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高齢者被害防止キャンペーン月間 特集1 >特集 2 >特集 3 東京都消費者啓発員・消費生活アドバイザー
高齢者の悪質商法による被害の急激な増加は、手口の悪質性とともに、大きな社会問題となっています。高齢者の消費者被害の特徴として、「本人がトラブルに気づかない。あるいは、気づいても第三者に伝えることをしない。そのため、被害の発見が遅れ、だまされて奪われた大切な財産を元に戻すことが困難になる。」といったことが挙げられています。 最近では、悪質商法による被害の実態を、行政や関係機関が次々に公表し、マスコミでも大きく取り上げて報道していることもあって、多くの人が今まで以上に消費者問題に関心を持つようになりました。また、高齢者の被害を防ぐには、家族、近隣の人、高齢者を支えているホームヘルパーなど周囲の人による見守りが大切であることが指摘されるようになり、地域ぐるみで高齢者の見守りに取り組む人びとも出てきました。 この見守りで発見された高齢者の被害には、言葉では言い尽くせないほど悲惨な事例もありました。 私は、都の消費者啓発員として派遣講師を務めるかたわら、地元、国分寺市において、「介護保険サポーター」として、高齢者支援のお手伝いをしています。そこで、今回は、高齢者の被害防止のためのネットワークづくりについて、お話したいと思います。 1.高齢者支援の現場でも「問題あり」のサイン 東京都では、高齢者の身近で働いているケアマネジャーや高齢者相談担当者を対象に、高齢者の消費生活トラブルの実態などについてのアンケート調査を行い、その結果を昨年5月に発表しています。 それによると、高齢者の被害が増えていると9割の人が感じており、また、被害を発見したときは、本人や家族に消費生活センターなどへの相談を勧めたり、解決のための橋渡しをしていると答えた人がかなりいました。 また、8割の人が、高齢者の消費者トラブルを解決するためには、自分たちも悪質商法についての知識を高めることが必要だと答えています。 2.出前講座で「悪質商法の実態」を情報提供 昨年7月初旬から9月末にかけて、東京都は、高齢者の介護支援をしているホームヘルパー、ケアマネジャーなどを対象に、「狙われる高齢者・悪質商法の実態」と題して、消費者啓発員による出前講座を実施しました。 受講者は50団体、延べ1千600人余りと、短期間に大勢の方が、暑いなか参加されました。 私も講師を務めさせていただきましたが、受講者から、「一人で外出はできないが、玄関までは出て来られる人」の被害事例の報告がありました。また、被害の拡大を防ぐために情報の共有化が必要なのでは、といったご意見もありました。 3.消費生活センターを中核とした「見守りネットワーク」の取り組み 今、日本のあちこちで、消費者被害防止のためのネットワークづくりの取り組みが行われています。 昨年10月、新宿区は、消費生活センターを中核とした「悪質商法被害防止ネットワーク」事業を立ち上げました。悪質商法による被害の早期発見、回復、拡大防止を目的とし、区の消費生活センターと、高齢者の身近で働く人、地域で見守る人が連携したネットワークです。被害を発見した場合は、ご本人の了解のもと、通報が素早くできる仕組みになっています。 東京都でも、介護事業者や民生委員など高齢者の身近にいる人びとや、区市町村とも連携して、都内全域で高齢者を悪質商法から守るための仕組みづくりに取り組んでいます。今年4月には、高齢者や家族からの相談電話「高齢者被害110番」とともに、介護事業者などの通報・問い合わせのための電話「高齢消費者見守りホットライン」が消費生活総合センターに設置されました。また、今年6月から、介護事業者や地域の見守りネットワークの人びとを対象にした出前講座が実施されています。 4.国分寺市「介護保険サポーターズ」のネットワーク活動 私の住む国分寺市には、平成14年4月から、市民ボランティアで市主催の研修修了者「介護保険サポーター」(現在64名)による、市内8地域での高齢者の見守り・相談のネットワークがあります。 グループ名を「介護保険サポーターズ国分寺」といい、私もそのサポーターの一人ですが、当初は、介護保険制度を上手に使うという高齢者の新しい生き方のお手伝いをするために、介護が必要と思われる高齢者と一緒に、市に相談に行ったりしていました。市の職員に「歩いて来られる人がなぜ介護保険が必要なの?」と聞かれるなど、地域での活動の難しさを経験しました。 しかし、2年、3年と経つにつれ、市の介護保険実態調査や福祉計画の生活実態調査の調査員として高齢者宅を訪問するなど、地域の高齢者の生活実態調査に協力するようになりました。 介護保険サポーターの中には、自分の地域で支援を必要とする高齢者全員を把握している人もおり、悪質商法の被害にあったり、問題がある場合は、ご家族に知らせるなど、適切なところへ橋渡しをしています。
5.地域における「見守りネットワーク」の成功の鍵は 高齢者や子どもが地域で安心・安全に暮らすために、「地域の支え合い」の担い手として、お節介おじさん・おばさんの存在が社会的に認知されてきたと思います。このおじさん・おばさんを含めた地域のさまざまな社会資源をネットワーク化するために、いろいろな取り組みが行われています。 悪質商法による高齢者の消費者被害防止を目的として、地域全体でネットワーク化に取り組んでいけば、多くの目で高齢者を見守ることができるようになるでしょう。 ネットワーク化の成功の鍵は、「生活支援を必要とする人のために、見守りを行うことの重要性を共感できる多くの人たちが連携し、地域ケア体制をつくること」だと思います。 そのためには、行政と市民が連携し、協働で仕組みづくりを考えていく必要があると思います。また、市民の適切な活動のためには、行政の継続的な支援が非常に大切だと思います。 6.ネットワークづくりは新しい人づくりから 「団塊の世代」の活力を ![]() 現代社会は核家族が当たり前、隣人との付き合いも挨拶程度が一般的となっている東京ですが、ここで、新しい仕組みづくりにチャレンジしてはいかがでしょうか。 ちょうど団塊の世代が退職され、地域社会に戻ってこられます。ぜひ、地域の活力となっていただき、活躍していただきたいと思います。 新しい「地域ケア体制」で、安心・安全な「福祉のまちおこし」を、おすすめいたします。
【高齢者被害防止キャンペーン月間】 |
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