
3年前、税金対策の話をしたいと不動産販売業者から電話勧誘があり、喫茶店で話を聞きました。投資用マンションの購入を勧められ、「所得税の節税ができる」「賃貸にすると家賃収入で住宅ローンが払え、差額の1万円は収入になる」「入居者がいない場合でも、一生家賃の9割は保証する」と説明されました。そこで、2千万円の物件を購入し、販売業者と家賃保証付きの賃貸契約をしました。しかし、最近、家賃が振り込まれなくなり、担当者に苦情を申し入れても、一向に振り込みがありません。どうしたらいいでしょうか。

低金利時代、ペイオフ解禁や老後の資金への不安の中で、高利回り商品として、不動産投資の人気が高まっています。「サラリーマンのための不動産経営」について書かれた本もたくさん出版されているようです。
不動産経営のメリットとしては、(1)安定した収入が確保できる、(2)節税対策になる、(3)一人で始めることができる、(4)設備投資がそのまま資産増につながる、などがあります。
しかしその反面、リスクとしては、(1)入居者を常に確保できるかどうかはわからない(空室リスク)、(2)継続して定額家賃を確保できるとは限らない(値下がりリスク)、(3)金利が上がり借入金の返済が困難になるかもしれない(金利上昇リスク)、(4)年数の経過で建物が古くなり資産価値が下がる(建物老朽化リスク)、(5)必要な時に換金できるとは限らない(換金リスク)、などがあります。
この事例では、相談者はマンションの一室を購入したうえで、販売業者と家賃保証付きの賃貸契約を結びました。販売業者はその部屋を入居者に貸し出すことで家賃収入を得ますが、入居者がいない場合でも一定の額の家賃を家主に支払うのが、家賃保証です。
センターが貸室賃貸借契約書および家賃保証契約書を確認したところ、「契約期間が2年間であること」、「2年ごとの更新の際には保証賃料(保証する家賃の額)を見直すこと」、「解約する場合は3カ月の予告期間が必要であること」が記載されていました。販売業者から保証賃料の見直しや解約についての話はなかったとのことなので、相談者には、販売業者に対し、再度、保証賃料の請求をするよう助言しました。
保証賃料や契約期間については、契約書でよく確認しておく必要があります。
最近、投資用マンションの勧誘をめぐり、「会う約束をするまで長時間電話を切ってもらえなかった」「会社名を言わず、一方的に投資用マンションの話をされて迷惑した」などの苦情が増えています。強引な電話勧誘は、宅地建物取引業法の禁止事項に該当し、行政処分の対象になります。
契約をした場合でも、売買契約を販売業者の事務所等以外の場所でした場合は、宅地建物取引業法によりクーリング・オフができます。販売業者がクーリング・オフについて説明したときから8日以内であれば、無条件で解約できます。
投資用マンションは高い買物です。販売業者のセールストークをうのみにせず、物件の状況、立地条件、将来性、実質利回りなどを良く調べ、契約内容をきちんと確認する慎重さが必要です。 |