、事務局の発議によって非公開とすることとしたいと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

事務局(生活安全課長)

それでは、そのように取扱いさせていただきたいと存じます。

次に、このたびご就任いただきました協議会の委員の皆様方のお名前だけをご紹介させていただきたいと存じます。

(各委員・事務局の名前を紹介)

2 挨拶

事務局(生活安全課長)

次に、挨拶ということですが、本日、局長並びに部長がこちらに来てご挨拶すべきところですが、本日は同じ時間に決算特別委員会に出ておりまして、こちらは欠席させていただいております。

本日の部長からの挨拶につきましては、私が代読させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。

それでは、読ませていただきます。

このたび、委員の皆様には、大変お忙しい中を本協議会の委員にご就任いただきましてまことにありがとうございます。厚くお礼を申し上げます。

さて昨今、ガス湯沸器や暖房器具による一酸化炭素中毒事故、家電製品による火災など重大な商品事故が頻発し、消費生活製品安全法が改正されるなど、安全に対する社会的関心は大きな高まりを見せております。

しかし、こうした中でも、依然として最近ではサンダルを履いた子どもがエスカレーターに巻き込まれる事故が相次いで発生するなど、商品に起因する重篤な被害は後を絶ちません。

この商品等安全問題に関する協議会においては、商品サービスによる危害・危険を防止し、都民の安全な消費生活を確保するため、私たちの身近にある商品等に焦点を当て、安全対策についてご検討いただき、その成果をもとに関係各方面に対し、危害・危険を防止するための様々な提案を行ってまいりました。

昨年度は、子ども用衣類の安全確保をテーマにご検討いただき、報告書をとりまとめていただきました。この報告に盛り込まれた具体的提言をもとに、東京都は、関係機関、関係団体に対し、子ども用衣類の安全確保に向けた提案・要望を行うとともに、子どもの事故防止のためのリーフレットを作成し、保護者への注意喚起を行いました。

その結果、大きな反響があり、協議会の取組については、多くの新聞、テレビ等で紹介され、当初10万部作成したリーフレットも、幼稚園・保育園の関係者の方からたくさんの追加配布の要望があり、急遽増刷して対応しました。改めて安全問題、とりわけ子どもの事故防止に対する関心の高さを認識するとともに、委員の皆様のご尽力によって、このような成果が生まれたものと感謝いたしておるところでございます。

さて、本年は、既にご案内いたしましたが、「折りたたみ椅子等の安全確保について」をテーマとして選定いたしました。全国の消費生活相談の窓口には、折りたたみ椅子をはじめ、折りたたみ製品の可動部で指を挟む、場合によっては指切断に至る重大な事故が発生しているとの報告が複数寄せられています。

特に、指切断という重篤な危害は、子どもに多く発生しているということです。一方、こうした指挟み事故を防止するための安全規格は、我が国では未だ整備されておりません。このような現状を踏まえ、子どもの事故防止の視点を含め、折りたたみ椅子等の安全確保対策の早急な検討が必要と考えた次第です。

つきましては、日ごろから様々なお立場で商品の安全問題に取り組んでおられる皆様方の絶大なご協力をいただき、折りたたみ椅子等による事故の未然防止に向けて、具体的な提言をいただきたいと存じます。

どうかご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

3 会長指名

事務局(生活安全課長)

それでは次に、本会議の会長ですが、本協議会設置要領第6の規定によりまして、消費生活部長の指名により選任するということになっております。本日、部長の代理として私が指名させていただきたいと存じます。

会長は詫間委員にお願いしたいと思います。それでは、詫間会長より一言ご挨拶をいただきたいと存じます。

4 会長挨拶

詫間会長

ただいまご指名をいただきました詫間でございますが。実は昨年の第6期、そちらの身につけるもの、服装の安全問題についてのときも司会をやらせていただいておりました。既に数人の先生方、そのときにもお世話になったわけでございますが、せっかくのご指名をいただきましたので、皆様方のご協力をいただきまして、昨年度大変好評でございましたので、それに負けないような、今年も成果が出れば大変ありがたいと存じております。以上でございます。

5 議事進行依頼

生活安全課長

ありがとうございました。

それでは、席を移動されて会議の進行をお願いしたいと思います。

(詫間会長・会長席に移動)

6 議事進行

詫間会長

それでは、時間も限られておりますので、各委員の先生方のご紹介に移りたいと思います。

私自身は、先ほど自己紹介させていただいたわけでございますが、一言追加いたしますと、以前まで実は東京学芸大学のほうの教授も務めさせていただいておりましたのと、先回も申し上げましたけれども、このすぐ下に淀橋第一小学校というのがございまして、私が生まれたころは、実はこの新宿区で生まれたんですが、新宿区というのは淀橋区と言っておりまして、そういうことで年がわかってしまうわけでございますが、東京都には、いろいろとご縁もあるし、お世話になっておったような次第でございます。

それでは、このテーブルに座っておられる順でよろしいでしょうか。

順不同でございますけれども、オート・キャンプ協会の玉浦様のほうからお願いできますでしょうか。2分程度でお願いできればと思いますが。

玉浦委員

当協会の概要が皆様のお手元に行っていると思いますが、これをご覧になりながら概略説明させていただきたいと思います。

私、日本オート・キャンプ協会のほうで現在常任理事をやっております玉浦と申します。

資料を開きますと、ここに組織表が出ておりますが、ここで分野別の協議会というのがあります。各分野別に加盟の法人の団体の中でオートキャンプの用具・用品協議会、これがいわゆる日本のオートキャンプの用品関係を製造販売しているメーカーの集まりがここに連なっております。現在12社で構成されておりまして、私もそこの協議会の議長をやっております。

メーカーという立場でオートキャンプに関係する用品の製造販売、そういう立場で、一応、今回オート・キャンプ協会のほうから推薦いただきまして、こちらに出るようになりました。

そういうことで、非常に今キャンプブームで、今キャンプ人口は約700万おります。そういうところでオートキャンプの普及促進をしながら、さらに定着させていこうという活動をやっております。

そういうことで、一応、今回微力ながら、自分の分野で協力させていただきたいと考えております。よろしくお願いします。

詫間会長

ありがとうございます。

先ほど直前になってお配り申し上げましたけれども、消防庁から、松川様でございますね。貴重なデータをいただいてお手元に行っておりますが、折りたたみパイプ椅子、英語ではフォールディングチェアですから一言でいいのでございますが、33名の方が件数として救急搬送の人員対象になっておられるということですね。これに関する件数としては、4,650人が家具で救急搬送されているということでございます。

こういう貴重なデータで、都のほうでも、たしか過去10年に重篤なものは24件ですか、さっきの切断も含めたパイプ椅子によるというのがございました。それはまた後ほどいろいろご紹介があると思いますが。

それでは、続きまして、専務理事の酒巻様でございますか、お願いいたします。

酒巻委員

よろしくお願いいたします。折りたたみ椅子のことでございますので、何か私も被告席へ立ったような気がしないでもないんですが、ぜひよいご提案をいただきまして、りっぱなものができればと思っております。

家具の業界と申しますのは、大体大きく2つの流れがございまして、家庭用の家具の業界とオフィス用の家具の業界、2つございます。流れが全く別でございまして、生産工程も、流通過程もほとんど別でございますので、業界が2つというふうに考えたほうがいいかというふうに思います。

ただ、最近、少子化等でお子さんがいなくなると、そのご両親がお子さんの使っていた勉強部屋を書斎にするとか、そういうことになりますと、私どものオフィス家具の分野も多少そちらへも進出しているかというような気もしております。

そういうことでございまして、折りたたみ椅子は、家庭用家具にないわけじゃないんですが、まさしく私どものオフィス家具業界の産物でございます。先ほどお話がありましたように、安全に対する規格といいますか、これは全くございません。折りたたみ椅子自体の強度とか、そういうことはいろいろやっておりますが、こういう構造にすればいいんじゃないかということは、なかなか努力しても見つかりません。

これを折りたたまなければ一番いいんですけれども、折りたたむところに機能がございまして、体育館なんかで大量のものをしまっておいて、パッと行事があるときに出せる。非常に持ち運びが簡単で収納が簡易であるというところが便宜性があるところでございまして、これに加えて、今の構造に危険性がなければ、こんなにいい椅子はないのでございますが、その便宜性だけ危険性、リスクもあると、こういうような製品でございます。

ぜひ私もこの会を通しまして、皆様からいいご提案がいただければ、業界のほうへ持ち帰りまして、そのようにぜひ実行したいと、こういう気持ちでございますので、いろいろとご指導をよろしくお願いしたいと思います。

詫間会長

どうもありがとうございました。かなり密接につながっておられる業界でいらっしゃるようでございますが。

それでは、小林先生、お願いいたします。

小林委員

未来子育てネット東京の会長をしております小林と申します。よろしくお願いいたします。

私は都内の児童館を拠点としまして、地域の児童館に集まってくる親子さんと一緒に、いわゆる子育て支援活動を展開している団体でございます。公民館であるとか、児童館であるとか、いわゆる地域センターであるとか、そういったところを活動場所としておりますので、実はこの折りたたみ椅子には大変親しんでおりまして、多分、今お話しいただきました酒巻委員がお聞きになったら、ひっくり返ってしまいたくなるような使い方をして、折りたたみ椅子を大変便利に使用しているものの一人でございます。そこにいろいろな危険が潜んでいるということを知りつつも、そういう使い方をやめられないで便利に使えてしまうものだから、もう少し安全につくられていれば、それにこしたことはないと思いますので、この協議会を通じまして、使い方ももちろんでございますけれども、商品そのものの機能・性能がさらに向上していくといいなと願いつつ参加させていただきます。

よろしくお願いいたします。

詫間会長

どうもありがとうございました。子育ての非常に大事なテーマをご担当いただいているわけですが。

では、続きまして、片岡様でございますね。国民生活センターの調査役をしておられますが。

片岡委員

片岡でございます。よろしくお願いいたします。

私が所属しています国民生活センターの商品テスト部は、全国の消費生活センターに消費者がいろいろな商品苦情を持ち込まれて、どうしても商品テストが必要だというようなもので、各自治体でいろんな制約があってテストできないというときに、うちのほうに依頼していただければ、私どもがテストする、それでお返しして相談の役に立てていただくということを一つの業務としてやっております。

その例としまして、A4一枚の資料をきょう皆様にお配りしておりますけれども、簡易式の折りたたみベッドということで、今回のテーマと関係がありますので、参考までにお持ちしました。

折りたたみの簡易ベッドの可動部で指を挟んで切断してしまったということです。苦情品をテストした結果は、本体と足のフレームが交差する箇所で指が挟まれやすいということだったということですが、ちょっとわかりにくいと思いますので、写真をお回ししますので、ご覧いただいて、また私のほうにお戻しいただきたいと思うんですが、ベッドの可動部のところで指を切断したと。これは事故品そのものではなくて、同型品での写真でございますので、そういうことをやっております。

もう一つは、その1件1件の苦情テストから、どうもこれ1件だけじゃないよと。同じような商品に同じように危険があるんじゃないかというようなときには、商品を広げましてテストして、公表するということをやっておりまして、その例としまして、「踏み台の安全性」ということで、きょう資料をお持ちいたしました。

今回のテーマにかかわりますように、その資料の7ページ目に、手や指を挟むおそれ等の調査ということで、こういう可動部がある場合に、指を挟むような危険な箇所がないのか。特に小さなお子様、2歳の子どもさんが指を切断してしまったというような事故事例がございましたので、そういう観点から、隙間あるいは危険な箇所がないのか、あるいは持っただけでストンと動いてしまう、あるいはちょっとしただけでロックがかからずに動いてしまうと、そういうような箇所を調べて危険防止のための改善の要望ですとか、消費者への情報提供をしております。参考までにお持ちいたしました。

詫間会長

どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、小野様のほうからお願いいたしたいんですが。

小野委員

キッズデザイン協議会の小野と申します。初めまして、よろしくお願いいたします。

キッズデザイン協議会は、次世代を担う子どもたちの安全・安心の向上と健やかな成長・発達に役立つデザイン、これはものづくり、ことづくり両方なのでございますが、そのデザインの普及・啓発を図っていこうということで、昨年5月に企業と団体と行政の方も含めて約30余りの人たちが自主的に集まった団体でございます。今年4月にNPOとして生まれ変わりまして再スタートしております。

特に大きな活動としましては、後で回覧させていただきますけれども、キッズデザイン賞という、優れた商品に関してこのマークを差し上げて皆さんに知っていただく、気づいていただくということを主眼として、こういったアワードを持っておりますけれども、その主催元でもございます。

様々な活発な活動にこういったことを顕彰してまいりたいと思っておりますし、皆さんの活動そのものも顕彰の対象になるかもしれませんので、今後もいろんな接点があろうかと思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

きょうは楽しみにしてまいりました。よろしくお願いいたします。

詫間会長

どうもありがとうございました。第6期の成果も表彰していただいたんだと思いますが、ありがとうございます。

先ほど途中までちょっと自己紹介を始められましたが、大津委員の代理で飯塚様、よろしくお願いいたします。

飯塚代理委員

社団法人日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会事務局、飯塚と申します。よろしくお願いします。

本日は、私どもの事務局長の大津がこの委員のほうに登録させていただいておりますが、ちょっと所用で出席できないということで、代理させていただきます。よろしくお願いいたします。

私ども今お配りさせていただきました事業活動の案内を見ていただきますとわかるのでございますが、私どもドゥ・イット・ユアセルフ、住まいと暮らしをよりよいものにするために、自らの手で何でもやっていきましょうということを普及啓発している団体でございまして、この近所ですと、東急ハンズさんですとか、島忠さん、ビバホームさん等の小売業を中心に、それに関係する製造業また卸業、情報関係といった企業さんが集まりまして、約600社加入していただいて活動をしております。

主な活動としては、会員向けには、セミナーの開催ですとかをやっておりまして、また一般向けに私ども8月に、先日終わりましたが、JAPAN DIY HOMECENTER SHOWというのを幕張メッセで3日間やっておりまして、そこで一般の方向けにDIYの普及をしているということでございます。また、一般向けというか、会員さんの社員教育、また一般の方の普及ということで、まだまだDIYということが普及されていないということで、普及するために教える方の養成が必要だということで、DIYアドバイザーという資格試験をやっておりまして、今、全国で1万5,000人の方がアドバイザーになっていまして、テレビですと、例えばNHKの「住まい自分流-DIY入門」というのを毎週金曜日の9時からやっておりますが、こちらに講師として参加されたりしております。

私どもホームセンターということで、ホームセンター、当初はハードの部分が中心でございましたが、年々巨大化しておりまして、アイテム数も多いところでは10万を超えるアイテムを扱っておりまして、こういったパイプ椅子ですとか、折りたたみ椅子を扱っているだろうということで、今回、委員ということでご登録させていただきました。

私ども会員向けに、ここで決まったことを周知徹底するとともに、またDIYショーでも普及することができるのかなということで協力させていただきたいと思っております。

よろしくお願いいたします。

詫間会長

どうもありがとうございました。

ちょっと横に飛んで申し訳ないんですけれども、危険回避研究所の横矢様、お願いいたします。

横矢委員

黄色い資料がうちの資料ですが、資料はお手元にございますでしょうか。

私たちの研究所は、1999年8年前にインターネット上につくったホームページからスタートしています。その当時、私は主婦をしながらインターネットホームページ、ママ向けホームページのコーディネーター、ディレクターなどをしておりまして、多くの主婦の方、それからお父様方もお話しする機会が多くて、そのときに、いざというときに子どもを守れないんじゃないかということを心配されている方が多かった。それから守るための情報が全然ないというふうにおっしゃる方がとても多かったということに気づきましたので、皆さんにいい情報が伝わりやすいサイトをつくりたいということでこのサイトをつくりました。

当初、私たち、今回いらしています国民生活センターさんとか本当にいい情報があるのに、99%の親が「知らない」というふうに答えたものですから、飛びやすいリンク集をつくるというようなことからスタートしています。

もともと母親として次男が生まれた18年前から商品研究をして論文を書いておりましたので、研究おたくなところを生かしまして、何か情報が入ったら皆さんにおすそ分けするという形で活動を続けています。私たちのモットーは、むやみに怖がらず、立ち向かう親子になろうということで、体験談なども寄せられています。

その中で、このトップページを見ていただきますと、事故というのは子どもを取り巻く意見の一つとしてとらえて、バランスよく、今、防犯のことなんかも、加古川の事件がありましたので、また意識が高くなっていますが、事故もいつも忘れないでね、この6つをバランスよく見ていってねということを保護者の方をメインに伝えていっている立場です。

私自身は、自動回転ドアの事故の直前に、この研究所で「あらゆるドアの危険について」という特集をしたこともありまして、そこからいろんな委員をさせていただいています。エスカレーターの事故の際も、東京消防庁さんの委員というような形で参加させていただいています。

今回もできるだけフレキシブルに、すぐに反応ができるのがうちの特徴だと思いますので、皆さんからネットでまた情報を集めたり、それからここで得た情報をまた皆さんに流したり、マスコミなどのつながりも多いので生かしていけたらと思っています。

最後に、すみません。明後日ちょうどよく講談社から新しい本が出ることになりました。『「まさか」の犯罪・事故からわが子を守る7つのルール』という本ですけれども、ちょっと意識がみんな下がっているので気をつけてほしいなということで出しましたら、ここのところ、事件や事故が非常に多くて、ちょうどタイムリーになってしまったのですが、言いたいことは、「脅えさせない安全教育のすすめ」ということです。ハードとソフトのバランスをとって、いろんな分野へバランスとってということを広げていきたいと思っています。

勉強させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

詫間会長

どうもありがとうございました。先生は、全国的に活動しておられるので、この資料の新聞記事なんかのところにも委員会に出ておられます。先生は、犯罪と商品事故の両面から安全について扱っておられますね。このトップページのところをご覧いただくとわかりますが。よろしくお願いいたしたいと思います。

それでは、続きまして、山上先生、お願いいたしたいんですが。

山上委員

社団法人全国消費生活相談員協会の山上と申します。よろしくお願いいたします。

私どもの会は、創立今年でちょうど30周年となっております。先ほど片岡委員からお話しございましたが、国民生活センターで「相談員養成講座」が開催されました。そのとき全国各地から集まった仲間がネットワークの必要性を考え「国民生活センター養成講座修了者の会」というものをつくりました。それからいろいろな独自な活動を始めてまいりました。会員の多くが全国各地の消費生活センターで相談員をしております。トラブルの第一報が入ってくる、最新の情報が寄せられるところが消費生活センターと言われております。何が問題かよくわからないけれど何かおかしいと思われて、ご相談を寄せられる方々のお話を伺いながら、どこに問題があるか、そういったことを整理しつつ、いろんなご相談に対応しております。

私どもの東京事務所は、高輪にございます国民生活センタービルの一角に間借りしております。平日は各地のセンターで相談員をしております会員がこちらで週末電話相談といいまして、土曜日曜にご相談を受けております。あと関西事務所がございまして、関西事務所では、日曜日に電話相談をやっております。

お手もとにある「こんな相談がありました」は週末電話相談に昨年寄せられた相談事例を基に作成した簡単な冊子でございます。これは私どもが講座等でお話をさせていただくときに、よく使う啓発誌でございます。ここにも簡単な製品事故の事例が載っています。様々なご相談等が寄せられますがお一人のご相談者の後ろには、多くの物言わぬご相談者が、被害者がいらっしゃるということが調査でもわかっております。ですので、啓発がいかに大切かということを日々強く感じております。家庭の危害、危険などの講師依頼がありますとお話をさせていただいているような現状です。

私どもでは、今回の協議会では相談現場から見えること、啓発や情報提供等できる限りのことをやらさせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

詫間会長

片岡様と同じ場所というか、建物としてはですね。品川からこう……。

山上委員

国民生活センターには、商品テスト部があります。本部は相模原で、そちらにはりっぱなテスト室があります。けがをしましたというようなご相談があったとき、私たち相談員は、製品として問題は無いのか、本当に危険なのか判断に迷った時、中立・公正なテスト機関である国民生活センターの商品テスト部にテストを依頼します。

詫間会長

情報交換的には密接にしておられるわけですね。

それでは、続きまして、経産省の独法の産総研と言っておられます持丸先生、よろしくお願いいたします。

持丸委員

産総研と申します。デジタルヒューマン研究センターというのが私の所属で、持丸と申します。

経産省所管の独立行政法人でございます。我々センターでは、デジタルヒューマンという、人間の形とか、動きとか、行動とか、感覚とか、そういうのをコンピュータ上につくり出して、それで安全で快適なものづくりに役立てようという、そういうようなかなりコンピュータ寄りの研究をしておりますが、この一部で、実は子どもの事故予防ということをかなり熱心に取り組んでおりまして、きょうもちょっとお見せしますが、一部シミュレーション技術を使ったりとか、子どものサイズをよその団体と一緒に計測したり、それから病院なんかと一緒に子どもの事故データのサーベイランスをしたりしております。そういう絡みもありまして、ちょっとこういうようなところにも首を突っ込むようになっております。

私個人としましては、バイオメカニクスという研究分野です。

経産省傘下ということもありまして、都の委員会の結果をできるだけJIS化しようとか、そういうようなことも考えて業界の方々と話し合ってはいるのですが、今年はそうでもないですかね。いろいろ省庁をまたがるようなケースが多くて、一筋縄ではいかないというのが現状でございます。

また今年も何かお役に立てれば頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。

詫間会長

どうもありがとうございました。第6期もいろいろご貢献いただいたわけですが、ご承知のように、世界に冠たる研究機関でいらっしゃるわけでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

先ほど資料をいただきました東京消防庁の松川様、よろしくお願いいたします。

松川委員

東京消防庁生活安全課長の松川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

私ども東京消防庁の生活安全課では、広く都民生活の安全確保を所管しているということで、中身としては、こういった膨大な年間11万件という日常生活での事故、特に救急車が出たり、消防車が出たりという事故でございますけれども、そういった件数が発生をしております。その中で、同種事故を防ぐために我々が持っている情報を皆さんに提供して、警鐘を鳴らして安全を図っていくという取組みをしております。

ほかに災害時要援護者対策ですとか、住宅防火対策、あるいは防災行動力の向上ということで、都民防災教育センターの運営等の業務を担当しています。

今日、データを持ってまいりましたので、これで概略をご報告させていただきたいと思いますけれども、平成18年度中に東京消防庁管内で救急車が出た日常生活の事故が約11万件発生しております。ちょうど今とりまとめをしておりまして、速報値ということでご承知おきいただきたいと思います。

器物別上位5種ということで、階段、薬物、家具、ガラス、ナイフとございますが、あらかじめお断りしたいんですが、この製品が原因で事故ということではございません。当然、この中には、例えば階段で酔っぱらって転んだとか、一方的にけがをした方々に原因があるという事故もすべて含めての件数でございます。

そういう器物が関連する事故の中で、家具というのが、この11万件の中に4,650人発生をしているということでございます。家具の中でも、今回検討のテーマとなっております折りたたみ椅子、パイプ椅子が去年度1年間で33人救急車で搬送、あるいは現場で処置をしたというものでございます。

その受傷の形態を見てみますと、1番は、33人のうち17人が「椅子から墜落した・転落をした」。2番目が「挟まれた」と。3番目が「それに衝突をした」というものでございます。その初診時程度はその下にございますけれども、25人は軽症の方々だった。中等症は、入院を要する程度のけがということで、8名発生しております。幸いにして、命にかかわるような重症事案は昨年度は発生をしておりません。中等症の中には、墜落・転倒が7人、挟まれが1人ということです。

年齢で見てみますと、「0歳~9歳まで」が11人ということと、「65歳以上の高齢者」の方が8名ということで、やはり率的には多く発生をしている。また、65歳以上の高齢者8人の方のうち、いわゆる入院を必要とした中等症が5人ということで、お年寄りのほうがけがの程度が重くなる傾向があります。

主な事故事例としてここに5例ほど挙げてございますけれども、この4番にありますように、先ほど来お話が出ております「指の切断」ですけれども、折りたたみ椅子に左手の中指を挟んだということで、二十歳の男性が切断、離断というふうになっておりますが、入院を要しなかったということで、事故は大きいんでしょうけれども、軽症という分類になっている。こういうこともありますので、ご承知おきいただきたいと思います。

簡単ですが、去年度1年間における東京消防庁の救急事故からの事故の概要のご報告とさせていただきます。よろしくお願いします。

詫間会長

どうもありがとうございました。貴重なデータで、一月に1万件弱ということですね。相当な数でございますね。

どうも最後に恐縮ですが、真打ちという言葉もありますので、保阪様、お願いいたしたいんですが。

保阪委員

今回、日本チェーンストア協会から来ました保阪と申します。

もともとの所属は多分皆さんもご利用いただいているかもしれませんが、イトーヨーカ堂の所属になっております。

私自体の業務自体が店頭からのお客様のお問い合せに対して店頭スタッスに対するフォローということで、商品知識等に関しての問い合わせに対して店頭にお伝えするというような形をとっております。

今、メーカーさんの偽装問題とかいろいろありまして、店頭からの声というのは非常に多くなっております。その辺のことも、今回、私、住居のほうを担当しておりますので、その辺をぜひこの会のほうに伝えていければなと思いますので、よろしくお願いいたします。

詫間会長

どうもありがとうございます。チェーンストアでございますと、巨大なシステムでございますが、販売のほうの責任を負っておられるかと思います。よろしくお願いいたします。

以上で、一応、委員のご紹介を終わりたいと存じます。ありがとうございました。

本題のほうに入ります前に、先ほど来少しずつ話題になっております昨年の子ども用の身につけるものという表現もございますが、衣服といいますか、衣類というものに対する、今調査データが、報告書をお配りいたしておりますが、「子ども用衣類の安全確保について」ということが昨年度のテーマでございました。

これはお回しください。これに基づいてつくられた、さっき初版が10万とかいうことですが、最終的には三十何万かというお話を伺っておりますが、入っておりますか、そうですか。

お手元の資料の中にも新聞記事で主要なものをはさませていただいて、資料3の後にずっと続いておりますが、その中の22の部分に朝日新聞の、私が最初に発見したらしいんですが、生活面というのがありまして、一面ぶち抜きで、これはものすごいPR効果があるわけで、もし東京都が依頼されたら、広告費として億単位のお金を出さなきゃならないわけですが、それを上手にまとめていただいたような記事もあります。日経新聞にも出ております。全国版にも、地方紙だけではなくて出ております。それからテレビにも一、二回、ここへ取材に来られて、短時間ですがテレビに放映された部分もございます。

そういうことで、ちょっと概略を事務局のほうから、昨年度の様子をご紹介いただけるとありがたいんですが。

事務局(安全担当係長)

事務局の櫻井と申します。よろしくお願いいたします。

昨年度詫間会長をはじめ委員の皆様方のご協力 によりまして、昨年度は「子ども用衣類の安全確保について」というテーマで協議会をやらせていただきました。おかげさまをもちまして、要望後大好評いただいておりまして、資料3につづっております新聞記事が昨年度の協議会の新聞記事であります。

資料3の2枚目の別紙2のところでありますが、テレビにおきましては、MXテレビはじめ3社が放映をしております。ラジオに関しましては、小林委員のご協力によりまして、FM西東京とFMJ-WAVEの2社で放送いたしております。

めくっていただきまして、新聞等の報道の状況でありますが、日本繊維新聞をはじめ一般紙、5大紙すべてと、消費者関係のニッポン消費者新聞そのほか学会誌などの取材をしていただきまして、各新聞の1面と生活面に載せていただいております。このほかにも健保組合の雑誌の記事としまして、小林委員に記事を書いていただいているところでございます。ありがとうございます。

また、さらに最近ですが、女性セブン、共同通信社の取材もありまして、女性セブンと共同通信社の方は、秋冬物が流行するということですので、フードのひもが危ないという観点からひもについての注意喚起をしていきたいということで興味を示されまして取材を受けたところでございます。

この協議会の提案・要望とありますが、資料を1枚めくっていただきまして別紙1にプレス資料を付けておりますのでご覧いただきたいと思います。

昨年の3月26日に協議会の詫間会長から報告をいただきまして、その報告をもとに、東京都でそれぞれの各団体に対しまして要望をいたしたところであります。

その要望先でございますが、別紙1の裏をご覧いただきたいと思います。要望先としまして、国、関係機関としまして、持丸委員の所属しております産業技術総合研究所と、小野委員が所属しておりますキッズデザイン協議会さんに要望いたしております。そのほか製造事業者の、全日本婦人子供服工業組合連合会、アパレル産業協会さんに要望しまして、販売事業者の関東百貨店協会、今回、保阪委員が所属されております日本チェーンストア協会さんに要望いたしているところであります。また、教育関係の団体としまして、日本ファッション教育振興協会さん、服飾学校協会さん、私立の大学・短大の各団体にそれぞれ要望いたしております。

この要望しました結果、経済産業省と、持丸委員の所属しております産業技術総合研究さんのところで新たに子ども服のJIS化を図るということで今進められていると伺っております。また、キッズデザイン協議会さんにおかれましては、キッズデザイン博で今回の安全問題協議会の報告書並びに子ども啓発のリーフレットを東京都として応募しまして、キッズデザイン賞を受賞させていただいております。

記者の方の一番興味のあるところでありますが、めくっていただきまして、20~21の朝日新聞の記事をご覧いただきたいと思います。

朝日新聞の記事にわかりやすく、左上のところに子どもの衣類でどこが危険なのかというのを具体的に示したイラストを掲載していただきました。やはり服に関しては、それぞれ記者の方も小さいお子さんがいる方、または子育ての経験がある方がほとんどでして、やはり危ないと思っているんだけど、親の責任だ、自分の責任だと思ってなかなか注意喚起までは至らなかったところで、危ないと思っていたけど行動ができなかった、記事に書けなかったということをおっしゃっておりました。

今回の安全問題協議会のリーフレットも保育園、幼稚園から要望が多数寄せられまして、当初10万部のところを20万部追加しまして30万部、3歳から5歳の全部園児に対しまして、配布させていただいているところであります。今後もこのような記事がまだ続くかと思いますので、ぜひご覧いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

詫間会長

この絵は、朝日新聞の記者様のほうでつくってくださったのですよね。この報告書の中からポイントを上手に。さすがに優秀な方がおられるので助かっていますが。これは非常にわかりやすいですね。横についているポケットがいかに危ないかというようなところも含めまして。もちろん、ほかの新聞社も優秀な方がおられるのですけれども、非常に助かっております。

これに関して質疑応答等がもしありましたら、後でまとめてと思います。ちょっと時間も押しておりますので、本題のほうへ進めさせていただきたいと思います。

本題は既にご案内のように、「折りたたみ椅子等の安全確保について」という本年度のテーマについて検討を進めさせていただきたいわけですが、最初に、事務局のほうから、今期の活動の意図について、概略をお話しいただきたいわけでございますが、課長さんのほうからですか。

事務局(生活安全課長)

それでは、資料4をご覧いただきたいと思います。A3を折りたたんでございますので。

協議会で折りたたみ椅子をご検討いただくのですが、この安全確保に関する全体像といいますか、背景から今後の対応等を含めたイメージ図をつくってございますので、それをもとにちょっとご説明を申し上げたいと思います。

まず、左のほうから説明させていただきます。アメリカの取組について書いてございます。アメリカにおいては、2004年の5月、あるいは9月にお子さんが指先を切断しているという消費者製品の安全委員会の資料でわかったのですが、そういった報告もなされており、そこで2005年の4月には材料試験協会(ASTM)に安全規格を策定するよう依頼している。そのASTMでは、2007年1月に「子ども用折りたたみ椅子の安全規格」、これを策定しているということでございます。自動ロック装置だとか、そういったものを新たに安全規格として策定しております。

では、事故の状況はどういう状況にあるのかというのが国内状況の下のほうに書いてございます。

まず、このグラフですけれども、これが折りたたみ構造を持つ製品が関係しました危害状況ということで、これは国民生活センターさんが所管している消費生活相談情報の全国のネットワークであるPIONETのデータを利用させていただいておりますが、「椅子」が全体で23件、それで黒い網かけのところが重篤な指の切断事故ということで、10件数えられます。

下にちょっと説明が書いてございますけれども、「・」の3番目に書いてありますが、10件中5件が12歳以下の子どもに多く発生しているという事実がわかっております。あとは「ベッド」、それから「テーブル」とかそれぞれ挟み構造を持つ事故がございますけれども、やはりこの中でも「椅子」が一番多いという状況がございました。

下のほうに3つほど事故事例が書いてございますが、これは後でご覧いただきたいと思います。

その右側のふき出しで、ギザギザになった中に書いてございますが、可動部に起因する危害というのは多発しているおそれがあるのではないかと。ご存じのようにPIONETなんかの消費生活相談情報というのは、取引のトラブル、そういったことの相談が比較的多いのかなというふうに思います。例えばPIONETでは、18年度ですけれども、110万件相談件数がございます。そのうち危害・危険を合わせても1万ちょっと、0.97%というふうに非常に少ない件数でした。やはり取引トラブルと違ってなかなか表面化しにくいのではないかというふうな考えを持っております。

そこで、その上のほうの矢印のところにいくんですが、私どもはこういった状況を踏まえて、子どもの事故防止の視点を含めた折りたたみ椅子等の安全確保対策の早急な検討が必要ではないかという考えに至りました。

本協議会でご検討いただく内容についてですが、まず協議内容のところを説明しますが、事故実態の把握、それから事故原因の究明、これはアンケート調査とか文献調査等を行います。それから安全対策の検討。ハード面からの安全対策、あるいはソフト面からの安全対策というものが考えられるかと思います。それから事故拡大防止対策の検討。さらには消費者への普及啓発方法の検討ということでご議論等をお願いしたいと思います。

開催期間につきましては、3月までに今回から5回開催いたしまして、とりまとめていければと思っております。

その下のほうに「調査・分析」というのがございます。これは主に事務局のほうで準備しようとするものでございます。

まず、昨年の子ども服のときも実施いたしましたが、インターネットアンケートの調査、1,000人規模を実施いたしまして、使用の実態の把握あるいは危険の把握、そしてその原因分析等を行っていきたいと思っております。

次に、事故再現実験ということですが、これは持丸委員に大変なご協力をいただいてお願いしたいと思いますが、衝撃測定、あるいは再現の動画等をつくっていただいて、それによって今後のハード面での検討に資していきたいと思っております。

それから、後でも申し上げますが、「くらしのリスコミ広場」という私どものくらしの安全情報サイトがございますので、都民の意見を募集していきたいと思っております。

文献調査については、規格基準等の調査を国内外にわたって行っていきたいと思っています。

また、この報告書がまとまった段階になりましたら、私どもとしては、国への要望、あるいは事業者さんへの要望、さらには消費者への情報提供を行いまして、安全な製品の普及拡大に努めて未然防止に役立てればというふうに考えております。

簡単ですが、以上でございます。

詫間会長

どうもありがとうございました。この資料4というのが非常に大事なわけで、我々が協議会の基本目的と申しますか、真ん中のところに書いてある、先ほどご説明がございました1、2、3、4の項目を柱にして展開させていただくということでございますね。

いつもそうなんですけど、アメリカあるいはEU、EUのほうが進んでいる場合もありますが、既にCPSCでございますね。消費者製品安全委員会から英文で長文のものが出ておりまして、リクエスト・コンプライアンスという言葉が何回も出てきておりますが、2004年に2歳の子どもさんの指を切断した事件がありまして、もう既にそういう規制情報が発せられているわけでございます。

そういうことも踏まえまして、日本国もこれからそういうことに対応していかなきゃいけないという時期に入ったのではないかと思うわけでございますが、この資料4は、振り返っていろいろとまたご検討いただくことになると思いますが、基本的な枠組みをご了解いただければと思うわけでございます。

それで、時間の関係もございますので、大事な、この中にございます、先ほど真ん中の1の「事故実態の把握、事故原因の究明」と書いてございますが、それに関連いたしまして、英語ではファクト・ファインディングと呼んでございますが、事実の実態をまず把握しないことには空論に終わってしまいますので、アンケート調査を、これは既に一部の先生方に、非常に急いでおりましたので、事前にご内諾やご意見を賜った次第でございますが、その後の経過をご説明いただきたいわけでございます。

事務局(安全担当係長)

それでは、事務局から説明させていただきます。資料5、資料6をご覧いただきたいと思います。

まず初めに資料5でありますが、折りたたみ椅子等が関係した危害・危険についての消費者アンケートを実施したいと思っております。

1枚おめくりいただきますと、アンケート調査の概要が記載してございます。テーマとしまして、「折りたたみ椅子等が関係した危害・危険について」というテーマで、折りたたみ椅子の事故について情報を収集し、それを分析して事故の未然防止・拡大防止を図ることを目的としております。

対象・規模といたしまして、都内全域にお住まいの1歳から12歳までの子どものいる世帯の家族全員を対象として調査したいと思っております。今回インターネットを活用したアンケート調査をしたいと思っております。調査の有効回答数は1,000世帯を目標として集めたいと思っております。

調査項目につきましては、4番の(1)から(12)までをお聞きしていきたいと思っております。その詳細については、その裏に別紙2、3、4がございますので、後でご覧いただきたいと思います。

調査実施期間でありますが、今回諸事情により入札が11月の上旬に実施されます。その前に電子入札の導入により、今回インターネットによる公開という期間を経なければならないため、一部の委員の皆様、会長に事前に見ていただきまして、調整をさせていただいているところであります。実施期間としましては、11月16日から23日までに実施しまして、それを集計して、次回の協議会にかけたいと思っております。今回、1,000世帯まで集まるまで募集いたしますので、今回のアンケートは統計的な資料というよりも、あくまでも事例を多く集めるということを主眼として行うアンケートでありますので、その点についてご了承いただきたいと思います。

中身につきましては、おめくりいただきまして別紙2、これが消費者向けの呼びかけ文であります。また二、三枚めくっていただきまして別紙3、これにつきましては、アンケートの設問であります。アンケートの設問については、初めに、それぞれの折りたたみ椅子、ベッド、テーブル、踏み台、ベビーフェンス、ベビーカーについて、いろいろとこちらで想定した事例を先に聞きまして、それぞれ各4事例まで答えられるような設定になっております。その事例について、事故が起きたときの年齢を書いていただくようになっております。これで全体を把握しまして、その中で重大な事故から4事例までを具体的に書いていただくという内容であります。この具体的な内容を書いていただいた後に、それが危害・危険・ヒヤリ・ハッとなのか、原因はどこにあるのか、それぞれ危険性を前から感じていたか、それの安全対策についてはどう希望するのか、苦情については申し出たかというところを基本にしまして、それぞれ事例ごとにお聞きしたいと思っております。

また、その回答者の周辺の子どもたちの事例についてもお聞きしまして、それについての全体を通じての不安や疑問、要望その他製品についての安全性に対する疑問等をお寄せいただくような形になっております。

これを実施しまして、次回の協議会に具体的な事例としてお示ししたいと思っております。

続けてよろしいですか。

詫間会長

そうですね。

事務局(安全担当係長)

それでは、資料6をご覧いただきたいと思います。

資料6の次のところにあります「くらしの安全情報サイト」のホームページのハードのコピーがありますが、これの中の「くらしのリスコミひろば」というボタンがあります。別紙をめくっていただきまして裏面に「くらしのリスコミひろば」というところで、リスクコミュニケーションのところに「リスコミひろば」のボタンがあります。これを押していただくと、2枚のところの「くらしのリスコミひろば」というところで掲示板に参加することができます。その掲示板の「参加する」を押していただきますと、次に折りたたみ椅子等が原因のケガや危険について書き込むページに飛ぶようになっております。そこに具体的な事例を二、三載せまして、それについてどういう事故があるか、それに対するご意見というのを書き込んでいただく内容となっております。これについては、消費者アンケートとほぼ同じ内容になっておりますので、ご覧いただければ思います。

よろしくお願いいたします。

詫間会長

ちょっと時間も押しておりますので、いろいろご意見、ご質問もあるかと思いますが、次の事故再現実験のビデオも、持丸先生のご協力もいただきまして準備しておりますので、そちらのほうに移りたいと存じますが、アンケートにつきましては、私も内覧させていただきましたけれども、非常によくできているのではないかと思いますので、特に危害と危険を分けて分析をしていただくという、実際に事故が起きたのと「ヒヤリ・ハッと」的に起きる寸前までいったということですね。その辺の区別が大事ではないかと思います。

では、先生、お願いいたします。

持丸委員

産総研の持丸です。

(プロジェクター)

実は指挟みの件は、今回事務局からご相談を受けたのですが、折りたたみ椅子、それからターゲートに入っておりますが、ベビーカーとか、それから我々の身近ですと、ドアとかいろんなところで起きておりまして、自動車なんかでも起きているんですが、それについて、どうやって衝撃を試験するか、つまり、どれぐらいの挟み込みの力があって、それで指がどれぐらい壊れてしまうのかというのがある程度評価できないことには、危険性がわからないということです。その上で、新しく構造を変えたらば、少しでも安全になったとか、そういうのがわかるといいのではないかということで、まずは衝撃試験みたいなものができないだろうかというのを考えております。

2つのことをトライしておりまして、こむずしい言い方はしませんが、まず基本的には、指を挟んでちぎってしまうわけにいきませんので、自動車の衝撃試験を考えていただければいいんですが、何かダミーみたいなものを入れて、それで測ろうということです。一番最初に考えつきますのが指そのものを模擬したダミーをつくって、その中に自動車衝突ダミーのようにセンサを内臓させて、指の中に働く力を計測すれば何かわかるのではないだろうかということです。実際にやりました。

結論を先に言いますと、どうもあんまり思わしくないというのが1つです。1つは、測ったセンサの力が何を意味しているのかよくわからない。後でお見せしますが。実は一回一回このダミーが壊れてしまってあまり役に立たんな、しかも意外とつくるのが大変という事情があります。

ちょっと発想を変えて、今、実は私どもがトライしておりますのは、ちょっと専門用語が出てきますが、塑性変形というのは、つぶれたら、つぶれたままになるということです。バネみたいに元に戻るのを弾性変形と言いまして、ぐにゅっとつぶしたら、もう元に戻らないのを塑性変形と、名前だけの問題です。

どういうことかと言うと、指みたいな模型をぐじゅっとつぶして、つぶれちゃったという形状そのものでエネルギーを評価しようという考え方です。センサも何も内臓していませんから、時々刻々、つまり、あの瞬間にこれぐらい力が加わったというのは、残念ながら何もわからないのですが、トータルとして、この筒がこれぐらいつぶれるぐらいのエネルギーが加わったというのが大方わかると。もちろん、これも壊れちゃうのですが、センサも何もないので、とにかく安い。ひもというか、電気も何も要らないので、挟んでぐじゅっとやればできるという意味では、意外と簡単なのではないかと考えました。

ちょっと現物、生々しいですが、これは指ではありません。ドアです。ドアに指を挟んでいるときに、付け爪をした指の模型でございます。随分生々しいですが、実は軟部組織は資生堂さんにご紹介いただいたバイオスキンという柔らかいスキンを使っておりまして、中に金属、これはスチールですが、スチール製の骨格が入っていまして、その骨格に歪みゲージが付いて、骨格の先が音叉のように二股に分かれていまして、そこに付いている歪みゲージで力を測っているんですが、これはさっきも申し上げたように何をやっているのかよくわからない。生々しい映像だけが撮れてNHKは喜んでいたのですが、我々としてはもうひとつやなというのが正直なところです。

ここから先映像がありませんが、もう一つの塑性変形を使ったというのはこういうことです。ぐにゅっとその後つぶれっぱなしになっていますが、実はこれはビデオではなくて、見ていただくとわかるとおり、こういうシミュレーションです。この塑性変形を使ったテストというのは、シミュレーションと併用するところにみそがございます。つまり、最終的につぶれた現物がここに存在していて、それからたくさんのケースのシミュレーションをして、どういうエネルギーでぶつけると、現物の結果に近いつぶれ方になるのかというのを調べておくということです。

材料は何でもいいんですが、一応我々は金属を考えています。というのは、こういう構造計算をするときに、非常に精度が高くできますので、鉛材を考えています。安いというのもありますが。強度は、肉の厚さでかなり調整が可能です。もちろん、径とか、そういうものもかなり子どもの指に近いものに調整することができます。

こうすると何がわかるかというと、実際には本物の鉛のパイプをつぶすわけですが、つぶれた鉛のパイプが目の前に存在します。一晩中かけていろんなケースでいろんな力でこれを押すと、鉛のパイプと同じようなつぶれ方をするシミュレーションのケースというのが見つかりますので、結果的にその鉛のパイプは、どれぐらいの衝撃力でぶつけた結果なのかというのはわかります。

これですべてがわかったかというと、実はまだ肝心のことがわかっておりません。そのとき指がどれだけ力を受けるのか。指はどれだけ損傷してしまうのか。つまり、自動車の衝撃でもそうなんですが、我々わからなきゃならないことが本当は幾つかありまして、どれぐらいの衝撃力を受けているのか、それが体のところでどう働いているのか、それによって体はどう壊れるのか、この3つがわからなくちゃいけないんですね。

例えば、自動車のテストダミーのケースですと、こういうようなものと違って中にセンサが入っていますから、どれぐらいの衝撃力を受けたか、そして体の中にどれぐらい働いたかいきなり測っていますが、で肺はつぶれるのかどうかというのは、またこれは別の議論です。それをどうやっているのかというと、実はあんまりいい方法がなくて、数少ない死体実験のデータとかを使っているんですが、実は我々はもうちょっと賢いことができるのではないかと思っています。

まず、もう一つ申し上げます。これで皆さんのある事例でパイプをつぶすと、結局そのパイプはどれぐらいのエネルギーでつぶれたのかというのがわかったとします。シミュレーションでですね。そうしたら次に、このパイプをコンピュータの中で指にかえます。そうすると、同じ衝撃でコンピュータの中に入っている指の模型を使って指の中にどれぐらいの力が働くか、専門用語では応力とか歪みとか言うんですが、そういうのがどれぐらい働くかというのを計算することができます。これがちょうど自動車の衝突ダミーの中に入っているセンサをしょうがないからコンピュータでやっていると、コストの問題だと思ってください。

繰り返しますが、これがわかっても、それで指がどれだけ壊れるかがわかりません。ただ、不幸にして起きた事故が今そこにあるならば、そのとき指がどれだけ壊れてしまったかは、不幸にして起きた事故そのものがわかっているはずですので、要は、1つは、事故が起きた状態がある程度わかるものについては、実際にそこでパイプをつぶしてみて、それに相当する衝撃を何とか模擬して、それから指にかかる内部の力を推定して、結局中にこれだけの応力や歪みがかかると、結果的に何割ぐらいのケースでは指がこれぐらい破断するとか、そういうようなデータを蓄積していくというのが一つの方法ではないかと考えています。ちょっと3段階になっていますが、とにかく実験ができないんですが、過去の悲しいことをより積極的に生かすことはできるだろうと考えています。

ただ、これだけですべてが解決するわけじゃなくて、先ほど業界の方からも話がありましたように、そもそもこれを解くのは難しい話なんです。解くのというのは、解決するのが難しいと言ったほうがいいのですかね。たたみたいと、たたむことによってよい機能が起きる。ところがごく稀にそれで不幸なことが起きてしまう。このごく稀に起こることのために、それをたためないようにしてしまうと、実はもっとたくさんの人が不便をしてしまう。そういうような中でどれだけ我々がよいことをできるか、ないしは少しでもよいことができたということをどれだけ客観的に示せるかというのも一つの考え方かなという気もしています。業界で、もし新しい機構を思いついて、それに関して少しでも安全になりましたというのを、例えばこういうようなもので、安全度かなんだか知りませんけれども、こういうようなのが破断しないぐらいになりましたとか、何か少し皆さんでいい答えを考えていかなくちゃいけないんですが、その中でもどれぐらいの破断のエネルギーを持っているのかというのを調べていくのは大事だろうと思っています。

さっき申しましたが、鉛がよいと言っているわけではなくて、相手が柔らか過ぎるものの場合は、鉛では相手のほうが変形してしまう。私もちょっとわかりませんが、薄いパイプなんかではそうじゃないかと思います。その場合は、樹脂性の素材を使って、同じような塑性変形をやるというのも一つの考え方かなと思っています。

今こちらでは、こんなようなことを考えておりまして、この辺は、きょうはシミュレーションですが、我々のほう、もし可能でしたら、国民生活センターさんやなんかの協力も得て、実写のビデオを撮って少しその辺をご紹介できればと考えております。

以上です。

詫間会長

どうもありがとうございました。

片岡様は一番関係が深いと思いますが、何かコメントいただけますか。

片岡委員

我々も先ほど事例で紹介しましたように、いろんなところで切断事故があって、その危険性を何とか評価したいと思っていまして、実は持丸先生のところにご相談に行きまして、いろいろご指導を受けて、事故の事例のデータというんでしょうか、事故状況の情報はある程度つかめるところもありますので、それを参考にしていただいて、科学的な実験との照合を先生のところでご指導いただくというようなことで進めています。

詫間会長

ありがとうございます。実験装置とか、予算とかの面は、多分、持丸先生のほうは、いろいろ本格的と言ってはあれですが、お持ちだと思うのでございますが。今言及もありましたけれども、自動車メーカーのほうも、大メーカーは大体研究所を持っておりますので、そのダミーを使ったいろんな衝突実験をやっていますが、ダミー自体今まで非常に単純なもので、先生のお話の中にもありましたけれども、実態をあらわしていないということがあって、私もちょっと教えていただいたんですけれども、ダミーをかなり人体に近いものに製作いたしまして、例えば本田の和光に実験場がございますけれども、そういうところでつくりました非常に人体に近い精巧なダミーを使いましてやりますと、さっきお話があったように、今までのデータとは大分違ったものが出てきまして、そうすると、ボンネットとか、前のフロントガラスをどういうふうにしたらいいかというようなことですね。硬度とか傾斜とかですね。場合によって、ぶつかった人を救ってしまうというような考えも今あるようなんですけど、いろんな工夫・改善が車体のほうになされつつあるわけでございます。それと似たようなことがメーカー様のほうにも反映してできればと思うんですが、酒巻様のほうは、いかがでございましょうか。例えばお考えは。

酒巻委員

対象は、お子さんの安全を考えるという考え方でしょうか。

生活安全課長

資料の4のところでご説明しましたが、真ん中のやや上の矢印のところに簡単に書いてございますけれども、テーマとしては折りたたみ椅子の安全確保ということですが、やはり子どもさんが重篤な事故が多いということから、子どもさんの事故防止の視点も含めてということですので、我々としては、両方というか、一般向けと、それからお子さんにも、お子さんの場合はこういう点を注意したほうがいい、そういうふうに両にらみでご検討いただければなと。

詫間会長

アメリカの先ほどのあれでは、座高が15インチ以下の椅子……。

事務局(生活安全課長)

33センチですね。

詫間会長

つまり、子ども用ということですね、とりあえずの規制がかかりましたのは。

生活安全課長

はい。

詫間会長

あと今の重要な資料4のあれもございますように、パイプ椅子、折りたたみ椅子に限らず、ベビーカーの折りたたみ、このごろ電車に乗るときに山手線が特にそうですけれども、足がひっかかったりして、下の30センチしか敏感に働かないらしいですね。それより上に挟まった場合はかなりラフなので、そのまま挟んで引きずってしまったというケースが数件起きておりますが、ベビーカーの折りたたみということもありますし、それからその上にかぶせるベビーフェンスですか、それから寝かすときのフェンスもございますが、それから踏み台というのもありますね。踏み台は大人も相当関係するわけですね。ストッパーのところの強度の問題とかいろいろあるようでございますが、しかし、この発生から見ましても、主体は子どもでございますね。

酒巻委員

あともう一つは、主として家庭の中の安全を考えますか。一応このアンケートの出し先は1歳から12歳ですか、お子さんのいるご家庭ですね。

詫間会長

先回も事故の大部分が居間で起きていることもありましてね。

酒巻委員

あんまりオフィスの中というのは考えなくてもよろしいのか。

事務局(生活安全課長)

オート・キャップさんなんかに入っていただいたというのもそうなんですが、屋外でもそういった事故というのは起きるだろうと。特に絞り込みしてご検討いただくということではなくて、私ども子どもの事故防止というのは非常に関心を持っていますので、その視点は絶対外さないということですので、それが屋外か屋内かというのは特に問わないということです。

酒巻委員

わかりました。ありがとうございました。

詫間会長

いろんな会議に出ていきますと、子育て支援、私もつい最近講演会をさせていただいたんですが、そこで折りたたみ椅子を出してきて、やるところはオフィスなんですね。大きなオフィスを借りてやるということですから。

酒巻委員

私も大人が普通に体育館などで使う折りたたみ椅子を連想していたものですから、子ども用のというのはあまり私のほうでは……。

詫間会長

そのときに両方使う場合もあるし、それから買ったものを家庭に持ってきて使う。バーベキューなんかを庭でやったり用途は広いわけでございますね。その中で子どもがかなりそれを利用しているということがありますね。

酒巻委員

そうですか、わかりました。

詫間会長

つくられるときはオフィス用なんですけど、実際は子ども用に使っている場合もあるということです。

酒巻委員

それは先ほど申し上げましたように、家庭の中へ持ち込むというのは、十分ホームセンターとかそういうところで買えますから、あるかと思いますね。

問題は、私はほとんど見たことがないんですが、通常、子ども用の折りたたみ椅子みたいなものはあるんですか。

持丸委員

基本的に事故が起きているのは、必ずしも子ども用の製品というわけではなくて、シュレッダーが一つだと思うんですが、大人用を想定してつくったものが、実は例えばSOHOみたいなところですね。ホームオフィスの中で普通に子どもがそこに入り込んでしまって事故が起きるとか、そういうようなケースがございます。

ですから、まず別に今回子どもにターゲットするわけではないですが、子どもの事例で私が申し上げるのも変ですが、2つのことがありまして、子どもが使わないと思っていたのに、そういう場面が存在していたというのが1つ目です。

もう一つは、実は子どもは正しい使い方を全然しませんので、しかも大人と全然違う目の高さで、大人が絶対目につかないような可動部にひゅっと指を突っ込んだりしていますので、ベビーカーなんかのケースもまさしくそれなのですが、そういう意味でどちらかというと、見過ごされやすいということですかね。我々大人からすると、何でそんな、そんなところに動くところがあったっけ?というようなところに平気で指を突っ込んで切っちゃったりしていますので、そういうところがむしろちょっと留意点がある、そのぐらいのことじゃないかと思います。

酒巻委員

結局、大人を想像しましてのつくり方、先生がおっしゃった素材を変えるとかいろいろあると思うんですけれども、子どもになりますと、相当予見しない使い方が出てくると思いますので、非常に難しい問題が出てくるんじゃないかと思うんですが、できるだけいろんな事例等をお教えいただいて、なるべくそれを満たすような方向に私としては持っていきたいというふうに考えます。

詫間会長

ありがとうございます。責任をオフィス家具に全部押し付けては申し訳ないし、そういう意図もないのでございますが、何事に限らず、滑り台でもブランコでもそうですけれども、大人が想定していないような使い方をむしろするということで事故が起きているんですね。滑り台も下から上がってきますから、で上から滑ってきた子どもとぶつかって大けがになるとか、そういう例は非常に多いので、恐縮なんですけれども、オフィス用として出された製品でも使い方が想定外のものになっている。しかし、それで放置しておくわけにいかないので、そこのところをまず注意を喚起するということと、非常に悪い使い方をしても大丈夫だというような適当なストッパーを、一遍ちょっととまって、それからじわっとなるというふうにするとか、いろんな工夫が考えれば出てくるんじゃないかと思うんです。

そういうことで、安全なパイプ椅子という形で宣伝していただくと、ちょっと費用がかかりますけれども、逆にたくさん売れるということにもなるかと思うんですが。

ほかにいかがでございましょうか、今の実験以外に、ちょっと広げてアンケートの問題も、もしご追加のご意見等があればお聞かせいただきたいと思いますが。

このパイプ椅子は、別にオフィス家具だけじゃなくて、ほかのところでもつくっておられるわけでしょう、家具一般ということで。パイプでなく木造のものもあるでしょうし……。

酒巻委員

数は少ないけれども、木造のもないわけではないです。

詫間会長

大部分はこの家具としてつくっておられるわけ……。

酒巻委員

パイプがほとんど。

詫間会長

パイプ椅子だけじゃなくて、もうちょっと広い木製の椅子でそういうふうになっているのもありますよね。そういうものも含めてだと思うのですが、木製のほうは、先生、そちらでは扱っておられないのですか。

酒巻委員

そういうことではないのですが。

詫間会長

椅子タイプのものがオフィスで使うものであればということだと思うんです。何か実際の事故のご相談になっているのは、山上先生あたりとか、小林先生もそうですが、いかがでございますか、何か関連のコメントといいますか、ご指摘があればですけれども。

山上委員

先ほど持丸先生からもとてもいい、「見過ごされやすい視点」というお話があったんですが、やはりややもすると、よく言われることがそれは誤使用じゃないかという指摘があってしまうんですが、今回、子どもと大人の両方とも対象にするけれども、やはり重篤な事故は子どもに多くあるからということですので、特に子どもの場合には、様々な使い方がなされるということで誤使用ということは考えないで、あらゆるところをまずは実態の中でこれが出てきて、それに対してどういうふうにしていくかということは、専門の持丸先生とか、そういった先生方にお力をいただきながらやっていきたいなと。ですので、アンケートの中でいろいろな意見が出せるように、書きやすいように工夫していただけるといいなとはちょっと思っておるのですけれども、どこがどう変えたらいいかというところまでちょっと言えないのが申し訳ございません。そんなところでございます。

小林委員

先ほどもちょっとお話しさせていただきましたけれども、持丸先生もおっしゃったように、思わぬ使い方を私どもも実際にしておりました。例えば折りたたみ椅子、パイプ椅子、会議室、公民館などにある椅子をうまいことガムテープでとめて高く積み上げて、それを人形劇のけこみの代わりに使ったり、とても恐ろしいことを結構しているんですね。そういうところに、よくよく私どもが注意していないと、そのお手伝いをすると称して子どもたちがせっせせっせとそれに加担しているというようなこともよくある場面です。

それから体育館等では、未だに折りたたみのパイプ椅子が相当量使われておりまして、体育館のステージの下にみっしりパイプ椅子ってしまえるようにできているんですね。大きな引き出しがついていまして、舞台の下をガーッと引きますと、パイプ椅子がワーッと出てくるのです。それをセットするのは子どもなのです。小学校5年生、6年生が卒業式の準備だ、入学式の準備だといって並べているのが子どもたちなのですね。そういった実態が実際ございます。

そういうところで大量購入されたものというのは、なかなか新しいものにはかえていただけないようでして、未だに古い型のもの、非常に軽くて簡単にパタンとなってしまうという、ああいったタイプのものが使われている例が随分あるように見受けました。

最近リフォームをされた公民館とかですと、むしろ、折りたたみ椅子を排除して、折りたためないタイプのものを固定した形のものを使っているというところが多くなっておりますので、やはりパイプ椅子というのはなかなか厄介なもので、たたんでしまえるからよさそうなんですが、あれはたたんで専用のキャスターがあれば幸いでして、キャスターがないと壁に立てかけてずうっと置いておくしかないんですね。そうすると必ず雪崩を起こすのです。パイプ椅子はそれ一つでもかなり重量がありますので、これは大変危険が伴っております。ところが、折りたたみ式でないものですと、専用キャスターの上に高く積み上げることができるんです。ですので、恐らく、私がざっと勘定したところでは、たたむタイプのものをつないで置いておくよりは、積み上げたほうが狭いところでたくさんの分量が積み上げられるらしいというふうに、私の数え方ではそのような結果が出ているので、多分、それに乗りかえるというところが多くなってきているのかなと。あと安全性の問題で、やはり折りたたみ式でないということで安定感がいいんですね。でも逆に、そういったところ、公共施設では、そういう形で入れ替えているところが多々見られるのですが、なかなか予算が組めないところ、例えば学校とかはその最たるものだと思うのですが、依然として古いものを使っている。

それから折りたたみのパイプじゃなくて、木製の折りたたみ椅子というのがかなり家庭の中に浸透していると思います。私の知っているご家庭でもサブチェアとして大勢の人が来るときには「あるのよ、あるのよ」と奥から出してくるのも、みんな折りたたみ式というのが結構多く見られますので、かなりこれは普及しているぞと。あとデイキャンプ、オートキャンプ、いろいろなところでキャンプ用品の売り場を見ますと、全部コンパクトにしまえて、車に全部積むことができて、キャンプ場に行ったら、ワンタッチでできますよというのが結構ありまして、私も子どもが小さいころに、キャンプ場へ持っていくのに大変重宝しましたけれども、やっぱり子どもには使わせられなかったなと。開いたり閉じたりするのは私たちがしないと。あれは逆にきっちりととめたいので、なかなかしっかりできているんですよね。だから閉じるにも開くにも力が要る。なので、ちょっと子どもにはさせられないのだけれども、案外今の親御さんたちがそういうところに注意が足りなくて、子どもたちにやりなさいといって野放しにさせているという場面も見受けますので、製品のせいばかりでなく、それを利用する側の責任というのも大いにあるということはもちろん承知しておりますけれども、でも、どういう人が使っても安全に使えるということがやっぱり一番大事なのじゃないかなと思います。

それからこのアンケートの調査の事例の中に入れていないのですけれども、もしかすると、家庭に、世帯にこのアンケートの協力をお願いするということですので、出ていないけれども、車椅子のケースも出てくるかもしれないですね。あれも最近、車にも積めるようなタイプ、特にタクシーが今LPガスを積んでいる関係で後ろの荷台がすごく狭いんですね。そこにうまく収まるようにコンパクトにたためるタイプの車椅子がかなり普及してきているので、高齢者も増えていることですし、ひょっとしたら、そのあたりの意見も出てくるかなとちょっと私は思っております。

詫間会長

そうですね。それも気をつけなきゃいけない。ゴルフのバッグは入るのですけれども、普通の大きなのは入らないようになっておりますが、オートキャンプの玉浦様のほうからはどうですか、何かパイプ椅子等に関して。

玉浦委員

それでは、オートキャンプで屋外で使う今のファニチャー関係の実態というか、状況だけちょっとお話ししたいと思います。

先ほどちょっと説明ありましたとおり、今オートキャンプは移動が車になっていますので、非常に積載量が広い。普通のセダンカーでもかなり積めるということで、特に最近は、テント、シュラフ、それからファニチャー、テーブル、椅子、それからあと燃焼機具、ランタン、バーナー、それからクーラーと。それに最近はキッチンシステムまでキャンプ場へ持っていくと、そういうことで非常に道具が増えております。一番使うのがテーブルと椅子になります。キャンプ場に着いてセッティングをして、それからもう既に食事を始める、憩う、寝るまで椅子とテーブルはほとんど使いっぱなしと、こういう状況であります。

それで今回の中でちょっとかぶるのが椅子、それからベッド、テーブル、この辺は完全に屋内用の今回のテーマの商品と完全にかぶると思います。特に椅子については、折りたたみというテーマになっておりますけれども、今主流は、いわゆる収束型と言われる椅子です。折りたたみというのは、いわゆる座面がそのままで、座面と背面とそれがたたまれるということが言える。座面の幅がそのまま、折りたたみの幅がそのまま生かされて薄くなると。こういう感じですけれども、今の収束型というのは、座面と背面が瞬間的に広がって、瞬間的に棒状になる。非常に細い状態になります。細い状態で、例えば家族4人で行った場合に、今までは座面がそのままの幅でかなり分厚くなって、それを4段重ねにして車に積み込む。それが今棒状になって、それが4本非常に突っ込みやすい。それから隙間に置けるということで、今、ほとんどキャンプの椅子は折りたたみと言われる椅子ではなくて、収束型の椅子というのが主流になっております。これは大体各社主力商品はそうなっております。ここ四、五年ぐらいでそういうふうに変わりました。前はディレクターチェアですね。アルミのディレクターチェアというのが主流でありましたけれども、あれは4人分重ねるとすごい場所をとってしまう。ということで、今変わっております。

それから最近はベッドの利用も増えてきました。ベッドについては、今の収束型のベッドもありますけれども、一番スタンダードなのは、いわゆるアメリカの米軍が使っているGIベッド、これは折りたたみ式ですけれども、それが今主流になっております。特にサッカー、それから野球の父兄観戦、それから応援等で使われる折りたたみのタープの下で使うのが大体ベンチを使います。折りたたみのベンチ。構図は基本的に一緒です。ただ、寝る場合には、当然そこにかなりの荷重がかかりますから、そこで完全にとめるための荷重がつきますけれども、基本的な構造はそうです。

ただ、事故が多いのは、このベッドが非常に多いのです。指詰めというのが。通常100キロぐらいの耐荷重がありますので、かなりパイプが太い。それから全体的な重量も太くなっておりまして、これを折りたたみで使うために回転をする。軸の交差部分を中心に組み立てるときに回転をしなきゃいけない。そのときに、うっかりして回転してその反動で、中心部、可動部に指をたまたま置いていたときに挟まれるというケースが大体毎年起こってきます。これは切断にいかなくても、指を詰める、身を削られるとか、最近、うちの会社でもそれがありました。それは、取扱注意のシールを貼っていても、それから取扱説明書でいろいろ注意喚起しても、実際組み立てて、それで縁に接して早く組み立てをしたいということで、ややもすると注意を怠って事故につながると、そういうケースもあります。

それからあとテーブルですけど、テーブルも今2つのパターンがあります。これは収束型と言われる棒状に全部、大体8センチぐらいの天板の組み合わせです。それでぐるっと丸めてしまうというのと、それから折りたたみ、通常の天板が2つに折りたたむ、もしくは4つに折りたたんでいくと。折りたたむ場合、これはかなり面積が広がりますから、これも収束型のロールテーブルと言われるのが今主流ですけれども、この折りたたみの場合は足が開脚になります。内側に飛行機の車輪が入り込むようなかっこうで、足を折りたたんで中に入れます。それを広げます。広げてここでほおづえと言われるサポートバーでロックをします。このロックが甘いと足が内側に来て倒れてしまう。ややもすると、倒れがかったときに、手を突っ込んでそこで挟む可能性がある。

そういうことで、収束型と違って折りたたみ式というのは、構造的に補強するところが弱点でもあります。非常に危険ということです。大体そういう感じですので、一応、今回の屋内で使おうと、それから屋外で使おうと、全く状況は一緒であると。

特に折りたたみの場合は、キャンプに行くと結構地面がでこぼこであります。収束型というのは、いわゆる足が4本、4点で固定しますから非常に安定感があるんですけれども、折りたたみテーブルの場合というのは、前面と後方の2本のバーで地面を支えますから、かなり地面に凹凸がありますとぐらつきます。ぐらついて、奥さんあたりが足が地面につかない場合というのは、そこで動いて転倒する可能性もある。それで構造的には、かなり収束型と折りたたみ式の弱点というのはいろいろ出てくるんじゃないかなと思います。

詫間会長

ありがとうございました。次回もしよろしかったら、今ご説明のあったカタログですね、いずれにしても、収束型でも、折りたたみがある以上はこういう挟む部分はなくならないわけですから、お願いしたいと思います。

恐縮です。時間が大分迫ってきておりまして、この際、一言どうしても言っておきたいという、横矢先生、何かございますか。

横矢委員

わかりました。私がちょっとショックだったのは、二十歳の学生が折りたたみ式の椅子でけがしているというところなんですね。小さい子がけがをするよということで注意喚起を促すと、小さい子は関係ないと思っている人が意識を持ってくれないのですけれども、大学生ぐらいでも指を切断しちゃう。しかも、それって軽傷扱いなんだというのが、PRというか、啓蒙していくときにも重要なポイントではないかなと思いました。今回アンケートは12歳以下となっていますけれども、もしできれば、中高生ぐらいって、さっきもありましたけれども、机自体も折りたたみの机を学校で移動したりとか、お手伝いもよくしているので、中学生ぐらいの直接子どもたちにもインタビューというか、聞くことができれば、ここまでのけがはなくても、もっと危ないことがいっぱい出ているかなと。私のイメージでは机の足が一番、ロックがかかる、ガチャンガチャンとあく、こういう机ですね。会議室にあるような、こういうのが事故、危ないなと思った方が多かったなというふうに思っています。

詫間会長

ありがとうございます。それはまた個別に教育委員会等にご協力いただいて、インタビュー等で調べるということもございますので。ありがとうございました。

それでは、次回のスケジュールも含めまして、ご説明をお願いいたします。

事務局(生活安全課長)

それでは、資料8をご覧いただきたいと思います。

資料8では、今後のスケジュールを簡単に書いてございます。12月中旬の第2回の協議会のところをご覧いただきたいんですが、先ほどご説明しましたアンケート、この結果が集計されますので、これの結果を検証するということ。それから先ほど持丸委員のほうで再現実験の検証をしていただけるということで、これもお願いしたいと。そのほかには、国内外の文献の検証をしまして、安全規格の実態について明らかにしていきたいと思っております。最後には安全対策の検討、これがまさに本題に入るわけですが、海外の事例などを準用しながら、安全規格、あるいは表示の問題であるとか、あるいは情報の収集の問題であるとか、こちらからたたき台的に提案させていただいて、ご議論していただこうかなというふうに思っております。それを経まして、今度は1月の下旬になりますが、報告の骨子案という形でご提示をしてご検討いただきたいと思います。2月では、いよいよ報告書の形にしまして、最終的な詰めをして、それから、そこでご意見とかいろいろ出ましたら、会長とご相談しながら、3月の下旬での報告ということで進めていきたいと思っております。その報告を受けまして、私どものほうは、関係機関や業界等に要望をいたしまして、普及啓発としては、またリーフレット等を考えていきたいと、こういうふうな流れでいきたいと思っております。

詫間会長

どうもありがとうございました。

きょうも含めまして、3月までの間に5回開かせていただくことになっておりますので、先生方も大変お忙しいと存じますがご協力をお願いいたします。

それで第2回目のご相談のほうに入ってよろしゅうございましょうかね。今のところ、事務局のほうとご相談して、ご提案の第一候補としたいのは、12月の19日なのでございます。あと、時間帯も大体今日と同じでよろしゅうございますかね。2時-4時ということですが、いかがでございましょうか。場所については追ってお知らせくださればと思います。

それと、最終的には報告書を3月までに作成しなければなりませんので、その材料になるものを、12月のときにデータも含めてご提示いただくということになると存じます。

それでは、大変お忙しい中、今日はお集まりいただきまして大変感謝いたしておりますが、今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。

ありがとうございました。

(閉会)

お問い合わせ先

東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当

電話番号:03-5388-3055