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トップページ > 商品安全 > 東京都商品等安全対策協議会 > レーザー脱毛機の安全性について > 第2回 「レーザー脱毛機の安全性について」 議事要録

更新日:2013年3月21日

第2回 「レーザー脱毛機の安全性について」 議事要録

【日時】平成15年12月24日(水)10時~12時
【場所】都庁第一本庁舎42階(北側)特別会議室C

中村座長

前回、各委員の皆さんに問題意識・その他を提出してもらうようお願いしましたが、速やかに多くの意見をいただき、それを事務局でまとめたので、今日の議事(1)「家庭用レーザー脱毛機の安全性について」として検討することになりました。

では、その関連資料の説明を事務局からお願いします。

事 務 局

安全問題協議会委員提案一覧について説明

家庭用レーザー脱毛機の現状調査結果について説明

中村座長

菊地委員より資料が出ていますので、説明をお願いします。

菊地委員

現在、獣医師の中でも、レーザー装置を使う人が多いということで、獣医師向けの雑誌にレーザー手術装置について連載しました。

レーザー装置についての概要を説明

現在、レーザーの出力に関するよりどころは、国内では「レーザー安全規格(JIS C6802)」になるが、これは工業用を中心として定めたものである。

医療用のレーザーは、あくまで「医師の監督のもとに行う」ということと、「レーザーを使って人体に作用させる」ということなので、安全を十分確保すると治療効果も出ないだろうという視点で、JIS基準から除かれているのが現状である。

エステサロン用を含め、家庭用レーザー脱毛機などについては、「JIS C6802」そのものが該当するかどうか、というところから議論する必要がある。

レーザー使用上で、最も注意を喚起しているのは「眼に対する安全」というところである。

「遠赤外レーザー」のような水に吸収されるレーザーは、眼房水等に吸収されることにより、網膜までは達しないため失明まではいかないが、角膜を損傷する恐れがある。それに対し「可視・近赤外レーザー」は水に吸収されず、網膜を焼いてしまい、失明する危険性がある。

眼というのは、周りを暗くすると瞳孔が開き大きくなるため、医療でレーザーを使用するときは部屋を明るくして行う。

一番恐いのは、まばたきよりも速い時間に、可視光が何度も眼に放射されること。まばたきをしないまま、長時間当てられる可能性もあるので、十分に注意しなければならない。

工業用レーザーについては、とても細かく、タイトに安全基準に基づいて規制されているが、家庭用脱毛機の場合は危惧を感じる。

【説明】「資料:美容脱毛レーザーライト理論安全講習会テキスト」

「美容機器安全普及会」というNPOが定期的に講習会を開き、エステティシャンの教育を行っている。資料は、その講義をするときのテキストだが、エステティシャンには大変難しい内容になっている。

德重委員

メーカーの取扱説明書などの資料を見ると、家庭用脱毛機は「脱毛機」とは呼べないように思える。消費者の立場から、「脱毛機」なのか「減毛機」なのか判断しかねる。

取扱説明書の内容についても、根拠がなく、どこまで本当なのか疑問である。

クリニックでも危害が出るようなものを、家庭で行う危険性について、業者はどのように考えているのか。

中村座長

公正取引委員会には、聞き取り調査は行っていないのですか。

事 務 局

はい。メーカーには、能力等を問い合わせます。

德重委員

「消費生活用製品安全法」の適用について、以前レーザーポインタについての会議に出ていた時「レーザーポインタの緊急性ということがあったので、レーザー脱毛機は特定製品指定から外れた」という話を聞いた。

事 務 局(部長)

「脱毛」という表示がどうか、また、その他表示上に問題があることは認識しているが、それに対しての取扱いは、まだはっきりしていないのが現状である。

菊地委員

家庭用レーザー脱毛機は危険性も少ないが、効果も少ないといった製品ではないか。

医療用具の認可に関しても、効果が確定されていなくても、副作用が無く、患者の精神的メリット等があれば、医療用具として認めてもよいのではないかという話もある。

ここで議論するときに、「副作用も無いが効果も望めない」と消費者のほうで自然に評価が下って淘汰されていくのを待つのか、それとも積極的に行政として発言をしていくのか、事務局の考え方の基本を教えてほしい。

事 務 局(部長)

まず、消費者に対する危害、危険に関しては、当然排除するということが1点。

効果が無いということであれば、消費者の誤認、また誇大表示の問題などが出てくる。今後、公正取引委員会に相談するなどの対応が必要であると思う。

漆畑委員

こういった機器が売れてくると、多くのメーカーが販売し始めてくると思うが、一番大切なのは、危害が発生してからの対応ではなくて、危害が発生する前の予防である。

販売に関する資料またはコメントがあれば、浦委員からお願いしたい。

浦 委 員

レーザーライト研究会では、業務用(クラス3B以上のもの)のみを対象として考えていたが、前回の協議会で家庭用機器の問題を改めて認識し、早急に検討を進めることとした。現在、機器の現物、資料を収集しており、製品及び取扱説明書の検証を行った上で報告したいと思う。

今は特定のメーカーが販売しているが、事故が起こる前に、何らかの基準を検討したいと考えている。

消費生活製品安全法では、特定品目に指定されていればそれなりの規制があるが、指定されていない製品については表示の表現も非常にあいまいで、規制が無い。現状では、出力表示に関しても、電源のW(ワット)のことを言っているのか、レーザー出力のことを言っているのか判らない。

事 務 局

家庭用レーザー脱毛機の表示(取扱説明書)等の問題点について説明

中村座長

ここまでで、何か質問等ありますか。

菊地委員

W(ワット)という表現では、出力なのか機器自体の電気量なのか判らない。表示としては「フルエンス」(単位面積あたりのエネルギー密度)を使ったほうがよい。

浦 委 員

今、お話があったとおり「出力」よりも「フルエンス表示」をするべき。Wは仕事量の値ではないので、脱毛時の表現としては適正ではない。

井上委員

「永久脱毛」との表示の問題があるが、まず「永久脱毛」という言葉について共通認識を持たなくてはならない。

「永久脱毛と書かなければよい」という考え方は危険。例えば「減毛」とか「除毛」という表現ならよいということにすると、毛根を破壊はしないが、脱毛はするのだろうと思ってしまう。これでは言い訳にならないのではないか。

医療用レーザー機器でさえ、何度も照射することによって、やっと「永久脱毛状態」にさせることができる機器があるということである。エステサロンにおいても同様の状況である。

家庭用機器は「減毛」や「除毛」であっても、危険性を考え、販売を規制すべきではないか。

中村座長

前回から今回の話し合いの中で「家庭用については販売させるべきではない」という意見もありました。そこまで踏み込むかどうかは、もっと議論が必要かと思いますが、すでに出回っているという状況で、リコールをさせるだけの危害や問題が出ているかが一番引っかかるところです。

私個人の意見としては、製品に関係した事故は、調べればまだあるのではないかと思う。製品自体が出回ってまだ日が浅いので、危害があまり発生していないだけかもしれない。また、眼の危害に関する問い合わせについても、事例がないとのことだが、医者の中でも「レーザーによる失明」ということを視点にして研究している方は少ないのではないか。

漆畑委員

眼科学会の事務局に問い合わせても、恐らく危害・事故事例は出てこない。

安全装置については、あくまで大人向けの装置で、乳幼児にはやはり危険。こういうことも安全対策に盛り込むべきである。

「安全=効果なし」という問題も今後増えていくだろうと思う。そのためには臨床試験を行うことが必要である。

菊地委員

レーザー医学会の中でも、まだ眼に対する危害については確認されていない。レーザーを扱うプロが危害にあった例はあるが、一般消費者の危害報告は聞いたことがない。

危険性があるからといって販売を中止させることは難しい。包丁が危険なのと同じで、レーザー脱毛機がどういう位置づけの製品と捉えるのかが問題。

中村座長

国や関係機関への要望について、委員の皆さんの考え方を伺いたいと思います。

秋元委員

家庭用レーザー脱毛機については、メーカー側の言っている内容からも、やはり効果がないような気がする。

德重委員が言うように、どうしても「脱毛機」という言葉が引っかかる。

電気屋を覗いたところ、「高周波&レーザー脱毛機」という製品があった。今回、家庭用レーザー脱毛機の話しをしているが、こういった混合機についても対応してほしい。

取扱説明書で、「手持ち化粧品との併用」とあるが、このような機器には附属で専用の化粧品等が付いている場合も多い。この場合、消費者はこの専用の化粧品を使わなければいけないのかと思ってしまう。もう少し消費者が判断しやすい方策はないか。

菊地委員

機器の効能に「美顔」(フォトフェイシャル)とあるが、高周波とレーザーの併用というのは、脱毛用というよりも、むしろ美顔用である。これに関しては、レーザー医学会でも大きな話題になったが、医師の間でも具体的な評価が定まっていない領域である。

高周波を使わず、レーザーだけで「美顔」というのは、ほとんど効果は望めない。誇大広告の疑いがある。

秋元委員が言っていたように、新しい機能(高周波)を付けた製品が、現実に販売されていることについて慎重に対応していかないと、今後ますますエスカレートして、危険性が増える、あるいは誇大広告の問題が出てくる可能性がある。

浦 委 員

「美顔」まで話を広げてしまうと、焦点がずれてしまうので、まずは「家庭用レーザー脱毛」から進めていったほうがよいのではないか。

德重委員

消費者側からみると、フェイシャルによる危険も放ってはおけない。

消費者相談を受けていて、消費者に「脱毛」=「永久」というイメージが刷り込まれている感じがする。

消費者が「脱毛」に対してどういうイメージを持っているのか知りたい。これをテーマにリスクコミュニケーションにかけてみてはどうか。

浦 委 員

「家庭用レーザー美容機器」というカテゴリーで括ってみてはどうか。

中村座長

今、実際に市販されているものが誤解を招く書き方をしていて、「レーザー脱毛機」として売られているのに、「美顔」についてもしっかり書かれていて、「シミをとる」等の内容も入っている。

浦 委 員

「脱毛」という表現については、業界では「永久脱毛ではない」ということで進めていくべきだと思っている。それをメーカー側が広告、または取扱説明書に明記して、誤解を招かないようにするべき。

表現を「減毛」にするのか「除毛」にするのかという議論については、統一したほうがよい。

中村座長

国、業者等への指導・要望については、各委員のほうで、盛り込みたい内容、その他意見を書き加えていただき、事務局に送ってください。その上で、次回取りまとめをしたいと思います。

次のリスクコミュニケーションのテーマ案として、適当なものがありましたらお願いします。

秋元委員

「永久脱毛についてどう思っているか」としたほうがよい。

中村座長

今後のスケジュールについて事務局から提案をお願いします。

事 務 局(部長)

今回で「家庭用機器」についてはある程度まとまることを前提に考えていたが、まとまりきらなかったので、次回も引き続き「家庭用機器」でいきたいと思う。また、次回までに、今出回っている家庭用機器を購入し、それぞれ安全性、表示について調査したいと思っている。

中村座長

これまでの流れをみて、私もそのほうがよいと思います。

井上委員

エステ業界にて"適"マーク導入について説明

漆畑委員

できれば、次回までに事務局で家庭用機器をそろえ、出力等を事前に調査できないか。

事 務 局

次回までに購入可能な機器は購入します。試験については、都では困難だと思うが、短期間で行える機関があるか調査する。

漆畑委員

次回、その機器を使って委員の間で実験してみてはどうか。

中村座長

では、これで第2回協議会を閉会いたします。ありがとうございました。

-了-

お問い合わせ先

東京都生活文化スポーツ局消費生活部生活安全課商品安全担当

電話番号:03-5388-3055