今月の話題 > 特集1 >
特集2
 |
| 東京都消費生活総合センター |
高齢者の消費者被害が年々増加しています。
その要因として、高齢者は、身体能力や判断力の低下、経済的不安、健康不安、周囲とのコミュニケーション不足による情報不足や寂しさ等を抱えていることが考えられます。悪質な事業者はこうした高齢者の弱みをついて、さまざまな手口で契約を迫ってきます。
そこで、悪質商法による二つの事例を挙げ、その特徴や対応策をお伝えするとともに、高齢者自身だけでなく、周りの人々が気づく(発見する)ポイントについても紹介いたします。


相談事例 自宅に車でお迎え…展示会場で数人に囲まれ強引に契約させられる!
80歳近い高齢の母が、友人に誘われて展示会に出向き、洋服などを契約させられました。その後も、断っても車で迎えにきて会場に連れて行かれ、数人の担当者に囲まれて「お似合いですよ」などと言われ、断り切れずにスーツ(35万円)、コート(48万円)、ペンダント(66万円)などを次々に契約したようです。契約総額はなんと500万円にもなっていたのでビックリしました。
母は、出かける機会が少なく、購入品は身につけていないものがほとんど。年金では支払えなくなり、娘のわたしに相談してきて、初めて被害にあっていたことに気が付きました。

手口の特徴
| ■ |
きっかけは、友人の誘いやダイレクトメール、電話などで「無理にはお勧めいたしませんので、気軽にどうぞ」などと誘ってくる。 |
| ■ |
記念品や食事を提供したり、バス旅行やタレントショー等に招待をして、高額な商品の契約を断れない状況に追い込んでいく。 |
ココに注意!
● 知らない事業者からのダイレクトメールや電話などの勧誘は断る。
見ず知らずの事業者が、自宅の電話番号などを知っていることが怪しい。
● 業者からプレゼントをもらったり、無料招待券を受け取らない。
無料招待などの “うまい話”はない。
ほかにも、こんな手口で狙っています!
うまい誘いのその先に…「ダマそうとする“罠(わな)”がある!」
自宅にいることが多い高齢者を狙って訪問し、「ダニがたくさんいるので健康を害する」などと言って次々に布団の契約をさせたり、「このまま放置すると家がダメになる」と不安にさせて次々にリフォーム工事の契約をさせる。また、高齢者の健康不安に付け入り、「長生きができる」「薬いらずになる」などと言って、次々に健康食品や健康器具の契約をさせる。

相談事例 100円で米・パン・味噌を販売…最後は高額な浄水器の契約
近所に住む一人暮らしの父が、近くにできた空き店舗に毎日出向き、パンやお米・しいたけ・味噌・餅などを100円で購入しては帰ってきます。また、翌日の入場チケットがもらえて健康講座を聞けるらしく、父は「販売員の話はとてもおもしろく、みんな盛り上がっている」と喜んで通っています。
しかし最近、血液がサラサラになるという高額な「空気清浄器」を購入させられていることが発覚。ほかにも何か買ったのか、と聞いたところ、健康食品など次々と高額な商品を買わされていました。どうやら父は「買わなきゃ損する!」という気持ちにさせられてしまっているようです。

手口の特徴
| ■ |
きっかけは、「格安」・「無料」のチラシや引換券で会場に誘う。 |
| ■ |
閉め切った会場で食料品などを格安で販売・無料提供しながら、雰囲気を盛り上げる。 |
| ■ |
100円商品の販売や健康講座を開くなど、高齢者の関心を引き付け、何度も通わせる。 |
ココに注意!
●「無料」や「格安」のチラシ・引換券は、受け取らない。
無料配布や格安で買える誘いには何かある。
● 誘われても絶対に会場へ行かない。
会場に行くと「買わなければ損する」という気持ちになったり、途中で帰りたいと思っても帰れなくなる。
● 会場が臨時店舗などの場合は注意。
商品を契約したあとに「変だ!」と気づいたときには、もう業者はいない。
ほかにも、こんな手口で狙っています!
うまい誘いのその先に…「ダマそうとする“罠(わな)”がある!」
駅前や高齢者が集まりそうな路上で、無料商品や商品引換券などを配って閉め切った会場に誘い込み、「欲しい人、手を上げて!」「早い者勝ち!」などと言って、日用品等をタダ同然で配り、だんだんと集まった人たちの気分を高揚させ、会場の雰囲気を盛り上げます。最終的には、「買わなきゃ損する!」などと思い込ませて、健康食品や健康器具、羽毛布団など高額商品を売りつけ、事業者は、そのままいなくなってしまいます。

次のような点に気づいたら、お節介と思わずに、また、思われても「ちょっとひと声」かけて、世間話などしながら、確かめてみてください。
なにか変だな……
- 自宅に…
- ◆見慣れない商品がある。
- ◆同じ商品が必要以上にある。
- ◆業者から頻繁に電話がある。
- ◆契約書や見積書、領収書がある。
- 最近…
- 「出掛ける回数が増えたな」と感じる。
|
|
 |

周囲が悪質商法の被害を察知・発見しても、高齢者本人は、だまされていることに気付かない(思わない)ことが多いのです。
- ◆それが本当に必要な契約、商品、サービスなのか、本人に確かめてみましょう。
- ◆迷わずにお近くの消費生活センターに通報しましょう。
|
高齢者の消費者被害防止のための地域におけるしくみづくり
紹介した事例のほかにも、点検商法や利殖商法と呼ばれるものなど、さまざまな悪質商法がはびこっています。被害にあった高齢者の多くは、強引な勧誘で契約させられた場合でも、
契約してしまったのだから支払う義務があると思い込んでいたり
契約した自分を責めたりします。
また、家族など他の人に見つからないように
”被害を隠す“傾向もみられます。このため、高齢者の被害は、なかなか顕在化しないという特徴があります。
被害を掘り起こし、未然に防ぐことや早期発見するには、家族や近所の人、民生委員やヘルパー、ケアマネジャー等の高齢者の周りの人々が高齢者の行動を見守り、変化に気づくことが大切となります。
そこで、東京都では今年の3月に、高齢者の身近にいる人々の協力により、被害を発見していくしくみづくりを構築するための
「高齢者の消費者被害防止のための地域におけるしくみづくりガイドライン」を作成しました。これは住民の身近な存在である区市町村が地域の実情にあった「地域の力」を活用した見守りに役立ててもらおうというものです。
今後は、概ね3年程度を目途に全区市町村において、高齢者被害防止のしくみづくりに向けた取り組みが進み、都全域にセーフティネットが構築されることを目指します。
地域におけるしくみづくりの要件とイメージ図について、
「特集2」をご覧ください。
なお、ガイドライン本文は
ホームページ「東京くらしWEB」でご覧になれます。