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更新日:2017年2月17日
日本大学では、10年以上にわたり、当センターの出前講座を新入職員研修に取り入れていただいています。実際にどのようにご活用いただいているのかを、人事部のご担当者を訪ねてお話を伺いました。
日本大学では、3月と4月の2回、一週間程度の新入職員向けの研修を実施、12月にはフォローアップ研修を実施しています。3月、4月に行う研修では、新入職員が職場で即戦力となれるように、ビジネスの基本である文章の書き方などから、個人情報の取り扱いに関することなど、様々な内容を取り入れています。大学の成り立ちや実務的なことも多いため、学内講師を呼ぶことが多いのですが、内容によっては学外から講師を呼ぶこともあり、その一つとして、消費者被害防止のための講座を取り入れています。
この講座については、まずは職員自らが被害に遭わないことが大事ですが、大学職員として、学生が消費者被害に遭って困ることのないように気を配れる人材となって欲しいという目的もあります。
学生課からの情報によりますと、学生相談室では、カルト宗教への勧誘や悪質商法被害について等、様々な相談が寄せられているとのことでした。対応は、その時々の状況により、職員が仲裁に入ることもあれば、消費生活センターの窓口に問い合わせるようにアドバイスすることもあるようです。毎年夏に行っている学生部主催の研修会でも、過去にマルチ商法等への勧誘対策をテーマに行ったとのことでした。悪質商法、その他詐欺被害等に係る相談を受けた時の対処方法や消費生活センターの連絡先については、教職員のための学生対応ガイドブックである「学生サポートガイドブック」(写真左:平成23年度3月1日現在のもので、現在は最新版を作成中)にも掲載されています。
新卒で採用された職員ですと、それまで学生として大学に係ってきたのが、いきなり逆の立場になりますので、学生対応はなかなか難しいと思います。半面、学生からすると、非常に近い存在でもありますから、相談しやすいという面もあります。この取組を通して、職員に学生を消費生活トラブルから守るサポートができるようになっていただきたいと思います。
若者の消費者トラブルの具体例や対処法を一度でも聞いていると違います。慌てずに、無視してよいこともわかりますので、安心感を持つこともできます。何も知らないでいるとやはり、架空請求等不審なメールを受け取った時に慌ててしまって、つい、悪質事業者に対応してしまうことなども考えられます。
学生を取り巻く生活環境や社会情勢などは、日々変わっていますので、講師には、SNS関係であったり、新たな話題や内容などを積極的に取り入れてもらうようにお願いしています。
また、日本大学は、組織として非常に大きいため、研修が終わった後、各地域の大学等に配属になります。人事部は立地上、大学内にはありませんし、大学のキャンパスも様々なので、研修を受けた職員が現場の業務で学んだことをどのように活かしているのかをみることはできません。そのため、研修が終わって配属先で成果を発揮しやすいように、所属長に内容を知らせておくなどの工夫をしています。
「こういったことは意識していなかった」、「注意するようになった」などの声がありました。この取組の効果かどうかはわかりませんが、職員から消費者被害に遭ったなどの話は聞きません。
また、消費者被害防止のためのパンフレット等は大学本部としては発行していませんが、各学部において、「詐欺まがいの行為に注意!」「『人間力養成』をうたう講座勧誘に注意!」「学外の就職支援講座の執拗な勧誘に注意!」などの掲示をするなど、その時々の状況に応じた注意喚起を行っています。
今後も引き続き、消費者教育を研修の中に取り入れていきたいと思っています。講座には、若者を取り巻く社会環境に合わせて、トレンドを取り入れてもらうようにリクエストしていきます。
講師からもアドバイスを受けましたが、大学が様々な場所にありますので、地元の消費生活センターから情報を得たり、東京くらしWEBを活用するなど、能動的に消費生活に係る知識を得られるようになればと考えています。
まずは、職員がトラブルに巻き込まれないことが重要ですが、次の段階では、学生の消費者被害を防ぐために適切な助言ができるようになれば良いと考えています。
お問い合わせ先
東京都消費生活総合センター活動推進課高齢者見守り・連携担当
電話番号:03-6228-1331
ファックス番号:03-3268-1505