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トップページ > 商品安全 > 東京都商品等安全対策協議会 > 子ども用衣類の安全確保について > 第2回 「子ども用衣類の安全確保について」 議事要録

更新日:2013年3月21日

第2回 「子ども用衣類の安全確保について」 議事要録

【日時】平成18年12月13日(水)14:00~16:00
【場所】都庁第一庁舎42階(北)特別会議室D

1 開会・資料確認

事務局(生活安全課長)

お待たせいたしました。委員の方、まだ1名お見えでないんですが、時間になりましたので、始めさせていただきたいと思います。ただいまから、第2回の商品等の安全問題に関する協議会を開催いたしたいと思います。本日は、委員の皆様方におかれましては、師走でございますし、またお忙しい中をこの会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。本日は、山下委員が事情で来られませんので、代理といたしまして日本アパレル産業協会の事務局の中野彰一様にご出席いただいております。よろしくお願いいたします。それから、横矢委員につきましては、お風邪を召したということで、本日急に出られませんというご連絡がございました。そういうことでございます、よろしくお願いいたしたいと思います。

それではまず、配布資料を確認させていただきたいと思います。まず、前回第1回のときの10月6日の議事要録というのがお手元にございます。それから、クリップ止めしておりますが、今回の会議の次第、これが2ページになっておりますが、2ページ目に資料の名称等が記載してございます。それから、資料1でございますが、子どもの衣類にまつわるアンケート調査結果の概要というのがお手元にあるかと思います。それから、製造事業者さんに対します実態調査結果、資料2-1ということであるかと思います。それから続きまして、資料2-2として販売事業者さんに対するもの、これがあるかと思います。それから、リスコミ広場の都民の意見というのが資料3という形で1枚だけあるかと思います。続きまして、大きなA3版で、資料4でございますが、諸外国の子ども用衣類の安全規格についての対比表ということでございます。それから最後に、資料5でございますが、1枚ペーパーで、協議会の報告骨子案ということで、今現在の案ということで書いてございます。それから、前のところに、ファイルに入ってございます、今回のアンケート調査の報告書、全体の報告書が黄色いファイルで入っていると思います。もう一つの緑のファイルには、海外文献一式ということで、1枚目に参考資料ということで中身が書いてございますが、それが机の上に配布させていただいてございます。資料の方、大丈夫でございましょうか。はい、ありがとうございます。

それでは、議事進行について、会長さんの方からよろしくお願いしたいと思います。

2 議事進行

詫間会長

それでは、ご指名でございますので、司会をさせていただきたいと存じます。今、課長さまの方からもご説明がございましたが、まず一番上に前回の議事要録がございまして、約29ページに渡っていますが、これは本来でございますと、逐次検討していただいて、その席で確認していただくという手続きも必要な会もあるんでございますが、本会はすぐ公表ということでもございませんので、とりあえずさっとご覧いただいて、この会が終わるまでにもお気付きの点があれば申し出いただきたいと思いますが、原則次回までにあれば、いろいろご意見をお寄せいただいた上で確定して、その上で公開するという形になると存じますので、ご了解いただければと思います。よろしゅうございましょうか。

それから、一つ注意事項でございますが、最近、いろいろ著作権の問題その他もございますので、個人情報保護法の問題等もいろいろございますので、しばらくの間、このアンケート調査の報告内容その他につきましては、この協議会の内部資料ということにさせていただいて、いずれ都民からの要望等がまとまって出た段階では公表させていただくことになると存じますけれども。現段階では、部内資料扱いということでご注意いただければありがたいということでございます。

それでは早速でございますが、資料が全部で5つございますが、子ども用の衣類の安全確保についてということでございます。これの最初のアンケートが分厚くございまして、いろいろ自由記述等もたくさん有益な回答をいただいて、1,163でございましたかね、かなりの数をいただいて非常に感謝しておりますが、さすが東京という感じでございますが。ですから、一つずつジャンルに分けて、資料について事務当局の方からポイントについてご説明いただきながら、その都度、お気付きになったご意見等をいただいて、最後にまとめをさせていただくということでお願いしたいと思います。それでは、初めに資料1、子どもの衣類にまつわる危害・危険についての消費者、コンシューマーのアンケート調査結果について事務局からご説明をお願いいたします。

事務局(生活安全課長)

それでは、前回の協議会でご承認いただきまして実施をいたしました調査の結果につきまして、事務局担当の櫻井の方から報告をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

事務局(商品安全担当係長)

生活安全課商品安全係安全担当係長の櫻井と申します。よろしくお願いいたします。

それでは、初めに資料1をご覧いただきたいと思います。資料1ですが、概要版として作ったんですけれども、23ページになってしまいました。これの中身について、かいつまんでポイントを絞って報告したいと思います。消費者のアンケートの調査の方法としまして、10月の上旬、中旬にかけまして調査会社に委託をしまして、インターネットでアンケート調査を実施しました。実施期間としまして、10月27日から11月2日の1週間でアンケートを取りました。有効回答数がありますが、総勢1,163名の方から回答をいただいております。その1,163名の方からいただいた回答を分析しました結果を報告したいと思います。1ページ目の6.危害の発生状況についてでありますが、円グラフがあります。ここに危害、危険、ひやり・ハッと、を経験したとことがあるという回答をいただいた方が895人、全体の77%の方が危害又は危険な目に遭ったという回答をいただいております。これにつきましては、前回お示ししました26項目の事例について、危害、危険、ひやり・ハッと、経験無し、の4つの中からそれぞれの事例ごとに選んでいくと、いずれかに危害、危険、ひやり・ハッとにチェックした方の人数であります。

次に2ページ目をご覧いただきたいと思います。図1-2危害、危険、ヒヤリ・ハッとした割合、でありますが、この図の中で主な特徴としまして、先ほど77%の方が経験をしたということでありましたが、危害だけを見ますと全体の16.5%、192人の方が実際にケガをしたという回答をいただいております。これについては、そのほかの26項目の事例で危険、ひやり・ハッと、経験無しのところにもチェックしておりますが、26項目のいずれかに危害に遭ったというチェックをした人の人数であります。その下の危険、ひやり・ハッとにつきましては、危険、ひやり・ハッとの26項目の中でいずれか1個でもチェックをしていれば、危険な目に遭った、ひやり・ハッとを経験したというところでカウントしておりますので、重複のカウントとなっておりますので、その点ご了承いただきたいと思います。次に、図1-3、2ページ目の下の円グラフでありますが、危害、危険、ひやり・ハッとの出現件数であります。1,163名から回答いただいたのですが、その全件数としましては3,724件集まりました。その中で、危害としまして356件、全件数のうちの1割が危害であるということがわかりました。危険が1,569、ひやり・ハッとが1,799ということでありました。全件数を回答者全員の1,163人で割りますと、一人当たり3.2件経験していることになります。また、危害、危険、ひやり・ハッとした経験のある人を分母としまして割りますと、一人当たり4.2件ということになりました。

次に3ページ目をご覧いただきたいと思います。図1-4、事例別の危害、危険、ひやり・ハッとした割合であります。これは、26項目それぞれで集計したものであります。見方としましては、100%が1,163名、ということで、それぞれで1,163名のうちの危害、危険、ひやり・ハッとにチェックした人の割合を表しております。この図の中で特徴といたしましては、靴下やタイツを履いてフローリング等の床で滑って転んだ、を経験した人が圧倒的に多いことであります。全体の68.9%、約7割の方は靴下の滑りでケガした、または危険な目に遭った、ひやり・ハッとしたという経験を持っていることがわかりました。次に多いのが、上から3つ目の上着の胴体のファスナーで顔や首を引っかいた又は挟んだ、というところであります。ここにつきましては、34.7%、約3分の1の方がファスナーで首や顔に傷がついたという経験をしているということがわかりました。もう一つの特徴としましては、上の線が引いてありますが、その上のところが上着であります。その次がズボン、その次の段が飾り、下が靴下、着ぐるみ、その他、という分類になっておりますが、特徴としましては、上着の部分の危害、危険、ひやり・ハッとが多かったということであります。事例としてなかなか日本国内には無いといわれていたものとしまして、上着のフードが何かに引っかかって首が絞まった又は転んだという経験をした方が約2割いらっしゃるということがわかりました。次に多いのが、上着の裾が物に引っかかって転んだ、これも26.6%、約3割弱の人が経験しているということであります。また、重篤な危害に結びつく可能性のあるものとしまして、上から2番目の、上着の首周りの引き紐が引っかかって首が絞まった又は転んだ、というのも実際に13.7%の人が経験しておりまして、0.3%の方が危害に遭ったという回答をいただいております。次に多かったのがズボンであります。ズボンについては、一番多いのが裾上げの紐が引っかかって転倒した、次に、前開きのファスナーに挟まった、ウエストの引き紐の順になっております。特徴としてはこのようなところであります。次に4ページ目をご覧いただきたいと思います。4ページ目でありますが、回答者が考える危害等の発生原因について、ということであります。これにつきましては、実際に前問で無制限に危害、危険、ひやり・ハッとをチェックしていただいたもののうち、危険の程度が大きいものから4つを選びまして、それについて回答していただいた事例についての意識の調査であります。ですので、3,000件以上ありました件数でありますが、そのうちの危険の程度が大きい1,648件を母数としまして調査したものであります。これからわかったことでありますが、一番左の濃い青のところですが、「衣類に何らかの問題があった」と思っている方が全体のところで見ますと24.2%、約4分の1の方が「問題がある」と考えておりまして、その次の薄い青と濃い青の間に「衣類の表示・取扱説明書に問題があった」というのが0.7%、11件ありました。その隣の青のところは「服の選び方が適切でなかった」、これを拡大解釈しまして、服に何らかの問題があったんだけれど、その服を選んで着せてしまった又は購入してしまったということで、服に何らかの問題があるということに含めますと、全体で約47%、5割の方が衣服に問題があると考えていると思われます。危害だけを見ますと30.9%の方が直接衣類に何らかの問題があったと考えていることがわかりました。下の危険、ひやり・ハッとにつきましては、危険の程度が大きいものから回答しますので、若干少ない数字にはなっておりますが、同じような傾向がありました。

次に5ページ目をご覧いただきたいと思います。図3-1回答者が考える危険性の意識について、であります。これも1,648の事例を答えた方を分母としまして集計いたしました。全体のところをご覧いただきますと、以前から危険を感じていた方が32.1%、約3分の1の方が危険を感じていたということでありました。残り48.4%が危険を感じていなかった、19.5%がわからない、これを足しますと約7割の方がその服に危険性があるという認識はなかった、ということがそこから読み取れると思います。この方々に対しての何らかの注意、啓発も必要ではないかということで、その点についてもご議論いただきたいと思います。次に5ページ目の下の8.「危害」・「危険」・「ひやり・ハッと」が多い事例で回答者が求める主な安全対策であります。1つ目としまして、上着のフードが何かに引っかかって首が絞まった、転んだにつきましては、「フードを簡単に取り外しできるようにする」「フードをつけないようにする」を合計しますと、約6割の回答がありました。6割の方がそのように考えているということがわかりました。次に、網掛けの2つ目のところでありますが、上着の首周りの引き紐が引っかかって首が絞まった、又は転んだ、これが「引き紐やゴム紐をつけないようにする」「引き紐やゴム紐の長さを短くする」これをあわせますと7割の方がそのように思っているということがわかりました。次に6ページ目をご覧いただきたいと思います。上着の胴体のファスナーで顔や首を引っかいた、挟んだ、でありますが、「ファスナーの金属素材の使用をやめる」「チャックはボタンでとめる」など工夫するという回答が比較的多かったものであります。次に、上着の裾が物に引っかかって転んだ、というところでの安全対策の要望としまして、「身体の大きさにあった衣類を身につけるなどの意見がありました。次に、前開きのファスナーに陰部が挟まったというところでは、「ファスナーの金属素材の使用をやめる」という上とまったく同じような内容の回答が多くありました。次に、裾上げ紐が物に引っかかり転倒した、というところでありますが、「引き紐やゴム紐の長さを短くする」という回答が多いというところであります。最後に、靴下やタイツを履いていてフローリングで滑って転んだ、については、7割の方の「滑り止めをつけて欲しい」という安全対策の要望がありました。

次に、9の苦情の申し出についてでありますが、これは事例1から26までの苦情の申し出の割合を算出したものであります。これも一目でわかると思いますが、どこへも言わなかったという方が97.1%、これは消費生活相談と同じような傾向がありました。衣類の販売店、メーカーにはほとんど苦情としては上がってこないというところでありました。次に7ページ目をご覧いただきたいと思います。ここから、具体的な事例として、フリーアンサーで記述していただいた部分を分析したものであります。ちょっと多いのでポイントだけ説明して、後でご質問を受けて回答したいと思います。1つ目としまして、上着のフードが引っかかった件でありますが、上の危害事例を見ますと、「息子が5歳の時、住宅敷地内のジャングルジムで遊んでいたところ、トレーナーのフードが引っかかり首を吊った状態になったが、保護者が気づいて抱き上げて助けて、首にあざが残った」という事例が実際にありました。そのほかの事例を見ますと、ドアノブ、滑り台の枠、エレベーターのドアに引っかかったという事例がありました。発生年齢としましては、1歳から8歳というところで記述がありました。特徴としましては、フードが、遊んでいるとき、遊んでいないときでも実際にフードが引っかかって危ない状態になったというところであります。

次に、8ページ目をご覧いただきたいと思います。上着の首周りの引き紐、ゴム紐も含むのですが、これで首が絞まった又は転んだというところの事例の記述であります。特徴としましては、電車内でかばんの金具に引っかかって首が絞まった、ブランコの持つところに引っかかって降りた反動で頭を打った、滑り台の枠に引っかかって首が絞められてのけぞった、というところと、ジャングルジムでパーカーの紐がグルグルに絡まり首を吊り窒息しそうになった、車のドアに首の飾りになっている長い紐を挟んでしまって危ない目に遭った、という記述がありました。これも1歳から8歳のお子さんが経験されたというところであります。そのほかの記述としましては、ドアノブに引っかかった、エレベーターのドアに挟まれた、自転車に引っかかった、という記述がありました。

次に、9ページ目をご覧いただきたいと思います。9ページ目でありますが、上着のファスナーで顔や首を引っかいたというところでありますが、実際に経験されている方は1歳から8歳で、あごの皮膚を噛んでしまったというところであります。次の4の上着の裾が物に引っかかって転んだでありますが、実際にいすに引っかかって掘りごたつの角にあごをぶつけて4針縫ったという事例もありました。5にいきますと、上着の裾の引き紐でありますが、これについては、その裾の紐を自分で踏んでしまって転倒した、自転車のタイヤに吸い込まれて自転車ごと倒れた、など危ない事例が結構見受けられたところであります。

10ページをご覧いただきたいと思います。ちょっと時間がかかりますので、もう少しポイントを絞って説明したいと思います。6番の上着のボタンが取れてそれを飲み込んだ、というところでありますが、実際に飲み込んだ子どもは比較的低年齢の子どもでありまして、ボタンを触っているうちに取れてそれを口に含んでいたという事例の報告がありました。7番でその他でありますが、実際にプラスチックの角が丸く処理されていなかったということで、飾りについて擦れてしまったという事例がありました。次に8番のズボンに行きますと、ズボンのウエストの引き紐についてでありますが、ジャングルジムに登っていて、お腹のところの紐が引っかかってしまって登ることも降りることもできなくなったということで、幼稚園の保育者に助けられたという事例の記載がありました。9番目に行きますと、ファスナーに陰部が挟まった、これも結構事例として多く挙げられていましたが、自分で上げたところ挟まってしまったというところであります。

11ページ目に行きますと、10番、裾上げ紐、ロールアップなどですが、それが引っかかり転倒したという記述があります。これについては、紐に躓き右手首を骨折してしまったという重篤な事例もありました。そのほかでいきますと、自転車の金具のようなものに一部が引っかかって引きずられて転んだというものと、その他、電車のドアに引っかかってしまって転んでしまった、ズボンの糸が伸びてしまってそれを踏んで転びそうになったという事例が見受けられました。その他、下のところにエスカレーターに引っかかった、自転車のタイヤに巻き込まれたという事例の報告もありました。

次に12ページ目をご覧いただきたいと思います。ズボン・スカート・パンツその他でありますが、摩擦で溶けてやけどを負ったという事例やエスカレーター、エレベーターに巻きつきヒヤリとしたというものから、同じようにスカートが引っかかって宙吊りになったという事例まで記述がありました。次に12番目の装飾でありますが、滑り台で首周りの装飾が接合部分に引っかかった、これも紐と同じような事例であります。13番目の飾りの首周りのネクタイやリボンが引っかかって首が絞まったというところでありますが、やはり同じように、襟についていたリボンが引っかかって首が絞まりそうになったという事例がありました。

13ページ目にいきますと、14.飾りのリボンが引っかかり転んだというところでありますが、やはり同じように、友達の手が引っかかり転んでしまったという事例があったということであります。15番目にいきますと、飾りのリボンが外れて子どもが飲み込んだというところでありますが、先ほどのボタンと同じように、比較的小さい子どもが経験をしているということであります。16番目の飾りのポケットが物に引っかかり転んだというところでありますが、遊具のちょっとした出っ張りにポケットが引っかかって転んだという事例がありました。これは約2歳から8歳で、年齢も比較的広く記述があったところであります。

14ページ目をご覧いただきたいと思います。17番目、飾りのポケットのゴム紐が物に引っかかったというところでも同じように、アスレチックののぼり棒に足を取られてしまったという記述がありました。18、19、20、これも飾り関係でありますが、やはりこれについては飲み込んでしまったり、傷をつけてしまったというところの記述があったということであります。

15ページ目にいきまして、一番多い靴下でありますが、児童館のフローリングで走り回って滑って転んで、頭を強く打ち付けてしまったという記述が比較的多く書かれておりました。これについては、0歳から7歳の方が経験されているということがわかっております。

16ページ目にいきまして、着ぐるみでありますが、着ぐるみの足の裏が滑りやすく、滑って転んだということで、靴下と同様の事例がありました。これについては、1歳から5歳、比較的低年齢の子どもが経験されております。その他でありますが、後ろのタグが当たって痛くなるという記述がありましたし、大きめのダボダボのデザインが流行っていて、つい着せてしまうんですが、何かに服全体のいずれかが引っかかって転んだという記述があったというところであります。

これが、実際に自分の子どもが経験したという事例の代表例であります。26項目もありますので、結構多く書かれているところでありました。

17ページ目から20ページまでなんですが、これについては周囲の子ども達の事例をまとめたものであります。これも前と同様の事例の記述がありました。この中で前の事例と違うところは、素材関係についての記述があったということと、袖についている紐などが引っかかったというところが前の記述には無かったところであります。そのほかでありますが、一番重篤なものとして、17ページ目の引き紐のところの1段目でありますが、1,2歳の女の子が着ていた服のリボンが絡まり、首が絞まって死にましたという記述があったので、実際に周りの子どもで死亡例があったということであります。そのほか、すべて同じような記述でありますので、20ページまでちょっと省略させていただきたいと思います。

最後に、事業者・行政への要望を分析したものであります。これについては3枚にまとめました。項目といたしましては、安全基準の策定についての要望が12件、表示の充実として安全マークの創設についての要望が5件、注意事項について5件、問い合わせ先の表示について3件、適正年齢・サイズについてもう少し充実して欲しいというのが1件であります。3つ目としまして、品質管理の徹底として7件ありました。4つ目としまして、事故情報の通報窓口の整備、公表・啓発の充実というところであります。これについては、実際に事故があったときに、それを報告・相談する先が無いというところでありました。これについては、整備して欲しいというものが、公表・啓発が27件、通報窓口の整備が7件というところでありました。次に、衣類の安全性についてでありますが、これについては、それぞれすべての項目について、多数のご意見を寄せられております。特に靴下については、1歳ぐらいまでは滑り止めがあるんですけど、それから上の子供については滑り止めがないので、滑り止めをつけてほしいという多くの意見があったのが特徴であります。そのほか、タグや素材についても意見がありました。その他の意見としましては、やはり子どもらしさは忘れないで欲しいが、ファッション性については安全性の次だ、という意見があったということであります。以上で、子どもの衣類にまつわる危害・危険についてのアンケート調査結果の報告を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。

詫間会長

どうもありがとうございました。整理されるだけでも大変なお仕事をやっていただいたわけでございますが、今お聞きになったように、各所に非常に有益なご反応やご意見をいただいておりますので、これを今後活用していかなきゃいけないわけでございますが、とりあえずお気付きの点がございましたら、後でまたお寄せいただいてもいいんですが、ご意見が、ご注意事項でも結構なんですが、ございましたらおっしゃっていただきたいんですが。

山上委員

ほんとにすごく多くの反応があった、それとともに危害・危険、ひやり・ハッとを含めて、これだけ多くの回答とともに実際に経験したというお答えをいただいて、調査大変だったでしょうけれど、こういう調査がほんとに必要だなということを改めて感じました。高齢者の時もそうでございましたが、やはり親の責任ということで申し出ない方もとても多いんだと思うんですね。今回こういうような調査をしたからこそ、初めてこういうところにこういう声が出てくるということで、是非こういう調査というのは、できたら複数年にわたって継続的に調査をしていくと、いろいろなところでいろいろな問題点が出てきて改善がされるというようなことがわかってくるんではないかなということを思っております。それとともに、消費者センターに勤めている相談員といたしましては、相談先が無いということがとても残念でならないなと。まあ、消費生活総合センターの方でも、当然こういったことであればお受けできるはずなんですけれど、そういったところがわからないということなので、もちろん洋服を選ぶに当たってはこういうところに注意しましょうという啓発がまず必要だなと、お母さん方も、私も子どもを育てた経験から、やはりデザインのかわいいものを着せたいと思いますし、ですが実際に子どもを育てている中でこれだけのことを経験すると、デザイン優先ではなくてシンプルで危険性の無いものを選ばなくてはいけない、でもこれも自分が経験して初めてそういうことがわかるような感じなので、こういうことの啓発というか注意情報といいますか、そういったものをせっかくこういう貴重なデータが出ましたので、今後これを基にした啓発と活用を是非考えていただきたいと思いました。簡単ですけれどこんなところで。

詫間会長

ありがとうございました。コンシューマーといいますか消費者のお立場を保護されたり、相談されたりするお立場でございまして、当然のご指摘をいただいたんだと思いますが。山上様のところも危害情報の分析室もお持ちじゃなかったですかね、センターの方、品川のところにあります。

山上委員

消費生活総合センター、まあいろいろな名称がありますけれど、全国530程、消費生活センターという、ネーミングは様々でございますが、全国各地にございますが、そのご相談の中で例えばケガをしたとか、ケガではないけれどヒヤッとしたというような形のご相談を受けますと、それは記録としてきちっと残せるような形になっておりますが、なかなか危害、ひやり・ハッとの部分のご相談というのは、特に子供さんのそういったものというのはあまり多くないのではないかなと。海水パンツのご相談というのは今年も情報として入っていたと思うんですが、なかなか多く寄せられてなくて、親が自分で選んで買ってきたというような意味があるので、やはり親の責任、このデータのところでも親の責任という部分がだいぶあったかと思うんですが、そういうところも出てくるのかなと思っております。衣類に関係なく大人の不注意だったですかね。

詫間会長

そうですね。実際に危害が生じた危険情報ということで、そこへいくまでのひやり・ハッ的な段階のものはなかなかそちら様の方には表立っては出てこないということですね。

山上委員

そうですね。ヒヤッとしたという形でもご相談いただければ、それはデータとして残るんですが、そこのところはほとんどケガをした、しかも重篤な事故になると「これはちょっとおかしいんじゃないの」と思われるご両親様いらっしゃるので、消費生活センター等にお申し出になるかもしれませんが、ちょっとしたもので大したことなかったと思うと、お申し出はなかなかされないのではないかなと思っております。

詫間会長

そうですね。先ほどのあれも、どこへも言わなかったというのが97点いくつというのがございまして、実際に危害が起きたというパーセントで見ると3ページのところですか、上着の胴体のファスナーで顔や首を引っかいたとか、あるいは皮膚を挟んだというのは8.4%ですよね。ひやり・ハッとその他を含めると34.7になるんですがね。逆に、よくある、靴下やタイツを履いてフローリングの床で滑って転んだっていうのは、実際に危害を生じたのは7.5%というのですから第2位になるんですかね。ただ、ひやり・ハッとその他を含めると、約70%ということで最大になるということでございましてね。ただ今回、本当に服装、特にファスナー等あるいは紐の事故がどの程度あるのか、ということがまずはっきりしたといいますか、実際あるということが出てきたということは非常な発見といいますか、新しい知見で、今までどなたも断定して言うことができなかったということでございますけれどね。他人のお子様や他の情報としては死亡事故も1件あって、これは警察なり人口動態統計等に当然載っているはずなんでございますけれども。例の英国の規格ですね、EUの委託を受けた、しかもほとんどEUの26カ国、今度28カ国ぐらいになるようですが、この規格は非常に良く整理されていて、しかもメーカーに対する規制と小売業者に対する自粛要請の両方を最終的には要請して、かなり法的ともいえる影響力を両方に与えて、コンシューマーにはそういった苦情を積極的に出すようにということで、非常に良く工夫されていると思います。その点もかなり今回のアンケートに応用されたりしているところもあります。まず、実用の部分の服装と装飾の部分の服装に、英国の規格も大きく分けてあるんですね。ブリティッシュ・スタンダーズ・オンラインというのができておりまして、これもまた著作権が厳しいので、勝手に引用して勝手に発信したりしてはいけないということが最後に厳しく書いてありますが。それから、今回の私どものものも、いろいろなところで年齢の幅を明記してありますけれども、今の英国規格の方では大きくヤングチルドレンとオールダーチルドレン、それからヤングパーソンと3つに大きく分けてますね。だから、1歳、乳幼児も限りなく入るんでしょうけど、1歳から3歳、4歳から7歳、7歳から14歳ですか、その14歳というのがヤングパーソンなんですね。我々はオールドパーソンなんですよ、そうして分けていくと。15歳以上は成人と、イギリス人の分け方なんですがね。そういう場合に年齢を大きく分けるということで、それぞれについて実用のものでどう起きたか、実用のものと装飾のもの、いろいろな例外もあるわけですね。装飾のものは、舞台で使うものとか、そういうようなものまでは規制しない、というようなことが書いてありますし、学校でかなり十分な指導や監督が行われるときのものまでは規制しない、とかですね。それはもう学校の責任で着せるということだと思いますが。非常に良く工夫しておられる。まあ、ヨーロッパの20数カ国に対して一種の規制をかぶせるわけですから相当合理性がなければ。もちろん、最終的に各国の自主性も十分に尊重してリザーブするということも書いてございますけれども。それと、身長まで調べてますね。ヘルシンキとかスウェーデンとか、中国もそうなんですが、北部の人の方が背が高いんですよね。それで、ベルギーとか、イギリスも真ん中より少し下ぐらいなんですが、体型によってまた色んなことを工夫するということですね。それによって服装の状態、頭部の方と、胴体と下肢の部分で、それぞれ特徴があってどういうことが起きているかという、これは今後我々の方も分析するときに非常に役に立つと思います。特に、さっきのヤングチルドレンの方は、どうしても遊具とか遊び場とかそういうものに非常に関係して起きる場合が多いと、オールダーチルドレンの方は野外活動、スキーとか遠足とか、もっと広範に亘った運動のときに起こるものが多いから注意しなさいとか、かなり分析をしておられて、かなり緻密にすべてやってくださっているので、相当程度、まとめるときに参考にさせていただけるんじゃないかと思いますが。参考にするときにも引用をはっきり書かないと差支えがあるんですけれども。他にいかがでございましょうか。どのアンケートでもあるんですが、関心とか危ない危ないと思うっていう、awarenessって言いますが、意識はかなりおありにあるレベルが出て来ているんですが、実際にそれを改善するとか、申し出るとか、行動に起こすっていうアクションの方までなかなか行かないという、まあこのケースに限りませんけど、そういう傾向が今回の場合も出ている部分もあるかなと思って見ておりましたが。いずれにしても、事務局も大変でいらっしゃったと思って、これだけのものを1,163ですか。はい、どうぞ。

中野委員

アパレル産業協会の中野と申します。この安全基準というのは子供様に限らず、11月29日に国会の方で製品安全基準指定という法律が通りましたので、来年の4月1日から施行ということになると思うんですけれども、これはアパレル商品というか服に関しても基準的に入ってますので、この法律は重大重傷事故及び死亡事故ということですので、ここには入らない部分もあるかもしれないですけれども、アパレルとしては各メーカー全部、届出制度というのを今の流れとしては確立させております。事故が起こった場合、メーカーの方に届けていただきますと、我々は経済産業省の方に届けて、すぐそれがNITEという組織体があるんですけれども、そこのホームページに公示されます。事故がなくても届けたものは全部公示されますので、そういう部分を何らかの形で見ていただければ、情報としては取れるんではないかなと思います。それと、今アパレル産業協会では、コンプライアンスということで、この安全も踏まえてガイドラインを策定中でございます。来年の4月ぐらいに完成すればいいかなと。私も委員なんですけれども。そちらで、各メーカーの安全ということも含めて、ことが起こった場合のものの流れ、及び公表の仕方、それから社告・公示、こういうものをどうしていくかっていうことは研究しておりますので、子どもさんのことも色んな形で出てくる場合、何らかの公表が出てくれば、アパレルとしては色んなことをやっておりますので、一般にこれが広がっていけば、もう少し皆さんの方から色んな意見が出てくるんではないかなと。何か起こって待ってるという姿勢では駄目ですので、アパレルとしては今現状として、そういう動きをしているという状況でございます。

詫間会長

どうもありがとうございました。これはたぶん、例のパロマさんのガスの問題もありますし、最近は、対処は良かったですけれども、ナショナルさんのあれもございますし、つい最近は東京ガスのシャワーは熱湯が出てきてやけどするという苦情も表面に出てますね。それはやっぱり、情報を一本化して上げなきゃいけないわけで、この間の場合もまずかったのはバラバラですから、それで10年もほったらかしてる、死亡事故がかなり出てるという状況でございましたのに。これからは、そこのところを情報を一本化して、すぐ行政指導もできるし、場合によっては製造禁止という強硬な処置も取れるようにしていかないと、安全が守られないということにもなるかと思うんですが。はい、どうぞ。

土谷委員

今年の11月30日ですけれども、今おっしゃった安全法成立ということで新聞記事がありますので、もし拝見されていない方がおられましたら、これをコピーしてお渡しします。

詫間会長

会社としても、例の社会的責任、Corporate Social Responsibility、CSRといいますけど、それとコンプライアンス、法律の遵守、これをやっていかないと会社自体のブランド性といいますかイメージが悪くなって、商売をやっていけなくなるという時代に入ってきておりますので。そちら様の方はかなり前向きに意識していただいているから、申し上げる必要はありませんが。はい、どうぞ。

野上委員

久我山幼稚園の野上と申します。この結果を見せていただいて、4ページのところを拝見すると、大人の不注意だったとか子どもの不注意だったとか、服の選び方が適切でなかったとかっていう自己責任のようなところがしっかり出てるっていうのはいいことというか、大切なことだなと思います。今、色んな事故があったり事件があったりすると、必ず犯人探しのように何がいけなかったかということが、もちろんそれも大いにあるんですけれども、自己責任ということについても、やっぱり大事なことじゃないかなと私どもは思ってます。その上で、相手に対しても、こんなことにもっと気を付けて欲しいとかっていうことがあるんですけれども、やっぱり親がちゃんと見てることによって大きなケガが防げるとか、こういった事故も、親が見てたのでヒヤッとしたけれども大きな事故にならなかったというのがとっても多いように思ったので、こうして特にちっちゃい子の場合はちゃんと親が見守っていることの大切さっていうのをこの結果から感じていたところなんですけれども。幼稚園なんかで申しますと、そういった親が目を離した隙にとかっていうことがとってもあって、でも何かあると、環境に犯人探しをするというようなことも多くございます。ですから、私どもも環境ですとか素材ですとか形ですとか、そういったものの安全性っていうのを見ていくんですけれども、1から10まですべての安全を環境ですることはできない。そういった中で、親自身だとか使う者自身がしっかりと見守りながら、安全を確かめていくっていうことがすごく大事じゃないかなといつも思ってます。この頃、親の想像力っていうのがすごく欠けてきたっていうか、こんなことしてたらこんな風に転ぶだろうなとか、こんなことしてたらこんな風に引っかかるだろうなとか、そういった想像力っていうところから、服の選び方が適切でなかったっていうのは事故が起きてから感じることであったりとか、不注意であったりとかって感じるんでしょうけれども、その前にそういう想像力っていうのは、もっともっと幼稚園とかそういうところで親に対する啓発っていうのが必要なのかなという風に普段は思ってます。今よく、子どもと一緒に親も勉強していくっていうか、成長してかなければいけない、そういった場が幼稚園であったりとか保育園であったりっていう風に言われているんですけれども、そういう危険をなくすための親の見守り、それから想像力、注意力っていうのを、幼稚園の立場としてはそれが必要かなっていう風に感じているところです。以上です。

詫間会長

どうもありがとうございました。危険予測能力といっているワークがございますけれども、ただ親御さん自体のときに訓練を受けていないものだから、親御さんがいきなり顔から倒れるような親御さんがそのまま大きくなっておられるから、子どもも同じように手が出てこないという、そういうケースも極端な場合ございますが。それでは、時間がだいぶ押しておりますので、恐縮ですが、また後で戻っていろいろご意見いただければありがたいと思いますが、いかがでしょう。今度、24ページから資料2ですね、製造業者の方のご意見について、簡単にポイントをご説明いただければと思いますが。

事務局(商品安全担当係長)

それでは、私から説明をさせていただきたいと思います。資料2-1から報告したいと思います。資料2-1でありますが、これにつきましては製造事業者編ということで、アパレルメーカーさんの97社に対して行ったアンケートであります。回収率としましては、47%、約半分の会社の方に回答していただきました。その中で、46社のうち子供服を製造してないという回答があったので、39社が分母となります。1つ目としまして、消費者からの苦情相談受付状況でありますが、受けたことがあるというのが20社、約5割、半分の事業者が受けたことがあるという回答をいただいております。次に、2番目の消費者からの苦情内容でありますが、一番多いのがファスナーのバリによる切り傷で14件、その次に飾りの脱落による切り傷、これは飾りによる切り傷と見ていただきたいと思いますが、これが9件であります。そのほか、裾上げの紐による転倒、首周りの紐についての苦情があったということであります。具体的な内容については、その下のところに記載している通りであります。フードの紐が引っかかって危険な目に遭ったというものが代表的なものであります。そのほかのものとしましては、裾のストッパーが目に当たった事例、アフガンキルトステッチ糸に目飛びが発生してうっ血したという記述がありました。次に25ページをご覧いただきたいと思います。3番のデザインするときの注意点、これも複数回答でいただいたところであります。これにつきましては、やはり苦情が多いものがトップにありまして、ファスナーの安全性、これについては特に注意をしているということで回答が26ありました。その次にやはり飾りの安全性ということで23の回答がありました。そのほかにつきましても、首周りの紐には10件、フードの安全性、腰周り、その他、ということで満遍なく注意しているというところであります。具体的に注意する点としましては、その下にお示ししております。ファスナーについては、やはり日本製がいいという回答が多く見受けられました。首周りの紐については、長めにならないようにする、通さないようにするなど気を付けている。腰周りの紐については、あまり紐を使用しない、製品の安全確認をする、ゴムスピンドルの場合は引っ張り出せないようにするなど工夫をしているというところであります。飾りについては、怪我することの無いように、実際に試験をして注意しながら出荷をしているというところでありました。次に、4番の海外での子ども用衣類が原因の死亡事故の発生を知っているかということで聞きましたところ、知っているが11社ありまして、全体の約3割であります。7割が知らないということでありました。次の26ページをご覧いただきたいと思います。5番、海外の安全基準の認知でありますが、EUやアメリカの基準を知っていますか、ということでお聞きしましたところ、実際に知っているというのが8社、全体の約2割の事業者のみでありました。次の6番、社内での安全基準・安全点検マニュアルは必要ですかということでお聞きしましたところ、39社中32社が必要だと思うということで回答がありました。これについては、実際に安全基準として盛り込むべきではないかと思っているという回答がありました。7番にいきまして、社内の安全基準・安全マニュアルが実際にありますかということでお聞きしましたところ、実際に作成している、制定しているっていうところが8社で、約2割にとどまったというところであります。次の8番の社内での安全基準・安全点検マニュアルの作成は今後予定がありますかということで、8社を除いた残り31社の方の回答をまとめましたところ、予定しているところが10社、31社中10社ですので約3割でありました。その他は前向きな回答ですので、予定していないところですと約半数の事業者の方が、まだ予定までは至っていないというところがわかりました。27ページ目、次のページをご覧いただきたいと思います。9番のアパレル業界統一の安全基準・安全点検マニュアルは必要ですかということでお聞きしましたところ、39社中、必要だと思うのが28社、全体の7割の事業者が必要だと思っているという回答がありました。その他のところについても、実際に他で事故が起きていれば必要になるので検討はしたいという前向きな意見が多くありましたので、それを加えますと約8割の事業者の方が統一の基準が必要ではないかと考えていることがわかりました。10番の安全基準・安全点検マニュアルに必要な内容でありますが、やはりこれも苦情があったものが上位に上っております。特にファスナーの安全性と飾りの安全性については、多くの事業者が盛り込むべきであると考えているということでありました。そのほかにも、首周りの紐の安全性については22社、これもファスナー、飾りに次ぐ件数でありました。これも全体から見ますと56%の事業者の方がこれについては必要だと考えているということが窺えます。以上が製造事業者であります。

次に、資料2-2をご覧いただきたいと思います。これは百貨店協会さんにご協力いただいて、まとめたところであります。百貨店協会さんの関東地区にあります百貨店を調べましたところ14社、西武百貨店とそごうさんが一つの事業体として今は活動しておりますので、1社少なくなっております。14社送付しまして、回答をいただいたのが10社であります。その10社を母数としまして、集計・分析をしました。1つ目としまして、消費者からの苦情相談受付状況でありますが、受けたことがあるというのが4社、ちょっと母数が少ないのですが4割の事業者の方が受けたことがあるということであります。2つ目としまして、消費者からの苦情の内容はどのようなものがあるかということでお聞きしましたところ、やはりファスナーのバリによる切り傷が圧倒的に多くて、そのほかが無いということであります。ただ、そのファスナーについては、色んなファスナーの種類がありまして、上着からズボン、カバーオールでの傷とそのほかブルゾンなどいろいろなファスナーの種類がこの中に入っております。次に、消費者に対して販売時にアドバイス、注意しますかということでお聞きしましたところ、10社中、アドバイスするというのが4社、アドバイスしないというのが6社、これはデザインとか服のサイズについてのアドバイスはするんですけど、実際に服の紐でこういう事故があるかもしれないので注意してくださいというのはしていない、というのが6社であります。次に29ページにいきまして、4番、消費者に対して販売時にアドバイスする点ということで、複数回答をいただいております。実際にアドバイスする内容としましては、ファスナー、腰周りの紐、飾り、その他ということでありました。ファスナーについては、実際にファスナーの傷を頭に入れて販売時にアドバイスをしているというところと、飾りについて何らかの取り扱いについての注意をするというところであります。その他の意見としましては、従来にないデザインの場合、危害があると思われるものについては、その販売員の判断によってアドバイスをしているということでありました。あと、子どもがどんどん成長するので、ちょっと大きめのサイズをお買い求めになるお客さんが多いということで、その場合、パジャマなどについては躓いて転んだりすることがあるので気を付けるようにアドバイスをしていると。あと、水着で滑り台を滑っているときに実際にやけど又は切り傷になったりすることがあるのでアドバイスしているというところもありました。次に5番の海外での子ども用衣類が原因の死亡事故の発生を知っていますかということでお聞きしましたところ、知っているが3社、知らないが7社であります。次に6番の海外の安全基準についてはご存知ですかということでお聞きしましたところ、やはり知らないが10社、すべての百貨店の方がご存じなかったということがわかりました。やはり国内販売がメインですので、海外での販売のご経験がないので、その点についてはご存じない方が多かったということであります。次、30ページ目の7番、社内での安全基準・安全点検マニュアルの必要性についてお聞きしましたところ、必要だと思うのが5社、必要だと思わないが1社、その他4社については将来的に必要になるという意見を含めて前向きな意見が多かったので、ほぼすべての事業者について、マニュアル・安全基準が必要だと考えているということが窺えます。8番の社内の安全基準・安全点検マニュアルが実際に現在あるかどうかお聞きしましたところ、作成しているが1社、作成していないが8社でありまして、残り1社については安全面でデザインに絞ったものは無いということで、一般基準の中にその点を組み入れているので、これも入れても、作成していないところが8社と、8割の事業者が無かったということであります。9番目の社内での安全基準・安全点検マニュアル作成の予定でありますが、実際に作成していない・その他のところを母数としまして分析しましたところ、予定していないが6社、その他3社につきましては、他社で発生しているなら検討したい、デザイン面に絞ったマニュアルを作成する予定はない、予定していきたい、と様々な意見がありましたので、7社が予定していないということが窺えると思います。次の31ページをご覧いただきたいと思います。10番の小売業界統一の安全基準・安全点検マニュアルが必要ですかということでお聞きしましたところ、必要だと思うが6社、必要だと思わないが2社、その他の意見としまして2社の方からご回答をいただきまして、小売業界よりも子供服業界の安全基準が先ではないかというご意見と、やはり同じようにメーカー統一の方が実用性があるというところで、やはり小売よりもメーカーの方に先に基準を作っていただいた方がいいんじゃないかという考えがこの中から窺えるという風に考えております。次に、11番の安全基準・安全点検マニュアルに必要な内容でありますが、これについては満遍なくすべての項目について必要だと考えているということで、回答いただいております。以上でありますが、これについていろいろご意見をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

詫間会長

どうもありがとうございました。資料1の消費者の立場からちょっと離れまして、百貨店も含めた販売業、それから製造者のお立場がどのようにお考えになっているかということを調べさせていただいたんですが、この2つ、資料2-1と2-2、残念ながら例数はあまり多くないんですね。前の方が39、こっちは9ですから。ただ、明らかに0(ゼロ)というのがありますから、作る予定はないとか、知らないとか。ちょっと例は少ないんですけど、あまり芳しくない数字が出ちゃっている部分もございますが。いかがでございましょうか、中野さん、マニュアル作る予定はないっていうところがほとんどなんですが。協会でそういうサンプルを作ろうというようなお話が先ほどございましたね、年度末から年度初めにかけて。そういうものができると、またそれが一つきっかけといいますか、モデルになって、それぞれのところで個別に応用して作られるということもあると思いますがね。その辺の予測はいかがでしょうか。

中野委員

この初めからのアンケートを見せていただいて、今まで、ここまでのアンケートというのは正直言ってあまり拝見してないんですよ。我々アパレル側としましては、こういうことが出てくれば、努力をしていくと思います。例えば、百貨店協会さんはちょっと難しい部分もあるかもしれないんですけど、製造の方としては、マニュアルというよりもどちらかというとガイドライン的になることの方が多いと思います。というのは、マニュアルとなってしまうとそれに基づいて作らざるを得なくなってしまいますので、メーカーには大手から中小まで全部ありますので一概に一定にするのは非常に難しいなと思うので、ガイドライン的なものを作るということはできると思うんですよね。アンケートの状況などを見せてもらいまして、例えばファスナーの件なんかは以前から実は問題になっていまして、ファスナーのピッチを子供用は小さくするであるとか、金属を少し軟らかめのものにするとか、お母様からすると、金属をやめると洗濯で耐久性がなくなるという話もくるのですけども、我々としてはそれでも少しはどの程度という検査的なこと、それからここで安全基準ということでは、例えばフードの紐、これは引っ張ったら切れてしまうようなものを使えば、ただ洗濯の時とのバランスですので、どのぐらいのニュートンで引っ張ったら切れて、フードにしても一つでいくのではなくて破れるというような方法、こういう方法があるのではないかと思いますね。今まで、こういうことをして欲しいとか、こういうことが起こっているということが、正直言って上がってきていないのが現実です。上がれば我々は研究しますし、当然そういうことをやるようにします。海外で昨年の7月頃だと思うんですが、鉛を飲み込んだということで事件になりました。アパレルとしては、当日に全国にほとんど各社全部指示を出しまして、含有量を調べろということで、答えとしてはちょっと難しいというのが出てきたんですけれども、ほとんどのところが一応すぐに研究し始めています。ですから、この秋物からはだいぶ含有量も減っていると思います。私も資料の説明を聞いて、製造側としてのガイドラインを作るのは一つの方法かなと今思います。もう一つ感じたのは、消費者の団体の方、学校の先生方も来られているということで、「お母さまへ」というのも、一つそういうものも考えられるかなというのは感じました。ちょっとした冊子みたいなものですね。子供服の販売のところに、こういう啓発用のものですね。我々のところで起こっているのは、山陽さんで一つあったのは、ここ(胸部)から上の女性用衣類のスパンコールとかボタンとかいろいろ付いているものですから、赤ちゃんを抱っこすると舐めるんです。飲み込んじゃったという事件がありまして、すぐに発信しまして、販売の方で、ここ(胸部)から上に物がついてるものについては、お客様に注意するように、特にお母さまにと言ったんですけど。子どもって貸し合いしますよね、皆さん。そうすると絶対付きますよね。ですから、そういうことであると、やはり「お母さまへ」みたいなそういうものを、こちらの会議で是非作って欲しいとか、このアンケートをアパレル協会の方に渡すから一緒に合算して作ろうというような話であれば、これは策定することは可能だと思います。

詫間会長

いきなりマニュアルじゃなくて、ガイドラインですね。しかも、啓発というか啓蒙といいますか、そういうものを含めてというお話で、ちょっと記録しておいていただいたらと思いますが。百貨店協会様の方はいかがでございましょうか。

吉川委員

吉川でございます。先ほどのお話の中でずっと感じておりましたのは、やはり一般の消費者の方の苦情の申し出先が、ほとんどどこへも言わなかった、ということを、実際に感覚的に我々流通の方も意識してないという状況があったと思います。こういう情報が多々入ってまいりましたら、先ほどの鉛を含有したものもそうなんですが、対応は今、我々事業者というのはすばやくやるという、迅速に行動を起こすというのは実態でございますし、先ほど会長がおっしゃったように、コンプライアンスとかそういうものを遵守するというのは、非常に我々意識的にやっている状況でございますので、すばやく対応できるということがございます。苦情の申し出先についても、ほとんどの百貨店、そういう対応をしておりますので、情報が入れば横の連絡網もございますので、すばやく対応いたしますのですが、なにせ97.1%の方がどこへも言わなかったということがございまして、なかなか実体がないと我々事業者としても動きにくいというのも実態でございます。ですから、逆に我々の出したアンケートの結果も、まさにそれを表しているんじゃないかと思いまして、何も我々隠しているわけではございませんし、極端に言うと0パーセントみたいな、残念ながらというような形もございますけども、これが実態じゃないかと思います。実際には、こういうような事件、事故というのは、先ほどの消費生活用製品安全法の改正を機会に、やはり皆さん意識を高くお持ちでございますので、こういう実態も明らかにされていければ、非常に注目を浴びるんじゃないかと思っております。以上でございます。

詫間会長

実際に事故が発生してしまったケースは当然ですけど、さっき山上様おっしゃっていただいたように、ひやり・ハッと的なものも、そちらに申し出てくだされば記録されて、ちゃんと用紙がございますよね。あれで危害情報のデータシステムに入ることになってますから、是非申告をしていただく方向に先ほどのガイドラインなんかも進めていただいたらと思うんですが。あと、小林先生どうですか。

小林委員

はい。ここまで伺わせていただいて、それぞれのお立場でいろいろお考えになることがあるのは、確かにそうだなと思うところがあるんですが、とかく子育てというものが親の責任、事故が起きても、うまく育っても、無事に育っても何でも、親の責任という風に片付けられるという風潮が特に日本という国の文化の中にはあるように感じられます。私自身も、いろいろなことがあっても、それはお母さんが不注意だったんでしょうと言われて片付けられてしまうというところがありまして、実を言うと、このことに関わることになってからも、果たしてどこまでが親の責任で、どこからがメーカーさんの責任なんだろうというのが、正直なところ私にはわかりません。ですので、私たちが、今子ども達を育てているお母さん達と接する時に「お母さん、それはお母さんの責任で、お母さん自身が気を付けなくてはいけないところだったんでしょう」と言って片付けてきてしまっていたことが、実はもしかしたら、メーカーさんがちょっと気を遣ってくださることによって回避できたこともあったのかもしれない、と感じる部分もありますし、いやいや、どこまで回避していただいてもやっぱり最後まで自己責任はあるでしょうと言われれば、確かにそれもそうですと。例えば、ボタン一つとっても、どんなもので作られていても、それがしっかり付いているかいないかということを着せる前にきちんと確認する、ということをお母さんがちょっと気を遣っていれば、誤飲してしまうとか、知らないうちに取れてしまったとかっていうことは回避できたでしょうと言われれば確かにそうですので、本当にどこまでがどちらの責任なのかということは難しい問題だなと感じます。ですけれども、もう一つ言えることは、誰かのせいにするということが、いかにも若い方たちの風潮のように感じられるところもあるようですけれども、実はそうではなくて、若いお母さん達は若いお母さん達なりにいろいろ考えながら、子供さん達を育てているという実態もあるのです。例えば、フローリングの床で靴下が滑って転んだというような問題も、今朝もちょうど児童館で若い親子さん達と一緒に過ごしてきたんですけど、ほとんどのお母さん達が児童館に着くとすぐに靴下を脱がせてしまうんです。それはどうして、って言ったら、もちろん家でも脱いじゃうからというお子さんもいらっしゃるけれども、中にはきちんと「滑るので」という風におっしゃって脱がせる。そういうことがごく自然となされているということもあるんです。それから、紐の付いているものにつきましても、ちゃんとまとわりつかないように短くされているというお母さまもいらっしゃいます。そういう意識も、それぞれがお持ちになっている。もしかすると、先ほど野上先生がおっしゃったように、危険を経験されたのでそういったものを勉強されて、この次はそういうことがないようにという風に学習を積んでこられてきたということの成果かもしれませんけれども、でも多くのお母さん達が提供されたものをそのまま受け入れて全部大丈夫と思っているわけではないらしいというところもあるのです。ですので、先ほどアパレルの方がおっしゃっていたように、業界さんだけではなくて、子育てをしているお母さん達に、支援者も含めて、いろいろなところから、危険回避に対する啓発ということは、やっぱりしなければいけないなと思いました。そして一方で、事故がもし起きたときに、お母さんの自己責任もあるかもしれないけれども、でももしかすると、これがこういうものでなければ回避できたかもしれないっていうことももうちょっと声を出していいのよ、という風なことも同時に教えたいなと、広めたいなという気持ちもあります。大きな事故につながると、この前のガスの事故のようなことになると世の中がとっても騒いでっていうことがあるんですが、もしかすると最初のアンケートの中にあった、お子さんが亡くなられたという事故についても、紐が絡まったということだけど、それも親が注意していれば逃げられたことだったんじゃないのということで片付けられてしまって報告が無かったのかもしれない、という風に感じるので、そういったところも紐がしっかりと付いていたらば、もしかしたらなかったかもしれないけれどもって、責任をなすり付けるという意味じゃなくて、情報としてお互いに提供し合うということがもう少し活発に行われるような環境づくりというのも必要かなというように感じます。

詫間会長

おっしゃる通りで、それが資料3の方で、リスコミサイトなんかを使ってしていただく可能性もあるかと思いますが。まあ、先ほど野上先生がおっしゃった、ページ4の大体22、3%が親が自分で責任を感じているというのを、善意に捉えると、親も積極的にそれを把握しているということでございますけどね。開発者の方には25%ぐらいの責任があると。4ページのところの棒グラフが今、小林先生のおっしゃったことを反映しているかなと思っておりましたが。ちょっとすいません、時間が押しておりますので、サイトでいろいろ情報交換するという、これも活用できるといいと思うんですが、ちょっとご説明いただけますか。

事務局(商品安全担当係長)

それでは私から、くらしの安全情報サイト、リスコミ広場に書き込みがあった内容を報告いたします。1つ目は、団体、事業者の方から合計で2件ありました。その中で、実際にデザインに関して回答されている団体の方がいましたので、ご紹介したいと思います。服は本体のほか、ファスナー、ゴム紐、ボタンなど様々な付属品で構成されていますが、子供服に成人用の付属物を使うと、相対的に大きくゴツイことになります。さらに子どもの皮膚は薄く柔らかいので、付属物による損害事故の可能性も高まります。ファスナーならばスライダーの隙間を小さい基準にする、ボタンは軟性のゴムにする、さらに小さな付属物は取れた場合を考慮し、飲み込み防止策など服の仕様基準を作りたいと思う、というご意見がありました。消費者の意見は7件ありまして、特にデザインに絞った内容だけを抜粋して掲載しております。1つ目は、フード、飾り、紐などでよく引っ掛けているということで、実際に当たって痛かったり、子供が引っ掛かって転んだりしている、ケガには至っていないが様々なところに引っ掛けているというのが1つであります。もう1つが、保育士さんからの書き込みでありまして、保育園では保護者に紐を取るように伝えていると。やはり保育園でもじゃれ合っているときに紐とかフードなどを引っ張ったりして危ないので、紐は取ってもらって、緩くなった場合はゴム紐にするとかというものにしている、ということでありました。残り2つのうちの1つでありますが、あまりファッション性を重視したものはいらないということで、女の子、男の子の服はポケットが多くてもいらないし、小さくて飾りのようでも困ると。子どもは紐をうまく結べないので、紐を取ってゴムを通して脱ぎ着しやすくした、初めからゴムでどうしていけないのか、というご意見がありました。最後に、自転車でズボンの紐が絡まったということで書き込みがありまして、6歳の子どもを自転車の後ろに乗せて走ろうとしたら、ズボンに付いていた紐が車輪に絡まって大怪我するところだったと。やはりこれも、ズボンの裾の紐が自然と絡まってしまって、重大事故につながる可能性があったということがありました。以上であります。

詫間会長

どうもありがとうございました。このサイトは、ずっと継続的にアプローチができるわけでしょ。

事務局(生活安全担当係長)

はい。

詫間会長

ではもう少しPRが進めば、9件だけじゃなくて、活用されるかと思うんですが。まあ、運用経費も相当かかっておられるわけですから、大変かと思いますが。まあ、具体的なご意見がいただけているわけでございますね。以上、種類からいうと3種類で、第2の資料が2つ、メーカーと販売業の方という形でございますが、この辺で3つをまとめまして、全体的に何かご感想とか、ご意見があれば伺ってと思っておりますが。どうぞ。

山上委員

山上でございます。1点、苦情の申し出先というところで、食品ですと昔、申し出先としてあっても、住所じゃなくて電話番号が欲しいということで、電話番号をきちっと書くような形になっていたかと思うんですね。取り扱い表示のところに書いてあるんでしょうけれど、洗濯をしたりなんかすると取れてしまったり、よくわからなくなってしまうということもあるかと思いますので、申し出先がわからないから、この消費者の方の97.1%、どこにも言わなかった部分になるかもしれませんので、申し出先がわかるような形の何か努力ができたらいいなという風に思ってます。それと、最後のリスコミの広場のところで、このズボンの紐というのが、自転車は子どもの足がスポークのところに挟まってすごく大きなケガがありましたので、補助いすを作るときのSGマークのところで改善がなされたんですけれど、こういうところで新たな危害がまた出てくるんだなというのを、私も今初めて気が付いたようなわけで、やはりがんじがらめのことは難しいんですけれど、こういうところでこういう大きなケガになる危険性があるんだよ、ということをお知らせするということが、とても大事だと思うんですね。そうすることによって、まあそれでも、自転車には乗らない、お呼ばれのお洋服だからこういう飾りが付いたものをアレするんだ、でも日常品の時にはシンプルなものにするとか、そういう判断もできるかと思うんですが、その前のところで、やはりこういう危険性もあったということで、再三お話が出ている、啓発の充実がとても必要なのではないかなということを改めて感じました。

中野委員

アパレル製品というか、製品には必ず表示が付いています。これは義務なんです、我々は。電話番号が必ず書いてあります。各社、お客様相談室ということでありますので、これは1回や2回の洗濯では絶対に落ちないような染料で染めてますので、ここに何かあれば絶対電話するというのを徹底してもらったらいいと思うんですよね。我々もできるだけ宣伝はしておりますけど、かかってくるのはよく知っている方ぐらいで、まったく知らない人は全然かかってこないということがあります。それから、もう1つは輸入品の場合、日本の製造業者もしくは輸入業者が責任を持って付けるということになってるんですけども、実は付いてない商品もございます。個別で20枚とか30枚とかバイイングしてくると、どうしても付いてない場合がありますので、それは義務違反です。法律違反になります。家庭用品品質表示法というのがありますので、そんなのは訴えたらいいなと思います。それから、先ほどの親の責任というお話がありましたけども、私も親なんですけども、勘違いされている方が多いと思うんですね。親の責任って、自分の責任を感じるんじゃなくて、逆に周りに伝えることの方が親の責任だと思うんですよ。で、直していく。直るものなら直す、これが親の責任なんですよね。親の責任ということで、自分の中で片付けてしまう、これは親の責任を取っていないことになると思います。もっとそういう話を拡げていただけたらなと思います。というのは、自分の子どもはそれで済んでしまうかもしれませんが、他にも起こる可能性もありますので。我々の商品に問題がある場合もありますから。これは一般の方が見て問題が無いかななんて思っていても、含有量なんて絶対わかりませんし、先ほど僕はニュートンって言いましたけど、ニュートンのことなんか皆さん一般にはわからないと思うんですよ。そういうものをやはりメーカーで調べることも必要ですし、検査協会なんかもありますので、是非いろんなところで、いろいろお話しするところっていっぱいあると思うんですよね。どんどん言っていただいて、言えば言うほど、こういうデータが集まってきます。これは外国の人、特に欧米の人はそういう認識をお持ちです。だから、親の責任、しつけっていうことには非常に責任を感じているみたいですけど、でも言いに行きますよね。それはなぜかというと、向こうははっきりいって、メーカーでチェックして欲しいということですので、それは大いに自分の中でしまわずに出して欲しいなと思います。

詫間会長

ありがとうございます。まあ、地域の教育力というようなものも必要なんですが、それはかなり手が掛かりますので、自分も責任を取るし、さらに他の子どもに起こさないような意味で、情報のコミュニケーションを取るということじゃないかと思いますが。それでは、資料の説明を先にずっとやらせていただきたいと思いますが。諸外国の子ども用の衣類の安全規格について、EUとブリティッシュとアメリカのASTMの3つを上手に項目別にまとめていただいておりますが、一言ちょっとご説明いただけますか。

事務局(生活安全担当係長)

それでは私から、諸外国の子ども用衣類の安全規格の現状について報告をさせていただきたいと思います。お手元にありますグリーンのフラットファイルにすべての海外文献を綴っております。この中の上から3つ目の参考資料3、ASTMの児童向けアウター上着に装着される引き紐についての標準安全仕様のデザインについての抜粋と、資料8、BSI、イギリスの構造上の安全性を促進するための子供服の設計及び製造に関する施工基準、これがイギリスの基準であります。この2つが1997年に施行されたものであります。その後、イギリスについては1999年に見直しを行いまして、アメリカの規格については2004年に見直しを行っているところであります。それをさらに発展させたものの位置づけとして、参考資料12のところでありますが、EU、欧州連合による、子ども用衣類の紐及び紐の安全性に関する標準仕様というのが2004年に承認をされております。これにつきましては、2004年の11月に承認されましたので、18ヶ月間の猶予を持って、加盟国に対して国内規格として地位を付与するように命じているものであります。遅くとも2006年6月ですので、今年の6月までに、それに合わないものについては全部廃止をして、新たな基準を設定するということになっております。この3つの規格がヨーロッパとアメリカにおいては通常の安全基準として使用されておりまして、これに該当しないものについては、すべてリコールの対象となり、アメリカでは自主回収という形で、実質的には半強制的に回収をさせているということであります。イギリスとEU規格でありますが、この基準をクリアしていない商品については、持っているだけで犯罪になるということで、罰則もあります。この中身をさらに見ますと、参考資料9、イギリスの一般製品安全規則というものがあります。これの中身を見ますと、製造者、小売の業界の方は、持っているだけもすべて違反と、即回収ということで、さらに企業のトップの方がその事故を知らなかったということだけでも罰則ということになっております。そういう情報は必ずトップに知らせなければいけないという法律であります。欧州におきましても、参考資料10のところで、一般製品の安全に関する指令がありまして、これも同じような内容であります。これもEU加盟国については、すべて同じような法律体系を整備するようにという指令を出しているところであります。中身については、左側のところに、上着のフードの規制、次のページに行きますと、フード及び襟首の引き紐の規定、腰の引き紐等の規定、3枚目に行きまして、引き紐の一般規定として長さ以外にも結び目、必ず固定することなど細かく規制があります。さらに腰より下に垂れる服の引き紐の規定ということで、足首より上のところについての規制と、足首まで届くズボンの紐については禁止ということで規制がされているところであります。さらに、腕の袖についてですが、半袖については規制がありまして、長袖については長袖の先からはみ出しているものについては禁止ということで、EUの基準が作られておりました。4枚目に行きますと、ズボンのファスナーの規制、これがイギリスの規格にあります。これについては、歯で噛む危険性があるので、それを軽減するようにプラスチック製品にするとか、スナップボタンで留めるジッパーなども考えられるのではないかという提案の内容であります。あとは、そのほか装飾品、リボン、ネクタイ、靴下の滑り止めについて規定をしているところであります。実際に禁止のものもありますし、規制しているものもありますし、代替品の推奨のところの規制もあります。特に、フードについては、3歳以下の子どものパジャマには使用してはならないということでイギリスの規格がありますので、後でご覧いただければと思います。以上であります。

詫間会長

どうもありがとうございました。これが冒頭、私もちょっと言及させていただいた、特に英国規格でございますね。ブリティッシュ・スタンダーズ・インスティテューションというのがありまして、その中のブランチとしてブリティッシュ・スタンダーズ・オンラインというのが入っているということでございますね。まあ、アメリカはもう100年以上の歴史がある工業材料規格の発展したものでございますよね、ASTM。このほかにCDCというのもあるんでございますが、いずれにしても日本国は、特に服装の問題はそうですが、非常に遅れているものですから、これは困ったもので、つい最近、政府の方も気が付かれて、国際標準規格をいかに推進していくかという会議を起こしておられるみたいですね。というのは、欧州とアメリカで規格をどんどん決めていかれてしまうわけですよ。まだ服装ぐらいだったらいいんですけど、色んな貴重な電子製品機器の規格なんかも先に決められちゃいますから。だから、先に決められたんじゃ困るわけで、日本の方も十分対等に研究して、その研究者も養成して、そういう規格を作る国際機関があるわけですから、そこに専門家を送り込むという、その専門家がいないんですよね。この間ちょっと成功したのはICタグでしたかね、あれだけは松下の方が行かれて。それは例外中の例外なんですが、先生ご意見いかがですか、その辺で。

持丸委員

経済産業省と産業技術総合研究所では、JISの規格を策定しようという動きがあります。経済産業省では、基準監督の基準認証ユニットがJISとISOの監督等担当しています。

そこで、現在、社会ニーズ対応型基準創生調査研究事業を募集しています。今年度の募集は正式には始まっていませんが、私の名前で、子どもの遊具服装に関する安全規格を3年間、18年度から21年度で調査をしながら、JISを策定するというのを提案しておりまして、ご時勢柄、たぶんパスすると思います。そうしますと、我々かもしかしたらキッズデザイン協議会が母体になって、協議会のような形の中立者とメーカー側と消費者側との委員を集めて、おそらく、海外の規格をこのような形で整理しながら、日本の実態に即したJISを策定するというような形になると思います。実は、順番として重篤なのは遊具のほうでありまして、具体的に申しますと地面の硬さですが、こちらのほうを18年度、20年度か21年度に今回、都庁でやっていただいたこの話をJIS化のまな板に載せられるのではないかと思っております。

もう一件経済産業省の話をしますと、情報の話、消費生活用製品安全法の話が出ていましたが、これも経済産業省の取組みですが、そもそもこれは、責任というのを我々は学習と考えておりまして、学習というのが子どもの事故の場合は3通りありまして、お子さん本人が学習するという危機管理能力ですね、親御さんが学習する、さっきどなたかがおっしゃっていました想像力ですね。3番目は、社会が学習するというものです。親御さんがぜひ(事故情報等を)発信してくださいといっていましたが、社会が学習するということ。重篤な被害になりますと、ほとんど本人は学習不能です。首が絞まってなくなられたというのは、本人は学習能力を発揮することができませんから、社会が学習するしかありません。そのために、情報を集めるきっかけがあるのですが、一つは、事故がきっかけで集まるのが消費生活用製品安全法です。実はこれで100%にはなかなかいかないと思っているんです。次が、経済産業省が来年度から取り組みます病院を入り口にした事故サーベイランスという取組みでして、これはケガがきっかけで(患者が)病院にいって、病院が何でこんなケガをしたのですかと(患者に)聞く情報の収集システムです。私は今回、ここに来るまでは、この二つがあればどうにか動くだろうと思っていたのですが、今日来て考えを新たにしました。やはり、テーマを一つ与えられると、言われてみると危なかったかもしれないというのがどうもあるみたいですね。事故があったというのは自発的ですね。ケガがきっかけというのはヒヤリハットで集まります。ケガですから。今回の調査でこんなにすごく集まったのは、ある一つのテーマを絞って、みんなにちょっと考えてもらったという効果があるのだと思います。これは非常に有益なことだったなあと思っておりまして、事故でもなく怪我でもないある一つの種を与えることによって、そこに潜んでいたものをかき集めてくる今回のような調査は、自治体とかあるいは消費者団体とかそういうようなところが取り組んで、それらをさっき言った事故サーベイランスや消費者製品安全法のデータとかを合わせて発信していく仕掛けを作り、いろんなチャネルで集めるほうが、有益なのではないかなと感じます。経済産業省の動きに合わせて紹介させていただきました。

詫間会長

どうもありがとうございました。平成21年度を目処に作られるJISには、この協議会の内容を盛り込むのでしょうか。

持丸委員

はい。今回の協議会の内容をベースにまとめていくと思われます。

詫間会長

東京都も経済産業省の社会ニーズ対応型基準創生調査研究事業に応募されてはいかがでしょうか。お互いにいい情報を提案していただいてありがとうございました。

ようするに、潜在的危険を顕在化していくことが重要ですね。都民の方の意識レベルが高かったことがこのようなアンケート結果につながったのだと思います。通常のアンケートだと20%位あがってくるのが普通ですが、さすが東京都の名前でアンケートを実施すると集まるのですね。朝日新聞の記事では、東京都は民力が高いと表現していました。

そういうことで、大変気づかせ手いただいたこともたくさんありますし、それから、持丸先生もご存知かと思いますが、Web2.0という技術を使ったインターネットで商品を発注することもできるくらい技術もかなり進歩してまいりまして、今回のアンケートのように「紐が引っかかった」などの情報をサーチするようなインターネットのデータベースを構築して情報を共有し注意喚起情報等を発信する役目も必要だと思います。

他にご意見ございませんか。時間も押し迫ってきました。消防庁からも生活安全課長さんに参加していただいておりますが、ご意見ありますでしょうか。

東京消防庁 阿出川生活安全課長

東京消防庁の阿出川でございます。今まで、委員の皆様方の意見を伺わせていただきまして、安全基準の問題にしても、各業界さんの前向きなご意見をお聞きしまして、ぜひこの安全基準の策定をお願いしたいと思いました。危害にかかわる情報をどんどん出していく、あるいは、皆さんで共有していくことが、非常に大切ではないかと改めて思いました。私は、東京消防庁の役人でありますので、情報の共有化は難しい面がありますけれども、そのような雰囲気を社会として作っていくのは、意味がある話ではないかと思っております。それから、お話にも出ていましたけれど、普及とか啓発も一緒に大事だと思います。それから、私どもも注目しておりますのが、アメリカでは、アメリカの小学生にリスクウォッチというのを行っておりまして、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば火災であるとか、竜巻やハリケーン、あるいは防犯のときなど、どうやれば自分の身を守れるかということを子どもたちに直接子どもたちに教えています。日本で言えば紙芝居のようなイラストを使って教育しているのですが、例えば緑の冊子の中の1ページ目の絵のように、お子さんが滑り台の枠に引っかかっているような事故の絵のようなイラストを使って教育しています。これは、日本でも参考になるのではないかと思っておりました。このような形での普及も大事だと感じております。

それから、持丸委員からお話がありました着火の話でありますが、この協議会では特に事故の部分からのアプローチをしているわけですからいいのですけれど、ぜひ、その際には火災の面からも検討事項に入れていただければ幸いです。つまり、衣服に日が着いたことにより亡くなるというデータも結構事故としてあるものですから、私たちは、今後アプローチ指定校と思います。ぜひ、そのあたりも入れていただきたいと思います。

詫間会長

どうも、ありがとうございました。恐縮ですが、資料5をごらんいただきたいと思います。これは、最終的にはレポートを出さなければいけないので、その骨子の案をお示ししたものです。それでは、事務局から説明をお願いいたします。

事務局(安全担当係長)

それでは資料5の内容を説明いたします。三部構成になっておりまして、第1章は、前回の協議会でお示しした協議会を行うことになった経過、背景を記述したものです。第2章は、今回のアンケート調査結果の内容を記述したものです。そこで、浮き上がってきた子ども用衣類での問題点を整理し、今後取り組むべき内容を第3章に事務局案として8項目に整理してお示ししております。子ども用衣類本体の項目でありますが、消費者の方が実際に事故にあった部分及び消費者の要望を踏まえ、海外の規制も参考にして組み立てております。要望先は、国、業界団体、関係団体で、消費者に対しては注意喚起、啓発を行っていくという内容であります。最終的には、「安全な商品の開発」、「事故の未然防止」を目指して生きたいと思います。

詫間会長

逆算して、討議、検討していたいだ方が効率的ですから提案いたしました。提案ですが、強制ではないのですが、本日、いろいろご意見を賜ったところをA4版に1枚でも2枚でも結構ですので、最後の枠組みを具現化していくことになりますので、ぜひ、次回までの間にご意見をレポートを提出していただきたいと思います。資料1、2にこれだけは言っておきたいと言うことやご提案があれば、箇条書きでもメモ的にでも結構ですのでご提出していただければ幸いです。お寄せいただくと事務局としては作りやすいので、ぜひお願いいたします。

資料5は、先ほど課長さんがおっしゃったように安全な商品の開発とこれからおきるかもしれない事故の未然防止を目的として、具体的な対策をはっきりしたいと思います。もちろん、都のホームページその他にも最終的に公開ということになれば、登録されることになりますね。この協議での発言を元にして実際に社会に役に立つ報告書を作っていきたいと思います。次回は、1月19日あたりでよろしいでしょうか。

生活安全課長

できれば、1月19日(金)に開催させていただきたいと思います。年明けでお忙しいかと思いますが、金曜日の午後2時から4時に開催したいと考えております。模試ご都合が悪くとなれば、時間をずらすとかも可能ですが、できればその時間でお願いします。ご都合が悪い委員の方はいらっしゃいますでしょうか。

会長

協議会終了後に会議があるので都合が悪いのですが、前にずらすのは可能です。午後1時からとか1時30分とか。午前中は難しいでしょうか。

野上委員

午後5時から会議があるので、午後1時30分からだと大丈夫です。

事務局(生活安全課長)

午後1時30分から3時30分でよろしいでしょうか。それでは、その時間で予定していきたいと思います。

先ほど、アパレル産業協会の中野委員から発言がありました「鉛」のお話ですが、実は、私どもで今年3月にプレス発表して、「比較的安価な金属アクセサリーに鉛が多く混入している」ことを発表した次第です。このことをきっかけとして日本アパレル産業協会さんで対応していただきまして、誠にありがとうございます。

時間ですので、先ほどの日時で開催の手続きをさせていただきたいことと、緑のファイルと黄色のファイルについては、サインをして置いていただければ次回に用意させていただきますのでよろしくお願いします。

会長

それでは協議会を終了いたします。お忙しいところありがとうございました。

お問い合わせ先

東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当

電話番号:03-5388-3055