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相談の窓口から
老後の安心を得るための生前契約
~契約は慎重に~

Q 70歳女性の一人暮らしです。子供はなく親戚とも疎遠にしています。老後の生活に不安を感じ、3年前、身元保証や死後事務委任などの生前契約を扱っている業者と契約しました。入会金、身元保証料などを含めた約150万円の前払い金と、死後事務委任の費用として約30万円を支払いました。その後、業者の経営状態が悪化し倒産することになったとの通知があり、管財人が開く説明会に出向くと、前払い金等の返金についてはまだ詳しくは回答できないとのことでした。別の業者と契約をしたいのですが、どこか信用できる業者はあるでしょうか。
A 身近に頼る人がなく老後について自分で準備しなくてはならない人や、家族や親戚がいても自分のことで負担をかけたくないと考える人が増えています。特に、病院への入院や高齢者施設への入居を申し込む際の保証人の問題、あるいは自分の死後の葬儀や自宅の後片付けの問題は、シニア世代にとっては深刻な悩みとなっています。こうしたシニア世代が将来に備えて、身元保証業務、財産管理、日常生活支援等の生前事務、判断能力が不十分になった時の後見事務、葬儀などの死後事務等の契約を結んでおくことを「生前契約」と呼んでいます。
 最近、ある生前契約事業者が倒産したとの報道がありましたが、業者が倒産し、前払い金等を保全していない場合は、その返還は難しくなるだけでなく、財産管理や日常生活支援等のサービス提供もなくなり、保証契約も消滅します。現在、このような「生前契約」については規制する法律がなく、万一、業者が倒産した場合には消費者が多大な被害を被ることになります。生前契約サービスの実施先として、自治体が日常生活支援や保証機能のあるサービスを、財産管理等は地域福祉権利擁護事業として、居住地の社会福祉協議会が提供している場合もあり、葬儀の実施や残存家財の片付けを行うサービスを提供している公益法人等もあります。また、判断能力がある時に任意後見人を決め、将来判断能力が不十分となった時に任意後見契約を発効させる方法もあります。詳しくは居住地の自治体にある高齢者相談窓口、もしくは消費生活センターに相談されるとよいでしょう。
相談窓口のご案内… TEL03-3235-1155

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