インターネット上で主に行われる取引は、商品の購入、サービスの提供、オークションなどがありますが、消費者が事業者と取引しようと、インターネット上で商品やサービス(役務)の申込みを行う場合、その商品やサービスが指定商品、指定役務等であれば、特定商取引法の通信販売に該当します。
オークションのように、個人が出品して商品を販売するような取引形態においても、「インターネットオークションにおける「販売業者」にかかるガイドライン(平成18年1月31日:特定商取引法通達の改正)」において、下記のような条件を満たす場合は、個人で出品していても「販売業者」とみなされる場合があります。
インターネット上で通信販売を行う事業者に対しては、主に以下の規制があります。
商品代金と送料、支払方法、引渡時期、商品引渡し後の引取り(返品)についての特約に関する事項、事業者の氏名、住所、電話番号、責任者氏名、メールアドレスなどの表示義務があります。
「著しく事実に相違する表示」や「実際のものより著しく優良であり、もしくは有利であると人を誤認させるような表示」は禁止されています。
消費者が商品の引渡し前に代金全部あるいは一部を支払い、その後商品の引渡しに時間がかかるときは、事業者は、その申込みの諾否や、受領した年月日や金額、引渡時期などを記載した書面(予め申込者から承諾を得ればメールでも可)を渡さなければならないとされています。
例えば、そのボタンをクリックすることで有料の申込みとなることを、消費者が容易に認識できるように表示していないこと、消費者が申込み内容を容易に確認し、かつ、訂正できるように措置していないことを禁止しています。
申込みフォームなどを用いて商品購入やサービスの申込みを行う場合、例えば「1つ注文するところを10個と間違えて注文してしまった」などの操作ミスが発生しやすく、また、インターネット取引は隔地間で行われるため、その契約成立時期がいつなのかが問題になることがあります。そのため、「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」により、その2点を規定しています。
事業者側で、消費者が入力した内容を確認できる措置を講じていない(確認画面がない)場合には、申込みに関して消費者側に重大な過失があっても、民法第95条の錯誤無効を主張することが出来るとされています。
インターネットなど電子的方法を用いて、申込みに対する承諾の通知を発する場合、特に事前の特約がない場合は、承諾の通知が到達した時点が契約の成立時期と考えます。これは、事業者と消費者との間の取引に限定されません。
インターネットは海外取引が容易ですが、トラブルに遭遇すると特に解決が困難です。しかし、例えば決済手段をクレジットカードにしておけば、万一商品が届かなかった場合でも、クレジットカード会社に異議申し立てをして、調査の結果、返金手続きがされるケースがありますが、海外に為替や送金で支払った場合は救済手段がほとんどありません。海外取引においては、決済手段の選択は非常に重要です。
また、海外との取引でどこの国の法律を適用するかにおいては、平成19年1月に「法の適用に関する通則法」が施行され、海外の事業者と取引した日本の消費者は、日本の消費者保護法規中の強行規定による保護を受けられるようになりました。
「返品したいが可能か」「返品を受けてくれない」といったトラブルです。
通信販売の場合、消費者が自分から取引を申し出る取引形態であり、訪問販売や電話勧誘販売のように契約に関して不意打ち性がないため、クーリングオフ制度はありません。
そこで通信販売では、返品に関する特約を予め表示しておく義務を負います。「返品・交換不可」という特約も可能ですが、届いた商品が不良品であったり、違う商品が届いた場合は返品・交換を受け付けてもらうことが出来ます。ただ事業者によっては、その場合でも、返品・交換の申し出期限を定めている場合もありますので、商品が届いたらすぐに中身を確認することが必要です。
オークションなどの個人間取引でも「ノークレームノーリターン」と書かれた出品に対しては、不明な点があれば質問して納得した上で入札します。
「代金を支払ったにもかかわらず商品が届かない」「代金支払い後、事業者と連絡が取れない」といったトラブルです。
代金を前払いして商品が届かない場合は、明らかに詐欺のケース、詐欺とまではいえなくても事業者が自転車操業状態に陥っているケース、小規模事業者が諸事情により一時的に対応がストップしているケースもあります。その他、顧客対応に慣れていない事業者と商品引渡し前に感情的なトラブルを起こし、商品を送ってもらえないというケースもあります。
事業者の債務不履行であれば、簡易裁判所の少額訴訟による解決も検討できます。
取引ではありませんが「掲示板で実名を挙げられて誹謗中傷された」といったトラブルです。まずは、プロバイダや掲示板管理者に、その情報の削除を求めることになりますが、「特定電気通信役務事業者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任法)」では、その際のプロバイダ等の損害賠償責任の制限が設けられています。
また、自己の権利が侵害されたことが明らかで、さらにその損害賠償請求のため必要な場合や正当な理由がある場合は、そのプロバイダ等に対し発信者情報の開示請求をすることができます。