更新日:2022年11月30日
「内職商法」は「サイドビジネス商法」とも言われ、特定商取引法で「業務提供誘引販売取引」として規制されている販売形態です。
事業者は消費者に、契約をする前に取引の概要を記した書面(概要書面)を渡し、契約に際しては、契約書面を交付することが義務付けられています。
概要書面の記載事項は、事業者の氏名・住所・電話番号・代表者氏名、商品・サービスの性能・品質等の重要事項、商品名、提供・あっせんされる業務についての条件(仕事の量・報酬の単価・計算方法・条件など)、特定負担(購入する商品・サービスの数量、金額、提供方法など)に関する事項、契約解除(クーリング・オフ)に関する事項などです。
どのような仕事が、どれだけどのように提供され、支払われる報酬の単価や金額はいくらか、また仕事を得るために条件がある場合はその条件などが、明確に書かれている必要があります。
契約書面は、契約の具体的な内容が記載されており、契約成立後遅滞なく交付することが義務付けられています。内職商法(業務提供誘引販売取引)は複雑で分かりにくいため、書面交付義務が2段階になっています。
業務提供誘引販売取引では、契約書面を受け取った日から数えて20日間以内であれば、書面または電磁的方法(電子メールの送付等)により契約の解除(クーリング・オフ)ができます。
また、クーリング・オフに際し業者がクーリング・オフできないなど、事実と違うことを言ったり、威したりしたことにより、消費者が誤認・困惑してクーリング・オフしなかった場合は、20日を経過していてもクーリング・オフできます。契約書面に法律で決められた事項が記載されていなかった場合も、20日を経過していてもクーリング・オフできます。
契約解除後は双方が原状回復義務を負うことになり、事業者は損害賠償や違約金の請求はできません。事業者は受け取った代金を返還し、消費者は商品を返還します。商品の引き取り費用も事業者負担です。
クーリング・オフの通知は、書面の場合は「特定記録郵便」または「簡易書留」で出すことが望ましいです。電子メールの場合は送信メールを保存し、ウェブサイトのクーリング・オフ専用フォーム等であれば画面のスクリーンショットを残しておきましょう。
勧誘に際して業者に事実と違うことを告げられ、その内容が事実であると信じて契約した場合や、故意に事実を告げられなかったために誤認して契約をした場合は、契約を取り消すことができます。
平成28年の改正で取消権は追認できる時から6カ月が1年に延長されました。
(特定商取引法改正:平成28年6月3日公布、平成29年12月1日施行)