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トップページ > 商品安全 > 東京都商品等安全対策協議会 > 自転車の安全性について > 第2回 「自転車の安全性について」 議事要録

更新日:2013年3月21日

第2回 「自転車の安全性について」 議事要録

【日時】平成16年12月22日(水)10時~12時
【場所】都庁第一庁舎33階(北側)特別会議室N3

事務局(生活安全課長)

皆さんお揃いですので、会長よろしくお願いします。

中村会長

それでは開会します。

川口委員

本日(12月22日)、朝日、読売新聞にBAAの広告を掲載しましたので報告します。

中村会長

本日は、八木沼委員がご欠席のため、鹿野さんが代理でご出席です。

まず「第1回協議会議事要録」の確認からお願いします。

中村会長

それでは議事に入ります。まず事務局からご説明していただきます。

事務局(生活安全課長)

前回の協議に基づき作成した 「第2回協議事項」について説明。

幼児の安全対策については、次回のテーマとさせていただきますので、今回は説明を省略させていただきたいと思います。

事務局(商品安全係長)

東京都生活文化局で実施した消費生活調査員へのアンケート集計結果「危害危険に関するアンケート結果報告書」について説明。

安全基準の適合を示すマークの貼付状況の回答で、JISマークの貼付率がかなり高い結果になっています。これはJISマークが部品についていることもあるので、調査員の方がその部品のマークもカウントしてしまった結果、多くなったものと思われます。

中村会長

アンケートの結果を見まして、回答者の年齢層が高く、それがアンケートの内容にも反映している印象を受けました。

事務局からの資料2、資料3の説明を受けて、何かご意見・ご質問等ございますか。

小鷹狩委員

協議事項についてですが、自転車総合安全対策で業界が自主的に行っている取組について説明が無いと、後日報道発表する場合に、業界が都に指摘されてから取り組んだように都民に誤解されてしまう恐れがあります。

業界がすでに取り組んでいる安全対策事業を尊重してもらった上、その中で東京都が協力できることや、独自にやるべきことを明確にすべきではないでしょうか。

中村会長

現在実施している取組と今後の課題の明確化は、私も必要だと思います。業界がすでに取り組んでいる点をきっちり伝えることが必要だと思います。

川口委員

安全基準適合マークの普及についてですが、マークにはSG、BAAなどがあります。東京都自転車商協同組合からBAAについて普及の取り組みを行うとの意向がありましたが、自転車協会では現在、自ら作った基準であるBAAの普及促進に取り組んでいます。

事務局(生活安全課長)

都としては、BAAに限らずSGマークも同様に安全基準として重要と考えています。安全性確保のためには、いずれかのマークが付くようにしたいと考えております。

水越委員

業界ではいろいろと取組まれていると思いますが、アンケート結果を見ますと、取組の実態が消費者にあまり理解されていないようなので、これを踏まえた協議をすべきだと思います。

三枝委員

現在の各界の取組の実態などを踏まえ、都や業界等が何をしていくかを明らかにしたほうが良いと思います。都や業界が、協力、協調していくことは必要でしょうが、各団体にはそれぞれの立場や特徴があり、お互いが切磋琢磨していくことが重要ではないでしょうか。安全基準の整合・共通化という書き方には違和感を覚えます。各基準の内容や基準作成団体の取組内容を消費者に伝えていくことが必要と考えます。

危険な製品排除に取り組むことを目的とした業界団体の消費者相談窓口設置のところで「PLセンター」と付記していますが、PLセンターはADRとして機能している組織であり、ここではそぐわないのではないでしょうか。

小澤委員

いろいろなマークがあり、それぞれが競争していくというが、それは作る側の論理であって、消費者や販売店の立場で言えば、基準が複数あるより1つに統合したほうが良いと思います。国際的な規制緩和の流れからみても、色々な基準があるより判り易い基準が必要ですし、規制緩和の時代にこれでは日本は世界においていかれるのではないでしょうか。

中村会長

それぞれの制度の趣旨、生い立ちがあるので、なかなか統一するのは難しいと考えますが。

小澤委員

よく分かりますが、消費者の立場にたった考え方が必要だと思います。

中村会長

小鷹狩委員より、製品事故及びクレーム状況について説明をお願いします。

小鷹狩委員

「我が国の自転車製品事故及びクレーム状況」について説明。

前半は製品評価技術基盤機構の収集した事故報告のうち、自転車について抜粋したものです。この事故報告は、今年前半の四半期報告を見ると大幅に増えていますが、これは例のリコール隠し問題からメーカーが積極的に報告するようになったためではないかと考えます。後半は平成12年度の調査で事故・クレームが3,860件となっていますが、全てが欠陥によるものではありません。

中村会長

次に新井委員より提供資料の説明をお願いします。

新井委員

「自転車の分類・種類」について説明。

いろいろと活動しておりますが、都内で1,800店ほどの小さな団体であるので都民全体へ行き渡る活動PRは難しいところです。詳細については、本日同伴しました事務局長から説明します。

田中事務局次長

東京都自転車商協同組合では、小学校に出向き、児童の自転車の無料点検を行っています。また、警察の協力で安全講習会も行っています。無料点検を実施すると1/3くらい補修の必要な自転車が出ます。調整できる範囲では調整を行い、補修のための来店を促すのですが、有償となるとなかなか来店してもらえないといったことがあります。ブレーキワイヤーやタイヤなどは消耗品であり、年1回の交換が必要と考えていますが、自転車本体の価格が落ちているため、なかなか交換してもらえません。ただ点検・調整するだけでは、安全な自転車というには限界があるということをご理解いただきたいと思っています。

自転車の種類については、まだ共通のご理解がない点が見受けられましたので、自転車のリストを添付しました。参考にしていただければと思います。

中村会長

説明の中で、ブレーキワイヤーは年1回くらいの補修が必要とのことでしたが、使用頻度は関係ありますか。

新井委員

ブレーキを握ったとき、少し甘くなることを経験されたことがあると思いますが、これは中の芯線が1~2本切れたこと意味します。ワイヤーは年に一度必ず交換が必要とは言いませんが、点検は必要で、点検の結果状態が悪ければ交換が必要です。

中村会長

その点については、消費者に理解されていますでしょうか。

新井委員

されていないと思います。

三枝委員

参考資料として提出されている「自転車取扱説明書」には、毎年1回取り替えることについて記載されています。

中村会長

それでは協議事項についてご意見はありますか。

矢崎委員

基準適合の広告について、一部を持って全体が適合しているかのような問題を提起されましたが、SGやBAAは完成品に対して付けるものであるのに対し、JISについては部品にも付けられているため誤解が生じると思います。このことについて、どのように改善を進めていくのでしょうか。

事務局(商品安全係長)

ご指摘のとおり、表示について検討の余地があると思います。我々としましては、まず総体的なSGやBAAを普及していくことが重要と考えております。

中村会長

改善に務めるとありますが、具体的にどのようなことでしょうか。

事務局(商品安全係長)

一部の部品にJIS製品が使われることにより、全体がJIS適合製品のような錯覚を与える表現が一部に見られますが、SGやBAAマークが貼付されることで製品の適合が担保されるため、そのPRを行っていくことによって問題に対応できると考えます。

水越委員

業界としていろいろ取り組まれているようですが、末端の消費者までいきわたっていないのではないでしょうか。どのように伝えていけばよいと考えますか。

新井委員

ご指摘のとおりだと思います。取扱説明書では点検をしてほしいと謳っていますが、実際にはなかなか点検にきてもらえないのが現状です。専門店で購入された方は比較的、点検整備に来店していただけている率は高いと思いますが、スーパーなどで購入されている方はなかなか難しいと考えます。

中村会長

やはり、もう一工夫必要なようですね。

先ほどの自転車振興協会資料「我が国の製品事故及びクレーム状況」で、国への事故報告書に比べて業界の調査で件数に大きな差がありますが、どのような調査方法をとったのでしょうか。

小鷹狩委員

メーカーに調査票を送り、メーカー名を公表しないことと、全体の安全性向上に役立たせるとのことで調査しました。

中村会長

保険をかけている方もいらっしゃると思いますが、保険請求に関する資料をお持ちの方はいらっしゃりますか。

田中事務局次長

業者(小売店)のPL保険に関する請求が年に1~2件あります。TSに関しては今年都内で3件請求がありました。

新しい事故要因として、特に高齢者に見られるのですが、電動アシスト車で最初の踏み出しのとき、一般の自転車と同じように強く踏みこんだ結果、スピードが出すぎてしまい、事故を起こすといった傾向があります。

中村会長

国への事故報告と業界でのアンケートに差がでることについては、工夫が必要だと思います。

仲野委員

普通自転車において、TSマークで型式認定を受けているものはあるのでしょうか。

新井委員

TSマークは財団法人日本交通管理技術協会が発行しているもので「TSマークを取得した自転車は必要な点検整備がされている」ということであると認識しております。

型式認定については電動アシスト自転車にしかありません。

矢崎委員

今言われたとおり、電動アシスト自転車や電動車イスなどには型式認定の制度がありますが、普通車についてはありません。

伊藤委員

整備技術の確保について問題点の報告がありましたが、そのほとんどは輸入自転車に関するものだと思います。

消費者が日常、自分の自転車のことを把握できる状況を作る必要があると考えます。私どもで長年、自転車の比較テストをしている中で、取扱説明書の評価も行っています。参考資料で提供された取扱説明書は良く出来ているほうだと思いますが、よくある事例では、技術説明書的な消費者には難しいものが多いように認識しております。整備に関することなど自転車の問題点を前面に出して、より判りやすく消費者に伝える工夫、努力が必要であると思います。

中村会長

東京都の調査員アンケートの中には取扱説明書に触れている点は無かったようですが、確かに重要な問題であると思います。

自動車などと違って、自転車は買ってきた時点で取扱説明書との一体性がなくなってしまう気がします。

事務局(商品安全係長)

アンケート結果の自由意見の中に「日々の点検が必要な項目はシールにして本体に貼ることは出来ないか」また、「部品毎の耐用年数を示して欲しい」との意見も寄せられています。

安藤委員

自転車の場合、家電にあるような最終責任者が明示されていません。もっとはっきりと判りやすいところに明示するべきだと思います。

田中事務局次長

自転車については、現在は完成形での納品が多いのですが、今までは部品をばらばらに仕入れて、それを販売店が組むというかたちでした。現在でも、大手メーカーにおいても七分組みという状態で納品され、組立整備士が組み上げて店頭に並べるといったケースもございます。他の商品では、そういった中途半端な状態で販売店に卸すということはまず無いと思うのですが、自転車に関してはそういった理由で明示しづらいということがあります。

もしPL絡みの事故が起きた場合は、事故原因が元々のパーツの不良品によるものか、組立てた段階のものかによって最終責任者が変わるということで我々も認識しております。

安藤委員

消費者からすると最終責任者が見えないと、どこに言えばよいのか判りません。明示することによって、パーツを作る人も、組み立てる人も、もっと注意すると思います。自転車の場合も他の商品同様、責任者をはっきりさせる必要があると思います。

新井委員

販売店では、店に苦情が来た場合、組合の店舗での組立に問題があれば組合では団体で加入している賠償保険で賠償します。製品本体であればメーカーに連絡するようにしています。

矢崎委員

SGマーク製品であれば、マークの下に組立整備士の登録番号を書くようになっています。それで最終組立を誰が行ったのかが判ります。

製品本体による事故の場合は基本的にメーカーに責任がいくと思いますが、事故のケースによっては部品製作のほうに波及することもあり得ます。

中村会長

番号によって、組立整備士が誰なのか判るようになっているのですか。

矢崎委員

SGではそうなっていますが、他にはありません。

中村会長

消費者としては、事故・問題が発生した場合、とりあえず自分が買った販売店へ行くと思うのですが、行った段階で各パーツのメーカーまで遡れるようなことはできるのでしょうか。

新井委員

とりあえずは販売店が責任を持つというのが今までの例でございます。そこから先は販売店とメーカーの話です。そういった責任の所在でのトラブルは無いとは言いませんが、ほとんどありません。

小鷹狩委員

最近、輸入車が多くなったせいもあって、メーカーが判らないという問題があります。BAA制度では製造番号によってメーカー、輸入者、また部品をどこから買ったものかが判るようになっています。

中村会長

BAA制度が普及すれば対応が進むとのことですね。現在普及率はどのくらいなのでしょうか。

川口委員

BAAは年度内に350万台を見込んでいます。来年度以降も増やしていきたいと思っています。

BAA制度では、メーカー名、輸入事業者名を必ず表示することが義務づけられていますし、同時にPL保険への加入も条件になっております。PL上の責任については、自転車を製造したメーカー、あるいは輸入事業者が責任を持って対応します。それらが不明な場合は、販売した事業者が責任の所在になるということになっております。

事務局(生活安全課長)

様々な議論を頂いておりますが、業界による危害情報の収集、安全情報の提供及び優良販売店制度の創設等、協議事項で未だ触れていない事項について協議をお願いします。

中村会長

優良販売店制度の創設についてご意見はありますか。まずは現状報告をお願いします。

新井委員

小売組合では、安全な自転車を消費者に提供するということで、自転車店に対し再教育をするという資格制度(マイスター制度)についてただいま準備をしているところです。

水越委員

都内で自転車専門店は1,800店とのことですが、パンクをしたときにお店を探すのが大変です。前回もお話がありましたが、駐輪場などのシルバー人材を活用できないものでしょうか。

新井委員

毎年シルバー人材への講習会を行っておりまして、簡単な修理・点検ならできるように、そういった活動は行っております。

田中事務局次長

シルバー人材の一回の活動時間は3時間程だそうで、入れ替わりでやっておりますので、活用されていないのが実情のようです。軽い点検は多少されているようですが、やはり専門的なところまでは無理だと思います。みなさん自転車を軽く見られているようですが、安全を確保するには技術力のある整備士が点検整備補修を行う必要があります。2~3回の講習では難しいと思います。

中村会長

マイスター制度の構想についてご紹介いただきましたので、次回、事務局から資料を配布していただけますか。

シルバー人材センターの駐輪場における実態について、事務局でもし可能でしたら調べておいていただければと思います。

このシルバー人材の活用について、水越委員のお話を聞いて協議事項に加えてはどうかと思ったのですが、いかがでしょうか。

水越委員

田中事務局長のお話を聞き整備自体は難しいと理解しましたが、整備が必要かどうかを判断することや、消費者に注意を促し、情報を提供することなどは可能ではないかと思います。

中村会長

この件に関しては、どう取りまとめるか工夫が必要だと思いますが、一つのアイデアだと思います。

事務局(商品安全係長)

専門店の団体である自転車商協同組合で、色々な安全向上に向けての活動内容を詳しく紹介していただきましたが、最も多く自転車を扱っている量販店やスーパーマーケットの協力を仰がないと小売商だけでは難しいと考えますが、いかがでしょうか。

小澤委員

客へのサービス機能を付加していく必要はあると考えます。水越委員の考え方に賛成です。

中村会長

幼児用ヘルメットに関しては次回のテーマとなりますが、他にご意見がありましたら直接事務局へお伝えください。

事務局(生活安全課長)

次回は、(1)自転車の安全性確保の(ア)安全基準適合製品のシェア拡大の仕組み作り、(イ)輸入自転車に対する安全性確保、(ウ)自転車の整備技術の確保、(エ)業界による危害情報の収集、安全情報の提供、(オ)優良販売店制度の創設について、報告(案)のたたき台をまとめ、提示したい。また(2)自転車用幼児ヘルメットの安全確保について検討をお願いしたい。

ー了ー

お問い合わせ先

東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当

電話番号:03-5388-3055