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トップページ > 商品安全 > 東京都商品等安全対策協議会 > 折りたたみ椅子等の安全確保について > 第5回 「折りたたみ椅子等の安全確保について」 議事要録

更新日:2013年3月21日

第5回 「折りたたみ椅子等の安全確保について」 議事要録

【日時】平成20年3月27日(水)14:30~15:30
【場所】都庁第一本庁舎北塔 42階特別会議室A

(事務局)生活安全課長

それでは、定刻になりましたので、ただいまから第5回の安全問題協議会を開催いたします。

本日はお忙しい中ご出席いただきましてありがとうございます。

資料の確認ということですが、会議次第を1枚めくりますと報告書案がございます。今日はその資料のみでございます。

それでは、議事進行について、会長、よろしくお願いしたいと思います。

詫間会長

それでは、資料もお手元にそろったかと思いますが、昨年の10月24日でございましたか、第1回を同じく都庁で開催させていただきまして、今回で最終回、第5回ということでございます。委員の先生方には大変お忙しいところを各回出ていただきまして感謝いたしておりますが、最終回ということで、これは何かパリのユネスコの国際委員会の会議場のような感じがいたしますが、立派な会場も確保していただきまして、感謝いたしております。お手元にすでに1週間ほど前に冊子体としてプリントアウトしたものを本協議会の報告書案ということでお配り申し上げまして、一部の方からはいろいろご意見も賜っているわけでございますし、また本日、意見をお持ちくださった方もあるように存じますが、そういうことでございますが、いずれにしても、この報告書をいまおられます宮川部長様のほうに本協議会の最後にお手渡しをできるように進めさせていただきたいと思いますので、皆様方のご協力をお願いいたしたいと存じます。

それでは、最初といいますか、お手元に今日改めてまた「折りたたみ椅子等の安全確保について」という本協議会の報告書案をお配りしておりますので、62ページもございますから、詳細に微に入り細に入りということになりますと時間がとてももちませんので、それのポイントを重要なところ、主だったところを列挙させていただいて、ご説明を櫻井係長さんのほうからお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

(事務局)安全担当係長

安全担当係長の櫻井と申します。

それでは「折りたたみ椅子等の安全確保について」の報告の内容についてポイントを説明させていただきたいと思います。

初めに目次をごらんいただきたいと思います。

この報告書は4部構成になっております。一つ目は「折りたたみ椅子等の安全対策の必要性」。二つ目は「折りたたみ椅子等による危害・危険に関する調査等」。この調査については、アンケート調査、事故状況再現試験、規制の現状、この三つで構成されております。三つ目としまして、「折りたたみ椅子等による危害を防止するための課題」。四つ目が「折りたたみ椅子等の安全確保に向けた今後の取り組みについての提言」であります。

1ページ目をごらんいただきたいと思います。初めに「折りたたみ椅子等の安全対策の必要性」について、第1回目、第2回目でお示ししました関係機関に寄せられた事故情報をもとにしまして掲載しております。

一つ目としまして、2ページ目をご覧いただきたいと思います。事故の現状でありますが、独立行政法人国民生活センターの全国消費生活情報ネットワークシステム、PIOーNETと言いますが、PIOーNETに過去10年間に折りたたみ椅子等による指挟み事故については52件発生しておりました。そのうち、折りたたみ椅子については23件、さらにそのうち10件が折りたたみ椅子の稼働部に指を挟み、指の先を切断するという事故が発生したということでございます。その10件のうちの5件については12歳以下の子供に発生していたという事実がわかりました。

次に独立行政法人製品評価技術基盤機構の過去30年間の製品事故情報によりますと、折りたたみ椅子が関係した事故は25件、そのうち手指が挟まれた事故は12件でありました。

3ページ目に移りまして、東京消防庁さんの「都民生活における事故」によりますと、速報値で11万件の救急事故のうち、家具、椅子、たんす、机などが原因となった事故は、 4,650件と3番目に多く、折りたたみ椅子等で救護された人員は33人です。手指の「挟まれ」がそのうち9件、その中に中等症が1人という結果でありました。

4ページ目をご覧いただきたいと思います。以上の結果から、ハインリッヒの法則、これはアメリカの方でありますが、労働事故や災害の発生確率を分析したものでありますが、これの割合を応用して考察しますと、1件の切断等の重症事故の裏には29件の軽傷事故、 300件の局部障害など、多数の事故が発生しているのではないかということが考えられております。

5ページ目にいきまして、以上の結果から、まだ潜在化している事故数は多発しているのではないかということで実態調査を行うことといたしました。

一つ目の消費者アンケート調査であります。これについては、都内の12歳までの子供がいる世帯を対象としまして、 1,000世帯以上から折りたたみ椅子の事故情報を収集することを目的として行いました。調査事故については昨年の11月16日から23日までの約1週間実施いたしました。調査内容については次の (オ) のところに掲載しておりますので、ご覧いただきたいと思います。回収の状況でありますが、6ページ目であります。調査対象 1,670人の方に依頼しまして、そのうち 1,169人から回答をいただきました。有効回答率は70%であります。その 1,169人からいただいた事故発生回収件数は 2,910件。そのうち具体的な事故事例を書いていただいた件数は 1,229件であります。

7ページ目に移りたいと思います。調査の結果でありますが、折りたたみ製品が関係し た事故については全体の 1,169人中 700人、59.9%の世帯で事故が発生しておりました。

次に下のBに行きます。ケガが発生した割合ですが、下の図のように18%、 211人の方の世帯でケガが発生しておりました。

8ページ目をごらんいただきたいと思います。折りたたみ椅子で一番多く事故が発生しており、継いで折りたたみテーブル、折りたたみ式ベビーカーと続いております。

その折りたたみ椅子についてですが、9ページ目の上の図をごらんいただきたいと思います。折りたたみ椅子については、ほかの製品に比べ一番多く発生しており、危害も 123件と一番多く発生しておりました。折りたたみ椅子をさらに詳細に分析しましたところ、上から、子供用、次が大人用、3番目が屋外、アウトドア用の製品であります。このうち一番多いのは子供用でありますが、次いで大人用の折りたたみ椅子でも事故が発生しておりました。この中で特徴としましては、大人用の折りたたみ椅子で危害が48件と一番多く発生しておりました。

10ページ目をご覧いただきたいと思います。事故の当事者でありますが、危害が発生したのは全体で48.7%と約5割が12歳以下の子供であります。それをさらに細かく見ますと折りたたみ椅子については全体の58.1%が12歳以下の子供でありました。その折りたたみ椅子について、また子供用と大人用、アウトドア用と分けて分析しましたところ、子供用は予想どおり70.4%、子供がケガをしていたんですが、特徴としましては、次の大人用のところで51.7%、約半数が大人用の椅子で子供が危害にあっていたという事実がわかりました。

11ページ目をご覧いただきたいと思います。次は事故の原因についてであります。全体としまして57.0%、約6割の方が保護者、使用者の不注意と考えている傾向が明らかになりました。折りたたみ椅子だけを見ますと、全体とほぼ同様の結果で、約6割の方が保護者、使用者の不注意という結果となっております。

12ページに移りたいと思います。12ページでは危険性を感じていなかったかどうかを聞いたものでありますが、危険性を感じていた人の割合は38.4%、約4割でありますが、危険性を感じていなかったと回答した人が49.2%、約5割の方が感じていなかったという結果になっております。折りたたみ椅子についても同様の結果が出ております。

13ページ目に移りたいと思います。13ページ目では事故の苦情の申し出先について質問した内容であります。左上の全体、製品自体、表示・取扱説明書に問題ありと考えていた方が 533人の内容を分析したものであります。問題ありと思っていてもどこにも申し出なかったというのが95.3%と、ほとんどの方がどこにも通報はしておりませんでした。さらに折りたたみ椅子だけ抽出した図が右側のところでありますが、折りたたみ椅子では 132人の方に聞いたものであります。これも同様にどこにも言わなかった、申し出なかったのが92.4%で、ほぼ全体の傾向と同様の結果が出ております。参考に、下に国民生活動向調査の調査結果も掲載しております。この調査結果では苦情を相談したり、伝えたりした割合では、相談割合が56.3%、約半数から6割の方が相談されていたという傾向が出ております。これと比べても危害を伴う事故があっても、なかなか通報しないという傾向がこれで明らかになりました。

14ページ目に移りたいと思います。事故事例の分析、安全性についての意見、要望についてですが、初めに事故事例の分析を行いました。年齢区分で、0歳から5歳、6歳から12歳、20歳以上というカテゴリーで分けて分析をいたしました。0歳から5歳の傾向としましては、家庭内での事故が多く、特徴としては大人が座ろうとしたとき、または収納しようとしたときに子供が事故に巻き込まれる傾向が見受けられました。6歳から12歳の傾向でありますが、先ほどの5歳までの傾向と違い、体育館、公民館での事故が多いということが明らかになりました。子供自身が、片付けの作業時、または座るときに事故が起きているということであります。次に20歳以上、大人でありますが、大人は先ほどの二つの事例と違いまして、会社、公共施設での事故が多い。これもやはり片付け、設置時に事故が起きているということであります。

次にBの安全性について感じていること、不安や疑問についてという質問をした内容であります。 337件の回答がありまして、そのうち安全性については 184件寄せられ、安全を重視した設計を望む声が多いということがわかりました。不安や疑問についても 153件寄せられておりました。

次に15ページのCの行政や事業者への要望でありますが、要望については 189件寄せられ、代表的な意見として、安全性重視の設計、危害軽減対策を望む要望が多いことがわかりました。

飛ばしまして、17ページ目をご覧いただきたいと思います。ここでは事故状況再現試験の内容を掲載しております。この試験については、独立行政法人産業技術総合研究所、持丸先生が所属しております研究所の協力を得まして試験を実施いたしました。試験は昨年の11月30日に行っております。試験対象としまして三つ。3種類流通していることがわかりましたので、一つ目、リンク式タイプ、二つ目として前後脚分離タイプ、三つ目としてシリンダータイプ、これは前回も説明しておりますので省略いたします。

18ページ目でありますが、前回ご指摘がありました折りたたみ椅子の構造がわかりづらいということでしたので、今回はそれぞれのタイプについて図解をして説明をしております。

19ページ目に移りまして、試験対象として先ほどの三つの種類を試験いたしました。そのうちシリンダータイプについては、オフセット、要するに前後脚が重なる、重ならないタイプ、二つございましたので、そのもう一つのタイプをつけ加えた4種類を対象として試験を行いました。試験方法としましては、19ページ目の下のところにあります。それぞれ着座時に指を挟む、または収納時に指を挟むという試験を行いました。

20ページ目に移りたいと思います。試験結果でありますが、先ほどの試験対象1と2については、私が被験者となりまして、実際に座って、鉛のパイプを試験品として使用しました。その結果でありますが、表11にありますとおり、試験対象1と2については完全に凹んでおります。試験対象3については 2.8ミリまで凹みが確認されました。試験対象4でありますが、完全に収納したときであっても、隙間があることから、わずかな傷で済んだということであります。

それを持丸先生のご協力をいただきまして、実際につぶれた結果をコンピューターのシミュレーションで図解をしております。それが図の12であります。これは試験対象2のものであります。

21ページ目の図13でありますが、これは試験対象3のシミュレーションであります。

図14でありますが、これについては、先ほどのシミュレーション結果を指に置き換えたものであります。これについては、先ほどの結果の15分の1までのシミュレーションを行いました。15分の1以上になりますと、塑性変形、要するに指が戻らない状態にまで及ぶものであったため、15分の1までとしたものであります。

この結果としまして、今回のシミュレーションは折りたたみ椅子の着座収納時において指が挟まれた場合、指の受ける応力が大きくシミュレーション可能範囲を超えたために危害の発生状況を推定するまでには至らなかったということであります。しかし、場合によっては指の変形が塑性変形領域までに及ぶことが推定されており、このことから折りたたみ椅子に座ることや、折りたたみ椅子をたたむことにより、指が骨折や座滅などの重大な危害を受ける可能性があることを示唆していると考えられるということであります。先ほどの試験対象4は、完全に収納したときであっても隙間が確保されているものでありますが、その結果でわずかな傷で済んでいるということから、指が挟まれたときに指に与える衝撃をなるべく少なくするよう前後脚に大きな隙間を設けることや、指や手指などの動きにより指が逃げる可能性を高めることができるよう、前後脚にオフセットを設けることが危害を最小限に抑えられることにつながるということが考えられるということがわかりました。

次に23ページでありますが、折りたたみ椅子等に関する規制の現状であります。これについて、一つ目はアメリカの規制の現状でありますが、CPSCが子供が指を折りたたみ椅子で切断したという事故を詳細に調査を行い、米国材料試験協会に折りたたみ椅子の安全規格を策定するように依頼をしました。その結果、ASTMでは2007年1月にF261307という規格を策定したということであります。内容については下のところに掲載しておりますので、後でご覧いただきたいと思います。

次に24ページでありますが、国内における規制の現状であります。JISについては折りたたみ機構の安全規格は規定されておりませんでした。製品安全協会のSJマーク制度でありますが、これについては規定はありますが、具体的な安全対策については規定しておりませんでした。25ページ目の玩具安全基準でありますが、これについては14歳までの子供の玩具に適用されて、座面が33センチを超えるものについては適用されないということで、今回の折りたたみ椅子については対象外であります。ですが、具体的にロック装置、隙間の12ミリ以上確保という規定がされております。そのほか、住宅設備産業協会さんのところで内装折戸の安全指針を策定しておりまして、次の26ページのところに指針を掲載しております。この中でも5ミリ以上13ミリ以下の隙間を設けないという隙間の規定がされております。

27ページに移りたいと思います。27ページについては課題として何点か抽出しております。27ページを省略いたしまして、28ページ、アの製品の構造における課題としまして、先ほどのアンケートと事故状況再現試験の結果から四つのパターンで事故が発生しているということがわかりましたので、それについて課題を抽出したものであります。29ページ目のところの上の三つでありますが、一つ目として、指が挟まれる可能性がある前後脚の隙間の安全対策として、オフセットまたは隙間を確保することが必要であるということであります。二つ目として、指を挟む可能性がある意図しない開閉動作の婉然対策として、ロック装置により開閉等の状態を保持すること。三つ目としまして、指が進入する隙間がある稼働部の安全対策として、保護カバー装着等により指が進入する隙間をなくすことの三つを課題として挙げました。

次に、その下のイの製品の表示でありますが、実際に製品を購入して調査しましたところ、座面の裏面に表示していたものがほとんどであり、その表示も小さな文字で記載されていることから、なかなか視認しづらいという問題があります。また、注意表示そのものがないものもありました。そのために、通常の使用時に意識しなくても視認できるような危険、警告、注意表示を行うなどが必要であるということで課題として出しております。また取扱説明書についても、イラスト、漫画などでわかりやすくする工夫が必要であるということで課題を挙げさせていただいております。

30ページ目に移りまして事故情報の収集、分析が十分でないという問題点であります。消費者アンケートでも96%の人がどこにも通報していないということが明らかになりましたので、なかなか顕在化しにくいという状況であることから、今後、消費者が事故情報を事業者、センター、関係機関に通報しやすい環境をつくる。とともに、消費者に対して事故情報を積極的に通報するよう呼びかける必要があるということで課題として挙げさせていただいております。また、事故防止対策を検討するためには、先ほどの実験データなどをさまざまな機関で利用可能とし、共有化することが必要であるということで課題を挙げさせていただいております。

次に (3)の消費者や施設の管理者に危険性について正確な情報が伝わっていないという問題点であります。これについては、なかなか構造の違いによる危険性が一般の方には見分けにくいということと、危険性を認識していないまま、折りたたみ椅子を使用しているおそれがあるということから、消費者や施設管理者に対して、それぞれのタイプの折りたたみ構造の危険性などについて情報提供し、注意を喚起する必要があるということで課題として挙げさせていただいております。また、比較的安全性が高いシリンダータイプなどに順次買い替える必要があるということで課題として挙げさせていただいております。

次に誤った使用方法による危険性ということで、東京消防庁さんからご指摘がありました内容で、折りたたみ椅子を踏み台がわりに利用して転倒したという事例もあるということから、事業者、行政は消費者、施設管理者に対し、折りたたみ椅子の稼働部に指挟み事 故防止として啓発などが必要だということで課題として挙げさせていただいております。

次に、不適切な保守管理による危険性ということで、折りたたみ椅子は耐久性があること、また古いタイプが多く使用されていること、耐久性があるため、経年劣化による危険性が増した製品が使用されているおそれがあることから、事業者さんが施設管理者に対し使用実態を把握するよう呼びかけ、注意シールを貼るなどの安全対策を行うことが必要であるということで一つの課題として挙げております。また次に、事業者は、前後脚分離タイプのキャップの補充をするなど、経年劣化した製品の保守管理を推進する必要があるということで二つ目として挙げております。次に注意シールの配布、キャップの補充体制の整備、旧式タイプの保守の呼びかけ、買い替えということで課題として挙げております。

次に施設管理者の利用者に対する注意喚起、説明の不足ということで、先ほどのポスターなど、注意、呼びかけが必要だということで課題として挙げております。

(4)の折りたたみ構造を持つ他の製品でも事故が発生しているということで、一番初めのPIOーNETでは、踏み台、ベビーカーなど、同様の折りたたみ機構を持つものでも事故が発生していることから、折りたたみ椅子と同様に事故情報を収集、分析し、事故の形態に合わせた具体的な安全対策の検討を推進する必要があるということで課題として挙げております。

最後に、いままでの課題を受けまして、協議会としての提言を4番に掲載しております。四つに分けております。一つ目は製品本体における安全対策、二つ目は事故情報の収集、共有、分析体制の充実、強化、三つ目としまして、使用者における安全確保、四つ目としまして、同様の機構を持つ他の製品の安全対策の実施、この四つを提言させていただいております。

一つ目の製品本体における安全対策の実施でありますが、製造・販売事業者団体は、設計、開発段階からの安全対策を検討するということと、国及び関係機関は日本工業規格等の公的規格の策定も視野に入れた安全対策の検討を提言しております。また、販売事業者団体さんにおいては、輸入品を含めた安全性を考慮した折りたたみ椅子の販売に努めるということで提言させていただいております。具体的な内容については、先ほどの課題にありましたとおり、構造の安全対策として、隙間の確保、指などの進入防止の措置による安全対策として二つを提言させていただいております。製品本体でのもう一つでありますが、注意表示、取扱説明書等による安全確保ということであります。先ほどの注意表示の場所の問題でありましたが、視認しやすい場所にわかりやすく表示することと、さらに取扱説明書にも子供でもわかりやすいようなイラスト等を用いた取扱説明書の表記改善について提言しております。

34ページ目の事故防止の収集、共有、分析体制の充実強化でありますが、これについては消費者に対する事故情報通報の働きかけ、事故情報収集体制の整備、事故情報の共有、関係機関の連携促進、事故情報の公表促進、事故情報分析、評価体制の充実、安全性が高い製品開発の促進ということで、6点を提言させていただいております。

次に (3)の使用者側における安全確保ということであります。これも協議会の委員の皆様のご提案によりまして、公共施設でも安全対策が必要だということを受けまして、一つ目として、適切な保守の実施ということで、実際に壊れているものについてはキャップの補充などが必要だということで、保守管理に努めるということを提言させていただいております。製造・販売事業者団体さんにおきましては、部品をストックして提供に努めていただきたいという内容を提言させていただいております。次に同じ使用者側の提言の二つ目でありますが、35ページの利用者への注意喚起、適切な使用方法の説明徹底ということで、折りたたみ椅子の利用許可書等の書面に取扱いについての注意事項の記載、または職員による説明の実施、折りたたみ椅子に注意シールを添付する、または取扱いに関する注意事項を記載したポスター等を掲示するということで事故防止に努めていただきたいという内容であります。また、その製造・販売事業者団体様におかれましては、施設管理者がポスターやチラシをホームページからダウンロードなどし、施設に掲示できるようにしていただきたいということを提言しております。次に比較的安全性が高い製品への買い替え促進でありますが、比較的危険性が高い前後脚分離タイプ、リンク式タイプについては、隙間が確保されていて危険性が低いシリンダータイプなどへの買い替えに努めていただきたいということであります。次に折りたたみ椅子等の危害防止に関する意識の向上ということで、施設管理者に対しましては、施設管理に関係する職員に対して事故の未然防止に努めるように指導を徹底していただきたいということであります。東京都としましては、施設管理者による職員への指導に使用できるよう、折りたたみ椅子等の取扱いに関する注意事項を記載した事故防止啓発リーフレット等を作成し、配布することということで提言しております。イの消費者等への注意喚起、普及啓発でありますが、それぞれ製造・販売事業者団体さんの取り組みと東京都の取り組みとして提言しております。団体さんの取り組みとしまして、雑誌、機関紙、チラシ等に事故防止の注意喚起、東京都では、リーフレットやホームページによる事故防止の普及啓発に努めることを提言しております。ウの自ら安全を守る消費者の自覚ということで、消費者みずからも安全を確保する取り組みが必要だということで、消費者は、安全確保に関する情報を通じ、自ら危険性を判断して、安全性の高い製品を選択すること。もう一つは、将来の事故を防止する観点から、事業者や消費生活センター等に積極的に事故情報を通報するよう努めるということで提言させていただいております。

最後に (4)、同様の機構を持つ他の製品の安全対策の実施であります。これについては折りたたみ椅子と同様の機構を持つ他の製品についても、それに関係する製造事業者団体の方については、折りたたみ椅子と同様の安全対策を実施していただきたいということで提言させていただいております。

以上で報告書の内容の説明を終わりたいと思います。

詫間会長

どうもありがとうございました。今ご説明をいただきましたように、本報告書は大きく4部構成になっておりまして、最初が既存の統計データからわかるところの椅子の問題に関しての必要性ということでございますね。それからファクト・ファインディングと申しますか、それを踏まえて本協議会としても独自の調査をする。これはアンケート調査と、ここにおられる持丸先生のご協力もいただいて、再現実験も含めたファクト・ファインディングをさせていただいたわけですね。その結果、どういう課題があるかということを抽出いたしまして、いろいろ課題を区別して列挙させていただいているわけでございますが、その課題の選出によりまして、第4部のほうで最後にご説明がありましたように、関係団体のほうにその課題をどのように解決していただきたいという要望、あるいは提言ということでまとめさせていただいているわけでございます。概ね妥当にまとめてくださって、これは私と事務局と先回の協議会、それから個々のメール等でいただいた意見等をまとめまして、一応こういう形に集大成させていただいたわけでございます。

それで、ちょっとご意見をいただきたい部分もあるんですが、ここで、先ほど実は酒巻委員のほうから、日本オフィス家具協会、部会長の山崎広光様の名前で「折りたたみ椅子の生産について」というA4版の資料をいただいております。先回も酒巻委員のほうから注意ポスターとか、ラベルとか、そういうものを自発的に、積極的に対応していただく動きを見せていただいたわけですが、これをあわせまして、酒巻委員のほうでご解説といいますか、説明をしていただけたらありがたいと思うわけでございます。

酒巻委員

折りたたみ椅子につきましては、こういう有意義な委員会を開いていただいて、まずそのことに非常に私どもは感謝しております。従来は被害者対メーカー、あるいは被害者対協会というような形で対処療法的にその場を解決いたしまして、それをまた私どものほうでは製品部会がございますので、椅子部会のほうに持ち帰りまして、こういうことがあったということで、より注意を喚起しようというようなことで、たとえばカタログの記載であるとか、いろんなところを注意して、一歩一歩向上していくというふうなことでございました。今回のような、こういう業界ぐるみの対処法を考えようというふうなことは、こういう機会をいただきました折だからこそできたんじゃないかということで非常に感謝をしているわけでございます。

まず、皆様方にお配りしました、この文面でございますが、四つ内容がございます。一つは先ほどから櫻井さんのご説明にありました三つのタイプがありますが、そのうち二つのタイプにつきましては、今後、生産を中止するとともに、順次、カタログの掲載からも外していこうということで、これはカタログ掲載は、現状、カタログというのは、メーカーが2年に1回とか、1年に1回つくりますもので、頻繁につくりかえるものではないわけでございますので、いまあるものをすぐに撤去しろといってもなかなかできませんから、これから印刷するものについては入れないということでございます。生産は、現在、受注しているものもあろうと思いますので、今後1年間以内に中止をしようということでございます。したがって、新しい注文は受けないということになるわけでございます。すでに業界は、各社の意見を聞いてみますと、そういう体制だということでありましたが、この三つ目のスライド式のいわゆる交差しない、ダブらないやつでございますが、これだけをつくっていこうということで、椅子部会、これは約30名おりますが、全員の合意を得たということでございます。これが2番目です。それから3番目、4番目は、この提言のご指摘にありますように、まず注意ラベルの発行ということでございます。これは皆さんにこの前ちょっとお見せしましたが、こういうものでございます。これをすでに出回っております二つのタイプにつきましては、交差する二つのところに貼らせていただくということでございます。それから注意ポスターでございますが、これも先般いろいろありましたが、統一するのはこれにしようと決めたのはこういうものでございますが、これを管理される、たとえば収納しているところとか、そういうところの目立つところに貼っていただいて、取り扱う前にパッとこれが目に入るようにしていただきたいということにしたいということでございます。とりあえず私ども椅子部会、約30名でございますが、今後についてはこういうふうなことで合意をしたということです。  一番最後のほうに「椅子部会で合意いたしました以上4点は、決して生産制限、販売制限等の経済上の不当な制限を課すものでなく、あくまで安全のための要請であり」ということで、こういう言わずもがなのことが書いてあるんですが、これは公正取引委員会のほうで、会員に対して協会というものは生産の制限をしたり、販売の制限をしたりしますことは独禁法違反になりますので、これはたびたび注意を受けておりますので、そういう意味ではありません。あくまで安全ということが優位に来ることからのことでございますということで、一番最後にちょっと書かせていただいたということでございます。

これから提言のほうで、日本工業規格への意向ということになっておりますが、とりあえず私どもとしては団体規格ということで、推奨製品の規格をつくりたい。それをまず協会でつくって、次いでJIS規格になるように持っていきたい。段階を踏んで持っていきたいというふうに考えているわけでございます。

それから、この会議の冒頭、たしか第1回のときだったと思うのでございますが、皆様方にお配りしまして、私どもがJOIFA、製品安全自主行動計画というのをつくっております。これは1月の理事会ですでに可決をしております。安全ということを第一義にこれから団体そのもの、それから会員そのものもいこうと。この安全を宣言する、これを会社の第一義としますということを内部統治システムに書き込む、あるいは品質方針に書き込む、どこかにそういうことを明示して、常にそれを肝に命じるようにしましょうということで私どもの安全自主行動計画ができております。その中で、その一つといたしまして製品の寿命といいますか、いわゆる堀井さんのほうのご指導で今後改正になるということでございますが、経年劣化に対するものでもやはり消費生活上、製品安全法で届け出るということでございますので、どのくらいが経年劣化に至るまでのものかということで、私どもは現在、5月ぐらいを基準にいたしまして、製品の寿命ということを研究しておりますので、それらもあわせまして、安全ということにつながるというふうに考えておりますので、これを契機といたしまして、ぜひ安全のより高いものへというふうに進んでいきたいと思いますので、今後もますますご指導、ご鞭撻をいただければというふうに考えております。

以上でございます。

詫間会長

どうもありがとうございました。いまご説明のとおりでございますが、社団法人の日本オフィス家具協会様のほうからの自発的な動きでございますね。次第に団体規格のほうまでレベルアップしていきたいというふうなご意見が表明されたわけでございまして、これを一つ取りましても、本協議会が協議した甲斐があったといいますか、そういう重要な成果の一部だと思いますので、事務局のほうでもまたこれを念頭に入れていただいて広報に努めていただきたいと思います。もちろん最後のところにございますように、生産を意図的にとめるとか、そういう権限は前々ないわけでございまして、一斉にということは独禁法に反するということになりますので、その辺は十分留意して進めていただいているものと思います。  いまの重要な酒巻委員のほうからのご説明を含めまして、時間の関係もございますが、前段で櫻井係長からポイントのご説明をしていただきました報告書につきまして、これはかなり字句も詰めたものではございますが、非常に重要なポイントが幾つかありまして、折りたたみパイプ椅子の事故というのが12歳までの間にかなりの率で、われわれが予測した以上にたくさん起きていて、半分ぐらいが保護者の不注意によるというふうに自覚されているということでございますね。それと、先回の身につけるもの、服装の場合もそうだったですけれども、危害が起きた場合の報告される率というのが非常に少ないということですね。報告しない人が先回は97%を超えたと思いますが、今回は92.4%とさっきご説明がございましたが、いずれにしても9割以上の方が報告をそれぞれのところにしておられない。特に国民生活センター等も含めましてですね。これはひとつ、今後の大きな課題になるかと思います。そういうことで、先ほど申し上げました調査を含めた課題を抽出しまして、それを各関係団体にお示しをして、どういうふうに改善を進めていただけるかということを要望するという形で報告書をまとめております。最後のほうにも、一応、報告書にアンケートについても12項目、こういう項目で実際にはやったんだということでアンケートの資料もつけておりますので、調査項目は12項目になっておりますが、ですから、第2部のところでいろいろ調査結果が出てきたもののもとになるアンケートはどういうものかということがこれでわかると思いますし、またわれわれのほうでは事例研究、具体的な事故事例というのが資料2に出ておりますので、大阪でしたか、5歳児のお子さんの指のところを第一関節から先を切り落とされてしまったというような非常に悲しい事故も含めまして、これも掲載させていただいております。単なる数字より、こういう事例も非常に重要でございますので、その両方が掲載されているということでございます。

そういうことで、時間もやや押してまいっておりますが、いかがでございましょうか。すでに1週間ぐらい前にお送りしておりますので、大変お忙しい先生方ばかりと存じますが、一応お目通しはいただけているのではないかと存じますが、この際、特にこういう文言はどうかというようなところがありましたら、ご指摘いただきたいというふうに思うわけでございます。それでは特にないようでございますので、一応、これを本協議会としてお認めいただいたということでよろしゅうございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

詫間会長

ありがとうございます。そういうことでございますと、ちょっと儀式張っておりますが、そこにおられる宮川部長様にこの最終報告書といいますか、答申と申しますか、これをお手渡し申し上げたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

〔報告書・手交〕

詫間会長

では、宮川部長様のほうから一言ご挨拶を賜ればと思います。

(事務局)消費生活部長

ただいま詫間会長から、大変価値のある報告書をちょうだいいたしました。  実は本日は午前中はこの部屋は消費生活対策審議会が開かれておりまして、いわゆる食品の表示についてなんですが、原料の原産地を表示しようと。なかなか国の取り組みが遅いもので、東京都から、とにかく国に先駆けて動きをつくろうということで、この場で諮問をしたところでございます。そちら側にはずっとテレビのカメラが並びまして、こちらのほうには報道の方々が、そして傍聴の方々、大変熱気あふれる中で、侃々諤々の議論をしたと。そして、午後は大変いま落ちついた中で粛々と最後の報告のまとめのご議論をいただいて、ただいまいただいたと。ただ、私はこれは別にお世辞で申し上げるつもりはないんですが、この安全問題協議会でいろいろとご議論いただいて、まとめていただいたものというのは大変価値があるといいますか、非常に役に立っている。こういう安全ということについてのテーマは、じっくりと腰を据えて、いろいろな角度から検証して、そしてしっかりとしたものをまとめていく、こういうプロセスの中で動いていきますので、マスコミから見ればその辺のプロセスを何か取材するというのには比較的消極的なんですが、実はこれができ上がった後はなかなか大変なものでして、昨年度おまとめいただきました子供用の衣類の安全確保に向けた提案、報告というものは、いまもいろんなところから取材を受けていまして、東京都が皆さん方のご努力によってまとめていただいた報告書によって大変なパブリシティ効果を得ている。多分、金額に換算しましたら、僕は何億円という金額になるのではないかと。それに引換え、皆さん方のお謝金は大変安いもので、非常に申しわけないんですが、今回の折りたたみ椅子等の安全確保についても、もうすでにいろいろなところから問い合わせが来ておりまして、多分これからいろいろとテレビでも、新聞でも、じっくりと報道されていくのではないのかなというふうに期待しております。私どもの上司の渡辺生活文化スポーツ局長も、きょうはいろいろなところの審議会がございまして、本来ならば、私よりも局長にこの報告書を詫間会長からいただくのが筋なんですけれども、私のほうからこれは局長のほうに持っていきまして、こういういいものができたということで、皆さん方のお力添えについて感謝を申し上げる、そういうふうに考えております。  実は3月18日の都議会文教委員会でもこの安全問題協議会が取り上げられまして、私のほうでも答弁をさせていただいています。それから先ほど申し上げた消費生活対策審議会が、午前中に行われたのですが、第2部としてわれわれのほうの取り組みについての報告もさせていただきました。その中でこの安全問題協議会の取り組みについても報告をさせていただいて、たとえば主婦連の事務局長でいらっしゃる佐野真理子さんからも非常に評価をしていただいた。ただ、できればもっともっと東京都はこういういいものを、たとえば東京都だけに限らず、広く関東ブロックあたりに行き渡るような、そんな動きもつくっていいじゃないかというようなご注文もいただいたわけですので、我々もそういうふうな方向になるように一生懸命努力をしたいと思います。このたびの貴重なご提言内容を安全対策の具体的な取り組みに生かせるように、これから国や関係業界等に対しまして提案要望を行います。それとともに、広く都民や関係者にも注意喚起や周知に努めて参る考えでございます。この間、先ほども紹介がありましたけれども、持丸先生のところにもいろいろとお助けいただいて、いい報告書にまとめていただいたことも合わせてここで御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。委員の皆様のご協力に感謝を申し上げるとともに、今後ともぜひ引き続き都の消費生活行政の発展のためにお力添えを賜りますようお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。本当にどうもありがとうございました。

詫間会長

宮川部長、大変ありがとうございました。それでは、あと、事務局のほうから連絡事項がございますようですので、これは課長さんのほうでしょうか、ご説明をいただきたいと存じます。

(事務局)生活安全課長

それでは、連絡事項を申し上げます。きょうの議事要録につきましては後日送付させていただきますので、ご確認いただきたいと思います。

それから、本日のご提言を踏まえまして、きょうこれから関係機関等へ提案、要望を行ってまいります。それからもう一つは、この報告につきましては、会議修了後、都庁の記者クラブにてプレス発表をいたします。同時に、私どものほうのホームページである安全情報サイトにも掲載して注意、喚起並びに情報提供を行っていきたいと思います。ぜひごらんになっていただきたいと思います。持丸委員にご協力いただきました再現テストなども動画を含めて張りつけてございますのでぜひご覧になっていただければと思います。いろいろどうもありがとうございました。

詫間会長

それでは、最後の最後になりましたが、いま宮川部長様のほうからも大変ありがたいご挨拶をいただいたわけですが、先回の協議会も私が一応会長を務めさせていただいておりまして、そのときも申し上げましたが、私も国のほうでいろいろ委員長とか、座長とか、主査とか、いろいろさせていただいている経験から言いますと、立派な報告書は出るんですけれども、大部分がお蔵入りになってしまう場合が多いんですね。都の場合は非常に進んでおられるし、ここに先ほどの酒巻委員を代表されるように、あと、オートキャンプ、チェーンストア協会とか、実際の普及効果の部門を担っておられる方も委員の中に参加していただいているわけでございますから、都の場合はそういうことがないということで、しかも、テーマとしても非常に進んでいるというものを率先して先立って、先駆的と申しますか、取り上げていただいているわけですから、ぜひ協議会での提案というものを実現の方向に、さらにすでに芽生えができているということは大変心強いわけでございますが、お蔵入りになるということだけはひとつ避けていただいて、十分活用していただきたいと。今朝、部長も言っておられたと思いますが、国のほうでもスローガンとしては、総理発言として生活安心プロジェクトというのを内閣府のほうで四つの大きな部門等に分けて、これをかなり本気で進めようとしておられますので、そういうところとも関連して、本協議会の成果がさらに実現のほうに進むことを祈念いたしましてご挨拶とかえさせていただきたいと存じます。大変ご協力をありがとうございました。

(事務局)生活安全課長

それでは、長い間、いろいろご審議いただきましてありがとうございました。これで無事報告いただきましたので、これからのプレス発表等をしていきたいと思います。また、要望等についても酒巻委員のご協力をいただいて形となっております。本当に感謝申し上げます。どうもありがとうございました。

お問い合わせ先

東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当

電話番号:03-5388-3055